舞-乙HiME_TV26

第26話「Dream☆Wing~夢の在処」

ついに迎えた最終話。半年間のオトメの想いが、戦いが・・・今、終息を迎えます。

ゲームはここまでかな。この町を更地にして、全てを終わらせよう。・・・わかっているよね、もう後戻りはできないんだよ、僕らは」
「ナギ・ダイ・アルタイ」の言葉に、彼をじっと見つめる「ニナ・ウォン」。そう、目の前の相手こそ彼女のマスターその人・・・運命を共にする相手なのです。そして、彼女の足を動かす理由はもうひとつ。宙に浮き、時を止められた彼女の父「セルゲイ・ウォン」。
『セルゲイ・・・優しい人・・・優しすぎる人。・・・でも、今はその優しさに感謝します。・・・私に能力を残してくれたことを。あなたのためなら、私は・・・』
あの夜、「セルゲイ」は「ニナ」を抱きしめました。・・・しかし、父は彼女を抱かなかったのです。オトメの資格を奪われなかった「ニナ」。彼女は再び「ハルモニウム」を弾き鳴らします。
巻き起こる巨大な竜巻。街を、港を、国を破壊した黒い渦が、ヴィント市の建物を次々に破壊してゆきます。
「・・・お日様が・・・暗闇に閉ざされていく」

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その光景は「ガルデローベ」の霊廟からも確認できました。
『ハルモニウムを止めなければならない』。共通の想いが「ナツキ・クルーガー」達「五柱」の胸にわき起こります。
「行くぞ」
「ナツキ」の一声で、マテリアライズを行う彼女自身、そして「シズル・ヴィオーラ」、「ジュリエット・ナオ・チャン」、「サラ・ギャラガー」の3名。
※ああ、「ナオ」のマテリアライズをしっかりと見せて欲しかった・・・。(T_T)。

「逃げな、ナギはこの街ごとやる気だよ」
暴風の中、黒い渦に立ち向かう「ミドリ」の言葉に「アリカ・ユメミヤ」と「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」は「逃げることはできない」と返します。
「マシロちゃん、私に命を預けて。・・・方法なんてわからない・・・でもやらなきゃ。ニナちゃんが泣いているの
闇雲に黒い渦へと特攻をかけようとする「アリカ」。しかし、彼女の元に「ナツキ」達「五柱」と、猫神様「ミコト」を背負った「鴇羽 舞衣」が駆けつけます。
「無理するな・・・いくら蒼天の力に目覚めても、お前ひとりでは無理だ」
「ちょっとは活躍させてよね!」
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そして、彼女を支援する人物は、湖深くの遺跡にもまたひとり。
『蒼き貴石は真の力を得、共に歩む主を得ました。お嬢様・・・あなたの最後の遺言を果たしましょう
高次物質化能力の技術、「シアーズ」の科学技術が残された遺跡の中で「ミユ」の全機能が開放されます。
「導きの星よ・・・今っ!!」
管理者による承認が行われ、彼女の言葉に呼応して紅く輝く「媛星」。月面をひた走る赤き閃光は、その表面に巨大な紋章を浮かび上がらせます。
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「あの伝説が・・・真実だったとは・・・」
『導きの星が紅く輝く時、全てのオトメは「乙式」の制約を離れる』
「コーラルオトメ」「パールオトメ」「マイスターオトメ」・・・全てのオトメ達の「GEM」に響く「ミユ」からの言葉。
「オトメ達よ、貴方達を今・・・運命の頸木から解き放ちましょう。・・・選びなさい。あなた自身の手で、成すべき事を
マスターの認証無しに次々とマテリアライズしていく「オトメ」達。対でひとつだった能力が、彼女たち自身の意志に任される時が訪れたのです。
「そんなの今更聞かれるまでもないわ!・・・出撃!・・・って、あれ!?」
「ハルカ・アーミテージ」のかけ声を待つまでもなく、次々と飛び立っていく「オトメ」の集団。誰に確認したわけでもなく、彼女たちの向かう方向はひとつでした。
「シホ・ユイット」のローブが凄いっ・・・流石「螺旋の蛇紋石」!(^^;)

竜巻の結界へ次々に挑みゆく「オトメ」達。学生も「マイスター」も関係なく、皆が「ハルモニウム」を押さえ込んでゆきます。
「陛下!・・・我らもあなたの旗の下にお加えください。・・・今、成すべきは何か・・・それを自分の意志で決められるのであれば、我らは・・・」
「ルーテシア・レムス王国」の「ラウラ・ビアンキ」の言葉に代表されるように、仕えるべき国を超えて、ひとつになっていく彼女達の思い。
数十、数百と集まってくる「オトメ」に押されていく「ハルモニウム」。今ならば、ここを彼女たちに任せて本陣を突くことができます。
「行くぞっ、城を取り戻し、あのハルモニウムを止めるのじゃ!」
「マシロ」の言葉に集まる「ナツキ」達「五柱」の4名と「舞衣」、「ミコト」。そして「ハルカ」達、歴戦の「マイスターオトメ」達。

---
「ずるいなぁ・・・ルール違反だよ、あれ」
既に我が手を離れつつある事態の推移に、有効な手段をうてない「ナギ」。「五柱」最後のひとりも「カルデア帝国」からの援軍も、「ヴィントブルーム王国」に到着しつつあります。
※「カズヤ・クラウゼク」皇帝に!・・・ということは、「アカネ・ソワール」キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!

「いよいよ退路無しか・・・オリジナル・スレイブを全部起動させて
「ヴィントブルーム王城」進入を防ぐ最後の壁を呼び起こす「ナギ」。出現する「スレイブ」の群れには「シズル」と「ハルカ」が対応を買って出ました。
「ここはうちに任せて、ナツキ達はお城の中に!」
「オトメに必要なのは力と技と・・・(根性です!by「アリカ」)・・・よろしいっ!」
多勢に無勢、数十体VS2人。しかし、慌てる様子もなく互いの背中をあわせながら、かつての級友同士は頼もしさを感じていました。
「さあ、昔年の勝負の決着をつけるわ・・・どっちがたくさん倒すか競争よっ!」
「ふふっ・・・あいかわらずやね」
切り裂き、蹴り倒し、打ち砕く・・・。得意の言い間違え(×「一網大魔神」、○「一網打尽」)も発揮してノリに乗っている「ハルカ」。そんな様子を頼もしく(?)、頭を抱えて見ている「ユキノ・クリサント」。
「もうわけわかんないよ、ハルカちゃん。・・・あっ、ハラード少尉、これを
何かの封筒を託された「チエ・ハラード」は敬礼をして「ヴィントブルーム王城」へと向かいます。
そして、「ナツキ」達「五柱」の3人や「舞衣」達、「アリカ」達も城へと到着
していました。
「アリカ!・・・ニナのことを任せたよ」
入り口を固める「スレイブ」の相手に、居城前に残った「ナオ」と「サラ」。そして来ていた「シホ・ユイット」。
「赤巻き巻き、青巻き巻き、黄巻き巻き・・・おりゃあああっ!」
先週から復活した「巻き巻き」殺法で「スレイブ」を巻き消滅させて、高笑いをする「シホ」に、「ローブ着た意味ないじゃん」と突っ込みを入れる「ナオ」。
「五柱」最後のひとり「マーヤ・ブライス」と「アカネ」も颯爽と援軍に駆けつけます。
「って、あんた、まだオトメなのっ!?」

視聴者の代わりに突っ込みを入れる「ナオ」に「アカネ」は今までの苦労を聞かせるのでした。
「・・・ずっと追われていて、ようやく・・・というときに、カズくんはカルデアの王様にって連れて行かれて、私はマーヤお姉様に・・・
それでも彼女は「カズヤ」との結びつきを諦めないと、誓うのでした。
※燃える、燃える、燃えますよーっ・・・この展開。主演者を先にゆかせて、強豪の助演者達は多勢に無勢の戦いを引き受ける。最終回はこうでないとね!
※そして、「アカネ」(^o^)/ 。喜んで良いのか、慰めた方がよいのか・・・。でもムッとした「アカネ」も可愛い。(^^)。

「ロード、シルバー・カートリッジ」にて城内部を突き崩し、真っ直ぐに「ナギ」を目指す「ナツキ」達。目前に現れた巨大な「スレイブ」2体を前にした彼女の背後から、聞き慣れた女性の声が響きます。
「・・・まったく、いつまで経っても優雅さに欠けますね、あなたは
神速にて「スレイブ」を一刀両断する「オトメ」。眉目秀麗、完璧なプロポーションを持った女性の姿に、その声に慣れた「ナツキ」ですら一瞬誰かと疑問に思いましたが・・・。
「・・・ミス・マリア!?」
そう、かつて「竜王戦争」のときから「オトメ」として「ガルデローベ」で学び、現在は「オトメ」を指導する現役最高齢の「マイスターオトメ」、「マリア・グレイスバート」がマテリアライズした姿こそ、女性の正体だったのです。
「嘆かわしい。せっかく理想的に年を重ねたというのに、今更こんな姿をさらすなど・・・
「マリア」超美人!・・・やばいっ、「舞-乙HiME」の中でも屈指の美しさだぁああっ!!

もちろん「オトメ」達以外が働かなかったわけではありません。「シマシマ団」、「サコミズ・カージナル」、様々な人達が戦い、今この時を迎えようとしているのです。そして、「マシロ」を真の女王へと目覚めさせるきっかけを作った「アオイ・セノー」も今、ベッドから起き上がれるほどに回復をしていました。
「アオイっ!・・・良かった・・・」
「チエちゃん・・・」
大事な任務前だからこそ、親友の無事な姿を目にして自らの心に区切りをつけた「チエ」。
続いて彼女は「ユキノ」から預かった封筒を手に、任務へと立ち戻ります。
---
「こんなところまで・・・」
あと一歩、もう少しで「ハルモニウム」へと辿り着ける通路にも密集している「スレイブ」の群れ。今ここで足止めされるわけにはいかない。「舞衣」と「ミコト」は「アリカ」に声をかけます。
「アリカちゃん・・・紡ぎ手の娘、ニナさんをハルモニウムから開放してあげて」
「急ぐんだぞ・・・あのオルガンは、あまり長く演奏していると危ないんだ」
「ナツキ」、「舞衣」、「ミコト」・・・新時代の主人公を先に向かわせ「スレイブ」と対する3人のオトメ達。

※どうしても「アオイ」と「チエ」の再会は見たかったので、ほっとしました。そして「アリカ」と「マシロ」は前主役達に託されて最後の戦いに向かいます。

「地下通路にローブの反応が・・・蒼天の青玉ですっ!」
悲鳴にも似た報告が響いた直後、壁を破壊して「アリカ」と「マシロ」が姿を見せました。ついに、「ハルモニウム」を前にして「ニナ」との対面を果たした彼女達。
「ナギ」には「マシロ」が、「ニナ」には「アリカ」が向き直ります。
「ニナちゃん、もう止めてっ!」
今まで何度も行ってきた叫びを、再び「ニナ」へと向ける「アリカ」。
しかし、落ち着いた様子で「ニナ」は頭上の「セルゲイ」を見上げます。
「無理よ。ハルモニウムを止めたら・・・お父様が死んでしまう。・・・私の全てをかけて・・・私がお父様を守る!
心に秘めた想い、心に秘めた決意。それを今、口に出して、さらに決意を固める「ニナ」。しかし、彼女が退かない理由を知った「アリカ」も、だからこそ戻るわけにはいきません。
「・・・たぶんだけれど、ううん・・・きっと、セルゲイはニナちゃんにこんな事をさせてまで・・・生きていたくないって言うと思う!
人は、自分の本心を突かれたとき、激しい感情の変化を生じるといいます。そして「アリカ」が訴えたことは、「ニナ」の中にも眠っていたもうひとつの彼女の思い。
「あなたに何がわかるの・・・私とお父様の事を・・・何がわかるのよぉおおっ!」
だからこそ彼女は叫び、「ハルモニウム」の能力によって「アリカ」を自分ごと城外へと連れ去ります。

※確かに「アリカ」の言うとおり「セルゲイ」なら「そんなことはしなくてよい」と言うでしょう。でも同時に「それでも私はそうしたい」という気持ちもわかるんですよね。

突如として消え去った黒い渦。「オトメ」達が「ヴィントブルーム王城」を見やったとき、そこにふたつの輝きがありました。・・・紅い輝きは「ニナ」、蒼い輝きは「アリカ」。
「少しだけ、わかるよ。私もセルゲイのこと・・・好き・・・だったから」
過去形とはいえ、「セルゲイ」への想いを再度告白する形となった「アリカ」。彼女の言葉が、「ニナ」の心にナイフのように突き刺さります。
そして、「ならわかるでしょう!」と叫ぶ「ニナ」。全てを犠牲にしても、世界全部と引き替えにしても、「セルゲイ」を助けたい、彼を欲しいと、ひとりの乙女は訴えます。
「なら、私は絶対に・・・ニナちゃんを止めるっ!」
想いの強さがぶつかり合い、互いの気持ちが相手を傷つける。それでも戦い合うふたりの少女。やがて「ローブ」に守られた身体は、成層圏へと飛び出します。
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「皮肉だね。結局オトメ同士の戦いに、世界の行く末が委ねられたわけだ。・・・まあ契約は解除されたらしいから、僕らは見物するしかないけれど」
自らの手を離れた事態に、傍観者を決め込む「ナギ」。落ち着いた彼に対して、「マシロ」は護身用のナイフを取り出して「ハルモニウム」を止めろと訴えかけます。
無理さ。あれはニナちゃんの言うことしか聞かない。『本物の姫』のね。・・・僕はこの世界を普通の姿に戻そうとしているだけだよ。君だって変だと思うだろう?・・・オトメを犠牲にして、科学を封じられて・・・。大丈夫、こいつのせいでこの星は一度滅んでいるけどさ。・・・今度は僕がちゃんと面倒を見るよ、失敗しないようにね」
見上げたのは「ハルモニウム」か、上空で戦っている「ニナ」の姿か。そして、いずれにしろ人は管理されないと生きてはいけないと語る「ナギ」に反論する「マシロ」。
「科学も徐々に開放する、オトメも・・・いつか不要の存在にしてみせる!・・・じゃがそれは、そなたなどのお節介でやるものではない!
理想論だと「マシロ」を諭す「ナギ」に、感情的になりながらも反論してみせる「マシロ」。彼女の心は「人は信じる価値がある」と自身へと訴えかけます。
※「人は導く必要がある」という「ナギ」の言葉が間違っていると、言い切ることは難しい。でもその言葉を否定し、皆が人を信じることができたとき、「マシロ」が目指す「みんなが笑顔で居られる国」ができるのではないでしょうか。
※そして「ナギ」の言葉を聞くに、ここは「地球」!?

「なんで戦うのよ・・・あなたはっ!」
遙か上空にて剣を交える「ニナ」と「アリカ」。愛する者を救うために戦う自分に、その気持ちに対抗できる何を「アリカ」が持っているのか。彼女の言葉に「アリカ」は答えます。信じる「夢」があるからだと。
約束したの・・・みんなが笑顔で居られる国を創るって!・・・私、この街に初めて来て、ニナちゃんと会って、シズルさんを見て、本気でオトメになりたいって思った。・・・もしあのとき夢を持たなかったら、私は絶対オトメにはなれなかった。どんな無茶な夢でも、信じれば叶う・・・ううん、叶うと信じて進まなきゃ・・・何も起こらないんだよ!
視野は狭くても前を向き、困難にあっても壁を越え、一歩一歩進んできた「アリカ・ユメミヤ」。彼女の行動を見てきた「ニナ」に、わずかに迷いが生まれます。しかし、それでも、同じ未来を見つめることができない「ニナ」。
「それはあなたが本当にくじけたり・・・過ちを犯したことが無いからよ」

自分は「エルスティン・ホー」を殺し、街を破壊し、何人もの・・・何十人、何百人もの命を殺めてきた。その事実が「ニナ」に暗い影を落とします。
「そんなことない!・・・間違えたら、また一生懸命考えてやり直せばいい! それでまた、前に進めばいいんだよっ!」
彼女は「エルスティン・ホー」を(過失ですが)殺した。街を破壊して、もしかしたら人を殺めたかもしれない。それでもきっと、やり直すことはできる。
そう信じる「アリカ」に、全力でぶつかる「ニナ」。逃げず、避けず、正面から攻撃を受け止め、その場に立って堪えてみせる「アリカ」。
「どうして、どうしてあなたはいつも・・・諦めないのよぉおっ!」
悲鳴にも似た「ニナ」の叫びが、彼女の苦しさを伝えています。そして、それがわかるからこそ「アリカ」は諦めたりはしないのです。
私・・・ニナちゃんのことも、みんなのことも好きだもの。・・・だから、諦めるなんてできない。私、バカだし・・・何も知らない。でも、もっともっと知りたいよ、ニナちゃんのことを・・・。だから、もう一度一緒に始めよう・・・ね、ニナちゃん
離れていた距離が、少しずつ縮まっていきます。そしてそれは、ふたりの心の距離でした。『私でも救われるのかもしれない・・・彼女なら救ってくれるかもしれない』・・・泣いていた心が、光明を見つけ出しました。
「・・・もっと色々なことを・・・話せば良かった。エルスとも・・・アリカ、あなたとも」
見上げた場所に「アリカ」の顔があります。手を伸ばせば届く距離に、優しい彼女が居ます。

「まだ間に合うよ・・・だから、ニナちゃん」
手を伸ばし合うふたり、涙を浮かべながら見つめ合うふたり・・・。伸ばした手が届き、お互い繋ぎ合った瞬間・・・「ハルモニウム」が吼えました。
※「アリカ」は言っていました。「ニナちゃんが泣いている」と。泣いている友達を助けるために、彼女はここまで辿り着きました。そしてついにふたりはわかりあえたのに・・・。

成層圏へと達した紅い光。それが「ニナ」を包み込み、彼女の全身を痙攣させます。悲鳴を上げる「ニナ」。離れていく手・・・。
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「まずいぞ・・・あいつが暴れている。このままだと、またいつかみたいになるぞ!
猫神様「ミコト」の言葉に、急ぎ「王城」の中心へと向かう「舞衣」達。そしてその咆哮を聞いた「ナギ」は、諦めの言葉を発します。
「もう遅いね。・・・セルゲイを維持するために起動し続けたハルモニウムが限界を超える。・・・今ニナちゃんにはあのハルモニウムの力が、記憶が流れ込んでいるはずさ。・・・人があれを造って犯してきた過ち、恐怖と憎悪、絶望・・・かつて『真白なる金剛石』と呼ばれた貴石が、絶望で黒く染まったように・・・。こうなる前に終わらせられると思ったけれど、賭は僕の負けだ。・・・しょうがないね、みんな一緒に死んじゃおうよ
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叫び、苦しみ、震えが止まらない「ニナ」。何度も助けようとする「アリカ」ですが、そのたび彼女を覆い包む紅くて黒いオーラが「アリカ」を跳ね返します。
「・・・アリカ・・・私を倒して・・・。今、私を倒さなければ・・・世界は終わる。・・・お願い・・・友達だって・・・思ってくれるのなら」
・・・それが「ニナ・ウォン」としての最後の言葉でした。

急に震えを止める彼女の姿、笑みを浮かべた少女の背中に、オーラが黒い翼となって生え揃います。そして、手に持った剣が洗煉され、まるで瞳のように浮かび上がるいくつもの紋章。見上げた少女の顔には片眼を覆うマスクが表れ、すでに迷いは消し去られていました。
禍々しい星の力を剣に宿した少女は、その視線を「アリカ」から外し、自分が生まれ育ってきた惑星へと向けます。
大上段へと構えた剣を、振り下ろさせるわけにはいかない。「マシロ」の「決して諦めない」という言葉も「アリカ」へと届き、彼女の力へと変わります。
「そうだね、マシロちゃん・・・」
[ULTIMATE BLUE SKY ELEMENT EXPANSION STANDING BY...START...SWORD OF AKATSUKI RELEASE]
光の文句が浮かび上がり「蒼天の青玉」の真の力が解放されていきます。蒼い光のオーラに包まれ、髪を金髪にして飛び込む「アリカ」。途中で方向を変えた少女の刃が「アリカ」を襲いますが、「アリカ」の剣は彼女の攻撃を跳ね返します。
「いやぁああぁああああっ!!」
気合一閃、真っ直ぐに少女へと刃を突き立てる「アリカ」。瞬間、白色の光がふたりを包みます。マスクが砕け落ち、血を吐く少女。そして「漆黒の金剛石」が、粉々に砕け落ちました。

「ニナ・・・ちゃん」
「ありがとう・・・アリカ」
力を失い、落ちていく「ニナ」。必死で彼女を追いかける「アリカ」。大気圏へと・・・落ちていきます。
※「アリカ」が刃を突き立てなかったら、「ニナ」の剣は星を貫いたのではないか・・・そう思わせるほどの禍々しい力が、剣に宿っていました。あれは「舞-HiME」のラスボスと同じ存在ですかね?

