うえきの法則_TV51
第51話「空白の才の法則」
2005年04月の放送開始から見始め、書き続けてきた「うえきの法則」感想ブログもいよいよ最後。この1年間の集大成、最終回「空白の才の法則」を持って終了です。
思い起こしてみると、「エコがテーマの鋼の錬金術師」ね・・・と気楽に見ていた最初の頃(当時の感想は十数行)が嘘のように、放送を重ねるごとに視聴者の心を熱く掴んでいくアニメとなりました。
これで最終回かと思うと、見るのが少しためらわれるほど寂しい気持ちもわいてきますが、どうやら原作は「うえきの法則+」として(不安定な連載、現在は休載中?ながらも)未だ続いている様子。また次回、アニメ化されることを期待しつつ、「うえきの法則」最終回を見ていきたいと思います。
「植木耕助」VS「アノン」による能力者バトルの最終決戦。互いに死力を尽くした戦いも、十つ星神器「魔王」を「植木」が使いこなせるようになったとき、彼の勝利が見えてきたかのように思えました・・・が。
「Great!・・・僕と互角に渡り合えたのは、君が初めてだよ。・・・ご褒美をあげる」
と体内に取り込んでいた「ロベルト・ハイドン」を「アノン」が手放したことにより状況は一変。「アノン」は能力者としての資格を失い、定義上は一般人へとその性質を変えてしまいます。
「わかるよね・・・君はもうこれで『才』の数しか僕を傷つけられない。・・・さて、君の『才』は残りいくつかな?」
「植木耕助」の残り「才」は18、そして、残り「魔王」数はわずか1発・・・。しかし、それでも彼は「アノン」を倒すしか道は残されていません。
『残りの「才」数がいくつだろうが、やるしかない・・・やるしかないんだ!』
完全に「植木」の「才」数を把握している「アノン」。彼は飛行神器「花鳥風月(セイクー)」を巧みに操り、服をかすらせる程度で「植木」の攻撃を受け流します。
『アノンがセイクーを使う限り、致命傷は与えられない』
次なる手を考える「植木」ですが、その前に「セイクー」を閉じて、ゆっくりと地上へと降りていく「アノン」。
チャンス!?・・・と一つ星の神器「鉄(くろがね)」を撃ち放す「植木」ですが、これこそ「アノン」が考え出した巧妙な作戦。彼は「くろがね」を五つ星神器「百鬼夜行(ピック)」で打ち砕くと、すぐに神器を仕舞いこみ、砕け散った「くろがね」の破片をわざとその身に受けていきます。
「・・・16、15、14・・・8、7、6、5・・・残り4個」
あっという間に「4」までその数を減らされてしまった「植木」。うち1発は「魔王」に取っておくとなると、通常攻撃はわずか3発!
※まんまと「アノン」の作戦に引っかかってしまった「植木」。ほくそ笑む彼の表情が物語るように、戦いの主導権を「アノン」へ握られてしまいました。(>_<)。
「もう、君に勝機などないっ!」
再び「セイクー」で舞い上がる「アノン」に対して「ピック」を放つ「植木」。しかしこれも最初の攻撃同様、服をかすらせて彼の「才」を減らすばかり。
『一瞬、一瞬でいい・・・こいつの動きを止められれば・・・』
それならばと、体をかわした「アノン」に対して即座に「くろがね」を放つ「植木」。体勢が崩れたままの「アノン」は神器を出して防ぐしか無く、一瞬でも動きが止められるとの判断ですが・・・。
「くっ・・・惜しかったね植木くん。これで残りの『才』は2個だよ・・・」
崩れた体勢のまま強引に「くろがね」を避けた「アノン」。その口調には余裕が伺えますが、「植木」は彼の避け方に疑問を憶えます。
『・・・なんでわざわざ神器で防がずに?・・・そうか「防がなかった」のではなく、「防げなかった」んだ!』
体内へ「神様」と「ロベルト」を取り込み、神器の同時撃ちを行ってきた「アノン」。しかし、既に「ロベルト」は放出されたため「セイクー」との同時神器使用は不可能になっていたのです。
