ARIA THE ANIMATION_TV11
第11話「その オレンジの日々を…」
真冬だからとはいえ、練習や観光業を休むわけにはいかない「ウンディーネ」。今日も白い息を見せながら、合同練習に励む「灯里」に「藍華」、「アリス」(+「アリア社長」)の3名+1匹。
粉雪舞い散るなかでの練習をようやく終えて「ARIA COMPANY」に帰宅すると、珍しく「晃」や「アテナ」が訪れていました。
「たまたま今日は3人とも予約がないってわかってね、久しぶりに会いましょうってなったの」
「三大妖精」が揃うことになった経緯を説明しながら、「アリシア」は「特製生クリームのせココア」を用意します。
「・・・いつも3人で練習しているの?」
質問を行った「アテナ」は「アリス」の「はい」という回答を聞いて、異様に震え出します。同じ会社の人間同士で練習しないから、怒っているのかと思えば、「晃」曰く「あれで笑っている」とのこと。
「私たちも、シングルの頃はいつも3人で練習していたのよね。それはもう毎日のように。・・・その頃の話、聞きたい?」
※というわけで、今日は「トリアス」・・・もとい「三大妖精」が「シングル」だった頃のお話。
それはまだ「晃」の髪が今の「アテナ」ほどの長さの頃でした。
「アリシア、大ピンチよ!・・・私たちの同世代で、凄い奴がオレンジぷらねっとにいるらしいわ。プリマに昇格するのも時間の問題だろうって。・・・きっと操舵術も接客もうまくって。・・・しかし、そんな奴がいたら、すぐにわかりそうなものだが・・・」
若手No.1を目指す「晃」にとって、「噂のシングル」は凄く気になる存在。・・・と、そこへふたりの乗るゴンドラにぶつかってきた「ウンディーネ」がひとり。最初はくってかかった「晃」でしたが、相手が「オレンジぷらねっと」の制服を来ているのをみとめた彼女はひとつの案を思いつきます。
『こいつなら噂のシングルについて知っているかも・・・』
---
「アリシアの奴が失礼をしました。あ、私は晃と言います。・・・お詫びといっては何ですが、たんと召し上がってください」
「・・・あ・・・すみません・・・」
このボーっとした少女、どこかで見覚えが・・・。そう彼女こそは若き日の(って今でも若いですが)「アテナ」。
「・・・ところで、つかぬ事を伺いますが、おたくの会社に何やら凄腕のシングルがいるっていう噂を聞いたんですが、その辺について何か知っていたら・・・」
ずばり本題に迫ろうとする「晃」に対して、若き日の(?)「アリア社長」で遊んでいる「アテナ」。
「・・・マイペースな奴だな」
「あらあら・・・」
---
「それ以来、自然とアテナちゃんも一緒に練習するようになって・・・」
※って、そんな理由からですか!?(^_^;)。
「それで、その噂のシングルさんには会えなかったんですか?」
「灯里」の言葉にニヤッとする「晃」。
---
きっかけはともかく、合同練習を行うようになった「アリシア」達3人。どうやら観光案内は「晃」のひとり勝ち、操舵術は「アリシア」が一歩抜きん出ている様子。一方の「アテナ」はというと・・・お客様を乗せる日は遠そうです。
※果たして「アテナ」は免許を持っているのか?・・・と、思わず心配してしまうほどのドジッ娘ぶり。(^_^;)。
「ようし、今日の練習はカンツォーネいってみよう!」
お客様の前で歌い上げるのも「ウンディーネ」の大切なお仕事。しかし、人前でいきなり歌うのはやはり恥ずかしいもの。ジャンケンで歌う順番を決めた結果、一番手は「アテナ」に決定。
「大丈夫か?・・・ちゃんと声を出せるのかアテナ?」
今までのこともあり、「晃」に心配される「アテナ」ですが、ひとたび歌い始めると辺りの空気が変わります。その伸びやかな歌声に驚く「アリシア」と「晃」、足を止める街の人々、窓からのぞき込む他の「ウンディーネ」達・・・。彼女の歌が終わった時、自然と周りから拍手や口笛が巻き起こります。
「・・・そうか、歌か!・・・お前が噂のシングルだったのか!」
【若き日の三大妖精】
アリシア:操舵術 ◎、観光案内 ○、カンツォーネ ×
晃:操舵術 ○、観光案内 ◎、カンツォーネ ×
アテナ:操舵術 ×、観光案内 ×、カンツォーネ ◎
※というわけで、シングル時代の彼女たちは上記のような結果に。それぞれ欠点を潰し、得意な点を伸ばしていくのですが、「三大妖精」となった現在でも、個性として残っていますね。
「私・・・3人で合同練習する日が、ずっと続くような気がしていたなぁ・・・」
「アテナ」の言葉に、「私たちもいつかそうなるんですね」と寂しげにつぶやく「アリス」。その顔をじっと見つめた「アテナ」は再び話し始めます。
「・・・確かに、今のままではいられないと思う。・・・時間は時には優しく、時には残酷に全てを変えていくものだから。・・・・・・でも、少なくとも私には、今だったまんざらじゃないのよ。お仕事は楽しいし、それに・・・可愛い後輩達もできたし・・・とか」
そして、「アテナ」の言葉に同意する「アリシア」と「晃」。過去は良かったではなく、過去も良かった。あの頃があって、今がある・・・。時間という大きな流れに、幸せという魚がいっぱい泳いでいる。それが色々なところで顔を出しているのです。
※過去に捕らわれると現在が見えなくなり、未来につまずくことになる。今という時間の中の、幸せに気がつかないのは寂しいですからね。(^_^)。
雪降る夜に、ゆっくりと歩きながら「藍華」と「アリス」を見送る「灯里」。「ここでいいわよ」という「藍華」の声に、「灯里」は少し、・・・ほんの少し寂しそう。
「・・・灯里、さっきの話を気にしているんでしょう?・・・もう、私たちは、明日もまた会えるんだからね」
「藍華」に頭をぐりぐりされて「大丈夫」と声をかけられた「灯里」。目の前の道を歩いて去っていくふたりを見つめて、ちょっと涙が浮かびます。
「藍華ちゃぁああん、アリスちゃぁああん!・・・また、明日ねぇっ・・・また明日ぁっ!」
中学生や、人によっては高校生のあの頃、3年生が卒業するのを見送った日、ちょっと同級生を見つめて気持ちが切なくなったあの日を思い出しました。いつかは違う道を歩く仲間達。ちょっと寂しいけれど、それでも私たちは生きていきます。また再び会った時に、楽しく想い出を語りあえるように。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント