ツバサ・クロニクル_TV35
第35話「ふたつのキオク」
前回の予告ではラブラブな「小狼」と「サクラ」の姿が予想できました。話の展開はやや重めですが、このふたりの関係は「要チェックやでぇ~っ!」。(^_^)。
見つめ合う瞳、何を思うのかお互いに一歩も動かない「夜叉王」と「阿修羅王」。
「小狼」はふたりの様子がおかしいことに気がつき、「どうしたんだろう」とつぶやきます。
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同時刻。戦いが繰り広げられる月の城とは対照的に、静かな「阿修羅王」の宮殿。しかし、その寝室で寝入る「サクラ」の全身からは淡いピンクの光が漏れこぼれていました。
「・・・ここは・・・どこ・・・?」
寝言を言う「サクラ」でしたが、彼女の意識は夢の中・・・この次元の過去へと飛んでいました。
キィーン、カキッ・・・
鳴り響く剣と剣がぶつかり合う音。そこは月の城の戦場。戦っているのは「夜叉王」と「阿修羅王」でした。
「あぁっ・・・」
思わず声を漏らす「サクラ」。彼女の目の前で「阿修羅王」の斬撃が「夜叉王」へと届き、右目を押さえる手のひらから幾筋もの血が流れ出していきます。
「夜叉王・・・やはりお前は・・・」
斬りつけた「阿修羅王」の方が驚き、立ちすくむ一方、冷静に彼女へと言葉を返す「夜叉王」。
ふたりの関係を未だに知らない「サクラ」には、それは不思議な光景へと見えます。
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さらに場面は転換し、見覚えのあるここは「阿修羅王」の宮殿内。そこで彼女は、この場所では会うはずのない「夜叉王」の姿を見つけます。
「・・・どうしてお前がここにいる・・・月の城でしか相まみえることのないお前が・・・」
「阿修羅王」の言葉に少しだけ笑顔を見せる「夜叉王」。その表情に納得した「阿修羅王」は一歩ずつ「夜叉王」の元へと駆け寄り、やがてふたりは熱い抱擁を交わします。
ふたりの姿を意識の中で見つめる「サクラ」。途中、彼女の視界を「サクラの羽」がかすめて流れていきました。
※もうひとつわかりにくい「夜叉王」と「阿修羅王」の関係。彼女が口づけの最中に流した涙は、決して結ばれることのない自分たちを考えての涙でしょうか・・・。
「今度はとどめを刺すつもりで来い」
わざわざ「小狼」の元に再開の約束を伝えに来る「黒鋼」。今だ「阿修羅王」達ふたりを見つめる「小狼」は、彼の言葉に無言で応えます。そして間もなく、月が中天へと昇り、今宵の戦いは幕を閉じていきました。
「傷は?」
声をかけてきた「阿修羅王」に大丈夫ですと返す「小狼」。傷の痛みなど乗り越える彼の思いが「阿修羅王」にも伝わってきます。
「それが、小狼が望む強さ・・・なんだな」
「小狼」を頼もしそうに見つめつつも、どこか寂しげな「阿修羅王」の眼差し。やがてその瞳は、遙か上空の「月の城」へと注がれていきました。
※表情で感情を表す「阿修羅王」と「夜叉王」。見事な演技・・・なのですが、感想には書きにくい。(^^;)。
「あ、あたし・・・ずっと寝ちゃってた!?」
ようやく目を覚ました「サクラ」。しかし、意識の中で見かけた光景は忘れてしまった様子。
そこへ「月の城」の戦いから戻った「小狼」が駆けつけます。しかし、彼の傷ついた姿を見て驚いたのは「サクラ」。「モコナ」から「月の城」の戦いに赴いていたことを聞かされた「サクラ」は心配そうに「小狼」を見つめると、自分に隠し事はしないで欲しいと彼に話します。
「お願い・・・辛いのを隠さないで。何も出来ないけれど・・・せめて心配だけはさせて」
傷口に手を当てて、少しでも「小狼」の痛みを和らげてあげようとする「サクラ」。その行為に「小狼」は、自身の心が癒されていくのを感じます。
「月の城で・・・ファイさん、黒鋼さんと似た人にまた会いました」
「桜都国」で手に入れた刀を「黒鋼」に似た人は持っていたと告げる「小狼」。でも、彼等は自分を見ても何も反応を返さなかったと「小狼」は言葉を続けます。
「・・・それにふたりとも、瞳が黒かったんです。・・・あのふたりはこの世界にいる同じ魂を持つ別人なのかもしれません」
※映像ではわかりにくいところもありましたが、確かに両者とも瞳の色は黒でしたね。
「想定範囲外の世界に・・・移動してしまいました」
まるでテレビ放送終了時の画面のように、砂嵐が広がるスクリーンを前にして苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべる「星火」と「飛王」。本来なら映し出されるはずの「小狼」達の姿が、今のスクリーンには何も表示されていません。
「これまではこちらの思い通りの世界に彼等を落とせていたというのに・・・」
「適度に安全な世界に・・・ですね」
「星火」の言葉に、「飛王」もまた言葉で肯定して見せます。
「死なれては元も子もない。あれはこの旅の計画のために生み出したもの。・・・あの遺跡に埋まる物を手に入れるため、働いて貰わねばな」
「けれど、あの魔女が黙っていないでしょう。・・・現に彼女のせいで、旅を操作できなくなりました。場合によっては死に至る恐れすらある。・・・勝てますか?・・・あの『次元の魔女』に」
言われて頭に浮かぶのは「次元の魔女 侑子」。そして彼女の背後に現れる姿は大魔術師「クロウ・リード」。
「勝つために打てる手は全て打ってある。・・・それでもあの魔女には完全ではない。我が血筋である『クロウ・リード』が唯一認めた魔力を持つ女。次元を越え、人を異世界へ運ぶ術を知る女。しかし・・・あの力はこの手に掴む!・・・思ったよりも出番が早くなるかもしれんな」
そう口にする「飛王」の視線の先には、左目に眼帯をはめ、「小狼」によく似た謎の少年が封印されていました。
※彼等の言葉が真実であるのならば、わかったことが下の3つ。
・次元の旅は全て「飛王」達の思惑通りに進められ、今回の移動は想定外であること。
・明確に次元の魔女「侑子」と敵対していること。恐らくは「侑子」側も「飛王」達のことを知っている。
・「飛王」と「クロウ・リード」は同じ血族の者であること。
急に右目に痛みを覚える「小狼」。「どうしたの?」という「サクラ」に問われるままにそのことを告げると、なんと彼女は「小狼」の右目へとキッス!