『だったらある・・・ひとつだけ、あいつの動きを一瞬だけ封じる方法が!・・・けど、そうしたら、もう・・・』
残された攻撃回数はたったの「2回」。躊躇する「植木」を見た「アノン」は、その一瞬をついて彼に勢いのついた跳び蹴りを噛まします。踏ん張りも効かず、「道」へと勢いよく叩きつけられる「植木」。
「・・・残念だけど、ここでお別れだよ植木くん。君の考えはわかっている。・・・奴の背後に回ってセイクーごと背中に攻撃、破壊する。そうすれば一瞬奴の動きは封じられ、魔王を喰らわせることができる・・・とね。だけど、その方法が使えたのは、少し前の話。・・・セイクーへの攻撃と魔王、最低でもふたつの『才』を失うことになる。・・・うまくいっても君は消滅してしまうんだよ。それとも、消滅覚悟でやってみるかい?・・・ははっ、ははははっ、あっはははははっ・・・」
「植木」を見下ろし、勝ち誇る「アノン」。彼の笑い声が頭の中に響く中、「植木」は「アノン」もろとも消滅への道を選択しようとしていました。その鬼気迫る表情を哀しそうに見つめる「森あい」。彼女はあらん限りの声で叫びます、「死ぬな!」と。
「・・・あんたの考えていることくらい・・・見え見えなんだから。・・・いつもいつも、自分ひとりでなんとかしようとするな!・・・みんなが助かればそれで良いとか、そんなの・・・そんなのいい加減にしろバカ野郎っ!!・・・ひとりで駄目ならあたしだっている、みんなだっている!・・・あんたはひとりじゃない・・・だから・・・だから・・・消えないでよ・・・」
※「森あい」の心の叫び、魂の叫びです。「植木」の持つ正義は「他人を守る」優しい正義、力強い正義。しかし、それを突き詰めて「自己犠牲」へと変わったとき、その行為を決して喜ばない人もいる、犠牲になった「植木」に悲しむ人もいると、彼女は涙ながらに訴えたのです。・゚・(ノД`)・゚・。。
「心配しなくても、植木くんはどうせ・・・もう何もできないよ。けど、念には念をいれておこうかな。・・・魔王は使い手の想いを力にする神器。ならばロベルト同様、その想いを弱めてやれば、その威力も弱くなっていく。・・・君の想いが何か、さっきやっとわかったよ。君の魔王が爆発的に強まったのは、守りたいという想いがあったから。・・・ということはつまり、その守るべき対象を消してしまえば、その力は失われるということだよ。くろがねっ!!」
「植木」と「森あい」の距離、「植木」と自身の距離。彼の助けが間に合わないことを計算してでの「くろがね」射出。避けることのできない必殺の神器が、無防備な「森あい」を襲います。叫ぶ「植木」のなか、負けるものかと目を見開き、歯を食いしばって立ちつくす「森あい」。その眼前に「くろがね」は到達し・・・。
「・・・ちょこざいですわ」
右手一本、手の甲に仕込んだビーズを爆発させ、「くろがね」の軌道を逸らし「森あい」の危機を救ったのは「鈴子・ジェラード」。動けないはずの「鈴子」の救援に驚く「アノン」に、「ブーメランカッター」の刃が襲いかかります。「セイクー」の片羽根を切り裂いたのは、「佐野清一郎」の一撃でした。
「羽根は取ったで・・・行けっ、植木ぃいいっ!!」
仲間の思い、仲間の行動。「森あい」の言葉に力を与えられたのは「植木耕助」だけではありませんでした。彼らの助力を無駄にしないと「セイクー」で飛び上がった「植木」。彼の最後の「魔王」が「アノン」に向かって牙を剥きます。
「まだセイクーは一枚残っているぞっ!・・・ええいぃっ!」
背中に残された一枚の羽根で回転力を産みだし、「植木」の攻撃を羽根の喪失だけで防いだ「アノン」。無くなったチャンスに俯いて悔しがる「佐野」。
「・・・ふっ、これで魔王は無くなった。そして君の『才』も残りひとつ・・・僕の勝利・・・っ・・・魔王じゃない、ただのくろがね!?」
見開いた目が「恐怖」を伝えます。「アノン」の瞳に映し出されたのは今度こそ「魔王」を掲げた「植木耕助」の姿!
「まさか・・・残りの『才』はひとつ。・・・そんなことをすれば、君が消滅してしまうんだぞ」
※「森あい」の言葉に力を貰い、「鈴子」が「アノン」の魔手から「森あい」を守り、「佐野」が創り出したチャンス。これを「植木」が無駄にする男だったら、私たちは最終回まで彼を応援し続けてはいません。
「植木・・・」
---
「泣いても笑っても、明日の四次選考が最後だ。頑張ろう、みんなとあえて良かったって、ちゃんと思えるから」
---
目を開いても思い出すのは、昨晩の語らい。「森あい」が思い出したのは「植木」の言葉。
「ありがとう・・・みんなとあえて良かった。・・・・・・・・・魔王っ!!!」
小さな声でしたが、彼女の耳には届きました。遠い距離でしたが、彼女の目には見えました。笑顔を浮かべ、皆に礼を言いながら、「アノン」に向かって最後の攻撃を振り下ろす「植木」。
「馬鹿なぁああぁっっ!!」
叫ぶ「アノン」の悲鳴の中、「魔王(コバセン)」はその拳を「アノン」へと叩きつけます。そして、真っ白に広がっていく世界・・・
※「植木」・・・・゚・(ノД`)・゚・。
まるで火山の噴煙のように、黒い煙が「道」の前に広がります。無言のまま、その光景を見やる「森あい」。声をかける「佐野」の言葉も彼女の耳には聞こえません。
「・・・いやあ、ようやってくれたわ、植木の奴。あの羽根さえ切り取れば、なんとかなると思って駆けつけたんやけど・・・植木の奴、まさか魔王の前にくろがねを入れるとわのう。・・・『魔王をかわされた』と思ったときは、ほんまどうなるかと思ったが・・・どないしたんや、森?」
反応のない「森あい」を不思議そうに見やる「佐野」。それまで動きの無かった「森あい」ですが、「植木はどこにいった?」という「佐野」と「鈴子」の言葉に、身体を震わせていきます。
「・・・私、結局・・・植木の『才』・・・守ってあげられなかった」
涙をこぼす「森あい」の姿。その言葉に「佐野」と「鈴子」もようやく事態を把握します。
「あいつ、アホかっ・・・アノンを倒したからって、自分が消えてしまったら・・・何も意味がないやろがっ!」
すすり泣く「森あい」達。沈んだ空気の中、「バロウ」が気絶した「ヒデヨシ」を抱えて到着します。
「ちょっと・・・来るのが遅かったようだね。僕も・・・力になれたらと思ったんだけど」
「ヒデヨシ」のお陰で無事に辿り着くことができたと話す「バロウ」。ならどうして「ヒデヨシ」が傷つき、気絶しているのかと問う「佐野」に、彼は「道」の下に到着してからの経緯を説明します。
---
「ようしバロウ、ここで降ろしてくれ。いくぞ、ぶっちゃけ俺の騙し技のオンパレードだっ!・・・ぐはああっ!!」
気合いを入れて飛び跳ねる「ヒデヨシ」に高速で降り注ぐ未確認飛行物体。哀れ、彼はその下敷きに・・・。
---
「たぶん、植木くんのくろがねだったと思うのだけれど、まさかヒデヨシくんが、その流れ弾に当たって気絶するなんて・・・」
らしいというか「ヒデヨシ」の最後にあきれるばかりの「佐野」と「鈴子」。しかし、その言葉を聞いた「森あい」が、「コバセン」の言葉を思い出して振り返ります。
---
「・・・能力者以外を能力で傷つける度に『才』は減る。だが逆に、能力者をひとり倒すことに『才』はひとつ追加されるんだよ」
※大笑い!!!σ(^0^)σ
慌てて黒煙の向こうを見つめる「森あい」。まだ事態を把握できない「佐野」と「鈴子」が彼女を不思議そうに見つめます。そして・・・
「・・・よっ」
ボロボロになりながらも、姿を見せた少年に、彼女は涙をこらえきれません。けれどもこの涙は「悲し涙」ではなく「うれし涙」。
「あれっ、そういえば、俺・・・何で消えてないんだ」
「セイクー」で空中に立つ「植木」に向かって飛び込んでいく「森あい」。「植木」の傷の痛みに構わず抱きしめる「森あい」に、いつしか「セイクー」の羽根が消えてしまいます。
「痛いっ、いてててて・・・バカッ、落ちる・・・おちるぅううぅっ!!」
身を乗り出して心配する「佐野」と「鈴子」の前で、ふたりの姿は見えなくなってしまいました。
「もしかして・・・大変かも・・・」
※かくして「植木」と「森あい」は、遠いお空の星になりましたとさ、おしまい。(おいっ!