光を失う「ハルモニウム」。漆黒が解かれた指輪に「ナギ」は目を見張ります。そして突入してくる「オトメ」軍団。逃げだそうとした「ナギ」の元に「チエ」が兵士達を連れて姿を見せます。
「ナギ・ダイ・アルタイ・・・審議会臨時法廷の命により、あなたを逮捕します」

観念した「ナギ」は連れ去られ、時が動き出した「セルゲイ」は、「ヨウコ・ヘレネ」の指示で「ガルデローベ」へと運ばれていきました。
「こんなものがあるから・・・ええぇえいっ」
「ナツキ」の「シルバー・カートリッジ」、そして「ミコト」によって完全に破壊された「ハルモニウム」。その姿が現世に戻ることは、もうないでしょう。
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大気圏突入の摩擦熱で燃え落ちる「ローブ」。「蒼天の青玉」も残された光の力だけで「アリカ」を包み込みます。そのまま「ニナ」を抱きかかえて落ちていく「アリカ」。
「やっとニナちゃんを捕まえた・・・」
全裸で落ちていくふたりの姿を、地上の人達は流れ星に見て取りました。

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時は経ち・・・。
 ・歴史的な「マシロ」と「ミドリ」の握手は、世界各国で報道されました。
 ・「黒い谷」は「ヴィントブルーム王国」近くの砂漠に残り、
  「舞衣」、「ミコト」の指導の元、「ナギ」も元気に(?)刑期を過ごしています。

※「アオイ」が車椅子で足を怪我した「マシロ」を運んでいました。(^^;)。

そして、各国の来賓者を招き、新しい「ヴィントブルーム王城」のお披露目が華々しく開催されました。
「・・・以上のことをわらわは今、わらわの民に誓うものである。・・・ようし、最後の仕上げじゃ!
「マシロ」の言葉に従い、巨大な「ひまわり」形のシンボルを運ぶのは・・・「蒼天の青玉」、(なぜか真の力ではなく、ピンクに身を包んだ)「アリカ・ユメミヤ」。
「オッケー、任せてー・・・ああぁあぁっ・・・」
陛下の「マイスターオトメ」になったとはいえ、危なっかしい彼女は思わずシンボルを落としそうに。
「相変わらずだな、お前はっ!」
支える「ナツキ」達「五柱」に謝りつつも、なんとか設置に成功する「アリカ」。見守る「ガルデローベ」の生徒達からは歓声がしきり。
「まだみすぼらしい城じゃ・・・じゃが、ここから始まるのじゃ。・・・まだ、まだこれからなのじゃ・・・そうじゃろう、ミミ
目指す「みんなが笑顔で居られる国」への一歩を踏み出しつつも、その道の困難さに顔を引き締める「マシロ」。それでも彼女はひとりではありません。
『私の夢はここにある・・・だから見ていて、エルスちゃん・・・ニナちゃん』
決意を新たに踏み出すのはふたり。そう「アリカ」と「マシロ」はふたりでひとり。
同じ夢を見て、これからも歩いていくのです。
---
某国。暖かい日差しが、鳥の鳴き声が春を告げています。天蓋つきのベッドで休んでいる男性が、入り込んできた日差しに目を開けました。その傍らには椅子に腰掛ける女性の姿が・・・。
「きみ・・・は・・・?」
まだはっきりとはしない意識の中、女性を見つめる男性。その言葉に一瞬息を詰まらせ、女性はゆっくりと口を開きます。
「・・・私はニナ・・・ただのニナよ。・・・初めまして、セルゲイ」
涙を流す「ニナ」に少し驚きつつも、握ってくる手の暖かさにほっとする「セルゲイ」。
「それが・・・僕の名前・・・?」
問いかける「セルゲイ」に。いいえ、むしろ自分自身に言い聞かせるように「ニナ」は彼に話しかけます。
「・・・慌てないで、ゆっくりと始めましょう・・・もう一度・・・私たちで」

脇に置いてある丸テーブルの上。かつて「セルゲイ」より貰ったペンダントには、笑顔の「アリカ」「ニナ」「エルス」3人の写真が飾ってありました。

-終了-

実に王道!60分スペシャルの名にふさわしく、一気に見るとその破壊力は屈指! 前回とあわせて見ている最中のワクワクドキドキ感は今期No.1でした。

最終回ラッシュを迎えた3月末。1クール作品も、2クール(半年間)作品も、4クール(1年間)作品も、それぞれが終わりを迎えました。すべて感想こそ書いてはいませんが、今期も十数本の作品を楽しんで見てきました。
その中でも、本作品「舞-乙HiME」、「SoltyRei」、「うえきの法則」が私的3大エンディングでした。燃える展開、想像外の展開、大団円・・・。スタッフの皆様、本当に半年間、ありがとうございました。そして、本ブログをご覧頂いている皆様も、つたない文章ですが精一杯書きました。ご覧頂き、ありがとうございました。

【今期、鑑賞してきた作品(順不同)】
「マジカノ」「陰からマモル」「BLOOD+」「エウレカセブン」「MAR-メルヘヴン」「ワンピース」「よみがえる空」「うえきの法則」「ガラスの仮面」「地獄少女」「エンジェルハート」「あまえないでよっ!!喝!!」「かしまし」「舞-乙HiME」「SoltyRei」「ケロロ軍曹」

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舞-乙HiME_TV25

第25話「蒼天の乙女」

アニメファンにとって楽しく、アニメ感想系サイトにとって楽しくも辛い1日の始まりです。
そう、今日は「舞-乙HiME」最終回60分スペシャル、そして「SoltyRei」最終回90分スペシャルの日。
「SoltyRei」の感想は書いていない私ですが、その分、気合いを入れて「舞-乙HiME」の感想を書いてゆきます!
※ちなみに「SoltyRei」は大好きで、楽しく視聴し、イベントに参加し、DVDを購入しています。(^_^)。
それにしても・・・ココログの管理画面重すぎ。orz

「珠洲の黄玉、慧命の藍銅鉱、雷鳴の柘榴石・・・発艦位置へ」
響き渡るアナウンス。潜砂空母「スズシロ」より上がり来るは「ハルカ・アーミテージ」を始めとした「マイスターオトメ」3人。その報告を聞きながら「ナギ・ダイ・アルタイ」は「ニナ・ウォン」に語りかけます。
「ご覧、皆がやって来る。・・・君からセルゲイを奪いにね
彼の言葉に表情を厳しくする「ニナ」。愛する父「セルゲイ・ウォン」が銃に倒れた今、彼女にとって世界とは父の余命と同格の物。その命、救うことができるのならば、彼女は悪魔とさえ契約を結ぶでしょう。そして今「セルゲイ」の命を繋いでいるのは、戦の中心「ハルモニウム」。奪い返されるわけにはいきません。
「我が方のオトメを出しなさいっ!」

指揮官たる「ニナ」の声に姿を見せるのは、こちらも名だたる「マイスターオトメ」。「ルーテシア・レムス王国」の「ラウラ・ビアンキ」と「フロリンス王国」の「ロザリー・クローデル」。そして「チエ・ハラード」達、「ワルキューレ部隊」の面々。
「・・・我らに選ぶ余地などない。オトメになると決めたときから」
旧友、親友、先輩、後輩・・・見知った相手との戦いとはいえ手を抜くことなど許されません。竜王戦争以来となる大戦は、今ここに始まりの鐘を告げました。
「いいねえ・・・これぞ戦争だよ」

※まだ手の内と、余裕を見せる「ナギ」。彼の平静を崩すことが、条約機構軍が勝利するための第一歩ですが・・・。

「これでハルモニウムが使われれば・・・まさに十二王戦争の再来じゃな」
かつて世界を滅ぼしかけ、「オトメ」という存在を生み出した「十二王戦争」。「アンナン王」である「グエン・バオ」の言葉は聞く者に恐怖を呼び起こさせます。
「そうさせないための奇襲です。・・・我々が送り込んだ情報源によれば、ピンポイントの攻撃は不可能のようですから、あれだけ接近すれば。・・・後はお任せします、学園長
持ちうるほぼ全勢力を用いた陽動。これが「エアリーズ共和国」の大統領「ユキノ・クリサント」達が用いた対「ハルモニウム」用の戦いでした。「アルタイ公国」の切り札を封じ込めつつ、「ナツキ・クルーガー」率いる本隊がオトメ養成学校「ガルデローベ」へと進入を計ります。
「いいか、ジャミングをかけている敵の真祖を破壊し、フミ様を復活させれば勝負がつく。・・・霊廟を目指せ!
「ナツキ」の言葉に行動を始める「ジュリエット・ナオ・チャン」、そして彼女の親衛隊「シマシマ団」の面々。さらに生徒、教師を中心とした学園内の「アルタイ公国」反抗組織がひとつの目的のために動き出します。
「フミ」復活の時までローブを使わずに戦い続ける「五柱」、そして「コーラルオトメ」達。オトメたる資質を持ち、たゆまない努力と、教育により鍛えられた彼女たちは「アルタイ公国」の軍人達と互角以上の戦いを繰り広げます。しかし、たとえ気を抜いていなくとも相手は銃を持った兵士達。
「ぁあっ・・・後ろっ!」
呼びかける「ナオ」の言葉に「ナツキ」が振り返ったとき、彼女の目にはいるのは真っ直ぐに自分へと狙いを定めた拳銃の銃口でした。そして今まさに「ナツキ」へと銃声が響き渡ろうとしたとき、彼女の危機を救ったのは・・・
「・・・ほんま、ナツキはうちが居いひんと、あかんのやから」

「ヴィント市」に戻ったもうひとつの理由、親友たる「シズル・ヴィオーラ」の再会に成功し、喜ぶ「ナツキ」。しかし、すぐさま彼女は「シズル」が負ったであろう心の傷を想像し、「シズル」へ謝罪します。
「・・・済まない、辛い思いをさせて」
「ええんよ、ナツキのためやったら。・・・それに、そこそこ楽しみましたし」

※赤ちゃんプレイ、キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!

「・・・やっぱりそっちが本命か。じゃあそろそろ次の手に移ろうか。・・・スレイブを出して」
「ナギ」の命令により数十、いや百を超えようかという「スレイブ」が次々に「ガルデローベ」の周囲に姿を現します。あらかじめ襲撃を予測し、結晶化させて配置していた「スレイブ」達による攻撃の脅威は、兵士達とは比較になりません。
「ナツキ、急ぎおし!」
いくら彼女たちでも生身のままでは反撃は不可能。「シズル」の言葉に自閉モードを解除するための扉を開いていく「ナツキ」。
「・・・我、五柱の2、氷雪の銀水晶『ナツキ・クルーガー』。学園長たる権限において願う、真祖への道を開け」
そして開いた扉へと駆けつける「イリーナ・ウッズ」他、科学技術のスペシャリスト達。
---
同時刻、戦場。「ナギ」の命令による「スレイブ」の出現は、互角の戦いを繰り広げていた戦場の流れを一気に「アルタイ公国」連合側へと推し進めるものでした。
高出力砲台を持ったスレイブの群れ。その一斉射撃が条約機構軍の旗艦へと唸りを上げます。
「ユキノぉおおおおっ!」
「ハルカ」の叫び声が辺り一面に響き渡ります。その直撃を受けたのは・・・誰もが予想もしない伝説の大地でした。棘を思わす数十の黒き岩が取り囲む、その大地こそは「シュバルツ」達が聖地とあがめる「黒い谷」。
そして彼の地より飛び出したのは背中に「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」を抱えた「アリカ・ユメミヤ」と、猫神様「ミコト」を抱えた「鴇羽 舞衣」!
「アリカ」の一撃が数体の「スレイブ」を両断し、「舞衣」の軌跡が数十体もの「スレイブ」を殲滅していきます。
「アリカ・・・」
「驚いたぁ。・・・しぶといね、ふたりとも。まあ、アリカちゃんはまだ、青玉の真の能力は出せないみたいだけど
殺したと思いこんでいた「アリカ」達の出現に異なった言葉を漏らす「ニナ」と「ナギ」。彼女の表情が僅かに和らいだのは「ナギ」からは見えません。
「アリカちゃん、こいつらの相手は私とミコトに。あなたは街へ!」
「舞衣」の言葉に従い、一直線に「ヴィント市」を目指す「アリカ」と「マシロ」。そしてその光跡を見上げるのは、彼女をずっと見守り続けた「ミユ」
でした。
---
「あなたがその貴石の真の力を引き出すには、どうしても越えなければならない壁があります。・・・行きなさい、アリカ。漆黒の金剛石を、ハルモニウムに打ち勝つ希望を・・・蒼き星の力を手にするために
そのまま谷沿いの湖へと飛び込んだ「ミユ」。彼女の紅い瞳に映るのは、かつて高次物質化能力者達が生活をなした遺跡の一部。その周りにうかぶ黒き幻影達を、彼女の特殊弾頭が討ち滅ぼしていきます。
---
「霊廟の封印が破られました!」
部下の言葉に「攻城砲」の用意を指示する「ナギ」。
「ヴィントブルーム王城」を改造して作り上げた砲塔が、霊廟へと向けられます。
「大丈夫、霊廟に直撃しても、禁書庫は持つよ」
大地を削る高出力の「攻城砲」を霊廟へと受ければ、真祖「フミ」のシステムが塵芥と消え去り、この戦いは条約機構軍の敗北となる。ギリギリで自閉モードの解除に成功し、「五柱」のローブを身に包む「ナツキ」。
「マテリアライズ・・・ロード・シルバー・カートリッジッ!・・・エアリーズの情報によればワルキューレの真祖は・・・間に合えぇっつ!!」
世界の命運をかけた一撃の撃ち合いは、互いの軌跡を逸らせるだけで終わりました。直ぐ様に2射目の準備へと取りかかる「ナギ」に対し、ケーブルが焼き切れてマテリアライズが解けてしまう「ナツキ」。霊廟を、「ナツキ」の身体ごと焼き尽くす悪魔の光線が、その身に迫ります。身を挺してかばおうとする「シズル」と共に、その姿は白い光に包まれ・・・
「だあああぁあああっ!!」
間一髪、光線を防いだのは「蒼天の青玉」、「アリカ・ユメミヤ」のローブ
でした。そのまま気合いもろとも光線を跳ね返し、「攻城砲」を粉砕する「アリカ」。
「ユメミヤ・アリカ・・・只今戻りました」
「黒い谷」で別れたときとは別人のように強固な意志を感じさせる瞳で降り立つ「アリカ」。
その姿に「イリーナ」達は歓声を上げますが、「ナツキ」は彼女がまだ「蒼天の青玉」の真の能力を開放できていないことに危惧を覚えます。そこに飛び込んでくる1体の黒い影。
「勇ましく出てきたのは良いけれど・・・あんまり進歩していないみたいね」

「ワルキューレ部隊」のローブに身を包んだ「トモエ・マルグリット」は「アリカ」を見やり、続いて「シズル」を見やります。
「シズルお姉様・・・やっぱり嘘だったんですね。・・・非道い人・・・でもやっぱり似ていますね、私達。私もあなたを手に入れるためなら・・・なんでもできますものっ!
猛然と「アリカ」へ斬りかかり、憤怒の表情を見せる「トモエ」。対する「アリカ」は「こんな戦いは止めよう」と「トモエ」に呼びかけ、「甘い」と吐き捨てられます。
「甘くたっていい・・・私は、戦いを止めてみせる!」

燃える燃える燃える燃える燃えるーっ! まだ全体の四分の一ですよっ!!

「何やっているのっ!・・・段取りが全然違うじゃないっ・・・ったくもう」
当初の予定では「ワルキューレ部隊」の真祖を「ナツキ」の一撃が破壊するはず。いつまでたっても消えない「ワルキューレ部隊」と「スレイブ」に、「ハルカ」達「マイスターオトメ」3人は霊廟の近く「ナツキ」達の側に降りてきます。
そして、彼女たちを見下ろすように取り囲む「ラウラ」、「ロザリー」のふたり。そして「チエ」達「ワルキューレ部隊」の姿。
押されているのは明らかに条約機構軍でした。
オトメ達、もう止めよっ!・・・わらわは何も知らぬ王じゃ。じゃがそんなわらわでも、ひとつだけわかっていることがある。それはナギに世界を好きにさせてはならぬということじゃ!・・・なのに、どうしてそなた達は気づかぬ!・・・自分の頭で考えろ・・・只の道具だというなら、オトメなぞ不要じゃ!
※戦いを止めようとする「マシロ」の姿、「トモエ」を説得しようとする「アリカ」の姿。スクリーン越しに見つめるかつての友達の姿に「ニナ」は何を思うか。

「さて、役者も揃ったし・・・最後の段階に移ろうか」
すぐに次の真祖の素材は揃う、「レナ」を失っても構わないからと「ワルキューレ」システムの全安全機能解除を命令する「ナギ」。実行された命令に「ガルデローベ」を取り囲むスレイブ達、そして「トモエ」達「ワルキューレ部隊」の身体に電気が走ります。
「・・・始まったわ」
「トモエ」のつぶやき直後、突如として「ハルカ」や「ラウラ」、敵味方問わず「マイスターオトメ」達のマテリアライズが全て解けていきます。
そしてその現象は上空で戦っていた「アリカ」の身にも起こっていました。理由もわからないまま、数十メートルの距離を真っ逆さまに落ちていく「アリカ」。
「聞いていないぞ、こんな作戦は・・・ええぇいっ!」
なんとか地上すれすれで「アリカ」を救ったのは「チエ」でした。そして、彼女の裏切りに怒り「チエ」のローブを粉砕する「トモエ」
「やっぱり裏切ってらしたんですね、チエお姉様。・・・でも不思議、どうやって真祖様の支配に逆らったんですか?
その疑問に答えたのは「シホ・ユイット」。「トラウマキ人形」を使い、彼女を貴石の呪縛から救ったのだと「シホ」は誇らしげに高笑いをします。
※「シホ」の出番あったー。良かったねぇ。うんうん。・・・一瞬の煌めきでしたが。(^^;)。

「どうしてかしら・・・私が少しでも素敵だと思った人・・・みんな私を裏切るのね。この学園に来るまでは、全部・・・私の思い通りだったのに。仕方がないわ、全員消してしまいましょう
同盟国である「ルーテシア・レムス王国」、「フロリンス王国」を含めた全ての「オトメ」達の抹殺を宣言する「トモエ」。
「ヴィント侵攻にかこつけて、全てのマイスターを殲滅・・・これがこの戦争の目的かい?」
「チエ」の推測を肯定した「トモエ」は、すべて作戦通りと答えます。そう、「オトメシステム」の終焉こそ、戦争を引き起こした「ナギ」の目論見
だったのです。
「こんな滅茶苦茶な代理戦争システムは終わりを告げる。・・・痛みは皆で分かち合おうよ。一番戦争をしたがるのは、愛すべき国民達なんだからね
---
ローブを解かれた「オトメ」など、「ワルキューレ部隊」から見れば只の少女に過ぎない。誰から殺そうかと楽しそうに問いかける「トモエ」に対して声を上げたのは、何度も彼女を説得してきた「アリカ」でした。
「止めてっ、トモエちゃん!」
彼女の言葉を「抹殺に対する立候補」と受け取った「トモエ」は嬉しそうに斧を振り上げます。もはや誰にも止めることはできない・・・そう思われた瞬間、巨大な剣が彼女の斧を叩き落としました。続けざまに何体もの「スレイブ」を排除していく謎の相手に対して目をこらす「トモエ」。見上げた彼女の瞳に入る、太陽の中から飛び出してきたのは・・・
「そいつらはやらせんっ!・・・まだマシロ女王に死なれちゃ困るんでね。・・・熱風の愕天王っ・・・突貫!!」
「トモエ」を跳ね返し、ビルごと打ち砕く「ミドリ」。
次々に駆けつける「アスワド」達。そして「ラド」の「スレイブ」から降り立ったのは「ガルデローベ」随一の才媛「ヨウコ・ヘレネ」その人でした。
「マシロ陛下、アリカさんと手を繋いでみて。・・・思った通りね。マスターと直接触れ合えば、干渉波も役には立たない
「マスター」と「オトメ」による接触こそが現在、干渉波を防ぐ唯一の方法と見抜いた「ヨウコ」。そして今、それが可能なのは「アリカ」と「マシロ」の一組だけでした。
「アリカ、マシロ女王・・・貴方達に、全てを託す!」
「ナツキ」の言葉に大きく頷く「アリカ」。
「アルタイ公国」を除いた全ての「オトメ」達、この場にいる全ての人達の思いを乗せて、「アリカ」と「マシロ」は飛び立ちます。そして彼女達の前に立ちはだかるのは、「ミドリ」の一撃でかなりの手傷を負った「トモエ」でした。
「アリンコの分際で、調子ぶっこいているんじゃないわよっ!」
最後の力を振り絞り、その身を竜巻へと変えて「アリカ」へ突貫する「トモエ」。しかし、皆の思いを抱えた「アリカ」にとって、手傷を負った「トモエ」は敵ではありませんでした。
「・・・ごめんね、トモエちゃん」

一撃の下に彼女のローブを打ち砕く「アリカ」。落ちていく「トモエ」を振り返ることなく、彼女は一路目指します。そう、「ワルキューレ」システムの真祖の元へ。
※「トモエ」も今週は結構目立っていましたが「ミドリ」の敵ではありませんね(おい。・・・三流悪役っぽい言葉で消えていきましたが、「トモエ」の出番はこれで終わりかな?

