« 2008年2月 | トップページ | 2008年4月 »

機動戦士ガンダム00 #25(最終回)

#25(最終回)「刹那」

 -エクシア VS アルバトーレ 戦闘区域-
 「忌々しいイオリア・シュヘンベルグの亡霊どもめ・・・この私、アレハンドロ・コーナーが貴様らを新世界の手向けにしてやろうっ!
 複数機の擬似太陽炉によるフィールドの防御力、いや破壊力は絶対だった。
 もぐりこませた強襲コンテナ自爆による衝撃にも傷を負うこともなく、「エクシア」の攻撃にも揺らぐことはない。
 「その程度でアルバトーレに対抗しようなど・・・片腹痛いわっ」

 既に「ナドレ」は大破。「キュリオス」も半身を砕かれ、通常であれば戦闘を離脱するほどの損傷を抱えている。
 そして、彼等のリーダー格であった「ロックオン・ストラトス」はもう現世にいないのだ。
 
 -キュリオス VS GN-X(ジンクス) 戦闘区域-
 「俺は生きる。他人の生き血をすすってでもなぁ」
 今「キュリオス」の機体を支えているのは「ハレルヤ」の意志であった。戦闘には優しすぎる男「アレルヤ・ハプティズム」。「人革連」の「ソーマ・ピーリス」に感応する精神もあり、本戦闘ではもっぱら彼が先頭へと立っている。
 『僕も生きる。・・・僕は、まだ世界の答えを聞いていない。この戦いの意味すら・・・。それを知るまで僕は、死ねない』
 ガラス越しに「アレルヤ」が訴える。この戦いは彼自身にとっても命を賭けるに値する戦いなのだ。
 そして、「ハレルヤ」は彼の意志を感じ取った。今こそ、我らがひとりになるべき時なのだと。
 「ならあの女に見せつけてやろうぜ。本物の・・・超兵って奴をなぁあっ!!」
 ヘルメットを脱ぎ去り、髪をオールバックにして両目を見開く「ハレルヤ」。「ヘテロクロミア」の瞳が、今、姿を現した。
 同じGN粒子を放つ「GN-X」と相対する「キュリオス」。奇しくも搭乗者は「セルゲイ・スミルノフ」、そして超兵「ソーマ・ピーリス」だった。
 「少尉っ!」
 暗黒の宇宙に「セルゲイ」の言葉が響き渡る。半身が損壊した状態で「GN-X」2機と互角以上の戦闘を繰り広げる「キュリオス」。
 「今までのようにはいかねえぇっ、そうだろう、アレルヤ!」
 今、「アレルヤ・ハプティズム」は初めて「ガンダムマイスター」の能力全てを出し切ろうとしていた。

 -エクシア VS アルバトーレ 戦闘区域-
 防御に隙無く、攻撃に死角無し。
 単体としては鬼神の強さを見せる「アルバトーレ」に対し、「エクシア」は明らかに苦戦を強いられていた。「GNアームズ」と合体し「GNアーマー」へと姿を変える「エクシア」。
 しかし、「GNアーマー」の攻撃力を持ってすら、フィールドの壁を越えることは叶わなかった。
 「ファングッ!」
 十数機のGNファングが宇宙を駆ける。個々のファングがまるで意志を持つかのように動き回り、ビーム攻撃を「GNアーマー」へと浴びせかける。通常のパイロットであれば数分も持たないであろう攻撃を、「刹那・F・セイエイ」は耐え、反撃までもこなしていた。
 「狙い撃つ!」
 無意識に狙撃の名手、「ロックオン」の言葉を口にする「刹那」。
彼の腕前を彷彿とさせるかのように、次々と堕とされていくファング。さらに「GNアームズ」を操縦する「ラッセ・アイオン」の手腕もあり、モビルアーマーである「アルバトーレ」の両腕を破壊することに成功する「GNアーマー」。
 しかし、その攻撃は「ラッセ」の死を辞さない姿勢の故であり、代償として奪われたのはかけがえのない命であった。
 「刹那・・・俺たちの存在を・・・っ」
 半壊する「アルバトーレ」と共に「キュリオス」から離れ、爆発する「GNアームズ」。「刹那」の叫びが、GNソードに託された。
 「うわああああぁあああぁぁあああっ!!」

 フィールドを越え、装甲を切り裂き、徹底的なダメージを与えていく「キュリオス」。
 「馬鹿な・・・ガンダム一機に・・・私のアルバトーレが・・・」
 次の瞬間、「キュリオス」の背中で「アルバトーレ」の爆発音がとどろいた・・・。

 というわけで最後は感想をお休みしつつ(申し訳ない)お届けした「機動戦士ガンダム00」。
 正直、終盤の「グラハム・エーカー」投入は余計だったと思うし、エピローグ(4年後)での新キャラクターお披露目や、説明放棄の事態収拾には不満大ですが、締めとしてはまずまずの盛り上がりだったと思います。
 (「パトリック・コーラサワー」が生きていたのはGood Jobです。(^^;))

 もともと前半2クール放送後、休止期間をおいて後半2クールを放送する形式を採用した本作。
 作品全体の評価は避けたいと思いますが、前半部の印象を聞かれたら「エンジンのかかりが遅かった」と私は答えます。
 最後数話のテンションを保ったまま後半開始・・・というのは難しいでしょうが、休止期間に力を蓄えて、よりよい後半を見せて欲しいですね。

 なお、1話毎に「ストーリー+感想」という形で記述していた本日記ですが、4月からは形を変えて続けたいと思います。
 まだ未確定要素もありますが、今のところは「10点満点の点数+ストーリー概略+感想」という形に変更して、より多くの作品で感想を書いていく予定です。
 これからもおつきあいいただければ幸いです。

 「君の圧倒的な性能に、私の心は奪われた。この気持ち、まさしく愛だっ!」
 「愛!?」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

機動戦士ガンダム00 感想休止のお知らせ

申し訳ありません。m(_ _)m

仕事の都合により、今週と来週の「機動戦士ガンダム00感想」については休止させていただきます。

視聴は先ほど済ませ、「隻眼ロックオン」や「ガンダムスローネ崩壊(さよなら浪川さん)」、「ティエリア・アーデ萌え(神谷さん、第2回声優アワード助演男優賞受賞、おめでとうございます)」、「イオリア・シュヘンベルグの罠」、「擬似太陽炉は所詮擬似」・・・と書きたいことはたくさんあるのですが、一応本業優先と言うことで。

それでは、再来週にお会いしましょう。

2008/03/22 追記。
ごめんなさい。今週も感想は無理そうです。
なんとか、なんとか最終回は・・・頑張ってみます。たぶん。
それでは~。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

機動戦士ガンダム00 #21

#21「滅びの道」

 -人革連 天柱極市警察署-
 雨の降る中、「沙慈・クロスロード」の足取りは重かった。
 彼の目の前には、ジッパーがついた巨大な人型の袋がある。入っているのは、かつて笑いあい、話をし、一緒に生活をしてきた人。・・・「人間だった」もの。
 「生体データ照合の結果、絹江・クロスロードさんであると・・・ご確認お願いします」
 不思議と冷静だった彼は、言われるがままにジッパーを降ろす。そこには見慣れた家族の姿があった。
 「姉さん・・・」
 彼女の頬に涙がこぼれる。まるで彼女自身が流したように、頬を伝わっていく液体は数を増していく。
 それは「沙慈」の流した涙。冷静だった心の壁を壊すように、あふれ出ていく涙。
 遺体に抱きつき、姉の名を叫び号泣する弟。しかし、彼女はもう、応えることは出来ない。

 -ソレスタルビーイング 最高機密地区-
 「これが、ヴェーダの本体。・・・イオリア・シュヘンベルグ。いや、ソレスタルビーイングの計画そのものの根幹を成すシステム。できるかい、リボンズ?」
 宇宙服に身を包んだ「アレハンドロ・コーナー」は、床下に見える巨大なコンピュータシステムへの操作盤を彼に委ねた。
 いつも通り、彼の従者として完璧な姿を見せる「リボンズ・アルマーク」は、主の命に従う。
 「少々、お時間を頂くことになりますが」

 もはや頼もしささえ感じる彼の言葉を聞きながら、「アレハンドロ」は満足そうに頷く
 「構わんさ。コーナー家はこの時のために、200年以上も待ち続けてきたのだから

 -ソレスタルビーイング 戦闘母艦プトレマイオス-
 忙しい日々が続いていた。擬似太陽炉を有する「トリニティ」の出現に驚く間もなく、彼等の有する「ガンダムスローネ」を追い払う国連軍の存在。可能性はひとつしかなかった。
 「クリス、ヴェーダを経由して、トリニティを退けた部隊の映像を出して」
 スクリーンに投影されたシルバーのモビルスーツ部隊は、皆が紅いGN粒子を放出していた。
 「やはり、擬似太陽炉搭載型」
 戦術予報士としては、自分の推測が的中したことを誇るべきか。もっとも、自分の予想が外れていてくれた方が、どれだけ楽なのかと「スメラギ・李・ノリエガ」は苦々しくスクリーンを見つめていた。

 -アフリカ大陸 北西部-
 もう幾日も連絡が取れない彼等の後ろ盾、「ラグナ」に対して怒りを隠そうともしない「ミハエル・トリニティ」。
 妹の「ネーナ・トリニティ」とて、心中穏やかではない。
 「ヨハン兄、どうするの私ら」
 リーダーとして、長兄として「トリニティ」を引っ張る「ヨハン・トリニティ」も、今は応える言葉を持っていなかった。
 そして、今の彼等が「アレハンドロ」の言葉を聞いたとしたらどう思うであろうか。「ラグナ・ハーヴェイはジンクスの配置を終えた。ということは・・・彼の役目もここまでか」との言葉を。

 -ソレスタルビーイング 戦闘母艦プトレマイオス-
 「ごめんね、無理させちゃって」
 最近、嫌な予感ばかりがあたる。いや、「予感」ではなく「予報」というべきか。
 『本来であれば不要の仕事なのだけれど・・・』
 徹夜仕事を続ける部下達へ差し入れを渡しながら「スメラギ」は進捗状況を確認する。
 「・・・システムの構築具合は?」
 「8割といったところです。でも、いいんですか? ガンダムからヴェーダのバックアップを切り離すと、パイロットの負担が・・・
 『偉い人は言いました。「こんな事もあろうかと」ってね。でも、準備がこれだけ大変だとは。言うは易しよね』
 「じゃあ、もうひと頑張り、お願いね」
 これもまた「言うは易しかな」と、「スメラギ」は艦橋から出るとき、そう思っていた。

 『状況から見てヴェーダのシステムを何者かが利用していることは確実。しかし、ヴェーダ無くして同型機に対抗することなど、できるのか?』
 普段は心に描くことのない感情。これが「不安」というものかと「ティエリア・アーデ」は感じていた。
 その不安を見透かすかのように、同じ「ガンダムマイスター」の一員「ロックオン・ストラトス」が姿を現す。たとえ「ヴェーダ」のバックアップが宛てに出来なくても、「ガンダム」と「スメラギ」の戦術予報があると話す「ロックオン」に、「ティエリア」は反論する。
 「あなたは知らないようですね。彼女が過去に犯した罪を」
 「知ってるさ。誰だってミスはする。彼女の場合、そいつがとてつもなくでかかった。が、Msスメラギはその過去を払拭するために、戦うことを選んだ。折れそうな心を酒で薄めながらな。・・・そういうことができるのも、また人間なんだよ
 人間。決して完全ではない生物。ミスを犯し、過去の失敗から何も学ばない。だからこそ「マザーコンピュータ ヴェーダ」が造られたのではないのか、そしてまた私も・・・。
 彼の思考は「アレルヤ・ハプティズム」からの呼び出しで中断する。敵が、迫りつつあった。

 追い詰められた「トリニティ」。そしてまた、「ガンダムマイスター」達も。
 「ソレスタルビーイング」内にて状況だけ見れば、「切り捨て」もまた「ヴェーダ」の計画!?と考えちゃいますねぇ。
 「ヴェーダ」がハッキングを受けていると知っている「スメラギ」や「ティエリア」達は、そこにこそ疑いの目を向けるのでしょうが、「トリニティ」の胸中や如何ばかりなのでしょうか。なんか不憫になってきましたよ。
 そして、「アレハンドロ・コーナー」以上に怪しさ爆発の「リボンズ・アルマーク」。マジで彼は何者なのでしょうか。
 「ティエリア・アーデ」以上に造られた存在!?

 前回当たりから「締め」に向かっている「ガンダム00」ではありますが、未だ謎は深まるばかり・・・ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年2月 | トップページ | 2008年4月 »