« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »

ARIA THE NATURAL_TV09

第9話「その 素顔の星たちは…」

近年、技術の発達によって格段に美しくなったアニメの背景があります。
何だかわかりますか?・・・それは「ARIA THE NATURAL」でも度々目にする背景、「水の表現」です。
惑星「アクア」、水の都市「ネオ・ヴェネツィア」を表現する優れた技法「水の表現」。この発達が、癒し系アニメ「ARIA THE NATURAL」を生み出した土台と言えるかもしれませんね。

「お待たせしました。ARIA COMPANYです。・・・どうぞ、足下にお気をつけて」
いつもの練習とは緊張感が違う、お客様を乗せての本番観光案内。張り切る「灯里」はなかなか快調に観光案内をスタートさせます。
「・・・ごらんのように、この街ではあちらこちらにたくさんの菊の装飾を見つけることが出来ます。この花はかつて、マルコ・ポーロが中国から持ち帰った花と言われていて、当時のマンホームのヴェネツィアで大流行しました」
堂に入った説明に、微笑みながら彼女を見守る「アリシア」。新婚らしいふたりのお客様も、「灯里」の説明に逐次頷いてくれていました・・・が。
「ちょっと止めてください!」
女性のお客様に言われて、慌ててゴンドラを止める「灯里」。すると彼女の視線の先には、美しい花々が咲き誇る小さな小道が広がっていました。
「なんか、素敵なお庭ですね。ずっと見たくなっちゃう・・・」
その言葉に思わず自分も見とれてしまう「灯里」。そこに男性からの質問が飛び込んできました。
「ここ、何か特別な場所なんですか?」
「はひっ?・・・はい・・・はひ・・・」
必死にこの場所を思い出そうとする「灯里」ですが、緊張した彼女の頭はパニック状態。
そこへ「アリシア」が助け船を出してくれました。
いいえ、普通の民家ですよ。・・・ここのお宅はいつもお手入れが行き届いていて、四季折々に色々な花を見ることが出来るんです。・・・そもそも、人工の土地であるネオ・ヴェネツィアの本島には自然の花や緑が少ないんです。だから、自宅の綺麗な花壇や庭のガーデニングが、奥様の器量を計るバロメーターだと言われているんですよ。・・・・・・でも、お客様よく気がつかれましたね。初めて通る水路なのに」
流石「ウンディーネ」という説明に、感心しきりのお客様。ところが、「灯里」本人は彼女の説明に落ち込んだ表情を見せてしまいます。
「気づきませんでした・・・私、今の今まで全然気がつきませんでした。この水路、良く通るのに・・・
彼女の自信を喪失させてしまったかなと、複雑な表情を浮かべる「アリシア」でしたが、この後の「灯里」の行動は、「アリシア」の予測を遙かに上回るものでした。
「凄いです、お客様凄すぎです!・・・私、感動してしまいました。素敵な発見を、ありがとうございます」
・・・大物。落ち込みモードに入るかなと考えた私がおバカでした。m(_ _)m

新たな発見をお客様から受け取った「灯里」。さっそくさらなる「ネオ・ヴェネツィア」の「素敵ポイント」を探すために「アリア社長」と出発。辺りをキョロキョロと見渡しています。でもその乗り出しはちょっと危ないような・・・。
「おりゃあっ!・・・脇見、禁止!」

偶然、その場所を通りかかった「藍華」と「アリス」によって呼び止められた「灯里」。危うく水路に落ちるところでしたが、それはなんとか回避。
---
「さすがアリシアさん、民家の庭にまで気がついているなんて・・・」
彼女の偉大さに感動しきりの「藍華」。機嫌が良くなった彼女は「灯里」に特別な「素敵ポイント」を教えてあげると宣言
します。
-from 藍華-
 辿り着いたのはとある丘の上。
 大きな木の根元に立った3人+1匹はしばしそこで時間を潰すことに。
 「ここに何かあるの? 藍華ちゃん」
 やがて、初夏を匂わす心地よい風が吹いてきました。
 気持ちの良い風にのびをする「灯里」の耳に、
 フィィッ・・・と綺麗な音が聞こえてきます。
 「驚いたでしょう?・・・この木はね、風が吹くと綺麗な音がするの
 耳を洗うかのような自然の声に、すっかり感動する「灯里」。
 「素敵・・・まるでそよ風に捧げる歌を・・・歌っているみたい
 「恥ずかしいセリフ、禁止っ!」
-from アリス-
 続いて訪れたのは、一面真っ青で不規則なタイル、
 それも表面が艶やかに磨かれたタイルで築き上げられたとある民家の壁。
 オレンジ色の瓦との対比がなんとも可愛らしい姿を見せています。
 「・・・この壁、可愛い」
 「ここは絶望の家と呼ばれているんです。主である芸術家が恋に破れたときに、
  自分の心の冷たさを青い壁で表現したらしいです

 可愛らしい壁と「絶望」という言葉の差に驚く「灯里」。
 その時、「藍華」が青い壁の中に眠る、一枚の紅いタイルを見つけました。
 「後輩ちゃん、これを見逃していない?
  ・・・芸術家はね、絶望しているだけじゃなかったのよ。
  燃える心がまだ残っていたの。
・・・わりと有名だと思っていたけれどねぇ」
※今見つけたばかりなのに、昔から知っていたような口を利く。・・・「藍華」って後輩に対抗心一杯です。(^^;)。

いつしか「素敵ポイント」発見の旅は、「藍華」と「アリス」の張り合いの場と化していました。
・「虹の架かる噴水!」by「藍華」
・「サルスベリの小道」by「アリス」
・「ネコミミの形の岩!」by「藍華」
・「針が盗まれた時計台」by「アリス」
・「眉毛の太い犬!」by「藍華」
・「途中までしかない階段」by「アリス」
・「男前のマリア像!」by「藍華」
・「閉まらずの扉」by「アリス」

---
「ほらここ、嗅いでみなさいよ」
続いて「藍華」が案内したのは一軒のパン屋。焼きたてパンの香ばしい匂いが・・・するかと思えば、なんと「おそば」の匂い。確かに不思議ではありますが・・・。
「でっかい質問です。・・・パン屋さんから「おそば」の薫りがするのが、どこが素敵なのでしょう?」
※確かに。(^^;)。

「灯里先輩、ご機嫌ですね」
ふたりの諍い(というほどではないけれど)に参加もせずにニコニコの「灯里」。「アリス」の問いに、彼女は笑顔で答えます。
「ふたりのおかげで、知らない素敵をたくさん憶えちゃった。私も何か見つけたかったけれど・・・」
この言葉に「藍華」が夜の探索を提案しますが、たまたま通りかかった「アリシア」によると、今夜この辺りは停電になってしまうそう。
「真っ暗・・・!」

---
「・・・どうしよう・・・」
夕飯の準備中に、ふと声を漏らす「灯里」。
隣の「アリシア」が声をかけると、躊躇したあとに小さな声で答えてくれました。
「実は私・・・夜、真っ暗だと眠れないタイプなんですっ」
そして夜。明かりひとつ無い暗がりの部屋で、「アリア社長」を抱えた「灯里」がため息をついていました。
「真っ暗ですね、アリア社長・・・あううぅうっ・・・」
暗がりに通る白い人影。怯える「灯里」の耳に優しい声が聞こえてきました。
「あら、賑やかね。・・・こんばんは」
白い影は、木箱を抱えて登場した「アリシア」の姿
でした。鼻歌を歌いながら、いくつもロウソクを並べていく「アリシア」。
「あの・・・本当にすみません。わざわざ泊まって貰えるなんて・・・」
頭を下げる「灯里」に、次々とロウソクを渡していく「アリシア」。
彼女はこのお泊まり会を楽しみにしていたかのようです。
なんでも楽しめるのは才能ですよね~。そして周りを癒すのも、また大きな才能です。(^_^)。

さきほどまでの真っ暗で不安に怯えた世界はどこかに行ってしまったかのようでした。
数十と並べられたロウソクに次々と火が灯されて、まるでキャンプの夜を迎えたかのような「ARIA COMPANY」。幻想的な雰囲気に、「灯里」もすっかり笑顔を取り戻していました。
「はい、完成」
最後のロウソクに「アリシア」が火を灯し、多種多様なロウソクが素敵な世界を創り上げます。
「オレンジ、紫、白・・・炎って、色々な色をしているのですね」
先輩の素敵な心配りは、お風呂場の中まで浸透していました。ロウソクの炎が間接的にお湯に浮かび、身も心も癒される「灯里」。
お湯に身体を温めた後は、「アリシア」が用意したミルクティーで、真夜中のお茶会としゃれ込みます。
「おそばのパンに、ほうじ茶のミルク・・・別世界のお茶会に相応しいんじゃない?」
心を配り、暖かく自分を見守ってくれる「アリシア」の姿。ありがたいと思いつつも、彼女には届かないと「灯里」はちょっと自信喪失に陥ります。
「私・・・知らないことだらけです。・・・アリシアさんに近づくには、まだまだ修行が足りないみたいで・・・
自分の背中を追いかけ、少しでも追いつこうと頑張り、ちょっと失敗で自信を失っている後輩の姿。その姿に「アリシア」は見覚えがありました。
「ロウソクといえば、思い出すわ・・・灯里ちゃんと同じシングルの頃、クチナシの花を見たいとお客様に言われたの。でも、前日の雨で全て花が散ってしまっていて・・・お客様のがっかりとした顔が頭から離れなくて。・・・その夜にね、グランマがロウソクを持ってきてくれたの。たまには、こんな明かりも良いでしょうって。そして・・・」
---
「・・・心に暖かな炎を灯し続けなさい、アリシア。・・・強い炎じゃなくて良いの。ほんのり小さな炎を、いつまでも灯し続けなさい。その炎で照らしてあげたら、きっと見えてくるわ。こっそり隠れている、『素敵』がね」
---
「その後、もう一度クチナシを見に行ったの。確かに花は落ちてしまっていたけれど、大地に落ちた花びらが雨に濡れて、甘い香りにむせかえるようだった」
遠くを見つめる「アリシア」の瞳は、幼い「シングル」だったあの頃に戻っていました。そしてその瞳を通して「灯里」もまた彼女の心と溶け込みます。
「『素敵』が隠れていたんですね・・・。ほんのり暖かな小さな炎を灯し続けたら、こっそり隠れてる素敵が見えてくる・・・」
ひとつずつ、ロウソクの明かりを吹き消す「アリシア」達。真っ暗となったはずの「ARIA COMPANY」の2階に、淡い青い光が差し込んでいました。
「綺麗・・・」
星ってこんなに明るかったのね。・・・同じものでも時間帯によって全く違った顔を見せてくれる。季節が変われば、空気や色合いも移ろっていく。そして何より、その時その場に居合わせる自分の気持ちひとつで、見えていく世界が全く変わってしまう。知らなかった素敵が見えてくる。・・・私だってまだまだ知らないことばかりよ。でもね、それはとても嬉しい事よ。だって、知らないことがたくさんあるってことは、まだまだたくさんの素敵があるってこと。・・・これからも、いっぱいいっぱい素敵と出会えるってことだものね。・・・素敵なものは無限大なのだから」
真っ暗な闇は、もうここにはありません。星の光と「アリア社長」、そして「アリシア」に見守られながら、「灯里」は優しい眠りに落ちていきました。

いっぱいいっぱいです。(^_^)。
これだけ「素敵」が広がっている「ネオ・ヴェネツィア」の世界に、思わず旅立ちたくなりましたよ。
でもでも「アリシア」の言葉通り、「その場に居合わせる自分の気持ちひとつで、見えていく世界が全く変わってしまう」のですから、私たちもまたいっぱいの素敵と暮らしているようなもの。
皆様、いっぱいの「素敵」を見つけてくださいね。

| | コメント (0) | トラックバック (15)

ツバサ・クロニクル_TV31

第31話「少年のケツイ」

前話にてその限界も露見することとなった「サクラの羽」。やはり死者を蘇らせることは、その力を持ってしても短時間しか実現できない「哀しいキセキ」でした。
さて、今回からは再び新しい世界が舞台。どうやら以前登場したキャラクターも登場しますが、こちらは顔が同じだけかな?