鎮座するシステムの前に姿を見せた「アリカ」。その中に閉じこめられ利用されているのは、彼女の母・・・「レナ」の遺体です。
やっと会えたね。あたし・・・アリカだよ。・・・ねえ、見える?・・・あたし、オトメになったんだよ。・・・似合うかな。・・・なんか・・・ちょっと恥ずかしいや。変だね、会えたらもっといっぱい・・・いっぱい話したいことがあったのに・・・。苦しいの?・・・そうだよね、きっと・・・こんな・・・」
時々声に詰まりながらも、ようやく会えた母「レナ」の前で自分の姿を見せ、話しかける「アリカ」の姿。その言葉に、彼女の思いに、「マシロ」の心は溢れる想いを止められません。
「わらわは泣かぬ・・・そう決めたのじゃ・・・。アリカ、そなたのマスターとして命じる・・・これを破壊せよっ
「マシロ」の優しさに胸がいっぱいになる「アリカ」。それでも彼女は凛とした表情で「マシロ」へと向き直ります。
「ありがとうマシロちゃん。でも、いいの・・・あたしが自分で考えて・・・決めたことだから」
自分の意志でけじめをつける。「アリカ」は宙へと飛び上がり、システムの破壊を決意
します。
「BLUE SKY SAPPHIRE BOLT FROM THE BLUE COUNTDOWN・・・RELEASE」
「アリカ」が母に向けた最後の言葉は何だったのか・・・彼女の頬を一粒の涙が落ちていきました。
---
崩れゆく王宮を見つめる「ナツキ」達。黒い噴煙の向こうに、ひとりの少女の姿が見えました。「マシロ」を背負って、蒼い光を放つ「オトメ」。今ここに「蒼天の青玉」、その真の姿が現れました。
「ありがとう・・・母さん」
落ちていく「スレイブ」、復活する「オトメシステム」、「アルタイ公国」の軍艦を全て破壊して戻ってきた「舞衣」、湖底の遺跡へとたどり着いた「ミユ」。
「レナ様・・・逝けたのですね」

※ついでに・・・生きていた「トモエ」。(^^;)。

これで残る相手は・・・只ひとり。「ハルモニウム」が鼓動をあげ、巨大な竜巻が姿を見せます。その中心に見えるのは・・・「ニナ・ウォン」

燃えた、燃え尽きました・・・。いやあ、最終回だったかなと思っちゃいましたよ。
これで残るは「ニナ・ウォン」、そして「ナギ・ダイ・アルタイ」。最終話の感想は・・・土曜日の夜に掲載します。(^^;)。

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舞-乙HiME_TV24

第24話「あなたのために…。」

この日、ひとりのオトメがその資格を失いました・・・と書きたくなるような事件発生! 前回の予告でも表示されていましたが「ニナ・ウォン」がお父様「セルゲイ・ウォン」とドッキドキッ!?
・・・これで「ニナ」が「マテリアライズ」できなくなって最終回を迎えたら、凄い反響があっただろうなぁ。

現在自分が身につけねばならない「ワルキューレ部隊」の制服、その姿見に映った姿にうつむく「ニナ」。彼女の視線は自然と、かつて身につけていた「ガルデローベ」の制服へと移ります。
---
「よく似合っている。・・・合格おめでとう、ニナ
世の少女達の憧れ「オトメ」養成学校「ガルデローベ」。入学だけでも困難な学校へ優秀な成績で合格した「ニナ」に「セルゲイ」はお祝いの言葉を伝えます。そして我が手を離れ、2年間の寮生活を迎える彼女の姿を見て、次に送り出すときは花嫁になるときかなと語る「セルゲイ」
私、お嫁になんて行きません!・・・マイスターになったら、結婚なんてできないですし・・・だから・・・ずっと、お父様の側に・・・お父様の娘でいて・・・良いですか
顔を赤らめて父の言葉を否定する「ニナ」。その真意に気がついているのか、ゆっくりと彼女の方に歩みを進めた「セルゲイ」は、「ニナ」の身体を優しく抱きしめます。
「・・・もちろんさ、ニナ」

---
もうあの時とは何もかもが違う・・・決意を固めた「ニナ」の耳に、彼女を呼び出す放送音が聞こえます。
「・・・ニナ様、御前会議の時間です」

彼女は自身のつとめを果たすべく、部屋を出て行くのでした。
言葉にはできない父への想い。実現するための最良の手段が「オトメ」になって父の側にいることでした。そしてその目的は叶いつつあるのですが、喜べない自身を「ニナ」は発見します。・・・いったい何を間違えたのか、何が問題だったのか・・・自問していたのかも知れませんね。

「フロリンス王国」、「ルーテシア・レムス王国」、・・・続々と「ヴィントブルーム王国」へ来訪する各国の統治者、オトメ、そして軍艦。国民の目にも「戦争」の影がちらつき始める中、「ナツキ・クルーガー」や「ジュリエット・ナオ・チャン」達、「ナギ・ダイ・アルタイ」に対抗する者達も地下活動を活発にしていきます。
「・・・じゃあ、始めようか」
緊迫した国際情勢(しかし全ては「ナギ」の想定内)のなか始められる「御前会議」。「ジョン・スミス」により「アルタイ公国」と同盟条約を結ぶ国が続々と現れつつあると報告されます。
「・・・これも数回に行っていただいたデモンストレーションの効果でしょう。殿下の示された最終回答期限まであとわずか。・・・どれだけの国が条約機構を脱退してこちらにつくか見物ですな
こうなると「エアリーズ共和国」を中心とした条約機構側と一戦交えるのは自明の理。気を引き締める「ニナ」に対して「それも一興」とポーズを崩さない「ナギ」。
※カルデア皇帝の一族(達に仕える「オトメ」)が「アスワド」に倒されたためか「カズヤ・クラウゼク」が後継候補として(?)拉致される画が笑えました。「アカネ・ソワール」もお元気そうですが、既にオトメの資格は失っていそうです。(^^;)。

「なぜスズシロが出せないの、あとは艤装が住めば完成でしょう!?」
腹心である「ハルカ・アーミテージ」の言葉に「ルーテシア・レムス王国」からの資材提供がSTOPしたためと答える「エアリーズ共和国」大統領「ユキノ・クリサント」。「レムス」の行動から導き出される解答はただひとつ。唯一の国際機構である条約機構からの脱退を決意させるほどに、「ニナ」+「ハルモニウム」の力は各国の軍事力を凌駕していました。
その中、頭を悩ませる「ユキノ」と「ハルカ」の元に訪れるひとりのオトメ。
「・・・お久しぶりです。ハルカお姉様」
彼女こそは「五柱」がひとり、「銀河の藍玉」の通り名を持つ「サラ・ギャラガー(声は「沢城みゆき」)」。
現在は「ジパング」を中心とした東方諸国で任務に当たっていた彼女の来訪に、驚きを隠せない学園の先輩であった「ハルカ」。
「本日はジパングから皆様に、プレゼントを持ってきました」
そして次々に輸送船から積み出される資材の数々。

※「一切の不干渉を貫く」と語っていた「ジパング」による事態への介入。それも明らかに対「アルタイ公国」の動きです。「ジパング」を動かしたのは「ナギ」の行動が世界に与える影響の大きさを考慮したのか、「鴇羽 舞衣」の生存をどこからか知ったか、直接、姉やその周囲の人から手紙でも受け取ったのか・・・。

一方「ガルデローベ学園」内にて談笑するふたりの「マイスターオトメ」。「ルーテシア・レムス王国」の「ラウラ・ビアンキ」と「フロリンス王国」の「ロザリー・クローデル」のもとに「マリア・グレイスバート」と「ユカリコ・シュタインベルグ」が姿を見せます。
「まあ、ミスマリア、ユカリコお姉様!」
ひとしきり学園内の思い出話に花を咲かせた4名。話はやがて「オトメ」を一度引退後、復帰した「ロザリー」の話題へと移り変わります。
「・・・そうですか、アカネさんの件でご結婚が・・・」

「そうなんです。代わりに入るはずの娘も『螺旋の蛇紋石』と一緒に行方不明でしょう。・・・お陰で再契約することになっちゃって」
政略結婚とはいえ破談となった結婚話を嘆く(?)「ロザリー」。彼女の話を聞いていた「ラウラ」ですが、その緊張感のなさに「気合いを入れろ」と説きます。
「いいか、今回はルーテシアの国境紛争とはわけが違うんだ・・・本気でつぶし合うはめになるぞ。・・・カーラやハルカお姉様とも
実際に国境紛争での「オトメ」同士の戦いを経験した「ラウラ」の言葉に、引っ張られて赤くなった頬に手をあてる「ロザリー」。そして、そこへ姿を現した「ニナ」達「ワルキューレ部隊」。
「ですが、それこそがオトメ。・・・お姉様方には、私の指揮下に入って貰います」
かくして「アルタイ公国」と「レムス王国」、「フロリンス王国」による連合軍が結成
されました。
※「シホ蟲」笑った。(^_^)。・・・彼女にもきっと光が当たる話もありますよね・・・たぶん。

「お待ちなさい、ニナ・ウォン。・・・これを。エルスティン・ホーの遺品を整理した際、見つかりました。あなたとアリカ・ユメミヤのふたりに宛てたものです
その名前を聞いたとき、冷静だった「ニナ」の表情は崩れゆきます。かつての親友、そして自らが命を散らした少女の名。手紙を受け取った「ニナ」は、出てきたときとは明らかに異なり、力落とした表情でその場を去っていきます。そして彼女に追いすがる「トモエ・マルグリット」。
今や共闘する仲間となったはずの両者でしたが、互いの間に信頼関係などはなく「トモエ」のことを「ニナ」は明らかに嫌悪していました。そしてその口から彼女がもっとも聞きたくはないであろう言葉が紡ぎ出されます。
「・・・好きにしたら良いじゃない。今のあなたなら何でも望みが叶うはずよ。・・・男相手だって、抜け道はいくらでもあるのよ。たとえば・・・
明らかに「セルゲイ」への気持ちを見抜いた「トモエ」の言葉に、「ニナ」は自然と右手を伸ばしていました。容赦ない平手打ちが、床へ叩きつけるように「トモエ」を倒します。
「黙りなさい!・・・あなたに何がわかるの・・・あなたなんかにっ!
純粋な怒りの瞳で「トモエ」を見下ろす「ニナ」。しかし、その怒りの根源を「トモエ」に指摘されたとき、彼女は言葉に詰まらざるを得ませんでした。
「わかりたくもないわね・・・色々理屈をこねているけれど、結局は嫉妬に駆られて・・・友達をふたりも殺している人のことなんて!
※「ニナ」が自分では決して見つけることのできない心の底、その蓋をあっさりと開けはなってしまった「トモエ」。後が怖いですね・・・。(>_<)。

「非道いんですのよ、ニナさん。私は何もしていないのに・・・」
唯一の心の拠り所、現在の彼女のすべてである「シズル・ヴィオーラ」に叩かれた頬のケアをしてもらい、喜び崩れる「トモエ」。彼女は戦争で貢献し「ナツキ・クルーガー」を自由にしてみせると「シズル」に約束をします。
「もうええんどす。うちにはあんたがいますさかい、トモエ・・・
そう答えて「トモエ」の頭を優しく撫でる「シズル」。しかし、彼女が見つめていたのは自分の胸にうずくまる「トモエ」ではなく、秘密のうちに届けられた一通の手紙。真実が記載された運命の手紙・・・。
---
「学園長、うまくいきました!・・・例の手紙、シズルお姉様に届けられました!
喜び勇んで「ナツキ」へ報告を行う「イリーナ・ウッズ」。その報告に喜ぶ「ナツキ」と「ナオ」、彼女に付き従う「シマシマ団」の面々に、なぜかその場にいる「サコミズ・カージナル」
「それから、例の件ですけど・・・可能です、確認しました。ヨウコ先生の残してくれたデータの通りです。・・・クラスのみんなの協力と、エルスちゃんが残してくれた書籍のお陰です」
さらに「サコミズ」からは「エアリーズ共和国」より潜砂空母「スズシロ」が出港したとの報告がもたらされます。
「では、皆予定通り準備を進めてくれ」
---
谷間。自らが辿ってきた数百年もの想いを呼び起こす「ミユ」。彼女は封印してきたある物を呼び起こす決心を固めました。
「お嬢様・・・あなたの血を引く者達は健やかに育っています。今こそ私は・・・」
彼女以外の何者でも引き上げることは不可能なほど太く、重い鎖を引っ張り上げる「ミユ」。マグマの底に眠っていたとはとても思えないほど、しっかりとした形状を保った2メートルほどの箱が、その場へと姿を現します。
---
同時刻、「アスワド」の村ではひとりの戦士が床に伏していました。完勝に思えた対「カルデア帝国」戦ですが、サイボーグ達にも数名の犠牲が出ていたのです。
「どうだ、ラド・・・」
頭領「ミドリ」の言葉に、なんとか上半身を起こす「ラド」。
自身の体は一番わかっていると、彼は冷静に肉体の崩壊を報告します。
生体組織が限界のようだ。・・・カルデアを相手にして、俺とルーメンだけで済んだんだ」
やむを得ない犠牲、むしろそれだけで済んだのを良しと思え・・・「ラド」の言葉を感じ取った「ミドリ」は思わず昔の名前で彼に呼びかけます。
「黎人・・・」

「そんな顔をするなミドリ。俺はもう死んだ身だ・・・これでようやく・・・
最後の時を迎えられる。言葉の続きを止めたのは「ガルデローベ」を抜け出した「ヨウコ・ヘレネ」の登場でした。
「まだよ!・・・もう二度と、あなたを失いたくないの。黎人さん」

※動き出す面々、進みゆく運命。次に起こる戦いが運命のターニングポイントになると、皆が感じているようです。個人的には「ガルデローベ」の技術を学ぶために村を飛び出したのであろう「ヨウコ」の行動が気になります。果たして「宿業」とも言える病を治す手段はあるのでしょうか。

ふたりがこれを読む頃、きっと・・・もうあたしはいないと思います。あたしね、いつか使命を果たさなければいけないことがわかっていたから、誰も好きにならないようにしていたの。友達もあまり作らないように・・・って。だけど、ニナちゃんと出会って、アリカちゃんと出会って、クラスのみんながいて・・・楽しかったの。お告げの黒い手紙なんてずっと来なくて、みんなと一緒にいられたらなぁ・・・って思っていた。でも・・・。私、知恵の神様を、科学の力を取り戻すことが良いことなのか・・・本当はよくわからない。でも逆らえないの、ずっとそうだって教えられてきたから。・・・きっと、きっとニナちゃん達なら自分で決められたよね。ふたりとも強いもの。・・・あたし、ふたりが大好きだったよ。ふたりと一緒にいられて、本当に幸せだったの。・・・だからニナちゃん、アリカちゃん、ずっと言いたくて言えなかったけど・・・ごめんね。・・・ありがとう、私の、かけがえのない親友たち。 エルスティン・ホー
自分の運命を知り、それでも精一杯生きてきた「エルスティン・ホー」の手紙。涙をボロボロと流しながら、それでも「ニナ」はその想いを受け止めるべく、最後まで手紙を読み切ります。自分はそんなに強くないと、そう何度もつぶやきながら・・・。
「ニナ・・・どうした、ニナ!」
月明かりだけが照らす「ニナ」の部屋を「セルゲイ」は訪れました。開け放たれた扉の向こうですすり泣く我が娘の姿を見て、駆け寄り抱きしめる「セルゲイ」。
---
「落ち着いたか?・・・もう、無理をするな。殿下には俺が言う。だからお前は・・・二度とあれを奏でなくていい。いざとなったら、俺が盾となってお前だけでも逃がす。だから・・・」
「ナギ」の「夢」は止めることはできないと「ニナ」は知っていました。そして「セルゲイ」もそのことはよく知っているはず。だからこそ父の言葉に「ニナ」は喜び、さらに決意を固めます。
「無理です、そんなこと。・・・それはお父様が一番良くわかっているでしょう」

娘の言葉に反論ができない「セルゲイ」。彼は自身の非力さを悔やみ、膝に抱えた拳を強く握りしめます。
俺の一番大事な人が苦しんでいるのに、何も・・・。また俺は何もできないのか!
「セルゲイ」の「一番大事な人」という言葉。今まで望み、手に入れることの叶わなかった言葉が、自分自身に向けられている。「ニナ」は喜びのあまりに頬を染めながらも、ある決意を固めました。
「なら・・・私からオトメの資格を奪ってください」
眼前で全ての衣服を取り去った「ニナ」に動揺し、目をそらす「セルゲイ」。
その行為に「ですよね」と涙をこぼす「ニナ」。
「私は、お父様の・・・蒼い星にはなれないから」
かつて「セルゲイ」が愛したオトメ「蒼天の青玉」達とは意味が異なる「一番大事な人」。・・・それは父が娘に対しての想い。そのことに気がついていた「ニナ」と気づかされた「セルゲイ」。衝撃を受けた「セルゲイ」は、意を決して「ニナ」を抱きしめます。
「ニナ・・・」
・・・ゆっくりと唇をあわせていくふたり。
※初めて「セルゲイ」は、「ニナ」をひとりの女性として見つめました。良いのか悪いのかはともかく、心の底で否定していた感情を受け入れることを決意したのです。

