機動戦士ガンダム00 #07
#07「報われぬ魂」
-A.D.2299 クルジス共和国-
「君たちがその身を神に捧げ、この聖戦に参加するためにやらなくてはならないことがある。それは・・・」
明け方の村に鳴り響く銃声。まだ年端もいかぬ子供達が、ひとりまたひとりと家を出て、ある男の前へと集う。
「おめでとう! これで君達は神に認められ、聖戦に参加を許された戦士となった」
子供達の中には、焦点の合わない瞳をした「刹那・F・セイエイ」が居た。そして、子供達を導いていた男の正体は・・・。
-現代 モラリア共和国-
「機体は良くても、パイロットはイマイチのようだな、えぇっガンダムさんよぉおっ!」
衝撃に「エクシア」の機体が揺れる。PMCのエースパイロット「アリー・アル・サーシェス」の声は確かに・・・。
苦戦、そう表現するしかない戦い。自らの動きが相手に読まれ、相手の先を読むことが出来ない。
機体の性能差では補えない、能力差、経験差、そして何よりも相手はあの男「サーシェス」。母親を殺させ、戦い方を教え込まれた、かつての師。
「光通信・・・コクピットから出てこいだと? 正気かよ・・・本当に出てきやがった。しかもあの体つき、どうみてもまだ子供じゃねえか。面白ぇ、面白ぇえぞっ!」
戦いの最中。絶対とも言える「エクシア」の装甲から「刹那」は姿を見せた。ヘルメットこそ外していないが、このまま相手に銃を向けられれば為す術を持たない。しかし、「サーシェス」もまたコクピットから姿を現す。対峙するふたり。
その顔を見て、「刹那」の表情が革新へと変わる。この男は間違いなく・・・。
思考が、一閃のビームライフルによって中断する。
「デュナメス!?」
彼の同僚「ガンダムマイスター」のリーダー格である「ロックオン・ストラトス」の的確な狙撃が、「刹那」の意識を現世へと引き戻す。そして、射撃に恐れを成したか、あるいは引き際だと感じたのか。「サーシェス」の機体は空へと姿を消した。
「事情は後で聞かせて貰うわ。・・・ミッション、続けられるわね」
怒鳴りたい気持ちを「スメラギ・李・ノリエガ」の声が留める。そう、今は大切なミッション中。たった四機のモビルスーツで「モラリア共和国」を落とそうというのだ。ここで立ち止まっている余裕は無い。
「ヴァーチェ」や「キュリオス」の活躍もあり、2時間で半数のモビルスーツを撃破した「ソレスタルビーイング」。
裏で糸を引く「AEU」も、最後の選択を迫られていた。
-AEU イギリス 外務省官邸-
「・・・プランの中でも、最悪の結果になりそうだな」
戦場から遠く離れた場所では、既に次の手が選ばれる。勝利しても敗北しても、彼等は痛みなど感じないのだ。
-PMC本部 作戦会議室-
「ガンダムを全機ロストしただと!?」
「アリー・アル・サーシェス隊との通信は!?」
作戦会議室の首脳達は混乱のさなかにあった。GN粒子による通信の混乱、敵機把握の困難さ、味方部隊との連絡途絶。
そして、「ソレスタルビーイング」はそこを予期し、「ガンダムマイスター」は渓谷を走る。
「敵さんは電波障害が起こっている場所を重点的に狙っている。隠密行動で一気に頭を叩くのさ」
モビルスーツ一機がようやく通れるほどの狭路を「ガンダム」達が高スピードで抜けていく。しかし、その最中も「刹那」はひとつの考えにとりつかれていた。彼の、「サーシェス」の存在に。
『何故奴がここに・・・行き場を無くしてPMCへ所属したのか? だとしたら、奴の神は何処に居る・・・』
その思考を通信ランプが遮る。通信元は「エクシア」の後方を飛ぶ「ヴァーチェ」。通信者はパイロット「ティエリア・アーデ」。
「刹那・F・セイエイ、今度また愚かな独断行動を取るようなら、君を後ろから撃つ。ガンダムの秘密を守るためだ」
彼の目は、真剣だった。
恩人か師匠か、はたまた諸悪の根源か。
「藤原啓治」の渋い声が似合う「アリー・アル・サーシェス」は今後の、特に「刹那」のキーマンですね。
2週に渡るミッション「モラリア共和国」編も「ソレスタルビーイング」の勝利、そしてある意味敗北でした。
「全ての憎しみを自分たちに向けてでも、戦争を終結させる」
果たして、その理想は夢、幻と朽ち果てるのか。
ラスト5分で突きつけられた、無差別テロによる「ソレスタルビーイング」への警告は、「ガンダムマイスター」の、「ソレスタルビーイング」の内部に深い楔を打ち込みます。
何をやっても世界の敵となってしまう「ソレスタルビーイング」に、明日はあるのか!?
そして、「アムロ・レイ」の登場。なんて、ね。(^^;)。
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