「うわああぁあっ!」
到着した先は、なんと海の直上。
周りを見渡しても島ひとつありませんが、偶然(あるいは必然か)、船の汽笛が「小狼」の耳に聞こえてきました。
---
「失礼します」
遭難しかけていたところを助けて頂いた「小狼」一行。濡れた衣服の着替えを済ませて、まずは船長にご挨拶。ところが船長室にて彼らを待っていたのは、「ナユタヤ国」で悪の領主だった「タンバル」!?
「出たぁああっ、悪者だあっ!」
思わず大声を張り上げる「モコナ」にひと睨みをきかせた「タンバル」でしたが、やがてその言葉に大笑いを始めます。
「・・・ふはははっ。悪者とはよく言った。この顔を見ればそう思うのも無理はない。・・・ワシはこのラゴスタ号の船長、タンバルだ
どうやらこの世界では良い人のようだった「タンバル」に、ほっとする一同。
ところで、この船は人手不足でな。・・・お前さんたちには食事作りを頼む」
※食事担当は「ファイ」と「サクラ」。「黒鋼」は甲板掃除担当。適材適所、結構人を見る目がありますな「タンバル」は。(^_^)。

「おいっ、機関長はいるか!?・・・まだ子供だが賢い子でな。エンジンの扱いなら大人顔負けだ」
手先が器用な「小狼」は機関室を担当。まだ子供の機関長に、どこかで会った面影を感じる「小狼」ですが、そんなはずはありません。
「・・・機関長の藤隆です」
テーブルの上にあったメガネをかけて自己紹介をした少年「藤隆」の言葉に驚く「小狼」。そう、感じていた面影は彼の父親「藤隆」のもの
でした。
彼の行動、その言葉に、考古学者だった父を思い出す「小狼」。そのちょっと不思議な体験は、彼の心を癒します。
「どんな人なんですか、小狼さんのお父さんって?」
「父さんは・・・ずいぶん前に死にました」

※亡くなっていたんですね「藤隆」さん。(T_T)。それでも父親の魂と触れることが出来て、「小狼」も旅の疲れを癒されたのではないでしょうか。

まったく「サクラの羽」の気配を感じないという「モコナ」。それならば別の世界に出発かと思いきや、「モコナ」はしばらくこの世界に滞在すると皆に告げます。
だって、小狼がそうしたがっているから。・・・モコナ感じるの、小狼の気持ち。小狼、その子と少しの間だけ、一緒にいたいと思っている。だから、モコナもしばらくここにいるのっ!」
言われて気がつく自身の気持ち。そして、その気持ちを大切にしてくれる「モコナ」に「小狼」は笑顔で礼を言うのでした。
「ありがとう、モコナ」
---
「小狼さん・・・小狼って、僕ぐらいの年齢の頃、何をしていました?
機関室で休む「藤隆」と「小狼」。今夜は眠れないのか、「藤隆」は「小狼」へ昔のことを問い尋ねます。
「父さんの手伝いをしていました」
「考古学者でしたよね、お父さんって。小狼も、遺跡を調査するために旅をしているのですか?」

父親の魂をもつ人に、父親の会話をする不思議さを感じながら「小狼」は彼の質問に返事をします。
「・・・考古学には興味はあるけれど、旅の目的は違います。どうしても探さなければならないものがあるのです
その答えを聞き、「目的を持って生きている」と羨ましがる「藤隆」。彼にはその目的がまだ、見つかってはいないようです。
※「目的を持って生きる」・・・みなさん、人生を生きる目的は見つかりましたか? 私はまだですね・・・というより、なかなか目的を持って生きている人はいないのではないでしょうか。「藤隆」の言葉を聞いて、ちょっと「小狼」を羨ましい気持ちを持ってしまいました。(^_^)。

「風の匂いが無くなった」
嵐の予感を船員に告げる「タンバル」。
そう伝えて見上げた空には、厚い雲が覆い始めています。そして、夜はまだ始まったばかり・・・。
---
ゴオオォオオオッ!!
瞬く間に暴風雨に包まれる船体。嵐の中、船を支えるエンジンも悲鳴を上げていました。

「これ以上は無理です。エンジンを止めないと・・・僕が船長に掛け合ってきます。小狼、一緒に来てください
波にもまれる木の葉のように、激しく上下に揺れる「ラゴスタ号」。船長の許可を貰うために船上へ駆けつけた「藤隆」の上に、丁度、巨大な波が覆い被さろうとしていました。
「うわぁっ・・・機関長!」
「タンバル」の叫びもむなしく、波に飲み込まれた「藤隆」と「小狼」。「黒鋼」が投げ込んだ救命用具も届かず、波の間にふたりの姿は消えていきます。
「機関長!・・・む?・・・まさか・・・」
再度その名を呼ぶ「タンバル」の耳に聞こえる謎の笑い声。振り返ったその先には、鬼の角のような2本の巨大な岩が海面より顔を突き出しています。
「小狼くーんっ!」
まるで引き込まれるかのように巨大な岩へと船体を向けるなか、「ファイ」の叫び声が暗い闇へと響いていました。
※「サクラの羽」が無い世界での異常事態。まあ、全ての異常現象が「サクラの羽」のせいではないのでしょうが。

朝。昨夜の嵐が嘘のように静まりかえった海面。「藤隆」と「小狼」を探す声が、船体の至る所で響いています。
そしてその頃「小狼」は、謎の小島へと漂着していました。
「・・・近くの島に流れ着いたようです」
同じ場所へと倒れていた「藤隆」を助け起こし、事情を伝える「小狼」。流れ着いた破片の量から、どうやら「ラゴスタ号」の沈没はまぬがれたと判断してほっとする両者。
「とにかく船を見つけて、俺たちがここにいることを知らせないと」
辺りを見渡す「小狼」達の耳に聞こえる謎の笑い声。その声に「藤隆」は表情を引き締めます。
「そうか・・・ここは亡霊の島だったんだ」

「亡霊の・・・島」
---
「あれが?」
聞こえる笑い声の正体を問う「黒鋼」に「島に住む亡霊達の声」と答える「タンバル」。今、「ラゴスタ号」は「亡霊の島」へと舵を向けています。
・・・先祖から語り継がれてきた教えでな。あの島には恐ろしい亡霊が住んでいるから、決して上陸してはならないと語り継がれている。・・・この国で生きている我らには、先祖からの教えに逆らうわけにはいかんのだ」
※先祖代々の教えに逆らえないのは「この国で生きている」人達だけですよね。・・・ということは、救出メンバは決まったも同然。(^^;)。

「疲れていませんか?」
その言葉に「ええ」と答えた後、「はい」と言い直す「藤隆」。すると「小狼」は歩いていた足を止めて「藤隆」の方を見やります。
「敬語は止めませんか?・・・俺の方は構わないよ」
今度は「うん」と頷く「藤隆」。ふたりの心の距離は一挙に近づいていきます。
---
「これは・・・」
目の前の遺跡に「亡霊だ」と声を大きくする「藤隆」。2メートル以上はある遺跡は、片手をあげた人の姿
に見えます。
「この島にも、かつては人が住んでいたんだね」
「それじゃあ・・・あれって、島の地図?」

遺跡の丁度胸の辺りに刻み込まれた地図らしい記号、そしてその下に掘られた文字を「小狼」は注意深く読み進めていきます。
神の息吹を・・・恐るるなかれ。神の歌声、聞こえる間は・・・道は開かれる。・・・真に恐れるべきは長きもの・・・。ここから先は読めないな」
以前勉強していた文字と似ていると、すらすら読み上げる「小狼」。そしてその地図が山頂への最短ルートを示していることも、彼は見抜いて見せます。
※父親「藤隆」について回った子供のころの記憶。「小狼」は「藤隆」の知識を学習し、しっかりと勉強してきたようですね。

「これが・・・亡霊の正体?」
巨大な風穴へと辿り着いた「小狼」と「藤隆」。そこからは海で、そして海岸で聞こえたあの謎の笑い声が響き渡っていました。
「そうだよ。今聞こえているのは、さっきの遺跡に刻み込まれていた神の歌声なんだ
そして間もなく、激しい突風がふたりを襲います。身体をかがめて、突風から身を守る「小狼」と「藤隆」。
「・・・今のが神の息吹。皆が亡霊だと恐れていたものの正体だったんだ」
島の反対側に来ているであろう「ラゴスタ号」に辿り着くため、突風が吹き荒れる風穴へと進み行くことを決める「小狼」。突風を恐れる「藤隆」に、彼は遺跡の言葉を聞かせます。
「神の息吹を恐るるなかれ。神の歌声聞こえる間は、道が開かれる」
その言葉にようやく謎が解けた「藤隆」。彼の顔に笑顔がこぼれます。
「そうか!・・・この歌みたいなのが聞こえている間は、安全なんだね
---
やはり島への上陸を実行するのは「黒鋼」、「ファイ」、「サクラ」、そして「モコナ」でした。手こぎのボートを借りて島へと向かう「黒鋼」達の行方を見守る「タンバル」。
---
「行くぞっ!」
神の息吹が止んですぐに風穴へと走り込む「小狼」達。昼間とはいえ日の差さぬ風穴は薄暗く、出口付近で「藤隆」は石に躓いて転んでしまいます。
そして神の歌声が今、終わろうとしていました。
走る、走る、走るふたり。
まさに間一髪。風穴を飛び出た「小狼」達の後ろで、神の息吹が唸りを上げていました。

※島の両端を行き来する近道、そこを通過する際の注意事項が書かれていた遺跡。もともと住んでいた人達の「立て看板」として利用されていたのでしょうね。

「生きとった・・・ふたりが生きとったぞっ!」
望遠鏡で「小狼」達の生存を発見した「タンバル」
。その声は海上を進む「サクラ」達の耳にも届きます。
「見てみて、ふたりとも無事だよっ!」
安心して大声をあげる「モコナ」。それに反応したのか、海を割って巨大なウミヘビが姿を見せます。手こぎボートを一呑みできそうな巨大な口を持ち、全長数十メートルの巨大なウミヘビ。しかし、ウミヘビが襲いかかったボートには、居合いの達人「黒鋼」が乗船していました。
「へっ・・・てりゃあぁっ!
気合一閃。水しぶきをあげてウミヘビへと襲いかかる見えない軌跡。その先端はウミヘビをとらえ・・・
---
「真に恐れるべきは長きもの。・・・遺跡に書かれていたのは、あのことだったんだ」
山頂から見下ろす「小狼」は冷静にウミヘビの正体を分析していました。彼が守るべき「サクラ」の乗るボートに襲いかかった怪物。しかし、その船には信頼する仲間達が乗船しています。そして仲間達は今まで一度も、「小狼」の期待を裏切ることは無かったのです。
※悪・即・斬。昔に読んだ「るろうに剣心」というマンガの「斉藤一」を思い出しました。見事な居合いです。(^_^)。

「確かに亡霊の正体は風だったかもしれん。でもワシはそのことを秘密にしようと思う。・・・海は広いからな、ひとつぐらい不思議なことがあって良いだろう。・・・助けが遅れて済まなかった」
頭を下げる「タンバル」に「いいんです」と返す「藤隆」
。彼はこの経験で、得るものがあったようです。
「・・・船長のおかげで、探しているものが見つかりましたから」
そこへ、服を着替えた「小狼」達が別れの挨拶に訪れます。
「何を言っておる? ここは海の上だ」
見やる「タンバル」の前で、光り輝く「モコナ」。次元跳躍の技が周囲を明るく照らします。
「こ・・・これは・・・」
声を失うほど驚いた「タンバル」の隣で、光に包まれる「小狼」を見やる「藤隆」。
「小狼・・・僕見つけたよ。大人になったら僕・・・考古学者になるよ」

その言葉に驚く「小狼」。しかし、彼は知っています。同じ魂を持つ父親が素晴らしい考古学者になったことを。
「君ならなれるよ・・・絶対に。・・・・・・・・・さようなら、父さん」

そして彼らは、再び「サクラの羽」を探す旅へと戻ったのです。

いささか後半は駆け足ではありましたが、なかなか楽しい物語でした。同じ声、同じ顔、同じ魂なのに次元により「悪人」だったり「善人」だったりする「タンバル」、そして小狼の父親「藤隆」の(魂をもつ少年の)登場。「サクラの羽」こそでませんでしたが、「ツバサ・クロニクル」の物語としては結構好きなお話でしたね。
さて、次回は珍しい「ファイ」のお当番回のようですが、「ちぃ」・・・もとい「チィ」が登場するようです。これまた楽しみ~。(^_^)。

| | コメント (0) | トラックバック (8)

ARIA THE NATURAL_TV08

第8話「その ボッコロの日に…」

最近、大雨が降ったり暑かったりと、梅雨なのか夏なのかどうにも中途半端なお天気。水の都「ネオ・ヴェネツィア」には梅雨は存在するのかなぁ・・・。

「ネオ・ヴェネツィア」の風物詩、夏前の定例気候「アクアアルタ」。今年も床上浸水の季節がやって参りました。
「灯里ちゃん、それじゃあでかけてくるわね。・・・夕方には戻れると思うから」
去年と同様、ゴンドラ協会の会合に出かけてしまった「アリシア」。去年は買い物で時間を潰しましたが、今年はどうやって暇を潰しましょう・・・。
ジリリリリリ・・・
鳴り響く電話に「アクア社長」をおんぶしたまま受話器を持ち上げる「灯里」。電話の相手はお客様・・・ではなく「サラマンダー」の「暁」
でした。
「俺様だ。長靴カンパで待っているから、超特急で来るように。・・・わかったな、もみ子よ
デートの申し込みにしてはぶしつけな「暁」の言葉ですが、「灯里」はたいして気にした様子もなく「アクア社長」と一緒に「長靴カンパ」へ。
途中、街行く人達の胸元に飾られた1輪のバラに、「ボッコロの日」の存在を思い出す「灯里」。
「胸に紅いバラ・・・そうか、今日はボッコロの日なんだ。
・・・あひっ」
と、そこへカゴにバラを背負った「暁」が姿を見せて「灯里」の髪の毛を引っ張ります。
「遅いぞ、もみ子よ」
髪の毛を引っ張らないで&「もみ子」じゃないと文句を言う「灯里」ですが、いつものように「暁」は気にも止めません。
「あ・・・凄いバラ・・・カゴ一杯ですね」
「うむ。・・・アリシアさんに渡そうと思ってな」
本日は年に一度の「ボッコロの日」。男性から愛する女性へと1輪のバラを贈る大切な日ですが、彼にとって「アリシア」への想いは1輪では表せないようです。

「俺様のアリシアさんへの崇高な想いが、たった1輪で足りるものか!・・・街中のバラを買い占めてこそ、無限の愛が示せるのだっ!
※そ、それでは他のバラを買いたい人に迷惑では・・・。(^^;)。