「ナオ、お前はどう思っているんだ?・・・我々、オトメという存在のことを」
決戦を翌日に控え、高揚する気持ちをベランダで冷ます「ナツキ」。後から来た「ナオ」に、「オトメ」であれば誰もが悩み、考えてきた質問を投げかけます。
「はあっ? 何よ、いきなり・・・『必要悪』」

その答えを聞いた「ナツキ」は、「らしいな」と喜び、彼女に小さな箱を投げよこします。
破幻の尖硝石・・・お前に用意していたマイスターGEMだ。・・・色々と頭に来ることもあったが、まあ全体的には感謝している。お前がいたからここまで来られた
妙に素直な「ナツキ」に若干引きぎみの「ナオ」でしたが、彼女自身もまた「ナツキ」とのここしばらくの行動は悪くなかったと感じ始めていました。ならば・・・と、「ナオ」も「ナツキ」に、決戦前の意気込みを彼女らしく語って聞かせます。
「シマを荒らした奴には身体で落とし前をつけさせるのが、スジってもんでしょうが。たとえそれが・・・大公ナギでもね」
「オトメ」という制度を、少なくとも表面的には「世の中を上手く生きていくための道具」としてしか見ていなかった「ナオ」。彼女にとって精一杯の宣戦布告に「ナツキ」は苦笑します。
「・・・そういうことにしておくか」

「ナオ」、良いですね~。本当、今作では「ナオ」や「ハルカ」、「チエ」が格好良くって参っちゃいます。(^_^)。

事が終わり(?)、安らかな笑顔で眠る「ニナ」を残して部屋を離れる「セルゲイ」。父として・・・いえ「ニナ」を愛する男として、彼にはすべきことがあったのです。
「レナ・・・あの日から、決して手の届かない星を求めるように、俺はあなたを追い続けた。殿下に・・・あの揺るぎない意志に惹かれたのも、殿下なら全てを・・・この世に手の届かぬものなどないと・・・だから俺は・・・。でも、それも終わりだ。・・・ようやく気がつきましたよ、俺にとって一番大切なものに
墓標にも見える「レナ」が収められた「ワルキューレ」用の真祖システムへ銃を構える「セルゲイ」。これを破壊すれば、少なくとも「ワルキューレ部隊」は戦わずして壊滅してしまいます。
「困りますね、少佐。・・・殿下の腹心であるあなたが、まさかこんなことをなさろうとは・・・」
あらかじめ予期していたのか、「セルゲイ」の行動に驚いた様子もなく姿を見せる「ジョン・スミス」。彼の言葉に「腹心であるからこそ」と「ナギ」の行為を止めようとする「セルゲイ」。
「・・・誰も戦争なんか、混沌なんか望んじゃいない。・・・たとえ作られた、箱庭のような世界でも・・・大切な人を失わなければならない世界より、どれだけ幸福か
勝負は一瞬でした。職業軍人である「セルゲイ」に、「シュバルツ」の一員であるとはいえ、アマチュアの「ジョン・スミス」が銃の操作で敵うはずもありません。
「安心しろ。・・・お前の大事なハルモニウムも、あとで一緒に送ってやる
いよいよシステムを破壊しようと「セルゲイ」が向き直ったとき、彼の耳に一発の銃声音が響きます。何が起こったのかわからず、目を見開いたまま崩れ落ちる「セルゲイ」。血の色に染まりつつある視界に、自分が使える主人の姿がありました。
「殿・・・下・・・」
「本当に残念だよ、セルゲイ」
※てっきり「ハルモニウム」を先に破壊するかと思いましたが、真祖システムの方に来たのですね。それでも「ジョン・スミス」や「ナギ」が間に合ったのは、やはり「セルゲイ」を監視していたのでしょうね。

「お父様・・・お父様っ!!」
目の前で横たわる「セルゲイ」の姿に混乱する「ニナ」。
「ジョン・スミス」と撃ち合いになったと「ナギ」は彼女に説明をします。
「・・・脳がずいぶんやられてる。まだ息があるが、すぐにも彼は死ぬだろう。・・・でも、まだ希望はあるんだ」
悪魔の笑みを浮かべる「ナギ」。「死」という言葉に視野を狭くされた「ニナ」に、もはや見えるのは「希望」だけです。果たして、それがどんなものであろうとも・・・。
「ハルモニウム・・・さ。空間と時間すら歪める、あの超兵器は・・・君が願えば力を貸し、死にゆくセルゲイの時を止め・・・そしてガルデローベの禁書庫に眠る『封印された技術』、その扉が開かれたとき・・・セルゲイは蘇るだろう。・・・さあニナちゃん、お言い。君は何を望む?」
※「脳が・・・」の件は「ナギ」の創作っぽいですね。そんなに大口径の銃で撃たれたわけではないですし、殺してしまうと面倒だと「ナギ」も考えていたでしょうから。

「諸君、ついにこの日が来た。ナギの示した最終回答期限だ。我々は、なんとしても奴の野望を食い止めねばならない。これより、ガルデローベおよびヴィント市開放作戦を開始する」
「ナツキ」の言葉に動き出す一同。
ついに決戦の火ぶたは切って落とされました。
「信号弾・・・装填!・・・総員、第一種戦闘配備!・・・機関最大、メインタンクブロー、アップトリム30・・・超弩級潜砂空母スズシロ、浮上開始っ!!
「エアリーズ共和国」が誇る空母の出現により、緊迫する戦場。「オトメ」を戦闘の主兵器とおく他国とは異なり、「エアリーズ共和国」は彼女たちを補佐し、あるいは匹敵するほどの火力を持った潜砂空母を完成させていたのです。
「さあ、いくわよっ! 戦闘甲板展開、全砲門開け・・・撃てぇええっ!!
響き渡る「ハルカ」の怒号。竜王戦争以来の国家間の戦いが、ここに始まりました。
---
「セルゲイ・・・あなたのためなら、たとえ世界を敵に回しても、私は・・・
「ハルモニウム」の力により、時間を停止され宙へと浮かぶ「セルゲイ」。彼を前にして「ニナ」は戦争への決意を高めていきます。そこにかかる「ナギ」の声。
「始まったよ。・・・準備はいいね」
「Yes、マスター」

---
そして黒い谷。異空間での修行を終えた「アリカ」が「マシロ」と共に出立の時を迎えていました。
「行くのね。・・・でも、まだあなた達・・・」
ここに来る前と比較して段違いに強くなった「アリカ」と「マシロ」。しかし相手は世界を滅ぼしかねない超兵器「ハルモニウム」。不安を覚える「鴇羽 舞衣」の言葉に「マシロ」は「今、行かなければならない」と彼女を説得します。
「皆がわらわの国を取り戻すために戦いを始めるのじゃ。ならばわらわは行かねばならぬ。そうじゃろう、舞衣」
「舞衣」へと力強く答える「マシロ」。その言葉に「舞衣」は微笑み、その出立を許可します。
「アリカ、多くのオトメが・・・そして漆黒の金剛石が、ハルモニウムが、あなたの前に立ちはだかるでしょう。それでも行くのですか?」
続いての「ミユ」の言葉にも「だから行くの」と答える「アリカ」。彼女と「マシロ」の描く「夢」のためには、歩みをここで止めるわけにはいきません。
「だから行くの。マシロちゃんと一緒に、皆が笑顔になれる国を創る。それが今の私の夢だもの。・・・だから待っていて、ニナちゃん!

ついに次回は最終回1時間スペシャル!
もう何も言いません。見せて貰いましょう、半年間の「舞-乙HiME」の集大成を!!

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舞-乙HiME_TV23

第23話「不思議の谷のアリカ」

史上最強の「HiME」にて、史上最強の「オトメ」!? 全国のファンが待ち望んだ「鴇羽 舞衣」、ついに見参!!
「炎綬の紅玉」として、また、愛する男性(「セルゲイ・ウォン」?)と、「五柱」になる夢の狭間で揺れ動いた伝説の少女として、超有名人な「鴇羽 舞衣」。果たして彼女は「アリカ・ユメミヤ」に、「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」に何を伝えるのか、どのような役目を持つのか・・・。
・・・いっそのこと主役交代もアリ!?

立ちこめる霧の中、「アンナン」より提供された自動車にてひた走る「ナツキ・クルーガー」と「ジュリエット・ナオ・チャン」。そして膝で抱きかかえられている「ミコト」そっくりのネコ。
「ここがヒモロギの森ね・・・」
「できれば通りたくなかったが、カルデアがあんな状態になった以上、そうも言っておれん」
と、突如、自動車より飛び出すネコ。その行動に危機を感じた「ナツキ」と「ナオ」も続けざまに脱出。間もなく自動車は霧に隠れていた谷底へ真っ逆さまに落ちていきます。
「・・・気をつけろって言ったでしょうが」
一命を取り留めてほっとする彼女たち。その前にそびえ立つのは、まるで棘のように先が尖った黒い岩の群れ。
「なんだここは・・・。黒い・・・ガルデローベ!?
「・・・見て、あれ!」
「ナオ」が指し示した、霧の向こう側にうごめく巨大な影には、鬼の角アリ!?
---
「マシロちゃん、鬼ー」
「やめろ・・・これ、やめろと言うに・・・」
と、その正体は・・・霧の晴れた場所で遊ぶ「アリカ」と「マシロ」が生み出した影絵でした。
「お前はいつも怒りっぽいな・・・マシロ」
正真正銘のネコの「ミコト」とともに岩に腰掛けてふたりを見やる少女「ミコト」
。「ミコト」の言葉に「マシロ」は「初めてあったのになれなれしい」と返しますが、少女はいつも「マシロ」達を見ていたと答え、「マシロ」と「アリカ」をきょとんとさせます。
「M.T Connected Unknown... FIRE STIRRING RUBY ELEMENT IGITION standing by...」
煌めくGEM「炎綬の紅玉」。なんと「オトメ」の能力を使い、「ミユ」とともに料理に勤しむ「鴇羽 舞衣」。
「ミユさんが来てくれると、本当助かるわぁ・・・さてと・・・・・・準備できたわよぉー・・・早くいらっしゃーい
寸胴を叩きながら、ご飯の時間を伝える「舞衣」の言葉に「ミコト」は喜び、立ち上がります。早く行きたいという表情を見せる「ミコト」に、最大の疑問をぶつける「マシロ」。
「そもそもここはどこなのじゃ・・・」
「『黒い谷』だ、うん」

※色々書きたいことはありますが、まずは、いきます。・・・シルエットでも、シャドウでもなく、正真正銘の・・・
 「鴇羽 舞衣」キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!
 「美袋 命」キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!

「十二王戦争」のときに消滅したはずの「黒い谷」、それがこの場所だと「ミコト」は言います。真意を問い尋ねる「マシロ」ですが、「ミコト」と「アリカ」は「舞衣」が作ったラーメンの美味さに感涙。それどころではありません。あきれる「マシロ」ですが、彼女も一口食べるとその美味しさに驚愕。かくして難しい話は食事の後に延ばされました。
「・・・そなた達は誰じゃ?ここはどこじゃ?何故わらわ達はこんな所におる?」
今までの疑問を怒濤の如く問い尋ねる「マシロ」。その迫力に気圧された「舞衣」は、ひとつひとつ回答します。
「えっと、私は舞衣で、この娘は猫神様のミコト・・・で、ここは黒い谷で、あなた達はミユさんと降ってきたの
回答に物足りない「マシロ」ですが、ここで「アリカ」が乱入。気になっていた「舞衣」のGEMが、やはり「炎綬の紅玉」と聞き、その正体に「マシロ」も驚きます。
「・・・夢と恋に引き裂かれた、悲劇のオトメ・・・のようには、全然見えない」

「ミコト」と戯れる「舞衣」の姿に、「炎綬の紅玉」との正体さえも疑いたくなる「マシロ」。しかし、やはりここは「黒の谷」であると「ミユ」は「アリカ」に話し始めました。
「・・・ここは確かにかつては『黒い谷』と呼ばれた所です。今は亡きテクノロジーの聖地・・・オトメの技術も、あのハルモニウムも、全てはここで生まれました
「十二王戦争」によって使用された「ハルモニウム」。その力は空間をもねじ曲げ「黒い谷」はそこに落ち込んだのだと「ミユ」は説明します。
「ハルモニウムは高次物質化能力を反転させ、全てを分解して飲み込むことができます・・・この時空間ですら。・・・アリカ、あなたも見ているはずです。風華宮の地下であのオルガンを」
「歌と紡ぎ手と守り人」。全てが揃い、守護者であった「ミコト」の「シャドウ」が「黒い貴石」の持ち主に倒され「ハルモニウム」は起動しました。
「・・・漆黒の金剛石、彼女はどうやら『守り人』にして『紡ぎ手』のようですから。・・・はい、彼女はヴィントブルーム王家の血を引く者です」
「ニナ・ウォン」が「ヴィントブルーム王家」の血を引く者との言葉に驚く「マシロ」と「アリカ」。「ミユ」はさらに話を続けます。
あの十五年前の争乱の折・・・私がヴィント市に駆けつけたときには、事がほとんど終わっていました。・・・ですが、幸い私はレナ・・・彼女の娘を捜し出すことができました。そして私は、赤ん坊だったあなたを、レナの母親、あなたのおばあさまに預けました。・・・あなたは『蒼天の青玉』レナ・セイヤーズの娘です
「ミユ」によって明かされた「アリカ」の出生。あの絵を見かけたときに感じた運命的な出会いは、やはり母子の絆だったのです。そして「ミユ」にそこまでさせる理由も、彼女はここで明かします。
「・・・あなたは、あの方の血を引いていますから」

※「アリッサ・シアーズ」より受け継がれた血の記憶。「ミユ」の目からは、彼女と同じように「アリカ」の髪は金色に映し出されます。きっと赤ん坊が「レナ」の娘だとわかったのも、髪の毛が金色に光ったからでしょうね。

「ミユ」の話が終わり、それぞれ動き始める「ミコト」「舞衣」「アリカ」。しかし、「マシロ」だけはうつむき、その場所から離れようとしません。「黒い谷」の話、「ハルモニウム」の話、「アリカ」の出生の話、様々な情報がもたらされた「ミユ」の話の中で、彼女の心に残ったのは「ニナ」の血統についてでした。
「・・・ミユと言ったか・・・そなた、ずいぶん色々と知っているようだが・・・。わらわのことは何か・・・何か知らぬか
万に一つの可能性と自分でもわかっていました。「ニナ」が「ヴィントブルーム王家」の血を引く者と判明した今、時の内務大臣が身代わりに連れてきた「マシロ」が王家の血筋である可能性は低いと。しかし、それでも「マシロ」は尋ねざるを得なかったのです。
「知りません」
返ってきた「ミユ」の言葉に、「マシロ」は「やはり」と肩を落とします。
その様子を見つめる「ミユ」は、彼女にひとつの話を始めました。
「あなたは、『真白なる金剛石』のマスターの話を知っていますか?・・・人には意志があり、意志こそが人を定める。王たる者とは生まれによらず、自らの意志で立ち、道を定め、なさねばならぬことをなす者。・・・それが、この数百年で私が得た結論のひとつです
※立派な人物であったのは「ミユ」の言葉から感じ取れますが、「フミ」のマスターもどこかの王族だったのでしょうかね。さて「マシロ」はこの言葉をどう捕らえて、自身の道へと反映させていくことができるか。

拠り所を無くし、自分の進む道に不安を感じていた「マシロ」。マスターとオトメの関係か、その頃「アリカ」もまた、自分自身が進む道に不安を覚え、答えを出せずにいました。伝説のオトメである「舞衣」に不安をぶつけ、答えを得ようとする「アリカ」。しかし「舞衣」は、その答えは自分自身で見つけるしかないと答えます。
考えるしかないんじゃないかな。何が良いのか自分自身で・・・それで間違えたと思ったら、またやり直せば良いじゃない。・・・確かに、元に戻らないこともあるけれど、でも、いつかきっとって、そう信じなきゃ・・・前に進めないから。・・・私も、ミコトやミユさんに会ってから色々考えたわ。ガルデローベが科学を封じた理由や、オトメがいる理由。だから今、ミコトと一緒にいるのだけれど・・・それはあくまでも私の考え。人の意見を聞くのも良いけれど、最後に決めるのは自分だもの
「舞衣」の言葉に考え、頭を一生懸命に使う「アリカ」。しかし、その答えはすぐに見つけられるものではありません。
「あとは、とにかくやれることをやって、どんどん先に進むのね。・・・考えすぎると妙な罠にはまったりすることもあるし。・・・経験者は語る・・・よ」
止まって頭を使うことに慣れていない「アリカ」。それを見抜いた「舞衣」は自分自身がそうしてきたように、前に進んでいく方法も示します。そして「考えすぎること」によって罠にはまった話に重なったのは、罠にかかってしまった「ナツキ」と「ナオ」の映像でした。
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「大猟、大猟♪」
笑顔で獲物を抱えてきた「ミコト」。でも網にかかったのはどこかで見たことのあるふたり。
「ナツキ!?」
「・・・舞衣」
※花の「舞-HiME」トリアス、復活!!

