図書館戦争 #01
#01「我ガ王子様ハ図書隊ニアリ」
9.0点(傑作よりも秀作)
時は「正化三十一年」。現代よりも情報統制が進んだ時代において人々は娯楽を活字へと求めていた。
心が重くなる情報しか伝えないニュース番組や、あげ足取りばかりのバラエティ番組、予算と才能を予告編にばかり使う映画よりも、想像力の翼を広げる書籍を選択する人々。その勢いは年々加速を続けていく。
「このままでは国を動かす障害へと成りかねない。市民の9割は無知であるべきなのだ」
事態に憂慮した時の政府は「メディア良化法」をもって、これに対抗する。
検閲され、本屋から姿を消す書籍達。後に「本狩り」と歴史に刻まれる暗黒の時代の始まりだった。
これは「図書館法」を根拠に時代へと立ち向かう若者達の物語である。
しっかりと造ってあるというのが第一印象。
主人公「笠原 郁(井上麻里奈)」は男勝りの女性ながら、高校生の時に救ってくれた図書隊員に憧れを持つ肉体派文系少女(?)として描かれます。そして彼女とぶつかり合う鬼教官「堂上 篤(前野智昭)」。なぜか「郁」にばかりカミナリを落とす「篤」を彼女は嫌いますが、それは「篤」が「郁」を認めているからこそでした・・・。
セルシェードっぽいアニメ絵で戦闘シーンとくれば、ゲーム「戦場のヴァルキュリア」を思い起こさせます。
(おっ、どちらも主演は「井上麻里奈」)
CGも実験レベル->戦闘シーン、スピード感の必要なシーン->手書きで難しい物量シーン->日常へと、既にCGは「奇手」から「手法」へと遷移していますね。
そして本編の切り口が実に時代にマッチ(古いな)。
やれ「メディア規制法」やら「準児童ポルノ」やらと、きな臭くなりつつある現代社会を風刺した社会派アニメです(えーっ)。(^^;)。
冗談はさておき、「もやしもん」やら「のだめカンタービレ」、「墓場鬼太郎」などレベルの高い深夜アニメを量産してきた「ノイタミナ」枠に気を引き締めているのか、長打狙いというよりは、失敗しても進塁打的な造りに見えます。
バランスを間違えると退屈なアニメになってしまう危険性も孕んでいますが、今後の展開によっては名作に成り得ますね。
原作未見なので的外れな感想を乱発しそうですが、大きな予感と小さな不安を感じさせるスタートでした。
「メディア良化法」。
これは公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる法律である。
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