体よく荷物持ちへされてしまった「灯里」。道行く途中の人達がバラをつけているのを微笑んでいると、後輩「アリス」の姿を発見。彼女の胸にも1輪のバラが咲き誇っています。
「はい。パン屋のおじさんに。・・・義理花ですけど
なんとも現実的な彼女の言葉に、苦笑いを浮かべる「灯里」。彼女の話によると「アテナ」も会社の後輩達にたくさんのバラを貰っているそうで、義理花の文化はこの世界では当たり前のようです。
「アリスちゃんも、アテナさんにあげたの?」
私は義理花はあげない主義です。・・・それに私があげたところで、1輪増えるだけで、アテナ先輩にとってはどうということないですよ
義理花はあげない主義と話す「アリス」ですが、その言葉は「灯里」によって遮られます。
「・・・アリスちゃんに貰ったら嬉しいと思うけどな、アテナさん」
尊敬する先輩にバラをあげるのは素晴らしい行為。その1輪は「アテナ」にとって特別なバラになることは間違いありません。
---
「アテナ先輩、あげたら・・・喜ぶかな」
※可愛い後輩から貰うのですから「義理花」でも「アテナ」は大喜びしますよね。・・・それに、義理かどうかは「?」ですし。(^_^)。

冷たい石畳の感触を素足で味わうために、長靴を脱いで闊歩することにした「灯里」と「暁」。初夏の陽気が足下で癒され、歩くリズムも軽やかになります。
うわぁ・・・水面に空が映って、綺麗・・・。洗濯物や、建物の格子窓まで。あっ、浮島も映っていますよ。・・・ふふふっ・・・鏡の国にいるみたいですね
綺麗な景色に、つい口から出てしまう奇跡の言葉。いつもならここで突っ込みが入るところですが・・・。
「そこっ、恥ずかしいセリフ、禁止っ!」
丁度ピッタリ、計ったように姿を現した「藍華」。
相性の悪い「暁」との口げんかも始まり、「灯里」の口からはため息ばかり。と、その視線が「藍華」の手元へと釘付けになります。
「あ、藍華ちゃん。藍華ちゃんも誰かからバラを貰ったんだ。・・・もしかして、アルくん?
「ちょっ・・・えっ・・・な、なんでアルくん。ち、違うわよ。・・・これはね、アリシアさんにあげるの
※どもる「藍華」萌え~っ。(^_^)。

「アリシア」の居所を「灯里」より聞いた「藍華」は、「先に渡すのは私よ」とダッシュでゴンドラ協会へ。ならばと「暁」はさらにバラの量を増やして勝負。旧友のよしみで「ウッディー」からお金を借りてバラを大量購入です。
「俺様の愛を表現するには、まだまだ足りんのだっ!」
※お金は借りたら返しましょう。ご利用は計画的に。(^^;)。

「ボッコロの日か・・・そういえば、ボッコロってどういう意味なんでしょうねぇ
いかに安く多量のバラを購入するか、花屋さんと侃々諤々と交渉している「暁」を置いて、「アリア社長」とゆったりとした会話を楽しむ「灯里」。そこへ、ひとりの女性が「ボッコロ」の意味を語ってくれました。
「ボッコロは『花のつぼみ』という意味だよ。
・・・よかったら、『ボッコロの日』の由来を話してあげようか」
老いも若きも、男性が1輪の紅いバラを贈るならわしがある「ボッコロの日」。この行事は何百年も前の「マンホーム」にあった実話から来ているそうです。

【『ボッコロの日』の由来】
 高貴な娘に恋をした、ある下級貴族の若者。
 彼は自分の誠意を娘の父親に見せようと、進んで戦争へと赴きました。
 しかし、戦いは若者の肉体を傷つけ、
 彼はその命を純白のバラの茂みに捧げることになります。
 自らの命が尽きようとしたとき、若者は最後の力を振り絞り、
 1輪のバラを手折って戦友へと託しました。
 そして娘は、若者の血に紅く染まった白いバラを、届けられて、
 愛する人の死を知ったのです。

※切なくなる由来ですね・・・。(T_T)。

「なんだかとっても摩訶不思議。もうその彼も彼女も、何百年も昔にいなくなっているのに・・・その彼の思いだけは紅いバラとなって、こうして今も残っているのですね・・・」
「マンホーム」より受け継がれた「ボッコロの日」。それこそ時間だけではなく、果てしない空間さえも越えて、その想いは惑星「アクア」に受け継がれています。今、「灯里」の胸の中に、愛に生きて戦いに死んだ若者の思いが、ゆっくりと広がっていきました。
「もみ子よ・・・。恥ずかしいセリフ禁止だ」 ※(^^;)。
---
残念ながら「アリシア」とは会えませんでしたが、ゴンドラ協会からの帰り道、「藍華」は彼女が心動かされている「ノーム」の「アル」にばったりと出会います。
「藍華さん!・・・アクアアルタの日は、藍華さんたちはお休みなんですね。それに今日は・・・ボッコロの日なんでしたね
左手に持ったバラを見やって、「アル」が投げかけた言葉。その言葉に、彼女の心はドクン・・・と音を立てました。
「違うのっ・・・このバラは、アリシアさんにあげようと思って、私が自分で買ったバラなのよっ
顔を赤らめ、慌てて(必要のない?)言い訳を「アル」に行う「藍華」。
しかし、彼女は「そうでしたか」と笑顔で返す「アル」の発言の後に、ふと小さくも重大な疑問に気がつきます。
『もし・・・誰かに貰ったって言ったら・・・アルくん、どんな顔をするかな・・・』
自分自身では答えが出るはずのない疑問に、しばし没頭する「藍華」。思考のループは「アル」が声をかけるまで続きました。
「・・・藍華さん?・・・藍華さんは、宝石とかに興味ありますか?
「宝石・・・そりゃあ、まあね。でも、なんで急にそんなことを聞くの?」
まだドギマギしている心を隠すことも出来ず、少し慌てた言葉で聞き返す「藍華」。彼女に「アル」は手のひら大の石ころを差し出しました。
よかったら、これをどうぞ。・・・『バラの瞳』と呼ばれる宝石の原石です。地下世界でたまに取れるんですよ」
「ボッコロの日」の1輪のバラではないけれど、同じ名を持つ宝石の原石をプレゼントされた「藍華」。どうやら彼女の頬は、冷める暇を与えて貰えないようです。
『・・・バラにひっかけて、宝石の原石だなんて。・・・もしかして・・・ひょっとしてこれって・・・
普段の「アル」からは望んでも聞くことが出来ない言葉の数々。これも「ボッコロの日」の小さな奇跡なのでしょうか。(^_^)。

「・・・アルくん、これいったいどういうつもりで・・・」
今日はもしかして運命の日? 「アル」の真意を「藍華」が問い尋ねようとしたとき、通りの向こうから「灯里」が声をかけてきました。そのタイミングの悪さに、思わず顔をしかめる「藍華」。彼女の思いにも気がつかず、「アル」は「灯里」と「暁」のふたりに気軽に声を掛けています。
「どうしたんですか、暁くん。凄い数のバラですね」
自分の目の前から離れ、「暁」の近くへと歩いていく「アル」。その背中を見つめながら「藍華」は再び思考のループへと入っていきます。
『アルくん・・・この貴石をくれた意味って・・・』

「うん・・・藍華ちゃん?」
ボーッとした「藍華」にちょっと不思議な「灯里」。どうしたのか尋ねようとしましたが、向こうから「暁」が呼ぶ声が聞こえます。
「藍華ちゃん、またね」
生返事の「藍華」に、再び近づいてきた「アル」もちょっと様子がおかしいことに気がつきます。
「藍華さん、熱があるんじゃ・・・顔が赤いですよ?」

「えっ、別に大丈夫だけど。・・・それよりさっきの・・・だから・・・その・・・・・・なんでもないわよ。それより、アリシアさんを探すのを手伝いなさいよ」
まだ不思議がる「アル」の手を握って、「藍華」はいつもの調子を装いつつ歩いて行くのでした。
※今日は「藍華」ファン大喜びではないでしょうか。ドギマギする彼女は可愛らしいですねぇ。(^_^)。

「よし、これで準備は万全だな。あとはバラを渡す予行練習をするだけだ。・・・もみ子、アリシアさん役を頼むぞ。・・・もし、アリシアさん!
「あらあら・・・」
まるでコントのようなふたりの動き。それでもやっている本人、少なくとも「暁」は大まじめ
に練習に励みます。
「こ・・・これ・・・俺・・・俺・・・俺のきも・・・きも・・・気持ち・・・」
バラを摘んだゴンドラごと持ち上げて渡そうとする「暁」。その必死な表情はかえって相手に恐怖感を与えそうです
「似ていない灯里でこれでは、本物にあったらどうなるか、想像も出来ん。・・・だからこそ、こうして練習を頼んでいるのだ。それではもう一度いくぞ」
かなり非道いことを言われつつも、たいして気にせずに練習に付き合う「灯里」。あれあれ、どうやら「アリア社長」が誰かを見つけたようですが・・・。
「もし、アリシアさん」
「はい?」
瞬時に凍り付く「暁」の表情。
「灯里」の物まねとは明らかに違う、聞き間違えるはずもない美声が彼の脳天へと直撃します。
「・・・えっ・・・ちょっ・・・ぐはぁっ・・・」
ゴンドラ協会からの帰りに、たまたまふたりと出会った「アリシア」。彼女のゴンドラには、山のようにバラの花が積まれていました。
「うわぁっ・・・凄い数のバラですね」
「うふっ・・・仕事柄ね。お得意様やおつきあい先から、いっぱい頂いちゃったの
※大枚はたいてかき集めた「暁」のバラの数よりも、ゴンドラに積まれたバラの数が多いです。さすが「三大妖精」。

「・・・暁さん」
今がチャンスと小声をかける「灯里」に、「お、おう」と頷く「暁」。一世一代の勝負が幕を開けました。
「あ、あの・・・アリシアさん。こ・・・こ・・・こ、これ・・・俺の・・・き・・・き・・・気持ち・・・
彼の言葉を聞いているのかいないのか、はたまたわかってやっているのか。上から下まで「暁」を見やった「アリシア」は彼の言葉の続きを待たずに「灯里」へと話しかけます。
「あらあら灯里ちゃんこそ。暁くんからいっぱい貰ったのね。あらあら・・・うふっ・・・お邪魔しちゃったかしらね。じゃあ私、先に帰っているわ・・・」
その言葉に「ほへっ」と惚けた「灯里」を残して、悠々とゴンドラで去っていく「アリシア」。哀れ「暁」は追いかけようとしてゴンドラに躓き、背負ったバラごと水面に全て投げ出すこととなりました。
アリシアさん、カムバアーック!・・・バァアアーック・・・」
がくりと膝をつく「暁」に、かける言葉も見つからない「灯里」。ふと目を上げると、水面に立った数百本のバラが、彼を中心にしてゆっくりと広がりを見せてゆきます。
「暁さん、見てください。・・・暁さんの想いが、水面いっぱいに広がっていきます。どこまでも・・・どこまでも広がっていきますよ。まるで、大昔の恋人達の想いが、人の心に映って広がっていくみたいに。・・・誰かが誰かを思う優しくて・・・どこか切ない気持ち。きっと誰の心にも、暖かな光をともして。・・・不思議と笑顔にさせてくれる。それはきっと紅いバラの伝説がくれた、魔法なのかも
彼女の言葉をバックに、人々の笑顔が広がっていきます。頂いたカードの文面に微笑む「晃」、「アリス」の差し出したバラに笑顔を浮かべる「アテナ」、橋の上で足下を流れていくバラたちに笑顔を見せる「藍華」と「アル」・・・。
※人々に笑顔一杯を与えることが出来ましたし、無駄にならなかったのが唯一の救いですかね。頑張れ「暁」!

「うん、大丈夫です。きっとアリシアさんに伝わりますよ、暁さんの気持ち」
笑顔を見せる「灯里」に「何だその根拠のない自信は?」と軽口を叩く「暁」。しかし彼自身も、先ほどまでの悲嘆な表情から一変し、笑顔を浮かべる自分に気がついていました。

もみ子、ほれ・・・やるよ。今日一日付き合わせた謝礼だ」
水面に浮かぶ一輪のバラを投げてよこす「暁」。その花を受け取った「灯里」は、今まで「暁」が見たこともないような笑顔を浮かべました。
「ありがとうございます。私・・・男の人からお花を貰ったの・・・初めてです
ドクン・・・。その鼓動は「ボッコロの日」が与えたちょっと特別な想いか。今年の「アクアアルタ」は、ちょっと幸せな気分を「ネオ・ヴェネツィア」に与えたようです。

最後の「暁」の心臓音は、今後の「灯里」との関係に何か変化を与えるのでしょうか。憧れだった「アリシア」に抱いていた思いとはまた別の想い・・・というのはベタすぎですかね。とにもかくにも惑星「アクア」と水の都市「ネオ・ヴェネツィア」は、小さな奇跡で出来ているようです。

| | コメント (2) | トラックバック (16)

ツバサ・クロニクル_TV30

第30話「哀しいキセキ」

あらゆる次元を巡る「サクラ」達の旅。しかし、今回は今まで訪れた国へと再度訪れることになります。「モコナ」が「サクラの羽」を検知しわすれたのか、はたまた誰かの策謀か・・・って、バレバレですね。(^^;)。

「次の世界に到着ぅっ!」
春の薫りが漂う草原へと降りてきた「サクラ」達一行。晴天に恵まれた空は彼らの旅を祝福しているかのよう。
「羽を探すのも大事だけど、少しはのんびりできるといいよね。前の世界は何かと忙しかったから・・・」
「ファイ」の言葉に「はい」と返す「小狼」。ドラゴンフライレースに犯人捜し、「飛王」の介入と、確かに前の世界は慌ただしいことばかり。
---
「こちらの狙い通りになりましたね」
「私は確かめねばならぬ。あのキセキの結末を・・・そして命の根源を」
しかし、この次元への彼らの到着は「飛王」達によって操られた結果だったのです。
※「星火」の口ぶりからすると、今回だけ特別に次元の移動に介入したようにも聞こえますが。さて。

「・・・この間の羽は、私が小さい頃に飼っていた『砂ウサギ』と初めて出会ったときの想い出だったの」
「小狼」へと蘇った記憶を語って聞かせる「サクラ」。その言葉に「小狼」は少し複雑な表情を浮かべます。・・・そう、彼の記憶の中で「サクラ」へと「砂ウサギ」を持って帰ったのは「小狼」その人なのです。
---
「遺跡の発掘現場で見つけたんです。ちょっかいを出していたらついて来ちゃって・・・」
父様の発掘へと連れだった「小狼」が持ち帰ってきた「砂ウサギ」。その愛くるしさに「サクラ」は、もうめろめろ。
「ねぇ小狼、このこ私が飼っても良い?・・・大切に育てるから、ねぇ良いでしょう?」
---
ふたりにとっての大切な想い出。しかし、「次元の魔女 侑子」への対価として「小狼自身に関する記憶」を差し出した「小狼」により、「サクラ」の記憶の中では誰に貰った「砂ウサギ」なのかは空白のまま。
※「xxxHOLiC」をテレビで放映している今、彼女自身の欲望として「小狼」に関する記憶を奪ったのではないと理解していますが、それにしても可哀想な設定です。

「ねぇモコナ、今から侑子さんと話せる?
「サクラ」の頼みに回線を開いた「モコナ」。別次元に存在する「侑子」の姿が空中へと映し出されます。
「サクラがね、ご用があるんだって」
今から出かける用事があったのか、着替えの準備をしていた「侑子」。彼女に向かって「サクラ」は、1着の黒いワンピースを差し出します。
ホワイトデーのお返しが出来ました。・・・ピッフルワールドにいたとき、知世ちゃんから教わって作ってみたんです」
「モコナ」の隠された能力により、無事に「侑子」の手元に到着した衣服。喜ぶ「侑子」でしたが、男性3名からのお返しについても忘れていません。

【ホワイトデーのお返し要求に対する男性陣の反応】
 ・「(苦笑いしながら)はい」:小狼
 ・「(何を考えているのか読み取れない表情で)俺、どんなプレゼントにしようかなぁ」:ファイ
 ・「(後ろを向いて侑子を睨みつつ)冗談じゃねぇ。絶対、礼なんかしねえぞ」:黒鋼

※三者三様。(^_^)。

「ひとつ、聞いても良いですか?・・・前のピッフルワールドで俺たちのように次元を渡る者に出会いました。それが何者なのか、わかりませんか?
真剣な顔で問い尋ねる「小狼」に、「侑子」はしばらく考えると、ひとつのヒントのような答えを返します。
「さぁ・・・でもこれだけは言えるわね。次元を越える能力を使える者は、私以外にもいるということ。・・・いずれにせよ、その相手を敵か味方かを見極める確かな目が必要ね」
彼女の言葉に今までの旅を振り返る「小狼」。確かに突然姿を見せた黒い兵隊や、目の前で消失してみせた「星史郎」など彼らの前にも何人か次元を越える者達は姿を見せていました。
---
「侑子」との回線を切断した直後、「モコナ」が「サクラの羽」の存在を感知して騒ぎ始めます。
慌てて場所を移動する「小狼」達の前に姿を見せる紅く点滅する光。そして地面から飛び出した三角錐の中に埋まった「サクラの羽」。ところが羽を取り出そうと「小狼」が剣を振るった瞬間、地面から巨大なドラゴンが出現!・・・なんと、三角錐はドラゴンの角の一部だったのです。
「こんなこったろうと思ったぜ!」
※いや、「黒鋼」。ここまでの展開はちょっと・・・。だいたいどうして地面の中にドラゴンが埋まっているんだ! (突っ込んだら負け。

「あの人は!?」
ドラゴンを囲み、縄を投げる一員に「空汰」そっくりの青年を見つける「小狼」。ドラゴンの攻撃を受けて倒れた彼を助け起こすと、青年はふたりの姿を見やり謎の言葉を発します。
「君は・・・帰ってきて・・・くれたのか」
その言葉に驚く「小狼」達。しかし、その疑問への解答は「ファイ」が指し示す方向に隠されていました。
「あれは・・・あの時の・・・」
---
第26話「最後の願い」にて姿を見せた「空中神殿」。彼の地へと再び降り立った「小狼」達に、村の長老は話して聞かせます。
「かつて願いの叶う神殿に赴き、命を落とした者達は・・・そなた達が起こしたキセキによって蘇ることが出来た。だが・・・そなた達が消えた後、我らが神から新たな言葉を授かったのじゃ
『蘇った魂達は次の新月の夜、再び無に帰するであろう』
その言葉に衝撃を受けた村人達。そして今、事情を聞かされた「小狼」達もまた、神の言葉に衝撃を憶えます。
※原作は未見でしたが、いかにもオリジナルぽかった前シーズン最終話。それと連携させるとは今回もまたオリジナルかな。

「まだ希望はある。この人達が帰ってきてくれたんだ。・・・あとは、光る羽を手に入れ、神殿に捧げて彼女が祈れば、きっと新たなキセキが起こるはずだ。そうすれば皆も、そして俺も・・・消えずに済むんだ」
「空汰」の言葉を聞き、村人達への協力を決意する「小狼」。「サクラの羽」を手に入れ、「サクラ」が祈りを捧げた後は、羽を返して貰う約束を村長と結びます。
「・・・それにしても、ひとつの世界に羽が2枚もあったんだね。・・・きっとあの怪物が地面深く潜ったりして、波動が弱かったんだろうねぇ」
---
月を見上げ、自分がこの世界で願ったことを後悔し始めている「サクラ」。それでも、助かった命で新しい生活を送る人達がいます。彼女が本当に誤った選択をしたのか、答えられる人間はこの世界にはいませんでした。
「モコナ」が見逃す可能性もある。・・・簡単に納得していますが、そうだとすると今までの世界にも他に見逃しがある可能性が出てきます。ちょっと問題のある設定ですね。

「いいかてめえら、俺の言った通りに動けよ」
怪物退治の専門家(?)である「黒鋼」の言葉に従い、ドラゴンを追い詰めていく村民達。あとは彼の合図を待ち、ひとつの仕掛けを作動させるだけです。
「天魔昇竜閃!・・・今だ、小僧っ!」
その一撃に苦しみ、がけの上へと顔をのけぞらせるドラゴン。その角に「空汰」が縄を引っかけ、「小狼」はそれを頼りにドラゴンへととりつきます。
「はあああぁああぁっ!!」
かつて「桜都国」にて手に入れた「緋炎」を振るう「小狼」。剣の師匠である「黒鋼」も認めるその一撃に、ドラゴンから「サクラの羽」を取り戻すことに成功
します。
※ふむ、ずいぶんあっさりと。(^^;)。・・・ということはクライマックスは「神への願い」ですね。

既に能力を失い、地面へと墜落している「空中神殿」。その祭壇に供えられた「サクラの羽」の前で、膝をついて祈りを捧げる「サクラ」。
「お願いです・・・消えゆく人達にもう一度、命の力をお与えください・・・
その願いが通じたのか、響く「神」の声に村人達は「キセキ」の再来を期待します。
・・・娘よ・・・お前の願いは・・・叶わん。一度失われた命は、決して蘇ることはない。それは、いかなる世界においても揺るがぬ現実』
---
遙か遠く、「謎の世界」にて興味深そうにスクリーンを見やる「飛王」。悲しみも喜びもなく、ただ真剣に彼は別次元の「神」の言葉に耳を傾けていました。
---
「今更何を・・・。現にあのときはキセキが起こり、俺たちは生き返ったじゃないか!」
「空汰」の叫びにも似た問いかけに、「自分の力」ではないと静かに返す「神」。そして「サクラの羽」の力とて、「うたかたの夢」と同じだと「神」は答えます。
『・・・この娘の祈りがひとつになってなされた、だがそれとて短きキセキ』

「小狼」達の何とも言えない表情が印象的です。こうなる可能性を感じていたのか「小狼」「黒鋼」「ファイ」の厳しい表情。そしてあの月夜、「サクラ」もまたこのことに気がついていたのではないでしょうか。

納得できない。その想いが「神」に向かって武器を取らせます。今にも「神像」へと飛びかからんとする村人に、その肩に手を置いて止める「空汰」。
「みんな・・・止めるんだ」
この場にいる誰もが、心の底ではわかっていました。信じたくはないけれど、理解はしていました。亡くなった命は蘇ることは出来ない。たとえ蘇ったとしても、それは「哀しいキセキ」なのだと。
ゆっくりと吸い込まれていく「サクラ」の羽。その記憶が、彼女の中に吸い込まれていきます。
---
夜中の庭で、石を積む「サクラ」。それは幼き頃の哀しい記憶。「小狼(彼女の記憶では空白)」から譲り受け、大切に育ててきた「砂ウサギ」。しかし、その命が天に召されてしまったのです。
「お父様・・・神官様にお願いして、あのこを生き返らせて!・・・お願い」
様子を見に来た父親に「砂ウサギ」の復活を懇願する小さな「サクラ」。しかし、優しい父親は彼女の願いを叶えることは出来ないと答え、しゃがみ込んで「サクラ」の目線と同じ高さになります。
「・・・失われた命は、二度と戻りはしないのだから。・・・だからこそ、命は尊く、生きることは素晴らしいんだ。・・・それを教えてくれたあのこのことを、決して忘れてはいけないよ
※「花が美しいのは散ってしまうから」とよく言います。「命が大切なのは儚いから」ともよく言います。しかし、世の理を曲げてまでも「永遠の美しさ」「命の復活」を羨望するのもまた人間。それが「人の性」なのでしょうか。

「別れの夜・・・か」
迎えた新月の夜。最後の別れを惜しむ村人達のなかに「小狼」と「サクラ」の姿もありました。
「力になれず、申し訳ありません」
謝る「小狼」に「感謝している」と答える村人達。「空汰」もまた、「小狼」に礼を言った村人のひとりでした。
「俺がいなくなっても、強く生きるんだぞ」
愛する妻「嵐」との永遠の別れを告げる彼の言葉を、彼女は途中で遮ります。
「・・・違うの。実は私も・・・」
そして、ついに約束の時が訪れました。光の粒子となって、姿を消していく村人達。そして「空汰」も・・・さらに「嵐」も粒子へと姿を変えていきます。
あなたが命を落とした後・・・私も神殿に行ったの。あなたのことを、生き返らせて欲しいという願いを叶えるために。でも結局は、あなと同じ運命を辿ったわ
今、別れの時までそのことを隠していた「嵐」。「どうして黙っていたんだ」という「空汰」の言葉に、彼女は「あなたの気持ちを考えたら、言えなかった」と再度謝ります。
「・・・この気持ちをどう伝えたらよいのだろう。哀しいような・・・嬉しいような・・・。言葉にするには、ひどく難しい」
「私は嬉しいわ。・・・あなたと一緒だから」

抱き合い、消えていくふたりの姿を見つめる「小狼」と「サクラ」。そして「モコナ」の「また会おうね」という別れの言葉に、ふたりは驚きつつも返します。
「ええ。またいつか・・・どこかで」

---
「満足のいく結果だった?」
近くにやってきた「星火」の言葉に、その顔も見ないで返す「飛王」。
「・・・こちらが予期していた通りだ」

彼の言葉を聞き、床へと目を向ける「星火」。そこには粉々に砕け散ったワイングラスと、血のように紅いワインがこぼれていました。

ある意味「ご都合主義」「それまでの世界観からかけ離れた結末」という感想も聞かれた第26話「最後の願い」。それに対するスタッフの答えが、今回だったのかもしれません。
確かに「サクラの羽」も万能ではなく、やはり「命は儚く尊きもの」という今回の答えには納得もしますが、ちょっと哀しい話だったのもまた感じたこと。
次回は明るく楽しい「サクラ」達の旅が見られるかな?

| | コメント (0) | トラックバック (7)

「第8回アニメ感想率調査2006春[最終回]の結果公開

光希桃 様の Anime Station にて開催されていた、
「第8回アニメ感想率調査2006春[最終回]の結果が公開されました。

残念ながら今回が最終回とのことですが、約270サイトの方々が参加された資料的にも大変興味深い調査です。

私も参加させていただきましたが、新番組として取り扱っているのは2つ(「ARIA THE NATURAL」「ツバサ・クロニクル」)だけなのがちょっと寂しい。
(皆様に好評の「涼宮ハルヒの憂鬱」は何かの方法で視聴したいですね。)

一方、終了番組としては感想を書いていた「うえきの法則」、「舞-乙HiME」、残念ながら感想は書いていなかった「SoltyRei」が私的オススメです。

コメントを読むだけで1時間は楽しい時を過ごせますので、皆様も是非、ご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ARIA THE NATURAL_TV07

第7話「その 猫たちの王国へ…」

新入生、新入社員のみなさーん!五月病にかかっていませんか?
ストレスを発散させる方法も色々ありますが、週の初めには「アリア社長」で癒されましょう。
では「アリア社長」、ひと言どうぞ。
「ぷいにゅぅう~」