「・・・何から突っ込んだものやら」
「黒い谷」名物の温泉につかる一同。
落ち着いたところで「ナツキ」は「ガルデローベ」時代のライバルでもあり、親友でもある「舞衣」に行方をくらましていた理由を問い尋ねます。
「お前が死んだんじゃないかって、私がどれほど心配したと・・・」
夢と恋に悩み、卒業間近に姿を消した「舞衣」。当時と後の生徒に多大な影響を与えた事件でしたが、その真相は伝説とは異なっていました。

「悩んで気分転換に旅行に行ったまでは本当なんだけれどね。どうしようかなぁって考えながら歩いているうちに、変な霧に巻き込まれて・・・あんた達と同じ罠に」
元々「舞衣」がそのようなことで姿を消すのはおかしいと考えていたのか、あっさりと説明を受け入れる「ナツキ」。しかし、彼女には他にも疑問点がありました。
「とりあえずそこまでは良しとしよう。・・・ならなんでお前は紅玉をつけている? マスターは誰なんだ?」
昔と変わらない「ナツキ」の性格に微笑みながら、「舞衣」は温泉でぐったりしている「ミコト」の方をちらりと振り返ります。その視線に気がつき「まさか・・・」と口走る「ナツキ」に対して、言葉を続ける「舞衣」。
「貴石を持って出たのがまずかったのよね。罠にかかって、そのとき・・・あの娘のお腹の中に収まっちゃって。・・・その状態で認証までできちゃうのよ」
本来であれば「真白なる金剛石」である真祖「フミ」と契約を交わすはずの「五柱」。しかし「舞衣」のGEM「炎綬の紅玉」はなぜか「ミコト」と契約を結ぶことができたのです。
この疑問に関して、回答を示したのはふたりの会話を聞いていた「ミユ」でした。
ミコトは『水晶の姫』ですから。・・・この世界を維持するために厳重な制約をつけて生み出されたオトメ『乙式高次物質化能力』。その原型となった純粋な高次物質能力者の、最後の生き残りです
「ガルデローベ」学園長であり、この世界の歴史について詳しいはずの「ナツキ」の知識を遙かに凌駕する「ミユ」。今まで幾人にも尋ねられたであろう「何者なのだ」という問いに、彼女は過去を思い出しながら答えます。
「私はミユ。お嬢様の意志を継ぎ、この世界の行く末を見守る者。・・・オトメの運命を司る、あの星の導きの元に」
そして見上げた視線の先には、大きな満月の下に、小さく輝く蒼い星が見えていました。
「水晶の姫」。確か前作「舞-HiME」では「黒曜の君」の妻となるべき存在で「風花 真白」が前任者になっていましたね。

「ナギ・ダイ・アルタイ」の策略により「アルタイ公国」が実質支配している「ヴィントブルーム王国」。しかし、その中では様々な人の動きが起こっていました。
 ・「ヤマダ」の手引きで「イリーナ・ウッズ」にメモ帳のような何かを渡している「ヨウコ・ヘレネ」
 ・「ナギ」の口から「ワルキューレ部隊」の真祖、母体となった「レナ」のことを聞き出した「セルゲイ・ウォン」
 ・「ナギ」と父親「セルゲイ」の夢のため、「アリカ」との戦いを、その決着をつけることを決意した「ニナ・ウォン」
「ヨウコ」の動きは、自閉モードに入った「フミ」復活の伏線でしょうか。そろそろ復活してもらわないと、「五柱」が活躍できませんしね。

「そう・・・シズルさんが・・・」
「ああ、幽閉されているらしいんだ。私を逃がすために・・・辛い思いをしていないといいのだが。・・・各国の取り纏めはエアリーズのユキノ大統領と、アンナンのグエン王にお願いしてあるし、何より私はガルデローベの学園長だからな。・・・で、お前に頼みがある。あのふたりのことだ
囚われの身となった「シズル・ヴィオーラ」の身を案じ、「ガルデローベ」へ戻ることを決意する「ナツキ」。彼女は「舞衣」に「マシロ」と「アリカ」のことを見てほしいと頼みます。
その頃、「ミユ」の言葉を聞いても悩む「マシロ」は、「アリカ」に「ナギ」が進める世界改革への可能性を語り始めていました
「・・・ハルモニウムを手に入れたナギなら世界をひとつにまとめてしまうかもしれぬ。そうしたら・・・オトメが戦わずに済む世界ができるかもしれぬ
弱気な「マシロ」の発言に、「それは違う!」と叫ぶ「アリカ」。
「・・・あの竜のお墓で、ニナちゃんが出てきたとき・・・ニナちゃん、泣いていた。・・・科学がどうのとか、オトメが良いのか悪いのかとか、まだ私よくわからない。だから一生懸命考えているのだけれど・・・。ニナちゃんてね、笑うと凄く可愛いんだよ。笑っているニナちゃんって、私大好きだった・・・。でも、あのときニナちゃん泣いていた・・・なら・・・ニナちゃんにあんなことをさせるナギ大公って・・・私、絶対に間違っていると思う!
---
一方、「ナツキ」の言葉通り、「エアリーズ共和国」では臨時の審議会が開催されようとしていました。
そこに飛び込んできた情報、それは国境へと攻め入ってくる大きな竜巻。紛れもなく「ハルモニウム」を利用した「漆黒の金剛石」の力。巨大な竜巻は「エアリーズ共和国」を蹂躙し、街や村を、そこに住む人々を破壊していきます。
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「ナギめ・・・王達にハルモニウムの力を見せつけ、恭順か戦いかの選択を強いる気か・・・。このままでは世界が割れ、大戦争が起こる
猫神様「ミコト」による能力で、「エアリーズ共和国」の惨状を目にする「アリカ」達一行。竜巻の中に写る「ニナ」の影に、「アリカ」は深い悲しみを見ます。
「私たちも、ガルデローベに向かいます!」
ほとんど同時に叫ぶ「アリカ」と「マシロ」
。しかし、このことを予測していた「ナツキ」は、即座にふたりの同行を拒否します。
「お前達はここに残れ。お前は貴石の本来の力を出し切れていない。・・・今出て行けば死ぬ
それでも行きたがるふたりに「舞衣」は「試してみる?」とひとつの提案をしました。
---
「ミコトちゃんに勝ったら、行ってもいいんですね」
マイスターオトメ「蒼天の青玉」をマテリアライズした「アリカ」と「ミコト」による「舞闘」。それに勝利すれば、ふたりの「ガルデローベ」同行を許可すると「舞衣」は約束
します。
「あんなので試せるのか?」
一方、彼女に全てを託したものの、やる気のなさそうな「ミコト」を目にして不安な表情を見せる「ナツキ」。しかし「舞衣」は笑顔で彼女の不安を否定します。
「ローブを着けても私、ミコトには勝てなかったのよ」
「舞衣」の言葉に驚く「ナツキ」でしたが、その答えはわずか数秒後に明らかになります。「アリカ」が全力でぶつかってもまったく相手にすらされない「ミコト」の身体能力。錫杖の一降りで「蒼天の青玉」が、「アリカ・ユメミヤ」が岩壁へ飛ばされていきます。
「まだやるか?」
息ひとつ切らさずに「アリカ」をKOした「ミコト」の実力。すっかり目を回した「アリカ」はその場で「ミコト」に頭を下げました。
「ミコトちゃん・・・ううん、猫神様、先輩・・・いえ、師匠! 私に戦いを教えて下さい、お願いします!」
※えぇえぇええぇっ、「ミコト」が「舞衣」よりも強いなんて、「嘘だって言ってー」ですよ。・・・きっとあれだ、相手が少女だから本気を出すことができないか、ローブ本来の力が解放されていないか・・・。ですよね、ええ。でないと困ります!(何が

「ミコト」によって鍛えられ、「蒼天の青玉」本来の力を導き出すであろう「アリカ」。そうなるとあとは、彼女と一心同体となる「マスター」の資質に今後の戦いがかかってきます。
「あなたがアリカの主なら・・・聞いておかねばならないことがひとつあります。・・・できるのですか、あなたも?
「ミユ」の言葉に下を向く「マシロ」。しかしそれは臆したのではなく、戦い抜くための決意を溜めるためでした。
「・・・わからぬ。じゃが、そう民に誓ったのじゃ、アリカとともに
顔をあげた「マシロ」を見つめる「ミユ」。自分の大事な人を預けるに足るか「マシロ」の気持ちをじっくりと計るかのようです。
「ならば学びなさい。アリカの主に相応しい、王となるために」
一応の合格点を得たのか、「マシロ」に「アリカ」を託して「黒い谷」を離れゆく「ミユ」。
残された「どう学ぶか」という「マシロ」の難題には「ナツキ」が「舞衣」を先生にすればよいとアドバイスを送ります。
「舞衣に教えを請うと良いでしょう。・・・舞衣は私にも隠していたのですが、ジパングの鴇羽巧海頭忠頼の姉君、舞姫様であらせられますから
去っていく「ミユ」、そして「ナツキ」と「ナオ」を見送る「マシロ」と「アリカ」。世界を決するためのふたりの戦いは、今ここに始まったのです。

とりあえず「鴇羽 舞衣」がゲスト出演で終わることはなさそうなので、ほっと一息。今回はお料理専門でしたが、最後の戦いには爆発的な能力を見せてくれると信じています。最後の「ニナ」との一騎打ちは「アリカ」に任せるとしても、「ワルキューレ部隊」やスレイブ達との戦いは、「五柱」と「鴇羽 舞衣」で一掃してほしいですね。
それから、噂では最終回とラスト前は同一日に連続して放送されるとか。今から感想を書くのに何時間かかるのかと、怯えていたり・・・。(^^;)。

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舞-乙HiME_TV22

第22話「ホロビノウタ」

「ニナ・ウォン」が「紡ぎ手にして守り人」であるならば、「力(=歌)」を見せることにより「ハルモニウム」を手に入れることができます。その言葉通り、彼女は最後の「歌」も手に入れて・・・。

「・・・ホー家の末娘の件は、申し訳なかった。まさか一族揃ってシュバルツなどに・・・。うかつじゃった。じゃがのう、ホーの気持ちもわからぬでもないのじゃ
「エルスティン・ホー」の件について謝罪を行う「アンナン」の「グエン・バオ」王。名家であるが故に数々の「オトメ」を輩出してきた「ホー家」は、過去の戦争にて多大な犠牲を払ってきた。そのことが「シュバルツ」に心酔するきっかけになったのだと、マイスターオトメ「慧命の藍銅鉱」、「アイン・ルー」は言葉を続けます。
「・・・わかっています。アインお姉様。・・・しかし、ナギ大公が万が一にでもハルモニウムを起動させるようなことがあれば・・・世界は再び十二王戦争以前に逆戻りです。それだけは絶対に避けねばならない。どうかご老公、我らにお力添えを!」
「ナツキ・クルーガー」の言葉に頷く「グエン」。かくして「アンナン」は盟約を護り、「ガルデローベ」への力添えを約束します。
※「エルスティン」の行為に、「ホー家」の選択した道に、「アンナン」王として、思うところがあったのでしょうね。

一方、アスワドの掟に従い「カルデア帝国」へと向かった「ミドリ」達。その間隙を狙い一台の装甲車が「アスワド」の村へと到着します。
「アスワドの諸君、俺はアルタイ公国陸軍・・・セルゲイ・ウォン少佐だ。・・・我々の目的はヴィントブルーム王国のマシロ女王と、そのオトメ、アリカ・ユメミヤの身柄確保だ。刻限は正午、場所は竜の狭間、遅れた場合、我々の関係は不本意なものとならざるを得ない・・・」
装甲車から姿を見せた「セルゲイ・ウォン」の姿に、隠れて見ていた「アリカ・ユメミヤ」は思わず立ち上がります。「ニナ」と「アリカ」の戦いから別れて幾ばく、しばらく無言で見つめ合うふたり。そして結局、それ以上は何も伝えることなく、装甲車はその場を後にします。
---
「セルゲイ」より作戦開始の方が伝えられる「風華宮」。しかし現在「ナギ・ダイ・アルタイ」の気を引いたのはもうひとつの報告でした。
「スミス殿から報告であります。・・・保険が目を覚ましたと
喜ぶ「ナギ」に、首をかしげる「ニナ・ウォン」。「ナギ」は彼女に「最後の歌を知っているかも知れない人」だと説明します。
「・・・砂漠の谷底で死にかけていたのを、追跡隊が見つけてね。マシロちゃんの一番近くにいた人だよ」
やはり生きていましたね、「アオイ・セノー」。怪我の具合が心配ですが、これで「歌」も揃いそうです。だからかな、「ナギ」が「ワルキューレ部隊」の動向にあまり興味がないのは・・・。

「ヴィント市」の難民達を「アスワド」の村へと預けて「セルゲイ」の元に向かう「アリカ」と「マシロ」、そしてネコの「ミコト」。罠だとわかっていても「アリカ」にはどうしても確認したいことがあったのです。
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「君なら、来ると思ったよ。・・・元気か?」
約束の場所へと現れた「アリカ」に声をかける「セルゲイ」。その言葉に「アリカ」は複雑な表情を浮かべます。
「・・・たぶんマシロ姫もどこかに隠れているのだろう。・・・良い判断だ。そのくらい警戒しなくちゃね・・・敵と向かうときには
そう、今や敵同士となってしまったふたり。恋に破れ夢を選択した「アリカ」と、恋を捨て国を選択した「セルゲイ」。それでも戦いの前に「アリカ」は自分の思いを叫びます。
「・・・どうして・・・どうして、あなたがオジサマだったの・・・どうして私を援助してくれたの・・・どうしてあのとき!
少女の叫びに顔を歪める「セルゲイ」。選択したはずの気持ちに迷いが生まれ、その思いに区切りをつけるために、彼は自分の思いを言葉にします。
「・・・それは、君が・・・。言い訳はよそう、俺はたぶん・・・惹かれていたんだ・・・君に。・・・その真っ直ぐな瞳に・・・だから俺は殿下の命令に背き、君を助けようとした。初めてだったよ、あんな事は・・・だが、その結果・・・
自分の愛するふたりの少女。「アリカ」と「ニナ」の戦いを生んでしまった自分の気持ち。思いのままをぶつければ良かった子供時代とは違い、今の彼には責任があり、背負うものがあります。
「・・・自分のしたことにケリをつけなければならない。アルタイの軍人として・・・ニナの父親として」
「ニナ」の気持ちを知ってもなお、いいえ、だからこそ「娘」として扱うことを選択した「セルゲイ」は、ゆっくりと「アリカ」に向かって銃を構えました。
「それが俺の、ニナへの愛情だ。・・・できれば降伏して欲しい。でも君は・・・夢を追うのだろう。それでこそ・・・アリンコだ」
数発の銃弾を続けざまに打ち込む「セルゲイ」。「蒼天の青玉」を身に纏った「アリカ」はその全てをかわしますが、それは「セルゲイ」の想像の内。その隙に姿を隠した「セルゲイ」の代わりに、見たこともない黒い影達が「アリカ」を襲いました。
「スレイブ!?」
4つの黒い影に翻弄される「アリカ」。しかし空中へと制止し、仮面の内の顔を見せた影の正体に、彼女はさらに衝撃を受けます。
「トモエ・・・ちゃん?」

※北欧神話より名前を与えられた「ワルキューレ部隊」。「戦乙女」の通り名にふさわしく、ローブのデザインも戦闘を強く意識したもの。戦いを「舞闘」と呼ぶ「オトメ」とはひと味違う・・・ということでしょうか。

「歌は覚えたね。・・・いやぁ、やっぱりついているなぁ僕って」
「アオイ」より最後の「歌」を引き出した「ナギ」はご機嫌。早速「ニナ」を連れて再度「ハルモニウム」の部屋へと向かいます。
「・・・歌が本物なら、マシロちゃんとアリカちゃんはお役ご免だ。もし君が望むのなら、彼女たちを完全に舞台から降ろしてもいい。・・・邪魔でしょう、君にはさ
「ナギ」の提案に表情を曇らす「ニナ」。即答できない彼女を「ナギ」は「優しいね、君は」と評します。
「でもその優しさは苦しみしか生まないよ。・・・君はこれを使うのだから」

「使う」という言葉で説明される「ハルモニウム」。世界を揺るがすほどの兵器・・・なのですかね。

「本当、お久しぶりアリカさん。元気そうで何よりだわ。・・・素敵でしょう、ナギ様に頂いたマイスターローブよ。シズルお姉様と同じように、人間のマスターなどいらない、より自由で、より優れたローブ・・・。ねぇ、アリカさん、私と踊りましょう。もうときめきで胸が張り裂けそうなの。・・・だってずっとあなたのこと・・・大嫌いだったのですもの!
斬りかかる「トモエ・マルグリット」に防戦一方の「アリカ」。「マイスターオトメ」とも渡り合えるその力に、離れて戦いを見ていた「チエ・ハラード」も驚きを隠せませんが・・・。
「決められた作戦行動から離れようとすると・・・こうなる仕掛けか。・・・やっぱりね」
作戦外の行動に対して発動する全身を襲う衝撃。「スレイブ用のGEMの仕掛け」によって「ワルキューレ部隊」は絶対の服従を誓わされているのです。そして現在彼女に与えられた命令は「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」の確保。
「・・・わらわは見ていることしかできぬ。ならばせめて・・・アリカが心おきなく戦えるよう・・・耐えねばな」
「アリカ」の受けた攻撃、その痛みを共有する「マシロ」の姿を「チエ」はその視界に捕らえます。ネコの「ミコト」が泣きわめくのを不審がる「マシロ」。しかし時既に遅く・・・。
※「トモエ」はっちゃけすぎ。(^^;)。

「そこまでだ!・・・もう抵抗は止めるんだ」
手に「マシロ」を抱えた「セルゲイ」、そしてネコの「ミコト」を抱えた「チエ」の出現に「アリカ」の動きは止められます。次々に周りを取り囲んでいく「ワルキューレ部隊」。しかし「マシロ」の言葉は、「アリカ」に対して戦いの続行を要求するものでした。
「・・・良いか、われらふたりは命を同じくするものじゃ。どちらかが諦めたら・・・そこで終わってしまう!

同時刻。「アンナン」より提供された自動車により「カルデア帝国」へとひた走る「ナツキ」と「ジュリエット・ナオ・チャン」。かれこれ数時間は走った道のりの後に、ついにその居城が視界へと入ります。
「・・・見ろ」
急ブレーキをかけた「ナツキ」に文句を言う「ナオ」でしたが、彼女が指し示した光景は「ナオ」を絶句させるもの
でした。
---
「よくぞ・・・と、そう申し上げましょう。しかし、これ以上の戦いは無駄というもの。私には勝てはしません
「塊麗の縞瑪瑙」、「フィア・グロス」と対峙する「ミドリ」。そう、既に「カルデア帝国」は「アスワド」のサイボーグ達と「オトメ」達による戦場と化していました。「REM」を身に纏い「マイスターオトメ」と互角の勝負を繰り広げる「ミドリ」。しかし「フィア」もまた「カルデア帝国」を背負って立つ者として、その全てを賭けて戦いへと挑みます。
刻々と「REM」使用制限の時間が迫る中、「フィア」の一撃で床へと倒れかけた「ミドリ」。とどめを刺そうと振りかぶる「フィア」に対して「ミドリ」はついに最後の切り札を使用しました。
「愕天王っ!」
天を見上げる「ミドリ」につられて上空へと視線をあげる「フィア」。・・・しかし、それはフェイク。
次の一瞬、異空間を通り「フィア」の直下から出現した「愕天王」は、その鋭い一角にて彼女自身を貫きます。煌びやかに光り輝く「フィア」の身体。それはひとりのオトメ、ひとりのマスターの絶命を意味するものでした。
「・・・この恨みはらしたくば、星の世界で待つがよい」
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「カルデア城が・・・落ちた」
「私らの歓迎にしちゃ・・・ちょっとやり過ぎだね、こりゃ」
森に立ちつくす自動車の中で、事態の急な展開に驚く「ナツキ」と「ナオ」。その時、彼女たちの直上に一匹のネコが降り立ちます。「ナオ」が見上げたその先にいるのは・・・「ミコト」?
冒頭、「ミユ」に対峙したネコの「ミコト(仮にA)」。現在「チエ」に抱えられたネコの「ミコト(仮にB)」、そして「ナオ」の上に落ちてきたネコの「ミコト(仮にC)」・・・。ネコの「ミコト」は複数存在?(?_?)

今まで自分が行ってきた全ての悪事を、その事実を「アリカ」へと聞かせる「トモエ」。理由を問い尋ねる「アリカ」に、彼女は自身の気持ちを伝えます。
アリカさん、あなたはね・・・シズルお姉様に目をかけられていて目障りだった。だから消えて欲しかったの。・・・それを邪魔したエルスティン、あの娘も馬鹿なくせに悪運だけは強いんだから。でも死んだんですって?・・・いい気味だわ。私ならそんな愚かな真似はしない。私は手に入れる、お姉様も、地位も名誉も全て」
4対1の戦い、かつての級友との戦いに、全力を出し切れない「アリカ」。しかし「エルスティン・ホー」の名前をあげられては、立ち上がらないわけにはいきません。
「どんな想いで・・・エルスちゃんが・・・エルスちゃんがぁっ!」

未だ足下がおぼつかない「アリカ」に対して、勝利を確実にするため「ワルキューレ部隊」の必殺技「ヴァルハラの舞」を放つ「トモエ」達。「マイスターオトメ」の必殺技に勝るとも劣らない光の束が、「アリカ」へと襲いかかります。「マシロ」が彼女の名を叫ぶ中、その切っ先に立った「アリカ」を救ったのは・・・。
「ミ・・・ミユさん・・・」

「チエ」の手から「マシロ」とネコの「ミコト」をも助け出し、まさに神速で「アリカ」の眼前に立った「ミユ」。「ヴァルハラの舞」さえも簡易に跳ね返す少女の登場に驚きを隠せない「セルゲイ」。
「遅くなりました。アリカ。・・・呪詛の黒曜石、呪われたワルキューレGEM・・・そんなものを生み出すために、レナ・セイヤーズの亡骸を弄んだのですか、貴方達は。・・・あの方の残された最優先指令です。貴方達を・・・排除します
わずか50%の出力にて「ワルキューレ部隊」のエレメントをも切り裂く「ミユ」のソード。その刃は拳銃で自身を狙う「セルゲイ」にも向けられて・・・。
「ミユさん、駄目ぇええっ!」

強い~。流石「ミユ」! 「鴇羽 舞衣」と並んで、この世界の「ジョーカー」かも!!(^^;)。・・・そして「セルゲイ」はここでようやく母体が「レナ」と気づく(ヒントをもらう)ことになります。「ナギ」を、「アルタイ公国」を裏切る伏線になるのかな?

