おおきく振りかぶって #17
#17「サードランナー」
強豪「桐青高校」との戦いも中盤戦。雨が降り始める中、「西浦高校」が1点リードするという予想外の展開を迎えていました。
「3回裏の3人はあからさまに見てきた・・・」
ある意味「くせ球」を持つ「三橋」の投球を見極めようとする王者「桐青高校」。その意図を「阿部」、「百枝」監督共に気がついていました。
「1点ね・・・阿部くんの裁量で1点は向こうにあげて良いから。それで、なんとかリードしてちょうだい。・・・やれる?」
「はいっ」
先取点はあくまでフロック。次の1点を実力でもぎ取り、あとは「三橋」が抑えてくれる。監督と捕手の期待に「三橋」は答えることが出来るか・・・。
・・・
「お前ら・・・でけえの狙いすぎだろっ! かっこつけているんじゃねえぞ、ヒット0だぞ、このタコッ! 身の程を知れよっ・・・次からはゴロだけを打て。基本はピッチャー返しだ。お前らみたいな下手くそは、基本通りやってりゃいいんだよっ!・・・相手は1年坊主だ。ボール振らないだけで自滅するぜ。・・・コーチャーズボックスから見ていて、何か気がついたことはあるか?」
「桐青高校」監督の何気ないひと言。そこから、次々と信じられない言葉が紡ぎ出されます。
・10球中10球ともキャッチャーミットが動かない脅威の制球力。
・読まれていた「桐青高校」捕手「河合」のリード
・盗まれていた「桐青高校」エース「高瀬」のモーション
果たして、「西浦高校」は全てを予想していたのか・・・はともかく「桐青高校」の本気が、始まりました。
「1点をあげても構わない」
この言葉をどう理解するか、理解できるかで捕手のレベルが決まる。・・・とまで書いて良いのか。(^^;)。
我らが「阿部」くんは期待以上の理解を見せてくれました。
野球はリズム。良いリズムでリードを出せば、良いリズムで投手は投げられ、良いリズムで好守が増える・・・。
2アウトながら1、3塁のピンチを、逃げ切れるか「西浦高校野球部」。
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