「・・・あ、アリア社長。・・・そっか、今日から夏服でしたね。ありがとうございました」
半袖の制服を「灯里」の元に運んできた「アリア社長」。惑星「アクア」も夏を迎え、「ウンディーネ」達も衣替えの季節です。
「さてと、それじゃあ練習に行きましょうかアリア社長。・・・アリア社長、いないんですか?」
気持ちも新たに練習へと向かう「灯里」。いつもついてくる「アリア社長」ですが、今日はお出かけのようです。
---
「そうだアリスちゃん。どうだった、社内ペアパーティ」
前回、無事に出席することとなった「オレンジぷらねっと」の行事のことを尋ねる「灯里」。ちょっとはにかみながらも「アリス」は「どちらかといえば楽しかった」と答えます。これからは同僚や会社の先輩とも練習を行うと話す「アリス」に、安心する「灯里」と「藍華」。少しずつ社内での人間関係もうまく回り始めたようです。
「先輩達よりでっかい早くプリマになってしまうかもしれません」
※練習量倍増の「アリス」の言葉に、「すごーい」と喜ぶ「灯里」と、危機感を感じる「藍華」。ふたりの姿勢の違いが面白いです。

「後輩ちゃんに負けてたまるもんですか、見てなさい!・・・いつもは通らない難易度高めの水路にチャレンジッ
とシングルの実力を見せつけるべく、練習用ゴンドラを狭い水路へと導く「藍華」。自分も漕ぐのと怯える「灯里」の目に、どこかにおでかけしたはずの「ぷいにゅぅ」の姿が映ります。
「あ、藍華ちゃん。アリア社長がゴンドラに乗ってた!?
その言葉には興味なさそうな「藍華」でしたが、難易度が高そうな水路との「アリス」の言葉には思いっきり反応。とりあえずゴンドラの向きを変えて「アリア社長」の追跡に向かうことに。
「いました。・・・どこに行くのだろう?」
狭い道を器用に漕いでいく「アリア社長」になんとかついていく「藍華」。しかし、いつもは閉じられている水路まで辿り着いたとき「アリス」が「でっかい嫌な予感」を感じて追跡はSTOP。
---
「やっぱり、ネコの集会に出かけているのでしょうか?
今日の結果を「アリシア」に報告する「灯里」。洗濯物のシーツを取り込みつつ、彼女は「マンホーム」に伝わるネコの集会について教えてくれました。
「・・・ネコは自分たちだけの王国を持っているという伝説。残念だけど、人間は入れないらしいけれど。・・・もしかしたら、ケットシーが妖術を使っているのかもしれないわね」
※「ケットシー」との出会いは今までに何度か「ARIA」で伝えられてきましたね。なんとなく「灯里」なら集会に参加できそうだけれど。

「アリア社長、今朝もひとりでおでかけしたみたい」
「うーん確かに。うちの姫社長も出かけたみたいだけれど・・・」
やはり気になる「ネコの集会」。「アリス」が会社の同僚との練習に出かけた今日、もう一度「アリア社長」の後をつけることにチャレンジする「灯里」と「藍華」。
「じゃあ、行くわよ」
難しい水路は「藍華」の操舵技術に任せて、「アリア社長」の後をつけ始めたふたりの前にちょっと不思議な出来事が起こり始めます。
無人の家の中で回り続ける数十もの風車。一本道で見失う「アリア社長」。誰ひとり人の姿が見えない街路。
「・・・もうずいぶん漕いだわよね」」
水路の名手が不安になるほどの時間の後、ふたりは廃墟の中へと進み入りました。
「あれ?・・・今、誰かがこちらを見ていたような・・・」
何者かの気配を感じる「灯里」の言葉に「変なことを言わないでよ」と怖がる「藍華」。
「あ、アリア社長だ!?」
「今度は見失わないでよ・・・」
気配の後に再び水路の奥に姿を見せた「アリア社長」を追いかける「藍華」と「灯里」。そして彼女たちは気がつきませんが、水路の横の廃墟を十数匹もの猫が併走するかのように走り抜けていきます。その後も、ビルの上から彼女たちを監視するかのように見下ろす猫たち、廃墟からのぞき込む猫たち・・・。
※やはり「ネコの王国」は人の存在を許さないのか。暖かい部屋なのに、見ている私の背中は少し寒くなってきました。(^^;)。

「ずっと空気が止まっている感じ。・・・本当に来て良かったのかな、私たち
繰り返されるパターン。同じような光景。道に迷ったと言うよりは、迷わされているかのような・・・。
「ここ、さっき通らなかった?」
「・・・気のせいじゃない」
返した「藍華」の言葉に、若干の震えが見られます。そして、そのパターンは操舵者が「灯里」に変わっても、終わることはありませんでした。
「・・・流石に、ヤバイ香りがぷんぷんしてきたわね」
「もしかして・・・来て欲しくないの、私たちに?・・・・・・・・・誰かが呼んでいる・・・誰?」

どこか遠くを見つめる「灯里」の様子に不安を隠しきれない「藍華」。彼女の耳には聞こえない声に「灯里」は呼ばれてゴンドラを進めます。
---
「ネコさんたちの集会を見ようとしたから、罰が当たったのかな・・・。きっとここは来てはいけない場所だったんだね。ごめんなさい、ネコさん
何度繰り返したかわからないほどのループ。再び廃墟にたどり着いた「灯里」が謝罪の言葉を述べた直後、彼女たちのゴンドラに小さなゴンドラが近づいてきました。
「ぷいにゅぅーぃ。・・・ぷいぷい?」

「アリア社長」の登場に、ほっとしたかのように今までの経緯を説明する「灯里」。全て理解しているのか、「アリア社長」は落ち着いた様子でひとつの水路を指さします。
「あれ?・・・さっき、あんなところに水路あったっけ?」
「あの道を行けば帰れるのですか?・・・アリア社長も一緒に帰りますよね」
確認する「灯里」の問いに、ゆっくりと首を振る「アリア社長」
。まだ「ネコの集会」は終わっていないのでしょうか。
「・・・大丈夫でしょう。私たちと違って、ひとりで来てひとりで帰れるのよね、アリア社長
「藍華」の言葉にうなずく「アリア社長」。それを見た「藍華」は、自分で漕ぐからとオールを受け取り、ゴンドラを水路へ進めます。
『やっぱり私たちはネコたちが踏み込んで欲しくないところに・・・踏み込もうとしたのですか?』
その問いに答えることなく、暗闇に消えていく「アリア社長」。しかし、背後からの光にもう一度「灯里」が振り返ったとき、そこには数十匹のネコ達と「ケットシー」の姿が見えました。丁寧にお辞儀をして、彼女たちを見送る「ケットシー」。
---
今日もまた、どこかで「ネコの集会」は開かれているのでしょうか?

不思議な・・・不思議なお話。「ネコの集会」は「マンホーム」からの伝説とのことですが、「まぁ社長」は参加していないのか。はたまた語られなかっただけなのか。
なんとなく、今はまだ「ネコの集会」に参加する資格を、人間は与えられていないような気がします。いつか、「灯里」のような人間がいっぱい増えたとき、人もまた「ネコの集会」に参加する資格を与えられるのかもしれませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (10)

ツバサ・クロニクル_TV29

第29話「栄光のゴール」

3回に渡って繰り広げられてきた「ドラゴンフライレース」もいよいよ決着。空中で「龍王」の機体と激突した「小狼」のマシンは果たして助かるのか? 「星火」が送り込んだ謎の人物の正体は? そして「サクラの羽」を手に入れるのは一体誰か?

「ワンコが車体をぶつけてくれたから助かったんだ。でなきゃ今頃・・・」
自らの機体をクッション代わりに「龍王」の機体にぶつけた「小狼」。おかげでふたりとも怪我することなく脱出することが出来ましたが、残念ながらレースはここでリタイア。不安に様子を見に来た「サクラ」に、「小狼」はレースの勝利を託します。
彼の思いを感じとり、再び飛び立つ「サクラ」の機体。そして他の参加メンバも第3チェックポイントへと突入。
優勝候補の「黒鋼」からは大きく離されていた「サクラ」ですが、この第3チェックポイントは不規則な間欠泉をどう避けていくかがポイント。異様に働く彼女のカンにて、次々と間欠泉を避けていきます。
「おーっと、ウイングエッグ号が2位に躍り出たぞぉっ!
実況の声が鳴り響く中、不満そうな表情を見せるのは「小狼」達がリタイアする仕掛けを作動させたヒゲの男。彼はその場でコンソールを操作し、崖に仕掛けられていた爆弾を「黒鋼」「サクラ」の至近で爆破。
「・・・ちぃっ」
目の前に広がる砂埃のなか、全ての破片を避けきるのは不可能と判断した「黒鋼」。瞬時の判断で機体を「サクラ」にぶつけた彼の機転で、なんとか「サクラ」の機体はリタイアをまぬがれることが出来ました。
「行け!・・・やるって決めたんだろう?・・・行け
※緊急時に後方を見やり、後続車が巻き込まれないことを確認して「龍王」へと突貫した「小狼」の冷静な判断。目前の爆発に、とっさに「サクラ」だけでもトラップから救い出した「黒鋼」。どちらも格好良すぎですよ。(^_^)。

「これまでのところ、不信な動きをした選手は誰もおりません」
「レースに参加しなけりゃ、優勝賞品を手に入れることは出来ない。だから犯人は必ずこの中にいるはずだ。・・・だが怪しい奴がゼロだということは・・・
「残(のこる)」、と「笙悟」の報告から外部に共犯者がいると確信した「知世」。彼女の指示で電波の発信記録が収集され、犯人を見えない網で覆っていきます。
---
「・・・それじゃあ、さっきの爆発も?」
一方、既にレースをリタイアした「小狼」と「龍王」も、「EWセンサー」の動きから選手以外の犯人の存在に気がついていました。
「すみません、別の場所に行きたいのですが・・・お願いします」
リタイアした選手を運ぶメディカルスタッフ達に電波の発信源へ向かうように依頼する「小狼」。彼らもまた犯人に近づいていきます。
※優勝候補達をリタイアさせ、探査される危険を冒してでも「サクラの羽」を手に入れたい犯人。しかし、「知世」と「小狼」の包囲網は確実に犯人を追い詰めていきますね。

「・・・どうしました?」
レースのさなか、本部へと駆けつけた「黒鋼」と「ファイ」。「黒鋼」は真剣な表情を浮かべ、「知世」に問い尋ねたいことがあると言います。
そろそろ本当のことを言え。・・・・・・言え」
彼の瞳に嘘をつくことは出来ないと判断したのか、ゆっくりと口を開く「知世」。彼女の答えには驚くべき事実が含まれていました。
レースに仕掛けをしたのは・・・私です。・・・と申しましても、細工をしたのは予選の時だけ。レース会場の空域に、私がナノマシンをばら撒きましたの。・・・サクラちゃんに羽を返すために
彼女の言葉に驚きを隠しきれない「黒鋼」と「ファイ」。なぜ「知世」は「羽」が「サクラ」のものだと知っているのか。
「今から1年前、我が社の発掘チームが海底から羽の形をした不思議なエネルギー体を発見しました。・・・それからしばらくして、ある人からその羽がサクラちゃんのものであるとお聞きしました。でもそれは、不思議な羽のことを公表した後だったのです
近隣諸国、国内から注目を集めてしまった「羽」。その羽をいくら本人のものだからとはいえ、理由を明かさずに返却することは出来ない。そう判断した「知世」は「羽」をレースの優勝賞品にすることを思いつきます。
「あわせて羽を狙う者達をあぶり出すことも出来ます。・・・しかし、そのことは皆さんを危険に晒すことになります。そこで予選の時にはこちらサイドであたかも不正があったように偽装工作をして、警戒を強めていただいたのです」
必ずレースに優勝すると「サクラ」達を信用しての行動。となると彼女にそれを信じさせた「ある人」が誰なのか、「黒鋼」がさらに追求しようとした時、電波の発信源が判明したとの報告が「知世」へと伝えられました。
「どこです?・・・私の会社!?
涼しげな顔で全てを手配して実行してしまう「知世」の能力にあらためて驚かされます。そしてそれを見破った「黒鋼」も、流石に思い人・・・といったところでしょうか。(^^;)。

レース外での動きが激しくなった頃、「ドラゴンフライレース」も終盤へとさしかかろうとしていました。
「この渓谷を抜ければゴールはすぐそこだぁあっ!・・・優勝はスノーホワイト号か、それともスピリット号か・・・いや、ウイングエッグ号が必死で追い上げる!
3台に絞られたレース優勝者。ゴール手前でトップに躍り出た「サクラ」が乗る「ウイングエッグ号」に対して、またもや伸びるヒゲ男の魔の手。
「・・・次の目標はウイングエッグ号・・・了解しました」
何者かの指示に従い、コンソールパネルへと伸ばされる手。するとそれまではレース上空に待機していた仕掛けの一部、荷粒子ビーム砲を搭載したオパオパ (違 がゆっくりと「サクラ」に向かい照準をセットします。
「ターゲットロックオン。荷粒子ビームパワーチャージ開始・・・ウイングエッグ号、覚悟しろ
今まさにスイッチが押されようとした時、ヒゲ男の部屋に「小狼」と「龍王」が飛び込んできました。
「止めろっ!・・・お前は・・・」
見覚えのある男の姿。そう「小狼」達を出迎えた「ピッフルプリンセスカンパニー」の社長秘書がヒゲの男の正体でした。
「侵入者を抹殺せよ。・・・どうだ動けまい。そこで仲間の最後を、指をくわえて見ているがいい
天井より降りてきたビーム兵器の攻撃に、入り口に釘付けになる「小狼」と「龍王」。こうしている間にも「サクラ」の身に危険が迫ってきています。
「俺が囮になる。・・・さっきの借りを返さないとな」
「小狼」に笑顔を見せる「龍王」。危険を顧みず通路へと飛び出した「龍王」にビーム兵器の照準が向けられます。彼を撃たせるわけにはいかない・・・その隙をついて飛び出した「小狼」の蹴りがビーム兵器の破壊に成功!さらに勢いを止めず、「小狼」はコンソールスイッチを押そうとするヒゲ男に飛び蹴りを炸裂!
・・・間一髪、スイッチに伸びた手は、「小狼」の蹴りにて防がれました。
※もともとは「防犯設備」のビーム兵器を使い、「小狼」達を殺害した後は「侵入者に対しての正当防衛」を言い張るつもりだったのでしょうか。酷い男です。

「そこまでです」
明かりがつけられた部屋に、銃を持った「ピッフルプリンセスカンパニー」の警護隊が駆けつけます。
計画失敗を悟り、その場にしゃがみ込むヒゲ男。
「姫・・・後は頼みます」
---
「ゴールは・・・どこ?」
目前に広がる滝に一度足をとめる「サクラ」。しかし、すぐに彼女は滝の奥から吹き付ける一陣の風に気がつきました。
「モコちゃん、捕まっていて」
滝の向こうに、僅かに広がる崖の隙間。その道へと機体を滑り込ませる「サクラ」。走り抜けたその先は「ゴール」への唯一の道でした。
「・・・GOOOOOOL!!」
実況の絶叫に、勝利を喜ぶ「サクラ」と「モコナ」。スクリーンで見つめていた「知世」や「ファイ」、そして「小狼」達もその勝利に喜びます。

「でもまだ終わっていない。犯人は・・・もうひとりいる
※これで犯人がトップ3に入っていなかったら笑うのですが。

「それではこれより、表彰式を執り行います」
夜。レース後の表彰式に集まる本選出場者達。スポットライトが当てられるのは、もちろん優勝者の「サクラ」。
「おめでとうございます」
手渡された錫杖の先には「サクラの羽」が埋め込まれていました。
「ありがとう・・・・・・・・・きゃあっ!」

突如、火の手が上がる表彰会場。倒れ込んだ「サクラ」を「小狼」は助け起こします。
「姫!・・・大丈夫ですか、姫」
衝撃からか、ヒビが入る「サクラの羽」が収められたケース。噴煙の向こうにはひとりの男の姿が見えていました。
「やはり来ましたね」
煙の中から放たれるショックビーム。「龍王」や警護隊が打ち抜かれ、次々に倒れ込んでいきます。
「一時的に気を失っただけですわ・・・早く、羽をサクラちゃんの中に
所有者が「サクラ」というだけではなく、「羽」が「サクラ」の記憶を司ることまでも知っているかのような「知世」の言動に驚く「小狼」達。その間にも煙の中の男「カイル」は手を広げ、怪しげな能力を発揮。するとケースは砕け、飛び出した「サクラの羽」が彼の元へと飛んでいきます。
「ふっ・・・その羽は私の物。・・・私に攻撃を加えても無駄だ」
言葉通り、まるでホログラムのようにビームを受け流す「カイル」。そして「羽」までもが男の手に渡ろうとしたとき・・・「モコナ」が大口を広げると「羽」をエネルギー体へと変換して吸い込んでしまいました。

「ぱくっ!・・・モコナ108の秘密技のひとつ、超吸引パワーなの
※「モコナ」大活躍!かつてこれほど役に立ったことがあったであろうか・・・(非道い

「この距離ならシールドは無効です。じきに警察も来ます」
近距離にて囲む銃口に「運がない」と諦めの言葉を口にする「カイル」。
「・・・ジェイド国と同じように、その妙な生き物にしてやられるとは・・・」

「ジェイド国」・・・彼の言葉に一番に反応したのは「ファイ」でした。
「ちょっと待って、今、ジェイド国って言ったよね」
あのとき、雪の降る夜「ジェイド国」で対峙した「カイル」と同一人物であることに驚く「小狼」。その言葉に「カイル」は鼻で笑います。
「異なる世界には・・・同じ顔をした別の人間がいる。けれど、本当に別人かを確かめる術はない。ようく憶えておくことだ」
捨て台詞をはき、空中へと飛び上がる「カイル」。その後ろに別次元への入り口が開くと、彼は吸い込まれるように姿を消していきました。
「カイル」を照らす複数の照明が、彼の影をいくつも造る。複数の次元に存在する人の存在を示した、細やかな演出です。

「・・・やはりあの人の言ったとおりでしたわね
そうつぶやく「知世」の言葉に、振り返る「黒鋼」。今度こそと「あの人」を追求する彼の言葉に「知世」は笑顔で答えました。
「知世姫です」

「な、なんだとーっ!」
異世界、「羽」、「サクラ」達のこと・・・全てを教えてくれた異次元の存在。自分と同じ顔を持つ「知世姫」の言葉を「知世」は受けていたのです。
---
「夢に見たあの姫がそんなことを・・・」
複雑な表情で「知世」を見やる「黒鋼」。
その「知世」は迷惑をかけてしまったと羽を吸収して寝込む「サクラ」を見やります。
そして「黒鋼」は皆が集まる場を離れ、ひとり外へと向かいました。・・・その行動に気がつき、後を追う「知世」。
「痛みますか?・・・左手です」
「なんでもねえよ。・・・夢の・・・いや、いい」
「サクラ」をかばった際の傷を気遣う「知世」に何でもないと返す「黒鋼」。彼の思いは傷の痛みではなく、もっと別のところにありました。
「・・・夢の中の知世姫はどうだった?」
「お元気でしたわ。あなたのことを話すとき、とても楽しそうでした。・・・あなたなら、本当の強さをきっとわかるだろうから・・・と」
遠くを見つめていた「黒鋼」の瞳が、「知世」自身へと向けられました。
その視線に気づく様子もなく、怪我をした左手を両手で優しく包み込む「知世」。
「無茶をせずに、早く治してください」
「・・・魂は同じ・・・か」

小さくつぶやく「黒鋼」の声を「知世」は全て聞き取ることはできませんでした。しかし、再び遠くを見やる「黒鋼」の横に、彼女はしばらく座りこんでいました。
※なかなかに良いムードっぽいような・・・。原作が未読だと、こうしたときの「黒鋼」の心境に今ひとつ踏み込めませんね。追いつかないように1巻ずつでも読んでみようかな?

旅立ちの時、残念がる「龍王」に「小狼」はあのときのように拳をあわせます。そしてわずか数日の間に親友同士となった「サクラ」と「知世」。
「知世ちゃん、また・・・会えるよね」
「ええ、この国にはまだ次元を渡る技術はありませんが、我が社が必ず造ってみせますわ。だからきっと・・・またお会いできます」

そして横を向いたまま、「知世」に対して口を開く「黒鋼」。
「夢で知世姫に会ったら伝えてくれ。・・・必ず帰る・・・とな」
彼の言葉に「はい」と返事する「知世」。その返事に「黒鋼」は瞳だけを「知世」に向けると、「ふっ」と笑うのでした。
---
「直接の介入も無駄だったようだな。・・・あるいは当然の結果と言うべきか」
謎の世界。「飛王」の言葉に興味もないように静かに聞いている「星火」。彼女の考えは既に次の段階へと進んでいるようです。
「例の場所に・・・彼らを行かせるつもりですか?」
「あの奇跡の行く末を、是非にも見届けなければならないからな。さあ、奴らをあの地に落とせ」

見つめるスクリーンの向こうでは巨大な城と、大きな満月が輝いていました。

なかなかに上手くまとめられていました。特に後半の演出と展開は、見ていて非常に心地よかったです。さて来週はどうやら第1シリーズにて訪れていた国の様子。「哀しいキセキ」とはちょっと先行き不安ですが、果たしてどの国が彼らを待ち受けるのでしょうか。
・・・ところで、今までの行き先も「飛王」が決めていたのかな?

| | コメント (0) | トラックバック (6)

ARIA THE NATURAL_TV06

第6話「その 鏡にうつる笑顔は…」

今回は久々登場の「アリス」がでっかい主役な日。
テレビ東京の時間変更にも負けずに、一期一会からお送りいたします。(なんだそりゃ。

静かな朝、広い部屋で太陽の日差しに目を覚ますのは「オレンジぷらねっと」所属のウンディーネ「アリス」。
数々のシングルやペアが練習を行うなか、彼女はひとり皆と離れた方向へこぎ始めます。

「アリスちゃーん」
自分を呼ぶ元気な声に微笑む「アリス」。そう彼女の練習は「灯里」「藍華」と合同で行っているのです。
「先輩。・・・練習が終わったら、たまには私の部屋へ寄っていきませんか?」
珍しい後輩からのお誘いに、一瞬驚くも喜んでお誘いを受けるふたり。今夜は何か特別の予感?
※人見知りな彼女にしては、珍しいこともあったものです。それだけふたりとは打ち解けているのでしょうね。

もちもちぽんぽんがピンチにさらされているころ、「アリス」は「藍華」と大人げない(子供らしい)トランプを楽しんでいました。
楽しいひとときこそ、時の経つのは早いもの。既に真っ暗となった窓の景色に、そろそろおいとましようと声をかける「灯里」。「そうね」と返す「藍華」を止めたのは同部屋の「アテナ」の言葉でした。
「泊まっていきなさいな。・・・寮長にはさっき話をつけてきたから」
普段ののんびり屋さんな姿とは違い、後輩を思ってか先手を打ってきた「アテナ」。そのご厚意に甘えることにした「灯里」と「藍華」は、初めて「オレンジぷらねっと」で一晩を過ごすことにしたのです。
---
ガヤガヤ・・・。人数がふたり(+1ぷいにゅう)の「ARIA COMPANY」とは異なり、業界最大手の「オレンジぷらねっと」。社員食堂の豪華なメニューに「灯里」達は目を輝かせます。
「むむむ・・・料理の質はうちと五分五分ね」
美味しい食事後は腹ごなしに「オレンジぷらねっと」巡り。建物に囲まれた中庭は照明による効果も相まってちょっとしたオシャレ空間を演出しています。
「うわぁあぁ・・・素敵なお庭ぁ。・・・真夜中に妖精さんたちが現れて、こっそり舞踏会を開いていそうだよね」
「・・・恥ずかしいセリフ、禁止」
※ウンディーネ達が住むに相応しい場所ですね。私も行ってみたい~。(^_^)。

「何か嬉しいことでもあったんですか?・・・アテナ先輩って、浮かれているときほど、どじっ娘を連発しますよね」
池にはまり、ポストを間違え、どじっ娘モード前回の「アテナ」に問い尋ねる「アリス」。その質問に「アテナ」は「そうかも」とあっさり認めます。
「・・・アリスちゃんが、とっても楽しそうだから・・・つい」
先輩の答えに「がはっ」と驚く表情を見せる「アリス」
。気を取り直してポストに届いた自分宛の手紙を開くと、そこには社内ペアパーティのご案内が入っていました。「いいないいな」と羨ましがる「灯里」を背に、「アリス」はあっさりと「ご欠席」へと○をつけます。
気兼ねないはずの同期のパーティに参加しない「アリス」を驚き見つめる「灯里」と「藍華」。そのとき、先輩の「アテナ」は悲しそうな表情を浮かべていました。
※「アリス」を見つめる「アテナ」の表情は、冒頭、仲間との練習を避けて「灯里」達の方に向かう「アリス」を見つめたときの表情と同じですね。

「出ないの・・・アリスちゃん。そんなのもったいないよぉ・・・」
「灯里」の声にもひとこと「はい」とだけ返す「アリス」。
その時、彼女の横を同期の女の子達が笑いながら歩いてきました。「アリス」の存在に気がつくと、笑いを止め、会釈をしてそそくさと立ち去っていく女の子達。あからさまななれ合いは好きじゃないと、欠席の理由を「灯里」に伝えて部屋に戻っていく「アリス」。彼女の背中が少し寂しそうに見えるのは気のせいでしょうか。
別に会社で嫌われているわけじゃないのよ。むしろその逆。・・・あの年でオレンジぷらねっとにスカウトされたアリスちゃんの力量をみんな認めているの。でも、その羨望の眼差しが、あの子には敵意に映ってしまうのね。・・・あの子は、自分がどれだけ特別な存在か、気がついていないの」
若き天才故の孤独・・・そう言ってしまうには、切なすぎる事実がそこにあったのです。
---
夜半。「アリス」達4人以外は誰もいないお風呂場。喧噪が嫌いなのか、人と触れ合うのが怖いのか、「アリス」はいつもこの時間にお風呂に入りに来ると言います。
「・・・パーティ、もったいないなぁ。・・・だって、せっかく同僚のペアがたくさんいるのに
パーティの話は避けて欲しい「アリス」に、それでもその話題に触れずにいられない「灯里」。彼女の優しい心は「アリス」にどう響くのか。
「いいんです。同僚といっても、みんな年上ですし、きっと話したってあわないです。・・・それに、あの人達・・・私を嫌っていますから」
※きっと「灯里」や「藍華」と知り合う前の「アリス」は、こうした話は誰にもできなかったのではないでしょうか。「アテナ」は彼女の心の壁を溶かしていく、良い機会だと考えているようですが・・・。

確かに今の「アリス」には「灯里」がいます。「藍華」がいます。そして「アテナ」もいます。しかし、それでも・・・。
「アリスちゃん、灯里ちゃん達と一緒にいるときは、なんだか楽しそう」