「歌と紡ぎ手と守り人」。その全てを手に入れた「ニナ」に「ハルモニウム」が歓声を上げます。マテリアライズをしたわけでもないのに、身に纏われる「漆黒の金剛石」。そして彼女の耳に聞こえる「子守歌」第4の歌詞。自然と「ニナ」の手が、「ハルモニウム」の鍵盤を叩きます。
「ニナちゃん、これはもう、君の思うままだ・・・さあ、君は今、何がしたい?
かつて「アリカ」と「マシロ」が開いたときとは比べものにならない光の柱を生み出したる「ハルモニウム」。
「美しい・・・これが伝説のハルモニウムの力・・・」
居室全体、そして「ハルモニウム」と「ニナ」、「ナギ」、「ジョン・スミス」は光へと包まれます。次の瞬間、彼女たちの直下に表示されるのは遠く離れた「アスワド」近くの渓谷。
「・・・空間転位したのか?」
「床はあるみたいだよ。ほらっ」
---
「セルゲイっ!」
「すみませんアリカ。急所は避けたつもりですが・・・」
腹部からの出血に顔を歪める「セルゲイ」。どう声をかけて良いのかわからず戸惑いの表情を見せる「アリカ」に、「ミユ」は警告を発します。
「・・・気をつけてください。アレが来ます」
全てをなぎ払う漆黒の竜巻。稲光を身に纏い、嵐にも似た力が「アリカ」達の前に姿を現しました。
そして、一瞬の煌めきの中に浮かび上がる人型の姿。
「・・・あれは・・・まさか・・・」
「セルゲイ」のつぶやき、そして「漆黒の金剛石」という「ミユ」の言葉。「ハルモニウム」との共鳴により本来の力を取り戻した「ニナ」が姿を見せました。
「・・・お父様・・・あぁっ・・・お父様、その怪我は・・・
走り近寄る「ニナ」の視界に入る「アリカ」の姿。愛する父を刺したのは、敵となったかつての親友・・・。「ニナ」がそう感じたとき、彼女の精神はあの激突の時に戻ります。
「あんたは・・・また・・・。許さない・・・私のお父様を傷つけるものは・・・絶対に!」

天地を揺るがす「ニナ」の力、封印されるべき「漆黒の金剛石」の力は、「マイスターオトメ」の限界点を突破したものでした。
「SWORD MARIE・・・高次物質化シークエンス開始。・・・アリッサお嬢様、お力を!」
その声に反応し飛び来る金色の小鳥。「アリッサ」の遺伝子情報が「ミユ」の能力を100%引き出し、天へと届く金色の刃を創り上げます。
「うわぁぁぁあああぁぁぁっつ!!」
ぶつかり合う力と力。封印されし過去の科学力による激突は、今までにない大規模な爆発
を周囲へと巻き起こします。「マシロ」を護る「アリカ」もその中へと巻き込まれ・・・。
---
「ん・・・あれっ・・・」
ベッドの中で目を覚ました「アリカ」。視界に入るひとりの人物。そして近づいてくるひとりの「オトメ」。その正体は・・・。

絶対、来週、「鴇羽 舞衣」、クル━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!!
最初のオープニング曲でその存在が疑われ、新オープニング曲で確定となった「鴇羽 舞衣」。待ちに待った「舞-HiME」の主役、最後のスター。最大最強の「ジョーカー」降臨!!・・・するはず!!
なんとなく次回のタイトルから「ゲスト出演!?」という不安感もありつつ、次回予告で動き回る姿に感涙!!・・・ああ、楽しみだ来週~。(^o^)。
さて、今回は「ミユ」の戦闘シーンが超格好良かったですねー。さすが前作の「ジョーカー」。「オトメ」をも倒せるサイボーグ! 「アリッサお嬢様の遺伝子情報を確認・・・」というくだりには震えが来るほどでした。
あと4回となり、最後が見えてきた「舞-乙HiME」。「ニナ」の「漆黒の金剛石」が「ハルモニウム」パワーで封印を解かれたようですし、こちらは「五柱」連合軍+封印を解かれる(?)「アリカ」+「鴇羽 舞衣(希望)」で向かうしかないですよー!

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舞-乙HiME_TV21

第21話「白き姫、目覚めるとき」

真の姫は「アリカ・ユメミヤ」?、「レナ」の娘は「ニナ・ウォン」?・・・と話題沸騰なヒロイン2名に対して、放送開始当初からのダメダメ政治、数々の陰謀によりすっかり影の薄くなってしまった「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」。視聴者の人気も今ひとつのようです。しかし、今回のサブタイトルをご覧ください。いかにも「マシロ」が主役の予感。彼女にとって、今回が起死回生の一話となるのでしょうか?

「ニナ・ウォン・・・反政府組織の拠点で、セルゲイ・ウォン中尉により保護される・・・」
あらためて「ニナ」に関する報告書に目を通す「ナギ・ダイ・アルタイ」。彼の疑問はひとつ、どうしてあのシャドウはあんな事を言ったのか・・・。
---
「ハルモニウム」前に出現したシルエット、「シャドウ」は「ナギ」と「ニナ」に対して問い尋ねます。
「お前達が、このハルモニウムの力を望む者か・・・」

武具を構えた「シャドウ」に、マテリアライズして挑む「ニナ」。その姿、そしてその血が「シャドウ」にひとつの回答を導き出させました。
「これは・・・紡ぎ手にして守り人たる者か
・・・。ならばその力を見せよ!」
「シャドウ」の言葉、「紡ぎ手」と「守り人」に反応する「ナギ」。その間にも「シャドウ」は「ニナ」へと撃ってかかります。
錫杖による攻撃に防戦一方の「ニナ」。「迷いがある剣では私は倒せない」と語る「シャドウ」の言葉に、脳裏に浮かぶのは「エルスティン・ホー」の姿。
しかし、その思いを散らすように、「ニナ」は渾身の一撃で「シャドウ」へと斬りかかります。
「私は・・・迷ってはいないっ!」

シルエットを切り裂いたその剣は、あわせて、背後に並ぶ招き猫の一体を切り裂きます。そしてゆっくりと起き上がる「シャドウ」の姿は・・・。
---
「・・・出生、および保護されるまでの経歴は一切不明。誘拐や、人身売買などの手段で組織に集められたものと推測される。・・・紡ぎ手にして守り人・・・か
報告書を読み終えた「ナギ」ですが、そこに彼を満足させる回答は載っていませんでした。思案巡らせる彼の目に、ふと入ってきたのは現場の写真。首謀者である男や、囚われた少年少女の中に、やや異彩を放つ写真が一枚。部隊によって殺害された男の脇に、赤ちゃん用のカゴが写っています。
慌てて「ヴィントブルーム王国」の前王、王妃が写った写真を手に取り見比べる「ナギ」。2枚の写真に写ったカゴは、全く同じ種類のもの。
「面白いな・・・面白すぎるよ・・・。偶然の悪戯?・・・いや・・・」

「美袋 命」キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!・・・といっても後ろ姿だけれど。さて、前回写っていた「カゴ」がやはりキーアイテムに。おまけに「命」が「紡ぎ手にして守り人」と言明していますから、「ニナ」のポジションがいきなりアップ!?・・・あれ、じゃあ「アリカ」は?

すっかり「アスワド」の村での生活にとけ込んだ「アリカ」と「マシロ」。これから先の方針を決めあぐねているふたりに「ミドリ」がひとつの提案を持ちかけます。
「えっ・・・無茶であろう、カルデアに攻め入るなど・・・
「アスワド」に謝罪すると嘘を言い、その間に村へと襲撃した「カルデア帝国」に武力を持って復讐すると「ミドリ」は言います。
「血には血を、刃には刃を。それが我らアスワドの掟だ」
この意見に猛然と反対する「アリカ」。「やられる度にやり返していたら何も解決しない」という彼女の言葉に「ミドリ」はかつての親友「ヨウコ・ヘレネ」を思い出します。
しかし、親友に対して答えたように、「アリカ」に対しても答えはひとつです。
「解決などは求めていない。報復こそが我らの生きる道なのだ。・・・アスワドは呪われた民、決して許さぬ民。その評判が我らを守ってきた
「ミドリ」の言葉にさらに反論しようとする「アリカ」でしたが、そこへ緊急の知らせが舞い込みます。「マシロ」が逃げ、歩いてきた道を進んできた「ヴィント市」の難民達。彼らもまた、「アスワド」の領地を侵そうとしていたのです。
「・・・幸い、こちらには気がついていないようだ」
「排除の用意」
「ミドリ」の言葉に驚く「アリカ」。その行為を止めようと「マシロ」の方を見やりますが、彼女の様子もいつもとは違います。
「あの者達じゃ・・・。あの者達が・・・アオイを・・・」

最後まで「マシロ」のことを思い、献身的に仕えてきた「アオイ・セノー」。「マシロ」の一番の理解者を死に追いやった難民達を「マシロ」はすぐに許してやることができません。
「ふっ・・・女王にも見放されたか。・・・いや、既にお前の方が見放されたのかも知れないが・・・」
「マシロ」のターニングポイントですね。彼女に真の女王たる資質があるのか。血統でもなければ、知性でもない、こうした場面でこそ、それがわかるのですが・・・。

「我らが手を下すまでもないかもしれんな」
「ラド」の言葉とあわせるかのように、眼下で起こる地鳴り。そして姿を現す巨大な生物「ジャバル」。逃げまどう難民達を助けたい「アリカ」ですが、その行方を「ラド」が遮ります。
「マシロちゃん!」
マテリアライズさえできればと「マシロ」を見やる「アリカ」。しかし彼女は「アリカ」の言葉など聞こえないかのように、難民達の一点を見つめていました。
「・・・あれは・・・ミミ・・・」
自分を助け、女王「マシロ」を非難し、「アオイ」が亡くなったのを「いい気味だ」と話した少女「ミミ」。複雑な思いが「マシロ」の心を包みます。

「アオイ・・・」
---
「大丈夫ですよ。アオイは信じています。マシロ様は・・・きっと素晴らしい王様になられます
---
「アオイ」の言葉が脳裏に浮かんだ「マシロ」。その視線の先に「ジャバル」の足に飛ばされた「ミミ」の姿が映りました。
「ええぇえぃっ!・・・アリカッ!!」

「マシロちゃんっ!」
とっさに「ラド」へと頭突きを喰らわす「マシロ」。一瞬の隙を突き、「アリカ」へと認証の儀式を済ませます。
崖下へと飛び降りる「アリカ」。マイスターローブ「蒼天の聖玉」へと身を包んだ彼女は、空中を舞って人々を助け、「ジャバル」へと対峙します。
「BLUE SKY SAPPHIRE BOLT FROM THE BLUE COUNTDOWN・・・RELEASE」
わずか一撃。目を眩むような光が「ジャバル」を包み込み、その姿を虚空へとかき消します。
そのまま「ミミ」を抱き起こす「アリカ」。しかし彼女は目を開けようとしません。慌てて「マシロ」を呼ぶ彼女。周囲の難民が女王の名に驚く中、「マシロ」は必死で「ミミ」へと呼びかけるのでした。
黙って「マシロ」と「アリカ」の行動を見やり、黙認する「ミドリ」。「マシロ」が立ち上がることを予期していた・・・むしろ願っていたんでしょうね。(^_^)。

「・・・志願者は以上の5名ですが、今後の成り行きでは、さらに増えるでしょう」
「セルゲイ・ウォン」の提出した人工オトメ部隊「ワルキューレ」の候補リストを眺める「ナギ」。「彼女たちは裏切らない?」との言葉に「ジョン・スミス」が「心配無用です」と答えます。
一度、GEMをつければ我々のオトメ。ワルキューレ達は裏切ることなどできません」
その絶対的な自信に「ジョン・スミス」が行ったであろう行為を感じ取った「ナギ」、そして「セルゲイ」。
「それって、スレイブ用のGEMの仕掛けを使ったの?・・・ふぅん。・・・さっそくだけれど、ワルキューレ部隊に動いて貰うよ。マシロちゃん達の居場所の情報が入ったんだ。カルデアからだから眉唾物だけれど・・・アリカちゃんも一緒らしいよ。・・・でも事情が変わってね。もうアリカちゃんはいらない・・・っていうか、むしろ邪魔なんだ、今となっては
「不要」との「ナギ」の言葉に反応する「セルゲイ」と「ニナ」。彼はそんな様子を気にもとめずに「マシロの歌は必要なんだ」と言葉を続けます。
「ですが、歌に関してならば・・・」
「まあね。でもあの娘が目を覚まさなかったら、どうするのさ
結局「セルゲイ」が仕事を引き受けることとなり、その準備のために部屋を出て行きます。そして「ニナ」と「ジョン・スミス」も席を離れ、ひとり残った「ナギ」。
「・・・さて、カードは揃いつつある。後は最後の鍵を手に入れたとき、あれをどう使うか。・・・科学という名の力・・・それが導くのは滅びの道か、輝ける未来か・・・。でも、それはあなたが決めることではない。そう思わない?・・・真祖様とやら」
「チエ・ハラード」がお見舞いに来ていた「あの娘」。ベッドに寝ていて顔はわかりませんが、誰かは想像はつきますね。確かに彼女が目を覚ませば、「マシロ」の歌は不要になるでしょう。抜け目ないですねぇ「ナギ」は。

これからマシロ姫とアリカの追討に向かいます。うまく仕留められたら・・・学園長の身柄のこと、殿下にお願いして差し上げますわ」
そう言葉を残し、来賓室の「シズル・ヴィオーラ」へと別れを告げる「トモエ・マルグリット」。「シズル」は「期待せずに待っています」と、赤ん坊をあやすガラガラを手に取り「よちよちよち・・・」と笑顔で彼女を見送ります。
「もう、嫌ですわ、お姉様・・・。今日のことはお忘れになって・・・」

そんな「シズル」に赤面しながらも、嬉しそうに退出する「トモエ」。しかし、ドアが閉まる音を聞いた後、「シズル」の表情は真剣なものに一変します。
「今は・・・好きにしたらええ。でも・・・今日のはちょっと面白かったどすな
---
今や「ワルキューレ部隊」へと所属している「チエ」。彼女が出立の前に立ち寄った先は「シホ・ユイット」達「巻き巻き部隊」が籠もる森の奥でした。
怪しげな儀式で「巻き巻き」を集める「シホ」達の前に現れた「チエ」は、軽く彼女にウインクします。
「ちょっと・・・頼みたいことがあってね」
---
「どうやら、カルデアからもたらされた情報のようです」
「チエ」からの手紙にて「マシロ」達が「アスワド」の村にいることを知らされた「エアリーズ共和国」の「ユキノ・クリサント」と「ハルカ・アーミテージ」、そして現在も滞在している「ナツキ・クルーガー」と「ジュリエット・ナオ・チャン」。議会工作は順調だという「ユキノ」の言葉に、「ナツキ」と「ナオ」は「カルデア」への出立を決意します。
「閣下・・・車か船を貸していただきたい」
ヒッチハイクはごめんだとの「ナツキ」の要請に答えたのは、駆けつけた「アンナン」の王「グエン・バオ」とそのオトメ「アイン・ルー」でした。
※「動き出す面々」ですね。それにしても・・・どんな「赤ちゃんプレイ」ですか!(^o^)!

「ジャバル」を撃退したものの、怪我人や体力の衰えた者の多い難民達。「よそ者を入れる余裕はない」と受け入れを拒む「ミドリ」を「マシロ」は必死で説得します。
「なぜこだわる?・・・こいつらはお前を貶め、女王と認めず、あげく・・・お前の侍女を殺したのだろう
「ミドリ」の疑問に明確に答えることのできない「マシロ」。さらにミドリは「これだけの人の命を背負うことができるのか」と彼女に覚悟を求めます。
「・・・こいつらを助けるということは、そういうことだ」

現実の厳しさに苦悩する「マシロ」。そこへ「アリカ」から「ミミ」の容態が危ないとの叫び声が聞こえます。
「私・・・死ぬの・・・。罰・・・なのかな・・・あの人の・・・。前は・・・みんな笑っていた・・・なのに・・・なんで・・・父ちゃん・・・また一緒に・・・い・・・」
駆けつける「マシロ」の声にうっすらと答える「ミミ」。しかし、彼女の手は天国にいる父親へと伸ばされ・・・そのまま息を引き取りました。
「ミミィッ・・・ミミィ!・・・わらわは・・・」
「ミミ」の死にすすり泣く難民達。そして自分自身も涙を流しながらも「マシロ」は立ち上がり、彼らの前で決意を伝えます。それは彼女が初めて国民と向かい合った姿だったかもしれません。
「聞け・・・皆の者。わらわは・・・ヴィントブルームの女王、マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームじゃ。・・・わらわは良い王ではなかった、それゆえ皆を苦しめた。未だ恨む者も多いであろう、すまなかった。・・・じゃが、もし、そなた達が機会をくれるのなら・・・わらわは王でありたい。民の言葉を聞き・・・皆を導けるような・・・そんな王に!・・・わらわは今、ここに誓おう。この命を賭け、そなた達を守ると!・・・だから、そなた達の命を預けよ!!」
「マシロ」の言葉を真剣に聞く難民達。彼女の言葉に感じるものがあったのか、誰ひとりとして罵声を浴びせる者もいません。
「頭領!・・・頼む、この者達をしばらくかくまって欲しい」
土下座をして願う「マシロ」の姿をじっと見つめる「ミドリ」。「ヴィントブルームの王としての願いか?」と、彼女の真実の気持ちを見極めようとします。そして、真摯な表情で頷く「マシロ」を見た「ミドリ」は、彼女を対等な交渉相手と認め、その場へ立たせます。
「我が国を取り戻した暁には、そなた達が欲するガルデローベの技術を渡そう」
必ず約束を守ると誓う「マシロ」の声、その姿に「ミドリ」は「ヴィントブルーム王国」の女王としての器を見ました。
「・・・ならば信じよう。ヴィントブルーム女王、マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームよ」
握手をする両者の姿を見て、口々に「女王」、「女王陛下」と言葉を漏らす難民達。彼らもまた「マシロ」を正統な女王として認めたのでした。
※ようやく本当の「マスター」と「オトメ」の関係になれた「マシロ」と「アリカ」。亡くなった「ミミ」のためにも「みんなが笑う」国づくりを「マシロ」には行って欲しいものですね。

「アリカ・・・お前は私に尋ねたな、オトメの力の是非を・・・。それはお前が決めればいい、お前とお前の女王とで」
ふたりの姿を見届けた「ミドリ」。彼女は「ラド」達と共に「愕天王」やスレイブとともに「カルデア帝国」へと空を飛びます。
「ゆくぞ!・・・我ら星の世界へ行かんとも、復讐の誓いを果たさん!」
そして、その姿を見届けて動く、黒い影がひとり・・・。
「そうか、奴ら出て行ったか・・・」
「アスワド」近々まで到達した「ワルキューレ部隊」。「ミドリ」達が出発した報告を受けた「セルゲイ」は作戦の遂行を指示します。
「少佐の読み通りでしたね」
「トモエ」達が並ぶ中、「セルゲイ」の正面へと立ち入る「チエ」。自分の正面へ立たれた「トモエ」は不快な表情を見せますが、「チエ」からは見ることができません。
「・・・見え見えだからな。情報を流して、あいつらとぶつけようというアルゴス皇帝の腹は・・・。乗ってやる必要はない」
「セルゲイ」の言葉に同意する「チエ」に対して、「トモエ」には彼の行動が臆病に見えてなりません。
「慎重ねぇ・・・別に構わないのに」

