うえきの法則_TV39
第39話「閉ざされた心の法則」
「佐野清一郎」がレベル2へとパワーアップ!一気に戦力増強に成功した「植木チーム」。あとは10点の「マリリン」を倒せば完勝か!?
完全にKOかと思われた「マシュー」。しかし、流石に鍛え方が違うのか、かろうじて意識は保っていました。「仲間のために」戦う「植木チーム」をバカにしていた「マシュー」。しかし、戦いを楽しんできた自分が、本当に楽しみだったこと・・・それが「マリリン」の笑顔を見ることだったと思いだし、自分も「植木チーム」と同じだと、自虐の笑みを浮かべます。
『そういやぁ・・・あの頃みたいに笑ったマリリンの顔・・・しばらく見てねぇな。・・・結局あいつの閉じちまった心の扉を開いてやれなかったってわけか・・・。また見てえな・・・あいつの・・・笑った・・・顔・・・』
笑みを浮かべたまま気絶した「マシュー」を不思議がる「佐野」でしたが、勝ちは勝ち。1点ゲット!と喜び、得点経過を「優しいゴースト」に尋ねようとしますが返答がありません。なんでも現在、待遇改善、給料向上のためのストライキ中だとか。
「・・・今後、得点は各自が勝手に判断してくれ。・・・以上」
※ここに来て新たな情報。今の「マリリン」は心が閉じた状態!?。バトル中に開く事ができるのは「植木耕助」しかいない!・・・ない!・・・ない!
「・・・さあ、私を本気で戦わせてください。私に生きているという充実感をください。・・・植木さんはタフですのね。普通の方ならとっくに倒れているはずですのに。・・・なんて戦いがいのあるお方」
「マリリン」の言葉に立ち上がる「植木」。五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」を利用して壁を崩し、彼女を瓦礫の下敷きにしようとしますが、「1秒を10秒に変える能力」を持つ「マリリン」。スローモーに見える瓦礫を歩いて避け、逆に「植木」にきつい一発!
・・・ならば六つ星の神器「電光石火(ライカ)」のスピードで翻弄させようとする「植木」ですが、これもNG。加速装置の「ライカ」に対して自在に方向転換可能な「マリリン」の能力。あっさりと追いつかれて激しいタックルを浴びせられます。
・・・それでも「ライカ」+「八つ星神器「波花」」による高速移動中の攻撃を思いついた「植木」。ついに「マリリン」に(軽い)一撃! 避けづらく、近づきづらい「植木」の攻撃アイデアに感心する「マリリン」ですが、やはり今の状況を覆すまでには至らず、徐々に「植木」に近づいて一撃!
「・・・仲間を・・・助けに行くんだ・・・」
幾度となく倒れながらも仲間のために立ち上がる「植木」。彼もただ攻撃を受け続けてきたわけではありません。まるで「戦闘コンピュータ」のような動きを見せる「マリリン」だからこその弱点(特徴)を、バトル中についに見つけます。
『・・・限定条件のせいか、こいつは武器を使わない。・・・攻撃をするのはマリリン自身、そこに隙があるはず。・・・子供のころからの訓練のたまものか、戦闘マニュアル通りに寸分違わず攻撃をくりだすマリリン。・・・だがそのせいで、攻撃の時のクセまで全部一緒にトレースしてしまっている。・・・正面からの一撃目、右正拳突きの時・・・飛び出す瞬間に右足で地面を踏みならすこと』
※戦闘コンピュータに対して戦うには、コンピュータを狂わせること・・・。これはかの「キン肉マン」の戦法ですが、現代の「植木」が選択したのは、クセを見破り、そこに活路を見いだす戦法。彼自身が卓越した戦術を持っていることの証明ですね。(^_^)。
蹴られ、殴られ、ぶっ飛ばされ・・・唯一反撃の時を待ち、じっと耐える「植木」。「マリリン」渾身の一撃を喰らっても、彼は気絶することなく立ち上がってきます。
「辛い思いをしているのは、俺じゃねぇ・・・仲間が辛い思いをしているんだよ。・・・助けに行かなくちゃ・・・俺が・・・助けて・・・」
「植木」が立ち上がる姿を驚愕の眼差しで見やる「マリリン」。彼女は突如、左手で頭を押さえます。頭によぎるのは幼き日の「マシュー」、「メモリー」達。彼らは軍服に身を包みながらも、笑顔で「マリリン」に手を伸ばしていました。