お風呂場の鏡の前で、「アリス」の髪をとかしながら話しかける先輩の言葉に、素直に「楽しい」と答える「アリス」。会社のシングルの先輩とは「灯里」と「藍華」は全然違うと、彼女は「アテナ」に話します。
「・・・藍華先輩は気さくに話してくれるし、灯里先輩はいつもにこにこ楽しそうだし。・・・一緒にいて気疲れしないんです。いわゆるひとつの『癒し系』・・・みたいな
聞き入る「アテナ」に次々と言葉を紡いでいく「アリス」。それはまるで子供が自分の正当性をお母さんに認めて貰いたいかのようでした。
「鏡、アリスちゃんが映っている。・・・みんなが自分を嫌っていると感じるのは、自分がみんなを嫌っているから・・・ううん、アリスちゃんの場合は、怖がっている・・・かな。・・・・・・笑っている人の前では、自分も楽しくなるし、萎縮している人の前では、自分もつい緊張しちゃうのよね」
日頃から「アリス」を見つめている「アテナ」だからこその言葉に、瞬きもせずに聞き入る「アリス」。髪を解き終えた「アテナ」は、彼女の肩に優しく手を置きました。
「鏡が自分の姿を映すように、人もまた自分の心を映すのよ。・・・笑ってごらん。そしたら、アリスちゃんの前にいる人も、きっと笑いかえしてくれるわ」

※年上の同期達。耳を傾けても共通の話題は少なく、いつしか彼女は積極的に会社の人達と接触することを避けてきたのかもしれません。そして、彼女のその態度がますます人を遠ざけていく。・・・恥ずかしくても、難しくても、自分から一歩踏み込む勇気。それを「アリス」は持てるのか・・・。

髪を乾かすためにタオルを被り、部屋へと戻ってきた「アリス」。正面からは伺えないその表情も、床で彼女を見上げる「まぁ社長」からはしっかりと見ることが出来ます。
「まぁぁぁ・・・」
頭を撫でられて心地よい表情を見せる「まぁ社長」。そこへ「アリア社長」が湯上がりもちもちぽんぽんを見せながら部屋へと入ってきました。
飛びかかる「まぁ社長」に逃げる「アリア社長」。間一髪、ベッドの上に飛び込んだ「アリア社長」に、「まぁ社長」は届くことなく、ベッドのシーツを噛み落ちていきます。
「まぁ社長、ファイト!」

床に落ち、ゆっくりと顔をあげる「まぁ社長」。彼は大きな声でひと鳴くと、懸命に力を振り絞ってシーツを昇っていきます。
「まぁああああっ!」
待望のもちもちぽんぽんにダイブし、喜びの声を上げる「まぁ社長」を抱きしめる「アリス」。その小さな勇気が、彼女に一歩を踏み出させます。
「・・・私もちょっとだけ、頑張ってみようかな」

見つめる先には、「ご欠席」に印をつけたままのパーティの参加状がありました。
---
「ほええぇっ、のぼせたぁ・・・」
ようやく上がってきた「灯里」達が目にしたのは、仲良くベッドで休む「アリス」と「まぁ社長」の姿。
※「アリア社長」には悪いですが、今回ばかりは「まぁ社長」に思う存分「もちもちぽんぽん」を堪能させてあげてください。(^_^)。

朝。すうぅっと息を吸い込む「アリス」。既に制服に着替えは済み、「アテナ」や「灯里」達が休む2つのベッドの真ん中に彼女は立ちます。
おはようございます!・・・でっかい、気持ちの良い朝です。皆さん起きましょう!・・・さあ、さっさと朝食を取って今日も一日頑張ってくださいね。じゃあ、先輩方・・・私は学校がありますので・・・行ってきます!」
元気に部屋を出て行く「アリス」の姿にいつもと違うものを感じる「藍華」。机の上に目をやると、そこには「ご出席」に修正されたパーティの参加状が。
「どういう心境の変化かしら」
「アテナ先輩、何か知っています?」
ふたりの言葉に「さぁ」と答える「アテナ」。その目は外を走る「アリス」の姿に、優しく向けられていました。

これで「アリス」の人見知りが完全に解消するとは思えませんが、ともかくも一歩を踏み出したわけです。後は彼女と周りの環境次第ですが、その笑顔を振りまけば大丈夫。数年の内に友達たくさんの「シングル」が誕生するのではないでしょうか。(^_^)。

| | コメント (0) | トラックバック (12)

ツバサ・クロニクル_TV28

第28話「三つのバッジ」

楽しかったゴールデンウィークも最終日。買い物に出かけたり遊びに行ったりもしましたが、アニメもいっぱい見たゴールデンウィークでした。それから「BSアニメ夜話」も放送されていましたが「ヤッターマン」「王立宇宙軍」「イノセンス」の3つとも面白かったなぁ。
たっぷり骨休みできたゴールデンウィークですが、「サクラ」や「小狼」達も長い旅の途中、骨休めができる機会があると良いですね。これからの話にそうした骨休みの回も出てくるかな?
・・・ところで、今回の監督は「ヤッターマン」の演出も手がけられた「真下耕一」でした。前話は「モリヲカヒロシ」でしたので、話数で分担しているのでしょうか。

優勝賞品「サクラの羽」を獲得するために「ドラゴンフライレース」へと参加した「小狼」達。何者かの妨害にも遭いますが、無事にメンバ全員が予選を通過。
「姫、約束は守りました」
かくしてレースの本選がいよいよ始まります。
---
「・・・本日は本選レースのスターティングポジションを決める抽選を、生中継でお伝えします!」
司会の声も高らかに次々に抽選会へと挑む予選通過者達。どうやら本選1番手の名誉を勝ち取ったのは、我らが「サクラ」姫のようです。
※他メンバの順位も気になるところですが、まあレースが始まればスタート順など余り意味がなくなるでしょうね。

本選を明日に控えた夜、レース参加者たちの名誉をたたえるパーティへと出席した「小狼」達。彼の目は自然と「桜都国」では親友だった「龍王」へと注がれていました。
「おい、お前!・・・さっきから何ジロジロ見ていやがんだよ」
その視線に気がついた「龍王(この世界でも同名)」は最初、「小狼」に対して警戒を抱いていますが、話している間に彼が良い人だと理解。
名前を問われた「小狼」は「ちっこいワンコ」と「桜都国」でのあだ名を伝え、彼をあきれさせますが、その答えもどこか彼の心に響くものありました。
「よろしくな、ちっこいワンコ」
※軽く拳をあわせるふたり。どうやらこの世界でも彼らは友達になれたようです。(^_^)。

良い出会いもあれば、悪い再会もある。少しでも本選で優位に立ちたいのか「小狼」達を襲う黒い影。もっとも旅の途中で鍛えられた「小狼」にとって、ただのチンピラに等しい彼らの攻撃は修行にも満たないレベルのものだったようです。あっさりと(途中、目をつむりながら (驚) 彼らの武器を叩き落としていく「小狼」の活躍に、影達の親玉登場。それは「ハンシン共和国」で出会った「笙悟」でした。
「なかなかやるな。・・・ん、俺の名前を知っているのか?」
またも見知った人物の登場に、彼の名前を口にする「小狼」。そして彼の後ろに現れる謎の少年3人組。
「武器を持った相手にしか反撃をせず、ねらったのは手だけ・・・とは」
自己紹介を済ませた少年達に「ファイ」は彼らのひとり、そして「笙悟」が予選に参加していたことを思い出します。
「・・・お美しいお嬢さん、あなたはきっと無実です」
自身の目的を明らかにする前に、自然と「サクラ」にバラの花を差し出す少年に驚く「小狼」達とあきれる「笙悟」。彼らの目的は「サクラ」のハート・・・ではありません。

---
「手荒なまねをして、申し訳ありませんでした」
レースの主催者である「知世」の元に案内された「小狼」達。「知世」は幼なじみである「残(のこる)」、そして街のガーディアンのリーダーを務める「笙悟」に予選レースで実施された不正の調査を依頼していたのです。
「これをご覧ください。・・・レースの会場となった空域からこれが検出されました」
エンジンを不調にさせたナノマシンの映像を「小狼」達に見せる「知世」。レース前に存在しない異物がレース後に検出されたこと、地上からの噴出ではレースの空域に達しないことが、人為的に起こされた犯罪を立証しています。
「・・・恐らく、予選を通過したなかに犯人がいる。それが私が下した結論です。・・・そして、出場選手の中で過去の経歴がない貴方達を、彼らにお願いして調べて貰ったのです」
※ぽーっとしているようで、なかなか計算高い「知世」。大企業のトップとなれば、これくらいのしたたかさは必要ですね。

その戦い方から疑いが晴れた「小狼」達。しかし、不正の情報を伝えるためだけに呼ばれるのはおかしいと鎌を掛ける「黒鋼」。案の定「知世」にはまだ隠していることが・・・。
「・・・実は・・・尋ねたいことがもうひとつ。・・・本選では、どんなコスチュームをお召しになりますの?・・・まだお決めでなければ、ぜひぜひ私に作らせてくださいな。・・・超絶可愛いあなたにぴったりなコスチュームを考えましたの!・・・私の作ったコスチュームを着て、颯爽と空を駈けるヒロイン・・・素晴らしいですわ!
どっかーん!(^_^)!・・・「知世ちゃん」「サクラちゃん」と呼び合うふたりはまさに「カードキャプターさくら」!(^_^)!

「龍王」から「EWセンサー」という電波を感知する装置を貰った「小狼」。超絶可愛い羽がついたピンクのミニスカワンピースに身を包んだ「サクラ」。(ケロちゃんチェックが聞きたい。(^^;)。
未だ犯人の正体は不明ですが、準備万端整って「ドラゴンフライレース」本選のスタートです。
---
「・・・ルールはいたって簡単。コース上にある3つのチェックポイントでバッチをGetしてゴールした者が、優勝となります!
3・・・2・・・1・・・0!!
スタートダッシュを決めたのは「黒鋼」、続いては「ファイ」。最初のチェックポイントで見事バッチをGet!
「・・・なるほど、マシンが近づいたときだけ、さっきみたいに開くんだ」
「後になるほどバッチの数が減って、不利という寸法か・・・」

球状のチェックポイントへマシンを近づけた際、結界が解かれ空中にバッチが撒かれる。やがて結界は戻り、バッチは再び結界に閉じこめられる。当然、空中に撒かれたバッチの一部は、そのまま地上へと落下し、結界に含まれるバッチの数はどんどん少なくなる仕掛けです。
「!?・・・姫、スピードを緩めて・・・早く!」
チェックポイント付近で、「EWセンサー」の動きを検出した「小狼」。その言葉通りスピードを落とした「サクラ」の前でチェックポイントを支える台座が突如爆発。
崩壊する結界、ばらまかれるバッチ。なんとか「小狼」も「サクラ」も巻き込まれることなくバッチをGetできたものの、ふたりより遅れていた「タンバル」はここで脱落。
その映像を見ながら、「知世」はひとりつぶやきます。
「どうやら・・・こちらの誘いに乗ったようですね」
そして、真っ暗な部屋でもうひとりつぶやくヒゲの男。
「さて・・・次なる手は・・・」
思いっきり怪しい黒幕登場。そして「知世」の言葉も気になりますが・・・。

「なんだありゃあ!」
叫ぶ「黒鋼」の目前に登場する「ドラゴンチューブ」。螺旋状に天空へと撒かれたチューブを見事通過すれば2つめのバッチをGetできるようです。

「黒さま、負けず嫌いだから・・・」
一瞬の隙を突いて「黒鋼」を追い越し、チューブへ入った2機を追いかける「黒鋼」。一方、「ファイ」はしばらくその仕掛けを静観。
「このチューブ、動くので要注意だぁっ!」
司会進行の言葉通り、空中で捻り、その進路を変えるチューブに戸惑うレーサー達。
しかし、先頭を行く「笙悟」、続く2番手は見事にバッチをGet!
「・・・」
その様子をうかがっていたヒゲの男は無言のまま手元にある機器を操作。すると「ドラゴンチューブ」はマシンが通り抜けられないほど細くなり、近くまで来ていた「ファイ」のマシンを巻き込み空中爆発。「小狼」の叫ぶ中、なんとかマシンから逃げ延びた「ファイ」ですが、残念ながらここでリタイア
---
「ルール変更です。チューブの動きを止めて、通過するだけでクリアするよう、大会本部に通達してください」
大会責任者である「知世」の言葉によりルールは変更され、残りのメンバは無事にチェックポイントを通過。ここで「小狼」は「サクラの羽」を手に入れるため、勝負駆けを行うと「サクラ」に伝えてその場を走り抜けます。
※この時点で16機の予選突破者の内、残るは9機。未だトップ集団にいる「黒鋼」達に、見事追いつけるか「小狼」。

先頭集団が集まる「迷路の谷」。走る「龍王」に追いついた「小狼」は、フルスピードの中「迷路の谷」を巧みな操縦で駈けていきます。
「どちらも良い腕前だ。だが、その腕の良さが命取りだ
再び機器を操作するヒゲの男。反応する「EWセンサー」に「小狼」は「龍王」を止めようとしますが、一瞬遅く「迷路の谷」が一部爆発。崩れ落ちる谷の岩々が彼らの頭上に降り注ぎます。
「ちっ・・・しまった!」
羽の一部を砕かれた「龍王」の機体。旋回を続けるその機体に何を思ったか突貫する「小狼」。空中で激突する2機のマシン・・・黒煙の中「小狼」の運命や如何に!?