「サ・・・サクラ姫!?」
「チューだあぁああっ!・・・おめめにチューッ!!」
からかう「モコナ」に照れる「サクラ」。彼女自身も無意識のままに、当たり前のように「小狼」に口づけを交わしていたのです。
しばし硬直のふたり。その姿を見つめる「阿修羅王」は、自分とあの人の関係を思い出し、ひとり口に出します。
「・・・私も心を決めねばならぬ。・・・このふたりの未来のためにも・・・」
そして見つめるのは月の周りを変わらず浮かび続ける「月の城」の姿。
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「さっきのチュー、『体のキオク』かもしれないね。・・・侑子が言っていたの。キオクにはふたつあるんだって。『心のキオク』と『体のキオク』・・・心はもちろん凄く大事だけれど、体も大事なんだって。時には心が忘れても、体が憶えていることもあるんだって。・・・だから何だかわからないけれど、サクラが痛いおめめにチューしたいって思うのは、羽が飛んじゃって忘れちゃったことがあっても、体が覚えているせいかもしれないね。・・・だからね、羽が全部戻るまで、『体のキオク』がサクラを助けてくれるよ」
その言葉に、優しく「モコナ」を持ち上げてお礼を言う「サクラ」。ふたりを見ながら「小狼」も笑顔を見せるのでした。
※今日の「モコナ」は饒舌!・・・たまに口を開くと良いことを言いますね。(^_^)。
街へと馬を進めた「小狼」。その間、「サクラ」はちょっと寂しいお留守番。
「・・・小狼って無茶ばかりするの。怪我とかしても全然気にしないの。サクラ・・・いっぱい心配しているのにね」
「モコナ」の言葉に理解を示しつつも、「小狼」の行動もわかるという「阿修羅王」。
「強い望みを持つ者は、その望みが叶うまでは己を顧みない。・・・それ故に強い。しかし、見守る者は辛かろう・・・特に小狼は・・・。いや、それより湯浴みでもどうだ?」
お風呂でも浴びて気分をリフレッシュしたらどうかという「阿修羅王」の言葉に喜び踊る「モコナ」。そしてその後ろを「サクラ」もついて行きます。
「・・・気づいていないのなら告げる必要もないだろう、小狼が何者なのか。・・・のう、魔女よ?」
ゆっくりと後ろを振り返る「阿修羅王」。するとそれでまでは涼を取るための装飾かと思われた足下に広がる水面に「次元の魔女 侑子」の姿が映像として浮かび上がります。
「・・・そうね。・・・不老の酒、対価として確かに頂いたわ」
次元を越えた通信を行う「侑子」と「阿修羅王」。どうやら「阿修羅王」は酒を対価に「侑子」に何かを依頼したようですが・・・。
「あなたの依頼がなければ、手遅れになっていたかもしれないわ。モコナを強制移動させて、あの子達をあなたがいる次元に落とす。これがあなたの願い。・・・そしてそれによって、『あの男』が作った予定調和の世界への移動は終わった。・・・これで、『あの男』のコントロールはもう効かない」
どうやら「小狼」達が「紗羅ノ国」から「修羅ノ国」へと移動したのは「阿修羅王」の依頼による「侑子」の仕業だったようです。
「魔女というのは、縛られる物が多いのだな。人の願いを通してしか動けないとは・・・」
「制約がなければ、全ては崩壊へと突き進むだけよ。・・・『あの男』の意のままにさせるわけにはいかないの。・・・阿修羅王、あなたの本当の願いを叶えるための対価は・・・重すぎる。だから、あとは・・・あなた次第よ」
その忠告に耳を傾けたのか、真摯な瞳で「侑子」を見やる「阿修羅王」。果たして彼女の決断は・・・。
※まさか「次元の魔女 侑子」が事態の急転に絡み、「阿修羅王」も彼女と通じていたとは・・・。只々驚きです。(!_!)。
「・・・ひとりは黒い髪でもうひとりは金髪。・・・ふたりとも身長はこれくらいか」
城下町へ「黒鋼」と「ファイ」を探しに来ていた「小狼」。どうやらふたりを見かけた人はおらず、城へと戻ろうとした時・・・再び彼の右目は激しい痛みを発しました。
「おい、大丈夫か!?」
かけられた声に「はい」と応えたものの、起き上がることは出来ず右目を押さえたまま顔を横へと向ける「小狼」。するとそこには鏡があり、あの悪夢のように・・・合わせ鏡のように左目を押さえた「小狼」が何十人も映し出されています。
「なんだ・・・!?」
自身の・・・いえ、左目を押さえた少年の姿に動揺する「小狼」。その姿が何を意味するのか、今の彼には知るよしもありません。