「トリアス」そして自分が部屋係を務めた相手とはいえ「チエ」が「ワルキューレ部隊」でトップに立つのを「トモエ」は快く思っていないでしょうね。永遠のNo.2というのも嫌でしょうし、「シズル」お姉様の心を自分に留めておきたいでしょう。「セルゲイ」に対しても反抗的ですし、「ワルキューレ部隊」こそ自身の居場所だと考えているようです。・・・大丈夫かな、「チエ」。
それから、今回の話でかなり視聴者からも好感を持たれたのじゃないかな、「マシロ」は。結構格好良かったですよ、うん。(^_^)。

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舞-乙HiME_TV20

第20話「ニーナと呼ばないで」

皆さんは購入しましたか?「舞-乙HiME」のDVD第2巻。我らが「ハルカ・アーミテージ」准将の特別映像「This Week's Armitage」では、どうして「第3話」にて彼女の機嫌が悪かったのかわかりますよー。

「カルデア」からのメール、それは意外にも「アスワド」に対して謝罪を表明するものでした。事の詳細を確認すべく「カルデア」へと向かう「ミドリ」、「ラド」達サイボーグ。「アリカ」達の行方も気がかりではありましたが、事の重大さから「カルデア」行きが優先されます。
「・・・話は戻ってきてからだ、留守は任せたぞ」
しかし、予想通りと言いますか「カルデア帝国皇帝陛下」である「アルゴス14世」の狙いは「アスワド」が持つ技術のみ。
彼女たちの実力を甘く見た指示に、「アルゴス14世」に仕えるマイスターオトメ、「塊麗の縞瑪瑙」である「フィア・グロス」は忠告をしますが、「臆したか」とその忠告を聞き入れません。
※いざとなれば自国の軍事力で「アスワド」など、どうにでもなると考えているのでしょうが、「五柱」とも互角に戦える「ミドリ」達の実力を軽んじていますねぇ。

場所は変わり「エアリーズ共和国」。色々と(笑 ありましたが、「ナツキ・クルーガー」と「ジュリエット・ナオ・チャン」は大統領である「ユキノ・クリサント」、およびマイスターオトメ「珠洲の黄玉」「ハルカ・アーミテージ」にお目通りがかないました。
「ハルカちゃん、失礼だよ」
「ナツキ」を前に笑い転がる「ハルカ」に対して注意をする「ユキノ」ですが、わいせつ物陳列罪の証拠である写真(・・・履いていません(^^;))を前に、彼女自身も笑いをこらえるのに苦労している様子。
「・・・そんな話はどうでも良い。とにかく今問題にすべきは!
「ガルデローベ」学園長の名において、正式に「エアリーズ共和国」による「アルタイ公国」への介入を依頼する「ナツキ」。しかし「チエ・ハラード」からの手紙にて真相を把握している「ユキノ」達も、今すぐに動くわけにはいかないと苦しい実情を伝えます。
「・・・今の段階で我々が動けば、アルタイにつく国も現れるかも知れません。もしも陣営が割れでもしたら・・・
※前回「チエ」が書いていた手紙で状況は把握しているようですが、今すぐには動けない国際事情。とりあえず味方につけられたので良しとするべきでしょうか。

一方、「ガルデローベ」を占拠した「アルタイ公国」は、着々と「クリスタル」の増産を進めていきます。
「新たなオトメの真祖・・・か。いったい誰なんだ?」
よもや「レナ」の遺体が使われているとは夢にも思わない「セルゲイ・ウォン」。
彼女が収められている棺をじっと見つめます。そこへ彼を訪ねてやってくる「ニナ・ウォン」。
「お父様。・・・なぜあんな事をなさったのです?」

「クリスタル」を活用した人工オトメ部隊「ワルキューレ」。その選任を買って出た「セルゲイ」の真意を「ニナ」は直接尋ねます。
「気にするな。どうせ俺の手はもう真っ黒だ。それに、可愛い娘にこれ以上辛い思いをさせられないさ。ニーナ・・・
娘を案じる父の手。肩へと伸ばされた優しい手を「ニナ」は身体をひねって反らします。拒否されたことに少し戸惑いを感じる「セルゲイ」。
もうニーナと呼ばないでください!・・・私ももう15です。マイスターにもなりました。ですから・・・そんな子供っぽい呼び名は!
「わかった。少し寂しい気もするが・・・これも父親の悲哀というやつかな。・・・じゃあ、また後で」
に気がついたのか、小さな声を漏らしその場を立ち去る「セルゲイ」。その背中を見つめながら、「浮かび上がる涙の粒を隠すため、自分から視線を逸らす「ニナ」ニナ」は父と出会ったあの日のことを思い出します。
---
それはまだ「セルゲイ・ウォン」が「ノースハウンド」と呼ばれていた頃。孤児や誘拐してきた子供を暗殺者に育て上げる組織を急襲した彼の部隊は、既に抵抗を止めた組織メンバーを次々に銃で撃ち殺してゆきます。その様子を震えながら見つめるひとりの幼女「ニナ」。彼女は自分の身を守るため、「セルゲイ」に向かい拳銃を構えます。
「いや・・・こないでぇっ」
相手が幼女とわかり拳銃を下ろした「セルゲイ」に気がつかず、目をつぶったまま銃を発射する「ニナ」。その弾頭は天井のパイプをかすめ、破片が彼の額に浅くはない傷を作ります。
「貴様ぁっ!」
「よせっ・・・破片がかすっただけだ。いいから銃を下ろせ」
「ニナ」へと銃を構える部下を制した「セルゲイ」は幼女の名前を尋ねると、ゆっくり一歩一歩と彼女に近づいていきます。
「ニーナ・・・怖かったろう。でも、もう大丈夫だ」
手を伸ばし、「ニナ」を抱きとめる大きな手。そのぬくもりは今でも彼女の心にしっかりと刻まれていました。

---
「まだ憶えている、あの大きな手・・・でも・・・だから・・・お父様にとって私はずっとあのときのまま。・・・お願い・・・私を見て・・・私はもう・・・」
自分を娘としか見てくれない「セルゲイ」。幼女の頃の記憶は「ニナ」にとっても大切な想い出。しかし、その出来事がふたりの距離を、その有り様を定めてしまっている。自分に対する思いの変化に、「セルゲイ」も気がついてはいるのでしょうが・・・。そして気になるのが組織の部屋にあった赤ちゃん用のカゴ。あれって!?

「ねぇ、マシロちゃん。ずっとここにいちゃ、駄目かな・・・」
巨大な「ジャバル」に喰われてしまった「アリカ・ユメミヤ」と「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」のふたり。オトメの力を発揮すれば易々突破できそうですが「アリカ」は洞窟にも似た胃の中へ腰掛けたまま、動こうとはしません。彼女の心情を理解できる「マシロ」もまた、「アリカ」の行動を責めることはしませんでした。
「・・・私、全然知らなかった・・・オトメの力があんな・・・
「母体」とした「オトメ」の遺体によって生み出される「GEM」。それを身につけて戦う「オトメ」。その事実を知らされた「アリカ」は激しく動揺します。
「私・・・バカだ。・・・何度も言われてきたのに・・・オトメになることは大変なことだって・・・なのに・・・」
彼女の言葉に「自分だって負けずにバカだ」と言葉を返す「マシロ」。いつしかどちらがよりバカか?と言い合いになるふたり。そして「アリカ」は言います。「自分のせいで友達が死んだのだ」と。
「・・・そなたひとりが傷ついたようなことを言うな!・・・わらわだって、わらわだって・・・。アオイは・・・わらわのせいで・・・・・・死んだのじゃ
---
「大丈夫ですよ。アオイは信じています。マシロ様は・・・きっと素晴らしい王様になられます
---
あのとき・・・足がすくみ動けなかった自分を見て微笑み、自ら崖へと落ちていった「アオイ」の姿に、「マシロ」は誓ったのです。
「わらわは・・・生きねばならぬ。わらわのような者のために命を投げ出したアオイのためにも・・・。アリカ、キスをさせろ。わらわは死ねぬのじゃ、まだ死ぬわけにはいかぬ」
マスターとの口づけ・・・「オトメ」の認証を迫る「マシロ」に、未だその力を拒否する「アリカ」。力ずくでもと「マシロ」は挑みますが、「アリカ」は彼女をはねとばします。
そしてその時、彼女たちの周りから、まるで溶岩のような高温の液が噴き出します。そう「ジャバル」の消化活動が始まったのです。
「アリカ、飛べ!」

自らがつかんだ柱へと「アリカ」を呼び込む「マシロ」。なんとか飛びつく「アリカ」ですが、やがて胃液はその柱をも浸食し・・・。
「マテリアライズッ!」
間一髪、認証の儀式を完了させた「マシロ」。
直後に彼女は「蒼天の青玉」のローブを身に纏い、「ジャバル」の口から逃れ出ます。脱出後、ボロボロになったお互いの格好を見て笑い出すふたり。命の危機が去り、張っていた気がふっと抜けました。
「なんかバカみたい・・・オトメなんか嫌だって言っていたのに・・・」
「結局、こんなものじゃ。わらわ達なぞ・・・」

※その時は真剣で、本当に命よりも大切で、他の事なんてどうでも良いとき・・・ありますよね。恋しているとき、夢破れたとき・・・。でも、命さえあれば何とかなることも、また多いのです。そして後から考えて、馬鹿なことで悩んでいたなと感じても、その時間は決して無駄などではなく、自分の血肉になっているものですよ。(^^;)。

「あれは・・・村が!?」
朝焼けの中、目に入ったのは「アスワド」の方向から登る黒い煙。飛び込んだふたりの目に映ったのは、燃えさかる村の姿でした。
「オトメが・・・塊麗の・・・縞瑪瑙・・・。カルデア・・・我らの・・・研究成果・・・が・・・
そして研究成果と思わしき、巨大な黒い球を持って現れる「フィア」の姿。
「中途入学の娘ね。マシロ女王も・・・こんなところに居たなんて」

「なんでこんな事をするのよ!・・・村の人が、何か悪いことをしたの!?」
単身でここまで村を破壊できる「アリカ」が悩んだ「オトメ」の力。命令だからとためらいもなく力を行使する「フィア」の行動に「アリカ」は納得できません。
「当然でしょう。主の命を預かり、その命に従うことこそ・・・オトメの本懐なのですから」

「アリカ」に一撃を与えて即座に飛び去る「フィア」。彼女を追うよりも村に残された命を救いに走る「アリカ」。そして「マシロ」は火事を消すために村の中を走り回ります。
「何があった!?・・・何? REMのデータが・・・くそっ、アルゴスめ・・・
戻ってきた「ミドリ」は騙されたことに怒りを覚えますが、まずは村を救うため「ラド」達に的確な指示を次々に与えていきます。
「怯むな、黒き谷の子よ。われらが結束すれば、この程度の試練、ものの数ではない。皆の力を貸せっ!」
動揺していた村人の心をひとつにまとめ上げる「ミドリ」の行動力に、羨望をもって見つめる「マシロ」。
そこには彼女が目指すべき、指導者の姿がありました。
※「フィア」「アリカ」「マシロ」「ミドリ」。姿勢の違いを行動で見せていますね。そしてなんといっても「ミドリ」が格好良い。復讐心に駆り立たれて自分の成すべき事を見失わない、彼女の指導者としての姿にうっとりします。(^_^)。

かなりの生徒が姿を消し、活気がなくなっていた「ガルデローベ」に久しぶりの笑顔があふれていました。
アルタイのオトメに・・・って」
「えっ、マイスターになれるの!?
掲示板の文句に喜び、学長室の「セルゲイ」を訪れる生徒達。そしてその中には「トモエ・マルグリット」の姿がありました。
「・・・トモエ」
唯一残された「トリアス」として「アルタイ公国」の動きを探る「チエ」。彼女の目に「トモエ」の行動はどう映るのか。
※やはり「トモエ」が立候補ですよ。「ニナ」が「マイスターオトメ」になった今、「コーラルNo.1」の彼女が選ばれるのは当然ですが、立候補したのには「シズル・ヴィオーラ」を助けたいという意志があるのでしょうねぇ。

火事を消し、怪我人を保護してようやく落ち着いた「アスワド」の村。一休みする「アリカ」と「マシロ」の元に「ミドリ」が礼を言いに現れます。
頭領!オトメってなんなんですか!?・・・私、ずっとオトメって正義の味方だと思っていました。だけど・・・色々あって、嫌になって・・・でも、いざとなったら私、やっぱりオトメになっちゃって。でも、こんな非道いことをしたのもオトメだって言うし・・・」
戸惑いの表情を浮かべる「アリカ」の質問に「ミドリ」はシンプルに答えます。そしてその答えは単純な故に、厳しい答えでもありました。
オトメは力だ。それ以外の何ものでもない。・・・力に良いも悪いもない。ただ、力無くば死、あるのみ。それがこの世界を支配する掟だ。だから人はオトメを・・・科学が生み出す巨大な力を求める。生きるために、なすために。お前だって同じだろう、アリカ」
※「アリカ」が求めたのはシンプルな図式、「正義と悪」。そして「ミドリ」が答えたのは、それ以上にシンプルかも知れない「生と死」。悪だから戦うのではなく、生きるために戦う。相手がたとえ誰であろうとも・・・。果たして「アリカ」はその時に戦えるのでしょうか?

「ガルデローベ」地下、牢獄への道を歩く「トモエ」他の「コーラルオトメ」達。しかし、彼女たちの制服は愛らしい「コーラルオトメ」のものではなく、見る者に威圧感を与える「ワルキューレ部隊」の制服へと替わっていました。
「ここを開けなさい」
「トモエ」の命令に躊躇なく牢獄の扉を開く看守。中へと進みゆく「トモエ」は「シズル」の正面へと立ち、彼女を見据えます。
「お姉様、お迎えに上がりました」
顔を見上げた「シズル」へ誇らしげに左耳のピアスを見せる「トモエ」。そこに光る「黒いクリスタル」に、驚きの表情を見せる「シズル」。

「あんた・・・」
---
今日からはここでお過ごし頂きます。シズルお姉様には、もう指一本触れさせませんわ」
「ガルデローベ」の来賓客用の寝室へと「シズル」を案内した「トモエ」。彼女に「シズル」は「ナツキ」がどうなったのかと問い尋ねます。
「残念ですわ。もう捕まりました。
今は風華宮に収容されています」
真っ直ぐに「トモエ」を見つめる「シズル」。事務的な回答を行った「トモエ」はやや視線を逸らし、さらに言葉を続けます。
「・・・それで・・・私・・・時期、最初の任務に就く予定です。結果次第では・・・またご褒美が頂けるかもしれないのです
言葉の意味を察した「シズル」は、近づいてくる「トモエ」に表情を崩します。
「せやったら、頑張って貰わないといかんねぇ」

そして「シズル」の表情に安堵した「トモエ」は唇の横へと軽く口を合わせ、ゆっくりと彼女をベッドへと倒し・・・まるで恋人のように手を絡めていきます。
※一瞬映る「ナツキ」の姿、そして行為の最中に「トモエ」の表情を見ず、部屋の隅を見つめる「シズル」・・・。リアルです。

「・・・まさか君まで来てくれるとはね。・・・心強いよ、チエ・ハラードくん」
「セルゲイ」の視線に一歩も退かない「チエ」の姿。

---
「これが・・・」
ハルモニウムと呼ばれる前時代の科学の結晶だ。僕の・・・僕とセルゲイの夢を実現させるには、こいつの力が必要なんだ
「ナギ」の言葉に耳を傾ける「ニナ」。父の・・・「セルゲイ」の夢がこれにかかっていると聞き、彼女は「ハルモニウム」をもう一度見あげます。
「思わないかい?・・・この世界は変だ。ガルデローベが地球時代の科学を封じ、オトメという人柱が薄皮のような平和を保つ。・・・終わりにしたいんだ、もう。そして取り戻したいんだ。・・・人が最も輝いていた時代を」
「なんだか・・・懐かしいような・・・そんなはずはないのに」
かつて「アリカ」と「マシロ」が訪れ、一度は開いたその扉。そのことも知らずに「ニナ」は一歩足を踏み出します。そして彼女に反応し、再度起動を始める「ハルモニウム」。ひとりのうら若き女性のシルエットが、「ナギ」と「ニナ」へと語りかけます。
「お前達・・・お前達が、このハルモニウムの力を望む者か・・・」

どうやら次回「美袋 命」復活!?って、「鴇羽 舞衣」はまだかーっ!!
それはさておき、今回の特筆は「ミドリ」の格好良さ。あそこにいたら「頭領!」って叫んじゃいますね、自分。(^_^)。
今作は前作「舞-HiME」で不遇のキャラクターだった面々が活躍していて嬉しい限り。まあ、何を持って不遇なのかは判断が分かれるところでしょうが、「ミドリ」「ナオ」「チエ」「ハルカ」「アオイ」の活躍は非常に嬉しい。・・・まあそのぶん、前作で活躍したキャラクターが不遇になっていたりしますが。

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舞-乙HiME_TV19

第19話「宿命の17歳 (^^;)」

「17歳」といえば「井上喜久子、17歳です。(おいおい」ですが、「舞-乙HiME」の世界ではもうひとり有名な人物がおられます。彼女の名前は「ミドリ(前作では、杉浦 碧)」。「舞-HiME」でも「もえる十七歳(^^;)」にて十二分に存在感を示していた、彼女、果たして今回は・・・。

生きていくのには過酷な地域、「砂漠」。そこは弱肉強食・・・強いものが生き、弱い者が死す世界。あてもなく歩き回り倒れ込んだ「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」にも、砂漠に住む怪物「ジャバル」が迫ります。小さな個体でも10メートルは超えようかという「ジャバル」に襲われようとしていた「マシロ」。意図せずに彼女を助けたのは「黒い谷」の末裔「アスワド」のサイボーグ達でした。
「なんであれ、村に近づく者は死んで貰わないと・・・あら、これは・・・」
---
「貴石の主だと・・・」
頭領である「ミドリ」にマイスターGEM「蒼天の青玉」の主である「マシロ」を見せる「ラド」達。水を持ってやって来た「アリカ・ユメミヤ」も、その姿に驚きます。
「マシロちゃん・・・!?」
※前回のラストで「アリカ」がお世話になっていたのは「アスワド」の本拠地だったのですね。

「アルタイ公国」の王「ナギ・ダイ・アルタイ」によって代理統治されている「ガルデローベ」。「マリア・グレイスバート」は「主権侵害」だと「ナギ」の元を訪れますが・・・。
「なんで?・・・授業はできるようにしているし、特に問題はないと思うけれど。ねぇ」
と、隣に佇む「ジョン・スミス」に同意を求める「ナギ」。「五柱」である「シズル・ヴィオーラ」を牢獄に閉じこめるのも、銃を持った兵隊が学園内を歩き回っているのも、彼に言わせれば「警備」とのこと。
「今あなた方、教授陣や生徒の子達はオトメの能力が使えない。・・・なのにシュバルツは、どこに潜んでいるかわからないんだから」
「ええ、恐ろしいことです」

「ナギ」の意見に、唯々諾々と同意をする「ジョン・スミス」。そして「ナギ」に付き従い、「漆黒の金剛石」のローブを着て警護する「ニナ・ウォン」の姿に「マリア」も引き下がらざるを得ませんでした。
---
「まあ実際、驚きましたが・・・。あなたがその貴石をお持ちとは」
笑顔を見せつつも「ナギ」に牽制を仕掛ける「ジョン・スミス」。「ナギ」もわかっているよと返します。
「だって、切り札は最後まで取っておくものでしょう。安心してよ、君たちの望みは必ず叶えるから。・・・僕を裏切らなければ。・・・あとはマシロちゃん達が見つかれば、本当の切り札が揃うねぇ」
※うーん、白々しい。でも追求に対してこれくらいの白を切れないと、政治家というのはつとまらないのかも知れません。(^^;)。