ポンポンとテンポ良く進むレースに今回で決着かと思いましたが、その行方は次回に持ち越し。これで監督が「モリヲカヒロシ」に戻るとなると話の流れがちぐはぐにならないかと不安ですが、その辺りは上手く調整されていることを祈りましょう。
さて前回「星火」達に送り込まれた謎の影。それが「ピッフルワールド」での事件の犯人か、それは見てのお楽しみ~ですね。(^_^)。

| | コメント (0) | トラックバック (6)

ARIA THE NATURAL_TV05

第5話「その 雨の日の素敵は…」「その 春にみつけたものは…」

テレビ東京が世界卓球で30分延長。危うく見逃すところだった今回の「ARIA THE NATURAL」。なんとか見ることが出来ました。
ダブル「ぷいにゅう」パワーで心と体のリフレッシュも威力倍増です。

-◆その 雨の日の素敵は…◆-
たまの休日、「アリシア」と「アクア社長」の3人で観光旅行へ出かけた「灯里」。ゴンドラを操る手にも、いつになくリラックスが感じられます。
「うわぁ・・・大きな鳥居が一杯ですね」
身長の数倍もあろうかという鳥居を見上げる「灯里」。「アリシア」の言葉によると、ここは「マンホーム」からの入植時に日本出身者によって作られた文化村だったそうです。感嘆の声を漏らす「灯里」をじっとみつめる何者かの視線・・・振り返るとそれは鳥居の両脇に立つ「お狐様」の石像でした。
「お狐様はね、この神社の守り神様よ」
---
「おいでやす」
神社途中の道沿いにて一件の茶屋に立ち止まった「アリシア」。彼女が絶品と評する「おいなりさん」を「灯里」は10個も注文。待つ間に彼女は茶屋のおばあさんから「お狐様」の話を聞かされます。
「お嬢さん達、神社にお参りに来はったんか?・・・こんな気持ちの良いお天気の日は、お狐様に会えるかもしれまへんな。・・・ここのお狐様はお茶目な方やさかいに、人間の世界にたまにふらりと現れはるんや。・・・けど、気をつけなはれや。お狐様はごく希に、人を一緒に連れ帰ってしまうことがあるんですわ。・・・神様の世界と人間の世界は違う世界やさかいに連れて行かれたらあかん。二度とこっちの世界に・・・戻ってこられまへんで・・・」
その頃、ふいに姿を見せるお面を被った子供。無言のまま「アリア社長」と遊んでいた彼は、「灯里」達が買い物を終えると、何処へ姿を隠してしまいました。
※「ARIA」の世界に似つかわしくないBGMで語るおばあちゃんが怖い。(>_<)。

「うわぁ・・・森の中、鳥居がずっと奥まで続いていますね。いったい、いくつあるんでしょう」
石畳の道、「アリシア」と鳥居の間を闊歩する「灯里」の耳に、ふと軽やかな下駄の足音が聞こえてきます。気になり、後ろを振り返る「灯里」。しかし、そこには誰の姿もありません。
「今・・・誰かがいたような・・・」
彼女のつぶやきに首をかしげる「アリシア」。どうやら下駄の足音は「灯里」にだけ聞こえていた様子。そして時を同じくして晴天の中にぽつり、ぽつりと雨が降り始めます。
「あらあら珍しい・・・お天気雨ね。・・・確かお天気雨には昔、素敵な別名があったはずだけれど・・・」
晴天に降る雨は、やがて勢いを増してきました。たまらずに近くの屋根がある休憩所へ駆け込む「灯里」達。ほっと一息つく「灯里」ですが、ふと気がつくと一緒に走ってきたはずの「アリシア」の姿が見えません。
「はひっ・・・もしかして、私・・・迷子?」
慌てて周囲を見渡す「灯里」の目に入ってきたのは、ろうそくの炎に揺らめく「お狐様」の姿でした。
しばし「お狐様」の彫像に目を奪われる「灯里」。どうやらここは休憩所ではなく「お狐様」の社のひとつだったようです。
「・・・アリア社長、アリシアさんを探しに行きましょうか」
小雨となった天気雨の中へと「アリシア」を探しに社を出る「灯里」達。彼女の後ろ姿を、お面を被った子供が物陰に隠れてじっと見つめていました。

※昔話でも有名な天気雨の別名。皆さんはご存じでしょうか・・・。

ふたつに別れた鳥居道、数十本の火のついたろうそくに囲まれた社、その揺らめきが彼女に不思議な感覚を与えます。
「また戻ってきましたね、アリア社長。・・・なんだかこの道、違う世界に繋がっていそうですね・・・はっ、何言っているんだか私・・・」
一本道をなんども迷う「灯里」。背後から聞こえる下駄の足音、何度振り返ってもそこには誰の姿も見えません。
『気のせいなんかじゃない・・・さっきから何かがついてくる・・・』
思い出すのは茶屋のおばあさんの言葉。「お狐様」は私を・・・。
「アリア社長・・・私、ちょっぴり怖いかも・・・」
いつの間にか、霧が出てきました。足下さえも覆い隠す霧の向こうに、しゃんしゃんと音が聞こえます。だんだんと大きくなる音と共に、狐の面で顔を隠した行列が姿を現します。手に行灯を持ち、鈴を鳴らして歩く一同。先頭には子供でしょうか、小さな姿が何人か歩いています。そしてその後ろには、和傘をかざされた花嫁衣装の女性が。
「ぁ・・・ぁ・・・ひぃっ・・・」
地面にしゃがみ込んだ「灯里」の前で、その行列は足を止めました。一斉に彼女に向けられるいくつもの狐面。すると突然、何者かが彼女の肩を叩きます。思わず声を漏らしてゆっくりと振り返った「灯里」の前に、手を伸ばす子供がひとり。彼女は姿を見ていませんでしたが、それは何度となく現れていたお面を被った子供でした。
---
「連れて行かれたらあかん。二度とこっちの世界に・・・戻ってこられまへんで・・・」
---
蘇るおばあさんの言葉に『どうしよう』と怯える「灯里」。そのなか、彼女は面の視線が手に持った「おいなりさん」に注がれていることに気がつきます。無言のまま「おいなりさん」を子供に手渡す「灯里」。・・・すると背後から、再び「しゃん」と鈴の音が聞こえました。行列は再び動き出し、子供は「おいなりさん」のお礼に手を振って別れていきます。そして、唐突に霧が晴れました。
※どこが「その 雨の日の素敵は…」なのでしょう。こ、怖っ。(>_<)。

「あ、アリア社長・・・いつの間にか・・・雨が上がっていますね・・・」
再度、茶屋へと足を進める「灯里」。今度は道に迷うことなく、あっさりと茶屋へ到着。そこには彼女を捜していた「アリシア」の姿も見えます。
わ、私・・・会っちゃいました・・・お狐様の行列に・・・。私のおいなりさん、持って行っちゃいました
止まらない震えに「アリシア」の前でしゃがみ込む「灯里」。その会話を聞きつけた茶屋のおばあさんが彼女の前に姿を出します。
・・・昔から、お狐様の大好物は油揚げやさかいに。もし、ほんまにお嬢ちゃんが会えたんやったら、おばちゃんとこのおいなりさんのお陰かもわからんなぁ」
どちらかというと「おかげ」ではなく「せい」な気もしますが、再び「おいなりさん」を10個注文する「灯里」。お参りが終わってゴンドラの側に戻ってきた「灯里」達は、鳥居の側に立つ「お狐様」の石像に「おいなりさん」が備えられているのを目にします。
「どうしてこんなところに・・・」
もう一度、来たときとは別の思いで石像を見上げる「灯里」。果たして「お狐様」は「おいなりさん」を欲しかっただけなのでしょうか。彼女は石像に向かって、再度手を合わせるのでした。
---
「灯里ちゃん、お狐様の行列ってどんなのだったの?」
帰りのゴンドラの上で「アリシア」に問われた「灯里」。先ほどの体験を思い出しながら、彼女は感じたままを「アリシア」に伝えます。
「なんだか不思議な感じで、とっても綺麗でしたよ。・・・花嫁さんもいましたよ
その言葉に「アリシア」は「お天気雨」の別名を思い出します。そう、その言葉は・・・
「うふふっ・・・『狐の嫁入り』って言うのよ」

※まあ、あとから思い起こせば良い体験かも。その時には「((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル」でしたがね。(^^;)。

-◆その 春にみつけたものは…◆-
「ネコ耳モード (違」で登場の「灯里」。春の陽気にぼうっとしていると窓の下に「アリシア」が。
「・・・あんまり良いお天気だから、春を探しに行こうと思って。・・・ピクニックがてら、バスケット一杯にお弁当を持ってね」
かくして「ARIA COMPANY」の休日が再び始まります。

---
「ぽっかぽかのお日様で、絶好のピクニック日和ですね」
ゴンドラを「アリシア」の指し示す島へと乗り付けた「灯里」。そこは森の木々が天日を塞ぐほどに発達した、自然一杯の島でした。
「灯里ちゃん、ここは入り口。出発点よ」
オススメの場所はまだ先という「アリシア」の言葉に従い、森を散策する「灯里」達。ところが大きなバスケットをひとりで持っていた「アリア社長」は、空腹で動けなくなってしまいます。
「あらあら・・・ここでお弁当にしましょうか」
特製のお弁当を食べて、ごろりと横になった「アリア社長」。その先にミツバチが飛んできました。
「ぷぷいにゅいにゃぁ」

ミツバチを追いかけて走っていく「アリア社長」。その姿を追った「灯里」は、駈ける場所がずうっと花道になっていることに気がつきます。
「きっと、とっておきの場所への道しるべよ。・・・さあ、行きましょう」
しばし花道を進む「灯里」達。するとその先に人工的に造られたトンネルが見つかりました。驚く「灯里」を促して、さらに先へと進む「アリシア」。トンネルの奥へと進み行くと、抜けた場所には廃墟の建物が見つかります。
「ここは、アクアの入植初期に使われていた鉄道の駅よ。・・・今では訪れる人もいない廃墟だけれど、昔の開拓団の人達はこの鉄道を使って街作りに必要な材木や岩石を運んでいたんですって」
※廃墟と聞くと昔の西部劇に出てきそうな荒れ果てた町並みが浮かびますが、自然一杯のこの島では、野菊やたんぽぽの花に彩られて、確かにピクニック向きの場所になっています。

うわぁっ・・・こんなところにお花に埋もれて線路がありました。・・・もしかして今来た道にも、線路があったのでしょうか・・・」
痩せた土地にも根付くお花たちは、その土地を豊かに作り替えると言います。線路の周りに咲き乱れる花たちの道に沿って、どんどんと歩いていく「灯里」達。
「春探しの探検は、まだまだ続くのよ」
途中拾った棒きれを手に「ずんたかとってん・・・」と歌い歩く「灯里」。線路の分かれ道では棒を地面に立てて、先行く道を決め進みます。
---
夕刻。カラスが空に鳴き、「アリア社長」のもちもちぽんぽんが夕ご飯の時を告げます。
「・・・もう帰りましょうか」
背中に「アリア社長」をおんぶした「灯里」に問いかける「アリシア」。しかし彼女は、線路沿いに一本立った木を指さし、あそこまでは進みたいと答えます。
「ぁぁあぁ・・・」
頑張って歩き進めたご褒美か、木の元に辿り着いた「灯里」達は、その向こうに大きな桜の木を見つけました。疲れも忘れて桜の木へと走り行く「灯里」。夕方の日に染まった桜の花が、視界一杯に広がります。
「うわあぁああっ・・・・・・これは・・・」
桜の木の側に、風景と一体化したかのように鎮座する古電車。動かなくなって何十年も経ったその車体は、床板が踏み崩れるほどお年寄りになっていました。
「灯里ちゃん」
呼ぶ「アリシア」の声に足を進める「灯里」。するとその場所では、古電車の天井が壊れて、向こうに桜の木を見ることが出来ます。舞い散る桜の花びらに、しばし認める「灯里」と「アリシア」。
「うわぁ・・・天井が抜けているんですね」
「おかげで、ここだけ花びらの絨毯ね」

座席に寝ころび、桜の花を見上げるふたり。その風景は彼女たちの心に暖かい風と共に刻まれていきます。
※七分咲きや八分咲きの桜も良いですが、満開となり、溢れた花びらが舞い散る・・・そんなお花見は最高ですね。(^_^)。

「私があんな道の決め方をしたせいで、アリシアさんのとっておきの素敵な場所に行けなくてごめんなさい
桜の木を見上げたまま、「アリシア」に謝る「灯里」。「アリシア」の方は彼女に答える代わりに、あるお話を聞かせます。
「ねえ灯里ちゃん、こんなお話を知ってる?・・・ある旅人が求める物を探す旅に出るとき、師に言われたの。『絶対に道を見失ってはならない。ひとつでも間違えると、二度とお前の求める物は見つからなくなるから』と。でも旅人は、不幸にも道を見失った。力なく俯く旅人・・・だけど再び顔をあげた彼の目の前に広がったものは、かつて旅人が求めていた以上の・・・素晴らしい世界だった。・・・失敗や寄り道をしなきゃあ、見つからないものもあるというお話
と、その時、天井から聞こえてくる「アリア社長」の叫び声!
電線に絡まった「アリア社長」のお陰か、絶縁不良だった電線が絡み、不通だった電流が一気に流れ込みます。衝撃に「にゃーっ!」と声を漏らす「アリア社長」、宙へと吹き上げる花びらの絨毯。古電車のライトが奇跡的に蘇り、眩しい明かりに照らされた桜の花びらが「灯里」達を包み込みました。
「アリシアさん・・・私たち、やりましたね。・・・とっておきの春、みーつけた
この世の物とも思えないほどの光景に、微笑み会うふたり達。惑星「アクア」は奇跡の星です。

実にうらやましい休日。ゴールデンウィークをボーッと過ごしている私も、思わず外に飛び出したくなりました。惑星「アクア」のように、「マンホーム」も奇跡で出来ているのかな。(^_^)。

| | コメント (0) | トラックバック (17)

« 2006年4月 | トップページ | 2006年6月 »