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「・・・今宵の出陣は、私と小狼のふたりだけでよい」
「阿修羅王」の言葉に、最後まで同行を希望した家臣の「倶摩羅」。その熱意に負けて「阿修羅王」は同行を認めはしますが、ただひとつ、彼に条件を出します。
「今宵何が起ころうと、取り乱してはならぬぞ」
その真意がわからず戸惑う「倶摩羅」。一方、目の痛みから立ち直った「小狼」は自身の体調が完全でないことを自覚しながらも、それを表情ひとつ外へは出しません。
「・・・そうやって飲み込むばかりでは、見ている誰かが悲しむだけだ。秘めるばかりでは何も変わらん。・・・・・・では、参るか」
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「月の城」へと到着した「阿修羅王」達3人。そして、既に待っていた「夜叉王」も配下は「黒鋼」と「ファイ」のふたりだけ。そう、今宵の戦いが特別なものになると自覚したのは、「阿修羅王」達だけではありませんでした。
※決意を決めた「阿修羅王」が何らかの手段で「夜叉王」に連絡をしたのか。そういうことをしなくても通じるふたりなのか・・・。
「だああぁああぁっ!!・・・よう、ガキ。・・・言っただろう、今度はとどめを刺すつもりで来いって」
大上段から振り下ろした「蒼氷」で「小狼」へと斬り合いを挑む「黒鋼」。「緋炎」で受け止める「小狼」ですが、その刀を返せるほどの実力は、今の彼にはまだありません。そして、そのとき・・・彼の意識に別の誰かが宿ろうとしていました。
「何だ・・・手が・・・!?」
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謎の世界。封印されている左目に眼帯をはめた少年。彼の両手が「小狼」とシンクロするかのように、ゆっくりゆっくりと持ち上がっていきます。
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自分に湧く力に驚く「小狼」。それは幻覚でもなく、確かに彼の手が勝手に動き「黒鋼」の刀をはねのけたのです。
※「左目に眼帯をはめた少年」は、やはり「小狼」の同じ魂を持つ別人なのでしょうか。でも魂はひとつだけなんですよね・・・。
ひとり「夜叉王」へと足を進め行く「阿修羅王」。ゆっくりと宙を舞い、お互いの手が触れ合うほどの位置まで、彼女はやってきました。
「夜叉王・・・決着をつけよう」
その言葉に、向けられた刀に、無言のまま反応する「夜叉王」。
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「サクラ・・・?」
同時刻。「モコナ」の呼びかけにボーッとして応じない「サクラ」。彼女の意識はどこに飛んだのか・・・。
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「私は・・・己の願いを叶える」
炎を纏って「夜叉王」へと突き立てられる刃。互いに触れ合い、抱き合うように近づく「阿修羅王」と「夜叉王」。
「・・・私がつけた傷だな」
左手で「夜叉王」の髪をかき上げ、ゆっくりと口づけをする「阿修羅王」。そして「夜叉王」の右手もまた彼女を抱きしめ・・・やがて彼の姿は金色の光を発していきます。
「・・・」
浮かぶ涙に煌めく光の渦。その姿が確認できないほどに眩くなった瞬間・・・「夜叉王」の姿は光の渦の中、天へと伸びていき・・・ひとつの蒼い宝石へと姿を変えます。
「あれは・・・」
「宝石」の中に「サクラの羽」を確認する「小狼」。
そして「宝石」の足下では「阿修羅王」が、自身が倒した「夜叉王」を慈しむように、抱きかかえた姿のまま・・・鎮座するのでした。
今日は一気に急展開といった感じ。やや説明不足に感じるところは、今後説明があるのか、原作でもこれくらいの情報量なのか。
「小狼」と同じ姿形をした少年はシンクロ開始?、「飛王」と「次元の魔女 侑子」の敵対関係、無言のまま「阿修羅王」に刺され、「サクラの羽」を内包した宝石へと姿を変えた「夜叉王」・・・。
謎は色々と尽きませんが、来週で「修羅ノ国」編は終了のようです。宝石に姿を変えた「夜叉王」については、そこで回答が示されることを信じて、待て来週!
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