フルメタル・パニック!TSR_TV09
Scene09「彼女の問題」
現在、手元に「フルメタル・パニック!TSR ActIII.Scene01+α」のDVD初回限定版が届いています。PSPで見られるUMDがついており、画質もなかなか。
PSPは自分でメモリースティックに動画を格納、閲覧できるのですが、その映像よりも帯域が広く、ブロックノイズも発生せず、綺麗でしたよ。
さて、今回は「千鳥かなめ」側のScene07「とりのこされて」の続きといった感じです。
深夜、一人自室にこもり膝を抱えている「かなめ」。彼女は物音に怯え、満足に寝ることもできません。
その理由は2つ。「夏玉蘭(シャ・ユイラン)」に狙われていること。そして、ボディガード「相良宗介」が「かなめ」の前から姿を消したこと。
翌朝、寝不足と精神的疲労から顔色が悪い「かなめ」は、かばんを両手で抱えながら周囲に視線をくばり、なんとか学校へ登校します。
※挙動不審過ぎます。周りからも「怪しい人」扱いの視線を浴びていますし、「常盤恭子」もびっくりです。・・・ヒロインなのに。(^^;)。
「2年4組の千鳥かなめさん、職員室まで来てください・・・」
そんな彼女を呼びかける校内放送。その理由は「宗介」が送付した「退学届」。「神楽坂先生」も流石に心配そうです。
「・・・千鳥さん、何か心当たりはない?・・・明日までに連絡がなかったら、これを校長先生に受理してもらわなくてはいけないのよ・・・」
※「喧嘩でもしているの?」という問いに対する「いいえ」という声だけが心持ち強いですね。
「・・・あいつはもういない。誰かがあんたを狙ってきても、あいつは助けに来てくれないのよ。あたしが見張られていることは間違いない。対策を考えなくっちゃ・・・。しっかりしろ、あんたは塔のてっぺんでため息をつくだけのお姫様じゃないんだから」
自分へ向き合い、とりあえずの気持ちの整理をつけた「かなめ」は、まず情報の収集へと乗り出します。※「戦うヒロイン」の面目躍如です。
つけられているであろう尾行を見つけるため、いつもと違う通路を使い、電車を乗り継ぎ、裏口を抜ける、などの行動を取る「かなめ」。しかし、やはり相手はプロ。なかなか尻尾を見せません。
「やっぱり、気のせいかな・・・ぁっ!」
小雨が降り始める中、雨避けに腰掛けた路地裏にて「かなめ」は「盗聴・盗撮を見つけます」という張り紙を目にします。そう、身につけている衣服、持ち歩くかばんに発信器や盗聴器がつけられているかもしれない。
その時、一人の酔っぱらいのオヤジが彼女に声をかけてきます。ご飯でも食べようと誘うオヤジを相手にしない「かなめ」でしたが、ここで、ひとつのアイデアを思いつきます。
「・・・おじさん、あたしとホテル行く?」
※お、俺がオヤジでも断れないかも・・・でも、相手は高校の制服着ているからなぁ・・・(>_<)。
ついた場所はラブホテル「トレビノ館」。もちろんソレが目的ではない「みずき」・・・もとい「かなめ」は周囲を見渡し、部屋まで指定しての入場。※「みずき」って「稲葉瑞樹」だろうなぁ。
ハッスルしたオヤジにさっそく押し倒され、くんくん(笑 されてしまいますが、「宗介」に借りていたスタンガンでなんとか難を逃れ、いよいよ本題へ。
衣服を脱ぎ、パンツ一枚になった「かなめ」はホテルのローブを羽織い、拳銃タイプのスタンガンを用意して、気合いを入れ直します。
そして、取った行動はなんと果敢にも窓から屋外への脱出。途中、2階から落ちて打撲するものの、当初の予定通り、見晴らしの良いビルの屋上へと向かう「かなめ」。
「・・・ここだ。ここからなら周りの様子が見渡せる・・・誰かがいるなら、きっと・・・」
屋上まで非常階段から階段を登った「かなめ」の目には、1人の怪しげな中年風の男「レイス」の後ろ姿が見えました。
※この推理力、そして行動力。見事です。数々のトラブルから学んだ経験と、持って産まれた「ウィスパード」の力によるものでしょうか。
慎重に、一歩ずつ近づき、スタンガンを構える「かなめ」。ここが勝負のしどころです。
「・・・動かないで。武器で狙っているわよ。両手をあげて、こっちを向きなさい」
振り返った「レイス」は、何か機械を通しているかのように不鮮明な声で答えました。
「なんだ、発信器に気がついたのか。・・・いささか侮っていたようだな。・・・それよりもまず、ここ数日、私の他にも追跡者の気配が・・・」
それはまさに一瞬のことでした。「ミスリル」所属を名乗る「レイス」に対して、武器の破棄を求めた「かなめ」の怒声が響く中、肩を、そして顔面を狙撃され、倒れる「レイス」。
あぜんとする「かなめ」の前に狙撃手の正体が、そう、あの時、自分に恐怖を与えた女性「ユイラン」が登場します。
「・・・千鳥かなめね」
確認もそこそこに、サイレンサー付の銃で「かなめ」を撃つ「ユイラン」。いくばくかの幸運に助けられ、なんとかその場を離れますが、「ユイラン」は執拗に彼女を狙ってきます。
まずは銃で、そして、弾数がなくなった後は刃渡りが50センチはあろうかというナイフで攻撃してくる「ユイラン」に追いつめられていく「かなめ」。
ビルからビルへと移動し、屋上を逃げまどう「かなめ」でしたが、その前にはカギのかかった扉が立ちふさがります。近づいてくる足音に、ここで「かなめ」は思い切った行動を取ります。
※「メリッサ・マオ曹長」と互角以上に戦闘を行える「ユイラン」に対しているのですから、幸運もあるとはいえ「かなめ」がここまで生き延びていることに拍手です。
トタンで隠したわずかなスペースに身を潜めスタンガンを構える「かなめ」でしたが、ローブの端が顔を覗かせているのに気がついていません。ゆっくりと、ゆっくりと近づく「ユイラン」は、左手に構えたナイフを掲げ、トタンと一緒に一気に切り裂きます!
空中に散るローブとトタン・・・しかし、その目には、悲鳴を上げるはずの「かなめ」本人の肉体は映りませんでした。
なんと、屋上へ上る階段の出口、その屋根に全裸で潜んでいた「かなめ」。しっかりとスタンガンで「ユイラン」を狙いますが、その心を恐怖が、迷いが支配しようとします。
「ちゃんと動く?当たる?もしかして、罠?気づかれている?何か仕掛けてあるとか・・・殺される?命乞いした方がいい?向こうはプロ、勝てない、勝てっこない・・・無理、きっと無理・・・」
ここで彼女を救ったのは、あの男、「宗介」が普段言っていた言葉でした。
「・・・獲物を前に舌なめずりは、三流のすることだ」
「宗介」の顔が浮かんだ瞬間、スタンガンの引き金を引いた「かなめ」。高圧電流を発生させる端子が、雨に濡れた「ユイラン」の衣服へと突き刺さります。
「あぁっ」
仰向けに倒れる「ユイラン」。なんとか、彼女から逃れることができた「かなめ」はボロボロになったローブの切れ端を身に纏い、一息つこうとします。
※実に丁寧に「かなめ」の身体が描かれていますねぇ・・・緊張感のため、エッチ度は低いですが、あられもない姿をさらしています。(^^;)。
「どうやら、君の勝ちのようだね」
かけられた声に驚く「かなめ」。先ほどまで姿が見えなかった場所へ3人の姿が見えます。そして、声をかけたのは両端の大男に守られるように立っている、一人の優男でした。
「世の中には2種類の女性がいる。雨が似合う人と、そうでない人・・・君は間違いなく前者だね」
軽口を叩く男に、「あなたは誰?」と問う「かなめ」。その問いに男は傘をずらし、顔を見せながら答えます。
「・・・ご同類だよ。君を助けに来た・・・と言いたいところだけれど、実はそうではない。座視しても良かったし、手を貸しても良かった。いずれにしても結果は変わらなかったのかもしれないけど」
銀色の髪、そして瞳の色・・・彼は、「かなめ」がよく知る人物「テレサ・テスタロッサ」と非常に似通っていました。
「かなめ」の疑問には答えず、男は未だ仰向けに倒れている「ユイラン」へと声をかけます。
「起きなよ、ユイラン。・・・もう気がついているのだろう?・・・彼女は君のかなう相手ではないよ。諦めることだ。組織の意向を無視したことについては僕が弁護してあげよう。香港で暴れているお姉さんを君が説得して欲しい」
※そう、この男は「アマルガム」なんですよね。前回も「ゲイツ」と話していましたし。
「私たちが、従うと思う?・・・復讐は、先生が望んだことよ。私は生きている限り、その女を狙うわ」
交渉に応じない「ユイラン」に対して、瞳をふせたままで別れの言葉をかける男。
「死ぬのはお前だ・・・レナード・テスタロッサ!」
※「かなめ」はここで初めて「テッサ」の兄「レナード」のことを知るわけですな。
あっさりと投げナイフをかわした「レナード」。と同時に横に立つ大男が、その身体に見合わない俊敏さで「ユイラン」のナイフを腕で砕きます。
その時、露わになった大男の顔は、「人」のものではありませんでした。銀色の顔に赤いモノアイを持つ大男、「ユイラン」の体術も効かない大男は彼女の動きを止めると機械的な音声で「レナード」の指示を待ちます。
「対応A-1。確実にな・・・」
その言葉に「ラージャ」とだけ答え、「ユイラン」の首を確実に絞めていく大男。数秒の後、「ユイラン」の命は事切れました。
「対応A-1完了。指定の脅威は完全沈黙」
※亡くなっちゃいましたね・・・「ユイラン」。ここで退場するとはちょっと意外。美人薄命です・・・。(T_T)。
「ご苦労、待機してくれ。・・・Plan-1211 アラストル。世界最小のアームスレイブといったところかな。今の君ならわかると思うけれど、ASの自立行動は難しい。動力源や制御システムの小型化はずいぶん苦労したよ。で、今のが本当の僕の用件というわけだ」
※あの大男が今後登場したときには「アラストル」と呼びましょう。それにしても、こんなマシンを作れるとは、流石に「レナード」も「ウィスパード」と言ったところでしょうか。
「殺す必要はなかったのでは」と問う「かなめ」に対して、「宗介」ほど人を殺していないと答える「レナード」。もちろん「かなめ」は「宗介」を弁護し「レナード」の今の行為とは違うと訴えますが、本質は変わらないと「レナード」は答えます。
「ずいぶんと彼の肩を持つんだね。好きなんだ・・・違う?本当に?・・・こっちを見てごらん」
その瞬間、唇を奪われてしまった「かなめ」。時間にして数秒ではありますが、それは紛れもないキス。
「お目覚めのキス・・・かな。君を好きになったから」
※「宗介」が見ていたら、平静を装うフリをするか、近づく前に銃で撃っているか。
帰ろうとする「レナード」に、「アラストル」が担いでいる「レイス」を返せと言う「かなめ」。
「私はその人に用があるの。・・・あなたが私にしたことは許してあげるから、その人は置いて行きなさい」
既に平手打ちでお返しはしていますが、「かなめ」の言葉に「レナード」はあっさりと「レイス」を返します。
ようやく脅威が消え、緊張の糸が切れたのか、その場に座り、号泣する「かなめ」。
「・・・宗介・・・どうして、ここにいないのよ・・・あんたがいないから、こんな・・・私・・・こんなのやだよ・・・そばにいてよ・・・問題ないって言ってよ・・・宗介・・・」
※泣き続ける「かなめ」をちょっと不思議そうに見つめる「レイス」。彼の監視下では、こんな表情は見せなかったことでしょう。・・・にしても「レイス」って、やっぱり変装していたのですね。すっごい分厚い変装用の皮膚の下に、本来の目が見えています。
数分間、泣き続けたあと「かなめ」はゆっくりと立ち上がり「レイス」のそばまで来ました。
「あんたさっき、死んだ方がマシだって言ったわね。もう少し悪あがきをしたらどう?・・・私はするわよ、これからもずっと」
強く、そして弱い。弱く、そして強い。今回は「かなめ」という女性の一面を見せて貰いました。これまで余り出番の無かった本シーズンですが、一気に挽回した感じです。人間的に一回り深く見えますね。
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