「・・・負けちゃった。でも本当は途中で・・・君に勝てないことはわかっていたんだ。君の魔王が僕の魔王を破ったときにね。・・・僕の夢は、君の正義を崩せなかった。それが僕の敗因だよ」
まるで月のクレーターのように、同心円状にできた巨大なくぼみ。その底で横たわったままの「アノン」のもとに、皆が駆けつけていました。
「なあ、お前が魔王に託した『夢』って、なんだったんだよ」
のぞき込む「植木」の顔を見つめる「アノン」。続いて問いかける「森あい」。
「・・・そうだよ。・・・あんたが言っていた『完璧なる人生を創る』とか『誰ひとり立っていないまっさらな道を創る』とかが『夢』だなんて、あたしにはどうしても思えない」
戦いが終わり、さっぱりとした表情を見せた「アノン」は、ゆっくりとその口を開いていきます。
「僕が本当に願っていたこと・・・それはね『化け物のように強くなってしまった僕を否定し倒してくれる』・・・そんな存在の出現だった。それが叶わないのならば、いっそのこと全部滅ぼし、自分ひとりになってしまおう。いつしかそれが、僕の『夢』になってしまった」
彼の独白を黙って聞き続ける一同。そして全ての言葉が終わったとき、「植木」が彼の『夢』を否定します。
「・・・そんなの『夢』でもなんでもねえよ。・・・叶ったときに、一緒に喜び合える誰かがいるから『夢』なんだろ」
※やはり「アノン」の夢は「自分を倒してくれる強き者を見つけ出す」ことでしたね。そして、「植木」に倒され、自身の「夢」を否定されることで、彼は呪縛から解き放たれた気がします。「僕に君たちのような仲間がいたら」と「アノン」の言葉は続きますが、今後「植木」達が「仲間」になるのではと、私は期待します。
戦いの終わりを聞きつけ、「神補佐(そういえばいたなぁ)」とともに姿を見せる「バロウチーム」の残りと「マリリンチーム」の面々。
『こうして、長いようで短かった私たちの戦いは終わった・・・』
見事「アノン」を倒し、バトルに勝利した「植木チーム」。「神補佐」は1本の筆と木札をチーム一番の成長者「植木」に差し出します。
「では、この木札に好きな『才』を書き込んでください」
嫌々ながらも、ひとつの「才」を書き込んだ「植木」。仲間達の追求にも、彼はその「才」を口に出そうとはしません。
そして次の神様には全員一致で「犬丸」が選ばれました。「天界獣(テンコ)」も友達となる仲間達を見つけ、冤罪も晴れて天界に残ることとなります。「アノン」も偽「マーガレット」と地獄界へ追放され、「神様(今では元ですが)」も治療獣で一命を取り留めて、大団円とはまさにこのこと。
---
「人間界行きの便がでまーす」
「神補佐」の言葉に集まってくる能力者バトル出場の人間達。その中に、意識を取り戻した「ロベルト・ハイドン」の姿もありました。
「植木くん・・・ぼ、僕は・・・」
どこか気恥ずかしそうに「植木」に声をかける「ロベルト」。その言葉に「植木」は「やったな」と声を返します。
「・・・お前が人間を憎む気持ちを無くしたと聞いたとき、なんか・・・嬉しかった」
またひとり、「植木」に友達ができたようです。
【他の人達のエピローグ】
・マリリンチーム:「森あい」とメールのやりとりをするほどの仲に。
・バロウチーム:「バロウ」は仲間達と仲直り。「キルノートン」は未だ「メガネ好き」みたい。(^^;)。
・李崩:修行の旅に。泣いていた・・・!?
そして・・・。
ヒデヨシ「ぶっちゃけ、役に立てたかわからないけれど、仲間に誘ってくれて嬉しかったぜ」
→「植木チーム」の中で英雄扱いに。その理由は、本人には教えていません。
鈴子・ジェラード「今度、家に遊びに来てね」
→もう一度「ロベルト」に想いを伝えたけれど、なぜかうまくいかなかった様子。彼女が振った!?
佐野清一郎「ほなな、ええ温泉見つけたら、また連絡するわ」
→高校受験後、4月まで世界温泉巡りの旅に。入学後は地理学を専攻。
植木耕助
→勉強に、運動に、学生生活を邁進中。成績も戻り、女子の人気も復活。
森あい
→普通の学生生活にちょっと退屈気味!?
普通の生活が戻り、平和でもあり退屈でもある学生生活を続ける「植木」に「森あい」。今日も一日の始まりです。
「みんな、今日は新しく赴任してきた先生を紹介する」
新しくやってきた先生の声に、空を見上げていた視線を教壇へ戻す「森あい」。
「・・・まずお前らが学ぶべき事は、昔、どこかの偉い学者が残してたこの言葉だ。『少年よ正義を抱け』。・・・なんだ笑うな、俺が創ったんだから」
特徴的な姿、何よりその声。驚く「森あい」と、まだその登場を知らずに眠りこける「植木耕助」。彼の鞄には一枚の木札が結ばれていました。
そこに書かれた言葉は・・・「再会の才」
「うえきの法則」、終了~っ!!
笑いました、泣きました、この一年間、本当にありがとうございました。
毎回、相当な文章量になってしまいましたが、実に感想を書くのが楽しかったです。
このブログをご覧頂いている皆様の中でも、「うえきの法則」は人気の高いコンテンツでした。
レンタルDVDやセルDVDで「うえきの法則」を見返していただくときに、ちょっと他の人の感想が気になりましたら、本ブログを訪れてみてください。
それでは、また別のコンテンツで!(^_^)!
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (2)