「また・・・立ち上がって来られますのね。・・・楽しいですわ」
なぜか一瞬、苦しい表情を浮かべた「マリリン」。しかし、その表情はすぐに戦いを楽しむ表情へと戻ります。そして正面で向き合った彼女は、ついに右足で地面を踏みならしました。
「ライカァッ!」
ジャストタイミング。千載一遇の時を迎え、「ライカ」で突っ込む「植木」。もう「マリリン」も避けようがない、カウンターで決まるかに思われた一撃。その左拳の向こうから見えた「マリリン」の表情は・・・涙。・・・「植木」の拳が、止まりました。
「うふふっ・・・楽しいですわ。・・・戦いは私の生き甲斐ですもの」
壁に吹き飛ばされた「植木」。見上げる「マリリン」の顔に、もう涙はありません。
「・・・マジ・・・かよ・・・それって。・・・お前、本当は戦いたくないんだな」
※「マシュー」の言葉、「マリリン」の苦しみ、過去の記憶、・・・そして「涙」。だんだんと材料が揃ってきました。彼女が戦いたくない理由。その解析は「植木」に任せましょう。
「・・・私が戦いたくないですって?・・・面白いことを仰いますのね」
「植木」の言葉を表情ひとつ動かさず、冷静に否定する「マリリン」。彼女の前を「植木」が立ち上がり、横切っていきます。
「どちらへ?」
尋ねる「マリリン」に「植木」は「森あい」を助けに行くと告げました。そして・・・。
「・・・俺は、戦いたくもねえのに、戦っている奴なんかとは戦わねぇ。・・・絶対に」
「マリリン」に背を向けて一歩、また一歩と離れていく「植木」。彼女の一撃で地面に叩きのめしても、後ろすら振り返らずに「植木」は起きあがり、歩いていきます。
「・・・なるほど。この程度の攻撃など、いくら喰らっても平気。戦うには値しないということですのね。・・・では私のレベル2で、あなた戦わざるを得なくして差し上げますわ」
目を見開き、体中から赤いオーラを発する「マリリン」。まさに燃え上がるほどのオーラを発した彼女の「レベル2」に、大気は脈動し凄まじい放電現象が巻き起こります。そして「植木」に背中に浴びせられる右アッパー!
「ぐはぁあぁぁあっ!」
空中を舞い、廃ビルの壁へと叩きつけられる「植木」。もう「レベル2」を解いたのか、涼しげな表情に戻った「マリリン」は落ちてきた彼に近づいていきます。
「どうです、今までの攻撃の比ではないでしょう?・・・これは私の身体能力を全て2倍にする能力。元のパンチ力が100kgなら、レベル2なら200kg・・・こればかりは抵抗せざるを得ないでしょう、植木さん」
『レベル2を使えるのは1日10分・・・これを使い切ってしまうと、私の身体から全エネルギーが奪われてしまうという諸刃の剣。・・・でもこれは、あなたが戦いたくなるまでのエサ・・・』
※「レベル2」としての限定条件というわけですね。「レベル1」の(恐らく)限定条件、武器を使わないとアンドされるのかな。
先ほどと同じ言葉を言い歩いて去っていく「植木」。
「まだ私と戦わないと言うのですかっ!」
普段の彼女からは予想もできないほどの怒号を発する「マリリン」。封印されてきた過去の記憶が、ゆっくりと彼女の心へと開かれていきます。
---
「戦いたくはありませんわ・・・お父様ぁっ!」
幼い日の自分。父の前にしゃがみ込み、泣き叫ぶ自分。・・・続いて浮かび上がる、軍服を着て笑いかける、気の良い大人達の映像。
---
『誰?・・・知っている人?・・・わからない。・・・イヤ、思い出したくないっ』
再び「レベル2」で攻撃するものの、やはり立ち上がる「植木」。その姿を見て、痛くなる頭を押さえる「マリリン」。フラッシュバックする過去の映像・・・。
---
「じゃあ、行ってくるぜ、マリリン」
幼き自分に向かい、戦場への出発を告げる軍服を着た大人。
「イヤよ・・・行っちゃイヤァ!」
わがままを言う子供を諭すように、笑顔を浮かべた大人は、彼女にひとつのことを約束します。
「ようし、こうしよう・・・俺らが帰ってくるまで、お前はうんと強くなるんだ。戦うことを恐れるな、お前が人並みに戦えるようになったら、帰ってくるからな」
「本当?・・・約束だよ」
---
「イヤッ!・・・なんでこんなことを思い出すの・・・思い出したくない。戦わなきゃ・・・戦い続けなきゃ・・・」
「植木」に「レベル2」を連発する「マリリン」。しかし、何度倒れても、そのたびに立ち上がる彼の姿に・・・幼き日、仲間の軍人達との約束として、強くなるために立ち上がり続けた自分の姿が重なります。蹴飛ばされても、殴られても、立ち上がり続けた自分の幼い姿。
---
「マリリン、またあの連中とやり合ったそうだな。・・・もう戦争が終わって1年も経つんだ。そんな訓練なんか・・・」
小さな手が痛むのも構わず、正拳突きの練習をひたすら続ける幼い「マリリン」
「いいえ、お父様。・・・私は、強くならなくてはいけないのです!・・・戦争が終わっても、みんなが帰ってこないのは・・・私がまだ強くなってないからですわ・・・だって私が強くなったら、みんなが帰ってくるって約束しましたもの・・・だから、もっと、もっと戦って強くならなきゃ・・・みんなが帰ってこられるように・・・ずっと、ずっと!」
しかし、少女が大人達を倒せるようになった時・・・仲間達は帰ってきませんでした。夜空を見上げ、涙を流す幼い「マリリン」。
『・・・きっと・・・死んじゃってなんか・・・いませんもの・・・』
---
「・・・本当は、気づいてました」
涙を流し、全身から炎と化したオーラを噴出させながら挑みかかってくる「マリリン」。パワーの制御もできないほど、取り乱した彼女。
「うわぁあぁああぁあっ・・・そうよ!・・・私は、戦いなんて大嫌いですわ!・・・でも、戦っていればみんな帰ってくるって・・・帰ってくるって言ったから!・・・途中で気がついていましたわ。・・・みんなが死んでしまったことくらい・・・でもそうやって戦うしかなかったのよ!・・・だって今更気づいたら・・・認めなくちゃいけないからっ!」
数十発もの拳が打ち込まれ、地面に倒れる「植木」。流れる涙を拭くこともなく「マリリン」は立ちつくします。
「・・・みんなの帰りを待って・・・戦いに費やしてきた10年間が・・・最初から何の意味もなかったなんて。・・・もっと早く気づけば良かった・・・でも、もう遅すぎますわ。・・・私にはもう・・・何一つ残って・・・」
少女の頃に見上げた夜空のように、ゆっくりとブラックアウトしていく青空。意識が遠くなり、その場へと倒れ込んだ・・・「マリリン」。
※辛い・・・少女が背負うには、あまりにも辛すぎる過去です。ううっ、非道いよぉ・・・・゚・(ノД`)・゚・。。
「植木」が起きあがった時、彼女はまだ倒れたままでした。そのまま「マリリン」を背負い、歩き続ける「植木」。
「俺は諦めねぇぞ。絶対に・・・森を助けるんだ。・・・だから、だからお前も諦めるな。・・・何一つ残ってないなんてことは・・・絶対にない」
---
廃ビルの屋上で対峙する「メモリー」と「森あい」。
「さぁ・・・そろそろ鬼ごっこは終わりよ。・・・覚悟しなさい」
追いつめたのは「メモリー」。しかし、後ずさりする「森あい」の頭に浮かぶのは、自らの能力のこと。
『・・・私、わかっちゃったかも・・・私の能力』
「うえきの法則」の感想を書く時には、いつも困ることがあります。それは、登場人物の言葉、思いを、どこまで残し、どこを削るか。・・・今回は特に、特に「マリリン」の言葉に困りました。見ているだけで彼女の思いが、苦しみが、その願いが、まさに痛いほど突き刺さってくるのです。結果は上記の通りですが、果たしてうまくいったのやら・・・。(^_^;)。
えっと、次回予告で記述がありましたが、次回の「うえきの法則」、東京地区での放送は「1月2日(月)あさ9時半から」です。忘れずにφ(..)メモメモ...
※テロップには「1月2日(日)」って書いてありましたが・・・2日は月曜日ですよね。(^_^)。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント