ガン×ソード_TV16
ep.XVI「輝くは電流火花」
昔、「X68000 XVI」というシャープのPCがありましたね。・・・いや、「ガン×ソード」には何の関係もないのですが。(^^;)。
ついに「鎧」同士の戦いで敗北した「ヴァン」。倒れ伏した「DANN of Thursday」に「ウー」が操縦する「metsa」が宣告します。
「・・・旧式ごときが私に傷を付ける・・・これもひとつの可能性か・・・。いいだろう、無意味に命を奪うのは、同志の思惑と反する。私は同志の煩いを除きさえすればよい。3日の猶予を与える。それまでにこの地から消えよ!・・・そして、二度と同志を追うな!」
駆けつけた「ウェンディ」が「あなたのパズルを持ってきたの」と呼びかけますが、「ヴァン」に返事無く。
そして、「ヴァン」を倒した「ウー」は意気揚々と自分の城へと引き返します。
「母上・・・お喜びください。私の大勝利です。あの方を邪魔しようとする輩をこてんぱんにやっつけてやりました。・・・ヴァンの奴、今頃尻尾を巻いて逃げ出していることでしょう。ウイリアムは使命を果たしたのです・・・」
そこへ聞こえてくる「鎧」が天に帰る音・・・それはすなわち、「DANN of Thursday」が傷を癒すために衛星軌道上のドックへと引き返したことを意味します。
「・・・母上、先ほどの報告をひとつだけ訂正を・・・しかしそれも三日後には、あなたの命日には解決します。この私が・・・」
※「metsa」につけられたという傷があまりにも小さいため、よくわかりませんでした。腕についていたのがそうなのかな。
なんとか「ウェンディ」によって救い出された「ヴァン」。しかし未だに意識がない彼を「ウェンディ」は必死で介抱します。・・・自分自身も、雪と寒さのため震えが来るのも構わずに介抱し続ける「ウェンディ」。
「・・・生きて・・・やがる・・・」
そして、「ウー」の悪夢にさいなまれつつも、ようやく目を覚ました「ヴァン」が見たものは、高熱を発してうずくまる「ウェンディ」でした。
「・・・気がついたの・・・ごめんね・・・私・・・うっかり寝ちゃって・・・」
「ウェンディ」の様子に慌てて医者を捜し回る「ヴァン」ですが、あたりに人の気配なし。代わりに時を告げる鐘の音が彼の耳へと聞こえてきます。
「すみません、何の神様か知りませんが、今すぐ薬と食べ物をありったけ・・・くそっ」
しかし、鐘突き堂に人はなく、あるのは巨大な鐘突きの仕掛けのみ。そしてその場所は「ウー」の城と真向かいの地にあったのです。
城へ立つ「metsa」の姿に怯える「ヴァン」・・・今まで感じたことのない恐怖がわき起こり、冷や汗が止まりません。怯える野生動物のように牙を剥き、周囲へその矛先を向ける「ヴァン」でしたが、それは単なる代償行為に過ぎないのでした。
※「ウー」と戦っていたときの余裕はどこへやら。初めての敗北が与えたダメージは相当大きいようです。
「寝てろ・・・まだあるだろう、熱・・・」
ようやく目を覚ました「ウェンディ」を優しく介抱する「ヴァン」。しかし、鐘の音がなるたびに彼は怯えます。
「誰もいない・・・なのになんで鳴っているんだ!・・・明後日・・・心配するな、なんとかする」
見たことのない「ヴァン」の様子に戸惑いながらも彼が忘れていた「パズル」を渡す「ウェンディ」。しかし、「ヴァン」は「別にたいしたものじゃない」と、あまり関心がない様子。
※時を告げる鐘の音・・・しかし、今伝えているのは「ヴァン」の残り火ということでしょうか。
食べ物を探しに外に出る「ヴァン」ですが、もとより無人の廃墟の町、そう簡単に見つけることもできず、壊れた「DANN of Thursday」では探すこともできません。
「・・・DANNを使って・・・さすがにまだ治りきっていないか・・・」
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「外装を壊したって?・・・明日の打ち上げまで待つのだな・・・自動で修復される」
蘇る記憶。過去の世界で「ガドヴェド」と「エレナ」は彼に「鎧」の全てを教えてくれました。
「・・・お前、もしあれを手に入れたら何をする?」
興味本位で問う「ガドヴェド」に思ったままの答えを伝える「ヴァン」
「さあな、走らせたり、変形させたり・・・」
「はあっはぁっはっ・・・まるでガキだな・・・それをやろう」
彼の答えに満足したわけではないでしょうが、「ガドヴェド」は「ヴァン」に「パズル」を渡しました。
「持っておけ・・・まあ、訓練みたいなものだ。・・・お前はガキだからな、半端に考えず、もっと邪念を除くようにしろ」
「バカになれ・・・と?」
「お前にはそのやり方が向いている・・・ヴァン、自分が死ぬかもしれないと、本気で思ったことはあるか?」
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「パズル」をくれた「ガドヴェド」の事を考えながら、「ヴァン」は再び、「パズル」を解くことに挑戦し始めます。
※「ガドヴェド」は亡くなってからの出番の方が多いですね。結構好きなキャラだったので嬉しい限りですが。(^^;)。
一方、勝利の余韻に浸っている「ウー」が思うことは、もはや肖像画しか残されていない彼の母親のこと。
「・・・母上・・・私は今日まであなたを求めてきた・・・あなたの声を、笑顔を、ぬくもりを・・・しかし、あなたは!・・・あの方が羨ましかった・・・あなたにそれほど慕われるあの方が、殺してやりたいほどに羨ましかった・・・だから私はあんなことを!」
親殺し。彼が抱えていた母への慕情、それは自らが犯してしまった罪と合わさり、彼の心に深い傷を残していました。意図したことではないとはいえ、自らの母親を刺し殺した記憶が、今の「ウー」に多大な影響を与えています。
「愚かだった・・・愛されるにはまず愛さなければならなかったんだ・・・あなたは、それを身をもって教えてくれたのに・・・私は!」
剣を持ち、肖像画を切り裂く「ウー」。その行為によって彼は心の中に存在し続ける母親と決別します。残されたよりどころは「カギ爪の男」のみ。
※「あの方」=若き日の「カギ爪の男」でしょうね。右腕が見えなかったですし・・・。まさか彼が父親ではないと思いますが、さて。
「悪いな、昨日と同じもので」
裏の森から果物を集めてきた「ヴァン」は、それを「ウェンディ」へと差し出します。未だ熱が下がらない彼女でしたが、心の中にひとつの疑問が湧き出ていました。
「・・・ねぇ、なんでこんなに優しいの?」
それに明確な回答を示すことができない「ヴァン」。そして聞こえてくる鐘の音は約束の日が間近に迫ってきたことを示します。
「metsa」との戦いを思い出しながら、狂ったように森の木々を切り裂く「ヴァン」。
「なんでだ・・・なんで・・・さっさとあそこに行って、あいつに斬りかかればいいだけじゃないか・・・俺はずっとそうやってきた・・・でないと・・・エレナの・・・」
※この時点で「ヴァン」は「ガドヴェド」の言葉を思い出していたのですから、理由はわかっていたはずです。・・・しかし、それを認めることができなかった。
「パズル」を解くために手を動かし続ける「ヴァン」。その耳に時を告げる鐘の音が響き渡ります。「・・・明日」。自分でつぶやいた言葉の意味を理解したとき「ヴァン」の取った行動は・・・。
「ウェンディ、起きろウェンディ・・・ここを出るぞ、今すぐだ!」
目を覚ました「ウェンディ」が怯えるほどの表情をしている「ヴァン」。明らかな言い訳の言葉を口にしながら「ヴァン」は「逃げる」準備を始めます。
「今ならあいつに見つからない・・・DANNの完全修復には時間がかかる・・・俺も本調子じゃない・・・戦いになればお前を巻き込むかもしれないし、大切なのは合流場所へ行くことだ・・・山を越えれば医者だって見つかる・・・ここで無駄な時間を潰している暇はない・・・そうだろう!?」
「ヴァン」の行動を見つめる「ウェンディ」。しばらくの沈黙のあと、彼女は「ヴァン」へ告げます。彼自身が言えない言葉を。
「・・・行って・・・私を置いて先に行って。・・・隠そうとしてもわかるわ・・・逃げるなら、ひとりで逃げて」
「ウェンディ」の言葉に、「ヴァン」はいかほどの衝撃を受けたのか・・・。
「俺は・・・産まれたときから一人だった。親が誰なのか、どうなったのか知らない。食べることだけ考えていて、それには金と力さえあれば良かった。世界は俺にとって単純にできていた。・・・エレナに会うまでは。・・・あいつにとって俺は単なる仕事仲間のはずだった・・・だがあいつは俺に・・・優しくしてくれたんだ。手を握ってくれたんだ。俺はそれまでの自分が非道く・・・惨めに思えて。俺はあいつが俺を変えてくれると思った。そのお陰でガドヴェドとも・・・俺はエレナが、あいつが好きだった。・・・本当に好きだった。・・・俺はあいつを守れなかった。やっと見つけた一番・・・大切な・・・俺は何もできない!生きているだけだ・・・DANNに乗るために改造までして・・・」
独白を続ける「ヴァン」を見つめる「ウェンディ」。彼女の目に、彼はどのように映っているのか。
「・・・でもダメだ・・・逃げ回るだけだ!・・・それしかないだろう、でもそれの何が悪い、生きているだけで何が悪い!・・・これ以上俺に何をしろというんだ・・・俺に・・・」
ついに見ていられなくなった「ウェンディ」は「ヴァン」から目を背けます。
「逃げて・・・どこかへ逃げて・・・ここでお別れしましょう。心配しないで、誰もあなたを責めないから・・・」
しかし、彼女は決心しました。決心していました。「もう逃げない」と今度はしっかりと「ヴァン」を見つめて宣言する「ウェンディ」。
「でも私は行くわ!・・・途中で倒れても前に行きたい・・・指一本でも兄さんに近づいて、自分で決めた道を確かめたいの・・・ヴァン、あなたが教えてくれたのよ!」
※「ウェンディ」。兄「ミハエル」との別れから立ち直ったと思えば、それどころではない成長をしていたんですね。なんとも凛々しいです。(^_^)。
一人道を行く「ヴァン」。彼は「ウェンディ」の言葉通り「逃げた」のか。
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「ヴァン、どうしたの?少しは嬉しそうにしなさいよ」
「エレナ」が「DANN of Thursday」テスト続行を告げたとき、「ヴァン」は「こいつには飽きた」と返します。しかし、彼女にはわかっていました。
「・・・また、嘘ばっかり。・・・隠そうとしてもわかるわ。もう一度DANNに乗れるのが楽しいんでしょう?・・・あなたって、ちょっと親しくなると心を隠そうとするわね。もう少し正直になってみたら・・・きっと何かが変わるはずよ」
その指摘に帽子で顔を隠す「ヴァン」。彼はうそぶきます。彼女の言うとおり心を隠します。
「今更・・・なにも変わりはしない」
その言葉を聞いた「エレナ」の取った行動は、彼の手を握ることでした。
「じゃあ私が・・・手伝ってあげる」
※ようやく「エレナ」のひととなりが出てきたように思えます。恥ずかしい言葉かもしれませんが、彼女の「愛」がそこに見えるようです。(^^;)。
ずっと「パズル」を動かし続ける「ヴァン」。人気のない場所で彼は独白していました。心の中に生き続ける彼女へと。
「エレナ・・・俺は死にたくないらしい。ウェンディにも言われたよ。俺は・・・逃げる・・・敵討ちはお終いだ・・・お前とも・・・ああ、でも今の俺は・・・お前が手伝ってくれたお陰なんだよな・・・お前はもう俺の中にしか居ない・・・俺と一緒に・・・一緒・・・なら・・・」
その時、ついに「パズル」は解けました。これは偶然でしょうか・・・いいえ、偶然でもなければ奇跡でもない、これは必然だったのです。
「ん・・・あぁ・・・あぁ!・・・あぁつ、あっ、あっ・・・エレナ・・・愛している・・・お前に夢中だ・・・エレナァ!」
3日目を告げる鐘の音が響き渡り朝の日差しが彼と「パズル」を照らす中、叫び続ける「ヴァン」。そして天頂より降りたる「DANN of Thursday」。
※この喜びよう。まさに「ガキ」です。「ガドヴェド」さん、あなたの見立ては正しかったですよ。(^_^)。
「metsa」に負け、「ウー」に負け、只の『「最強の鎧」乗り』に成り下がった「ヴァン」。彼が『最強の「鎧乗り」』に戻れるのか。運命の闘いが今始まりました。
「・・・確認する。そのまま去るなら良し・・・しかし敵対するつもりなら我がmetsaで、この大地から消し去ってくれる」
「ウー」に帰ってきたのは力強い「ヴァン」の言葉。そこには3日前に負けた男の姿はありませんでした。
「ああ・・・好きにしな。切りたければ切れ、殺したければ殺せ!・・・だがなぁ・・・お前には無理だ、誰にもできない。俺とエレナを離すことだけは!」
先制攻撃は「metsa」。遠距離からの「付加装備」による金色の光は着実に「DANN」を捕らえます。激しい爆発があたりを揺らしますが・・・心配して見守る「ウェンディ」、勝利を確信した「ウー」をよそに、傷ひとつ負わず立ちつくす「DANN」。
「これだぁ!・・・わかった・・・操ろうと思いすぎてはいけない・・・プリシラのあれみたいなことは・・・考えるなってそういうことかガドヴェド!・・・俺はDANNだ・・・そうか、そういうことか」
かねてよりの懸案事項「感覚」をついに理解した「ヴァン」。「ウー」曰く「電磁シールド」を会得した「ヴァン」にもはや遠距離攻撃は通用しません。近距離による剣の斬り合いへと変化した戦闘も、以前とは異なり互角以上の腕を見せる「DANN」。
「わずかの3日の間に、何があった!」
「愛・・・かな」
※うわっ・・・臆面もなく、あの「ヴァン」が・・・。(^^;)。
「ウー」にとっての聖域、城の頂上にて居合いの構えを見せる「DANN」。どかしたいのなら力ずくでどかせという「ヴァン」の言葉に「ウー」は特攻しそのレイピアの切っ先を「DANN」の身体へと突き刺します。
「まだだ・・・お前の全身を串刺しにして・・・ま、まさか・・・」
そう、それは「ヴァン」の作戦でした。
「悪いな・・・捕まえるのが面倒くさかったんだよ」
「肉を切らせて骨を断つ」その言葉通り相手の剣先を身体のうちに捕らえたまま、上段に構えた剣を一気に振り下ろす「DANN」。肩口を裂いた剣先は「metsa」の全身を切り裂くまではいきません。
「・・・まだ、この程度で我が愛は切れぬ・・・そのために捨てたのだ・・・母を・・・あの方のために!」
「ウー」の言葉を聞き、勝利を確信した「ヴァン」は一気に勝負を決めに行きます。
「じゃあ無理だ・・・捨てる奴には俺を止められない・・・てぃやぁっ!」
愛を捨てて得た力より、愛を抱えて乗り越える力こそが強い。「metsa」より吹き出した青い血はそのことを証明するかのように彼の命を削り取ります。
※二面性が面白いキャラクターでしたが、ここに没しました。「ガドヴェド」とは異なり、今後は出てくることもあまりないでしょう。
「同志・・・ウー様の・・・生体反応が消えました」
「metsa」の爆発、そして生体反応の消失は「ウー」の敗北を意味します。苦渋の報告を行う部下と見守る「ミハエル」に意外なほどあっさりと返事をする「カギ爪の男」。
「そうですか・・・心配入りませんよ。血液のストックはあります。それより足止めしてくれたウーくんには感謝しましょう」
そして一方、まだ熱の下がらない「ウェンディ」を背中に抱え、「ヴァン」達の旅は続きます。
すでに解き終えた「パズル」を「ウェンディ」へとプレゼントする「ヴァン」。代わりにあの夜のことは「夢」にしてくれと頼みます。「ウェンディ」は「パズル」を元に戻して良いかと尋ねますが、「ヴァン」はそれよりも「カメオ」の代わりに首から提げてはどうかと提案します。提案の理由は・・・。
「・・・前から言おうと思っていたんだが・・・俺、亀苦手なんだ・・・すみません」
※やはり「ヴァン」も、あのときの醜態は「夢」にしておきたいでしょうね。(^^;)。
前回と合わせて面白かった前後編でしたが、唯一「ウー」の強さが今ひとつ感じられなかったのが残念なところでした。彼の人間性を表すのに、あまりにも内面を視聴者に見せてしまったのが原因かなと思います。もっとも「ヴァン」にはその一面はほとんど見えていないわけで、彼にとっては「強敵」だったことは間違いないでしょうが。
Turn in next time for more action and adventure! Are you ready?
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