天元突破グレンラガン #25
#25「お前の意志は受け取った!」
人類。・・・そう、ヒトと獣人の精鋭たる「大グレン団」。
全ての決着をつけるため、アンチスパイラルとの決戦に勝利するため、最後の出港を果たした「超銀河ダイグレン」。
しかし、その雄姿は今、銀河の海へと沈んでいきます。
「空間が、超高密度に圧縮されているの。それで、海みたいに見えるのよ」
螺旋力をも飲み込む「デススパイラルフィールド」。最深部へと沈降すれば「超銀河ダイグレン」とて、持たない。
「・・・ようは、吸収されるよりも早く、エンジンを吹かせればいいんだろうが。俺たちのパワーは無限だ。折れない心がある限りっ!」
「シモン」が、「ヴィラル」が、全ての精神力を「超銀河ダイグレン」へとたたき込みます。挙がる出力、迎え撃つ敵。
ふたりの「螺旋力」は「デススパイラルフィールド」の吸収力を越え、少しずつ船体を上昇させていきます。
あとは、甲板へ張り付いている「ムガン」の群れを倒すのみ。
戦いの中心へと向かう「キタン」と「ヨーコ」に、「ギミー」は問い尋ねます。「死を恐れないのか、怖くはないのか」と。
「ずるいですよ、そうやって死に場所を求めて。僕だって戦いたい・・・でも、身体がどうにも動かないんです」
決して臆病などではない、数々の死線を乗り越えた「ギミー」でも抑えられない身体の震え。絞り出すような声に、数秒の沈黙の後「キタン」は答えました。
「バァアァーカッ! どこに死ぬのが怖くない人間が居る? でもなぁ、仕方がないんだよ。これしか能がないんだよ。俺たちは好きにやってるんだよ!・・・怖いからなおのこと、前に進むしかないんだよ。・・・これだけは言っておくぞ。ジョーガンとバリンボーがお前達を助けたのは・・・助けたかったんだよ。だから、お前達が重荷に感じることはねえ!」
上手く言い表せない自分に苛立ちを感じる「キタン」。そんな彼を「ヨーコ」はどこか微笑ましく見つめます。
「この年になってあらためて思う。・・・カミナってのは、たいした漢だった」
「・・・でもね、キタン。あんたが居たから大グレン団はここまで来れた。シモンが上から引っ張って、あんたが下から押し上げて、そうやってここまで来れた。私はそう思うよ。・・・それも立派な漢の仕事じゃない?」
「ヨーコ」の言葉に照れながらも、「キタン」は戦場へと飛び立ちます。これもまた、立派な漢の仕事です。
「なあ、ヨーコ。・・・地球に戻ったら、お前の子供達に会わせてくれるか? 俺はよう、こう見えても子供好きなんだよ。こいつらブチ倒して、アンチスパイラルやっつけて地球へ戻ったら、その時は・・・」
そう、その時は・・・。
・・・
ついに辿り着いた「デススパイラルフィールド」の最深部。300秒しかない決戦の時に、残された超螺旋弾は只一発。常識を越えた圧力を超えて、是が非でもこの弾を「デススパイラルマシン」へと叩き込まなければなりません。
「・・・超螺旋弾を、スペースキングキタンに積み込め。大ガンメンモードなら装甲は厚い。時間がねえ、螺旋弾の装甲強化より、早くて確実だ。・・・そういうこったろう?」
彼の言葉に振り返る「ヨーコ」。その両肩を力強い腕が掴みます。
強引な、でも決して力ずくではない「キタン」の抱擁に、一瞬闘いを忘れる「ヨーコ」。抱きしめたときとは反対に優しく、彼は両手を離します。
「すまねえ、これも俺の我が儘だ・・・」
驚きの表情から、安らぎの表情へと変わり、どこか物悲しくも見える「ヨーコ」の笑顔。今度は彼女が「キタン」を抱きしめました。
「好きでやっているんでしょう?・・・止められない」
只の豚ではないと思っていましたが・・・「ブータ」何者!?(^_^)
そして、ついに誕生した「超絶螺旋超弩級ガンメン 超銀河グレンラガン」。
しかし、しかし今日の主役は間違いなく、「キタン」その人でした・・・。
「お守り代わりに拝借してきたグレンラガンのドリル、使わせてもらうぜぇええぇっ! ・・・こいつはシモンの、大グレン団の、人間の、いや、この俺様の魂だああぁああっ! てめえごときに、食い尽くせるかぁあああぁあっ!! キィィィング キタァアァーン ギガドリルゥゥウウゥブレイクゥウウウウッ!!!・・・・・・これが螺旋の力かよ・・・たいした・・・ものじゃねえか・・・」
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