ようやく目を覚ました「マシロ」。昨日までのことが悪夢だったかのように、目の前にはネコの「ミコト」、そして「アリカ」の姿が。喜ぶ「マシロ」ですが、まずは水を一杯(むしろ、いっぱい)飲み干し、ようやく一息つきます。そして彼女が目を覚ましたと聞きつけて現れる「ミドリ」、そして「ラド」。
「・・・アスワドの村じゃと!・・・なぜ、そなたが・・・」
「マシロ」の疑問に答えるように、「アリカ」はあのときのことを語ります。そう、伝説的なマイスターGEMを装備した「アリカ」と「ニナ」による激突の余波を受け、砂漠まで飛ばされてしまった「アリカ」と「ミコト」。彼女たちを拾ってくれたのが、「ミドリ」達「アスワド」でした。
「じゃが、アスワドというのは、恐ろしい呪われた民と・・・」
その言葉に「ラド」が反応し、「お前の命はまだ我らの手の内であると忘れるな」と一喝。
「特に相手が貴様とあってはな・・・マシロ女王」
今度は「ミドリ」の言葉に「マシロ」が反応します。
「わらわはもう・・・女王ではない。本物の姫はそなたであろう、アリカ
「セルゲイ・ウォン」の言葉が頭に蘇り、下を見てうつむく「マシロ」。そしてそれは「アリカ」にとっても良い想い出では決してありません。
「あんなのデタラメだよ・・・本当の訳がないよ、あんな嘘つき男の言うこと・・・」

落ち込む「アリカ」を見かねてか、「ミドリ」は「マシロ」の食事を取ってこいと命令します。元気に返事を返して、その場を離れる「アリカ」。
「・・・あれでもずいぶんマシになったんだがな。拾ってきたときには、まるで人形だったよ。
何をしても無反応で。・・・話して貰おうか、一体何があったか」
※「カラ元気でも元気」というのは「山本まさゆき」の言葉だったか・・・。明るく振る舞える「アリカ」は強い女性ですが、見ていて切なくなりますね。(T_T)。

これまでの事を聞き得心がいった「ミドリ」。彼女はそれでも「マシロ」はまだ甘い人生観を持っていると感じます。
「・・・お前はあの娘のマスターらしいが、本当にヴィントブルーム王国の女王ではないのか?」
「知らぬっ・・・そんなこと、もうどうでも良いわっ」
都合の悪いことには目をつぶり、耳を塞いでいればいつかは過ぎ去る・・・。「マシロ」の態度が「ミドリ」には気に入りません。
「確かに、王の器ではないようだ。只の幸せな・・・子供だな
「わらわにはもう何もないのじゃっ!・・・勝手なことを言うな、この年増がっ!
子供の言葉になど耳も貸さない「ミドリ」ですが、「マシロ」の最後の言葉にだけは反応しました。
「言ってくれる・・・本当に全てを無くしたことなど無いくせに。・・・ひとつ訂正しておく、私はまだ17歳だ
17歳、キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!

「エルス」のことを考えてぼーっとしていた「アリカ」を、「アスワド」の子供達が遊びへと誘います。早く行こうと引っ張られて、足が不自由な少年と共に転んでしまう「アリカ」。杖をつかないと歩けない少年を助けようとしますが、その行為を「ミドリ」が止めます。
「手を出すなアリカ。・・・お前もアスワドの男なら、自分の力で立つんだ
彼女の真摯な瞳にゆっくりと、それでも自らの力で立ち上がる少年。その行動を見届けた「ミドリ」は少年を胸に抱きしめ、良くやったと褒めます。そんな「ミドリ」の周りに集まる子供達。
「あのものは・・・アスワドの王なのか・・・」
離れた場所で「ミドリ」を見やる「マシロ」、そして「ラド」。自分とは違い、民に慕われる彼女が、「マシロ」には非常に眩しく映ります。
「王か・・・確かに先代の血は引いているが、ミドリは民の信頼を己の力で勝ち取ったのだ。・・・様々なものと引き替えにな
※しつけも含めた子供に対する愛情を見ると、彼女は先生に向いているのがよくわかります。やっぱり「ミドリ」は良い。うん。

場所は変わり「エアリーズ共和国」国境付近の道路。そこにふたりのオトメの姿がありました。「五柱」を拝命したばかりの「ジュリエット・ナオ・チャン」、そして「五柱」の役目と「ガルデローベ」の学園長をあわせて務める「ナツキ・クルーガー」。
「・・・本当にやるのか」
「エアリーズ共和国」の大統領「ユキノ・クリサント」に会いに行く道を選択したふたり。首都への道はまだ遠く、ここでヒッチハイクを試みることに
走り来る大型トラックへ、親指を突き立てたヒッチハイクのポーズを取る「ナツキ」。そんなポーズだけでは止まってくれないと、「ナオ」は女性の武器を使うようにアドバイスします。
「もっとこう、色っぽくぅっ~。・・・えいっ」
トラックが到着する直前に「ナツキ」の衣服を切り裂いた「ナオ」。そのお陰(?)でトラックも停車してくれましたが・・・中から出てきたのは銃を構えた軍人達。
「我々は、エアリーズ共和国軍、国境警備隊だ。わいせつ物陳列、並びに風紀紊乱の罪で逮捕する
ナツキのヒッチハイク、キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!

「ガルデローベ」内、独房。警備の名目で監禁されている「シズル」の姿に心傷める「トモエ・マルグリット」。
『シズルお姉様・・・私のために・・・。必ずお助けします』

---
「トリアス」で唯一残った「チエ・ハラード」。
「ずいぶんと寂しくなっちゃったな。・・・ま、あの娘達なら無事だろうけれど。・・・さて」
何やら一通、誰かに宛てた書状を書き記しています。
---
自分を慕う(?)「リリエ・アディーン」と「ヤヨイ・オールター」を引き連れて森へと抜ける「シホ・ユイット」
「卒業舞闘に、貴石を授かる任命式・・・。一世一代の晴れ舞台をパーにされて黙ってなどいられません。・・・巻き巻きしてやるわ・・・みんな巻き巻きしてやるのよ・・・」
かつてない巻き巻きがここにスタート!?

※思い詰めた「トモエ」は何をするかわかりませんし、親友である「アオイ・セノー」が亡くなった(?)ことを未だ知らない「チエ」、まあ本筋には絡まないであろう「シホ」。・・・まさに三者三様です。

「蒼天の青玉」の入手経路を聞かれた「アリカ」は、「お母さんの形見」だとして「ばっちゃ」に貰ったと「ミドリ」に答えます。
「じゃが・・・そなたは・・・」
果たして「アリカ」は「レナ」の娘なのか、「セルゲイ」の言葉が真実なのかは、まだ「マシロ」にも「アリカ」にもわかりません。
そして「アリカ」の告白を聞いた「ラド」の口から「詫びねばならない」との言葉が出ます。
「・・・今から15年前、我らは城の地下に隠されたあるものを求めて、シュバルツと共に風華宮へ進入した。王の暗殺を目論んだ当時の内務大臣の手引きでな。・・・そしてその戦いの折、俺は蒼天の青玉を、この手にかけた。子をもうけ、既にオトメの能力を失っていたにもかかわらず、彼女は王に忠誠を尽くして勇敢に戦った。・・・最後の瞬間までな。・・・アスワドにとって戦いは尊ぶべきもの。そこで自らの使命に殉じた者はたとえ敵でも手厚く葬らなければならない。だが、我らは彼女の亡骸を守れなかった。・・・ジョン・スミス、あの薄汚い男の手から。・・・以来我らはシュバルツと完全に手を切った」
自らの母親かも知れない女性、「レナ」の死を聞かされて動揺する「アリカ」。彼女に「ミドリ」は尋ねます。「GEM」、そしてナノマシンの作り方を知っているかと。
「・・・真祖、そう呼ばれる伝説のオトメ『フミ・ヒメノ』。霊廟の地下に眠る棺には、その身体が補完されている。五柱や生徒達の主として、そして・・・コーラルやパールのGEMを生み出す『母体』として。・・・『母体』には、かつてオトメであり、後に子供をなし、母となった女の身体が必要なのさ。・・・たぶん、スミスの奴が考えたんだ。いつか技術が手に入れば、蒼天の青玉『レナ・セイヤーズ』こそ、真祖に対抗する新たな主、新たな真祖となるはずだとね
※衝撃の事実。だから以前「ヨウコ・ヘレネ」は「羊水が・・・」と話していたのですね。そうか、「フミ」さんは結婚、出産されていたのか・・・。ご主人は誰だろう?

「殿下、これをご覧ください。・・・ガルデローベの研究主任のデータを利用して、創り上げました
親指大ほどのクリスタルを「ナギ」へと差し出す「ジョン・スミス」。その完成に喜んだ「ナギ」は、さっそく「ガルデローベ」の生徒達を利用しようと考えます。
「・・・これからは望む娘は誰でも・・・いや、望まなくてもオトメになれる。・・・早速だけどニナちゃん、君が責任者になって、まずは志願者を集めてくれるかな。・・・そしたらその娘達を率いて、マシロちゃん達を・・・
「ナギ」の要求に戸惑う表情を見せる「ニナ」。そこへ「セルゲイ・ウォン」が登場し、その役目を自分にやらせてくれと懇願します。
「裏切り者の君が・・・。いいよ、名誉挽回のチャンスが欲しいなら。・・・でも、二度目はないよ。わかっているね
※「ニナ」とまともに目を合わせることのできない「セルゲイ」。自分に父親としての資格はないと考えつつも、「ニナ」に汚い仕事はやらせたくないという親心ですかね。そして、恐らくは「GEM」の代用品の完成に、飛びつくのは「トモエ」でしょうね。(>_<)。

「十二王戦争」、そこで用いられた兵器によって一夜にて滅亡してしまったという「黒い谷」。そしてその兵器は今も「アスワド」達に深い傷痕「宿業」とも言える病を残していると「ミドリ」は語ります。
「・・・それがアスワドが呪われた民として忌み嫌われ、虐げられてきた理由だ
あの足が悪い少年も病に冒され、余命幾ばくもないと聞かされて衝撃を受ける「アリカ」と「マシロ」。さらに「ラド」は自らの運命についても語ります。
「・・・我らも同じだ。若くして病を得て、どうにか残された科学の力でサイボーグとなり・・・仮初めの生を与えられている。生きる死人としてな」
そして、その病を治す可能性として「ガルデローベ」の技術を求めていると、「ミドリ」は続けました。
「・・・あたしも17の時に発病して・・・もう死んだも同じなんだ。この『REM』、『GEM』を解析して造ったこいつの力で、なんとか生きながらえているけどね。・・・だからあたしは『永遠の17歳』なのさ。・・・皮肉だよ、科学の力で倒れた者を生かすのも、また科学」
「アスワド」に残された技術の粋を結集して創り上げた「REM」ですら、未だ完璧にはほど遠いまがい物だと、「ミドリ」は言います。そして・・・。
「・・・我らの宿願を果たすには、ひとりでも、ひとつでも大きな力が必要だ。・・・アリカ、マシロ、我らに力を貸せ。その蒼天の青玉の力、マイスターオトメの力を!
今まで「ミドリ」の話を静かに聞いていた「アリカ」。しかし、力の要求をされた彼女は異常なほどに怯えます。そう、「マイスターオトメ」として力を貸すということは、再び「舞闘」への道を歩むということ。あの悲劇を再び繰り返すかもしれないということ・・・。
「いやだよ・・・もう・・・嫌よ、こんなのっ!・・・私・・・もうオトメになんか、なりたくないっ!・・・二度とオトメの力なんて使いたくないっ!!
※「アリカ」には「ニナ」との再戦が予感できるのでしょう。そしてその結果が何を生むかは・・・「エルスティン・ホー」の最後が告げています。(T_T)。

走り去る「アリカ」を追いかけていく「マシロ」。そのふたりを追いかけようとする「ラド」を、「ミドリ」は制止します。そこへ伝えられる「ガル」よりの情報。
「リーダー、カルデアからメールがカモンね」
---
夜の砂漠を駈ける「アリカ」、追いかける「マシロ」と「ミコト」。なんとか追いついたひとりと一匹ですが、泣き叫ぶ「アリカ」にかける言葉が見つかりません。そこへ、何者かの気配を感じて後ずさりを始める「ミコト」。次の瞬間・・・砂漠から巨大な大口が姿を現し、「アリカ」と「マシロ」を一呑みにしました。
その正体は、昼間とは比べものにならない巨大な「ジャバル」。飲み込まれたふたりの運命は・・・。

予告での17歳、ヒッチハイクネタと、なかなか笑わせてもらった今回の「舞-乙HiME」。しかし本編進行は相変わらずの「鬱モード」。オープニングを見る限り、「アルタイ公国」側の「ニナ」、「トモエ」と、「ヴィントブルーム王国」、「アスワド」他の連合軍による戦いは避けられそうにありません。あとは「鴇羽 舞衣」が第3の勢力として登場しそうですが・・・。

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舞-乙HiME_TV18

第18話「ホワイトアウト」

MIYU(Multiple Intelligental Yggdrasil Unit)、再登場!・・・ってあれ?「スターシステム」としての登場・・・というよりは、本人そのまま!?
「ナツキ・クルーガー」さえも正体を知らず、「五柱」と互角に戦え、簡単にGEMを外せる・・・と秘密満載な「ミユ」。彼女がストーリーに深く関わってくることは間違いなさそうです。

難民キャンプ・・・貧民街に住む人達が「ヴィントブルーム王国」を追い出され荒れ地に作った一時的な住み場。そこに「ヴィントブルーム王国」の女王「マシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム」の姿がありました。
「なあ、嬢ちゃん・・・マシロ女王様が行方不明なんだ、見なかったか?
かつて「鴇羽巧海頭忠頼」との出会いの際に「マシロ」とも知り合った少女「ミミ」へと問いかける兵隊達。彼らは「ヴィントブルーム王国」の兵隊でありながら、現在は「ナギ・ダイ・アルタイ」率いる「アルタイ公国」の指揮下にあるようです。
知らないよ!・・・それより何で私たちが追い出されないといけないのさ!」
その回答にほっとする「マシロ」。ボロ布を纏い、精神的にも追い詰められている彼女に王族としての威厳はなく、周りの人達は彼女が女王陛下とは気がついていません。
『なぜ・・・わらわがこのような・・・なぜじゃ・・・誰かわらわを助けろ・・・アオイ、サコミズ・・・アリカ・・・わらわはここにおるのじゃ・・・
※しばらくは逃亡の日々が続くのでしょうね。支持率が低いのは彼女自身の責任もありますが、「マシロ」も大変です。

そして一方、荒れ地の片隅にて3日ぶりに目を覚ました「ナツキ」。彼女の周りには「ジュリエット・ナオ・チャン」と、ひとりの見知らぬ男性がいました。
「ここは・・・・・・ヴィント市はどうなった!?・・・学園は!?・・・アリカ達は!?
「ナオ」の胸ぐらを掴んで追求する「ナツキ」。その追求に「ナオ」は「わかんな~い」と明るく答えます。「ナオ、貴様・・・!」と怒鳴る「ナツキ」に男性から差し出されたのは蛇の丸焼き。
「食えよ、結構いけるぜ」
滋養強壮、体力回復、学園長としての意地・・・。なんとか食べ終えた「ナツキ」が気にかかるのは、どうやら「ナオ」と知り合いの男性の正体。
「・・・なんだ、このうさんくさいのは?」
「情報屋。・・・まあ、ちょっとした知り合いって奴?」

背に腹は代えられない状況の現在、「ナツキ」は情報屋「ヤマダ」からヴィント市の情報を手に入れることしました。
※「ナオ」とも知り合いだった情報屋の「ヤマダ」。「アルタイ公国」・・・というより「セルゲイ・ウォン」お抱えの情報屋のようですね。

彼の話によると「ヴィントブルーム王国」から「シュバルツ」を追い出した「ナギ」は女王の代行者として風華宮に入り、軍部も既に掌握されているとか。
「・・・鮮やかなもんさ」

あまりにもタイミングがよい「ナギ」の行動に不審を持った「ナツキ」。今回の黒幕を「ナギ」と見抜き、情報を知っていたのかと「ナオ」に問い尋ねます。
「知ってたらもっと前に逃げ出していたわよ」

実に「ナオ」らしい回答を聞いた「ナツキ」は彼女が無関係と判断。貧民層を追い出して迫害対象とする「ナギ」のやり方に嫌悪感を憶えつつも、手腕については認めざるを得ません。
「くそっ、ナギめ。・・・ガルデローベも、今は奴の手の内か?」
彼女の言葉に頷く「ヤマダ」。厳重な警戒に内部の様子は不明ながらも、数々の科学技術が眠る「ガルデローベ」を「ナギ」、そして「シュバルツ」が放っておくわけがありません。
「・・・各国の反応は?」
「何も。・・・まあ当面は静観だろうぜ」

※え~ニュースです。「This Week's Armitage」でおなじみの「珠洲の黄玉」、マイスターオトメ「ハルカ・アーミテージ」さんが先ほど、エアリーズ共和国内で何者かに襲われました。凶器は人の頭ほどの大きさがある石のようです。(^^;)。

「こうなると、女王とアリカがアルタイの手に落ちていないのが救いか・・・」
後手後手に回るなか、唯一の希望を口にする「ナツキ」。しかし、そのキーワードがひとりの人物を彼女の元に呼び込むこととなります。
かつてはマイスターオトメ、五柱の「シズル」とも互角に戦い、その背後を取った「ミユ」。今、目の前に飛び出した彼女は「ナツキ」の首元に手刀をつきたてその発言の真意を問い質します。
「・・・興味深いことを話していましたね。アリカ・ユメミヤがどうなったか教えなさい、氷雪の銀水晶
ローブ無しの「オトメ」など相手にすらならないその実力に、「ナツキ」はあのとき、「アリカ・ユメミヤ」と「ニナ・ウォン」が激突した日のことを語り始めます。
「・・・ふたつの貴石がほぼ無制限に開放された力が衝突した」
「ニナ」が用いた「漆黒の金剛石」についても知識を持つ「ミユ」。だからこそその威力を、彼女は瞬時に理解します。まるで火山の噴火口のように、地表は焼け、中心部は未だ灼熱と化し生物の住めない現場。そして未だ行方不明な「マシロ」と「アリカ」。
「・・・生きているんじゃないの。ああいうタイプはしぶといしさ・・・。それに、ニナは無事だったみたいだしね
中心部にいたのに「ニナ」は傷ひとつ負っていませんね。ローブによる防御作用と言うことでしょうか。だとすると「アリカ」も非道い怪我は負っていないと予測できますが・・・。

同日、同時刻。風華宮にて保護されている「セルゲイ・ウォン」。彼も手傷は負っていますが、既に意識は戻りベッドの上に起き上がれるほどには回復をしていました。
「・・・私です。お父様」
訪れた「ニナ」は、今までと変わらず・・・それ以上に明るく振る舞います。

「駄目ですよ、お父様。まだ起きては・・・。怪我だって治っていないんですから。・・・お食事もされていない。お口に合いませんでした?・・・なら私、何か作ってきます」
部屋をそのまま出ようとする「ニナ」の腕を掴む「セルゲイ」。彼は言います「済まなかった・・・」と。
「謝らないで!・・・お願いです、お父様に謝られたら・・・私・・・」

そのまま走り去っていく「ニナ」。彼女の後を追うことは、今の「セルゲイ」にはできませんでした。
「セルゲイ」が「ニナ」に謝る=父は「アリカ」に本気だったことを認める・・・。とても「ニナ」に耐えられる話ではありませんからねぇ。

一方、科学技術の解析に余念のない「ジョン・スミス」。「ハルモニウム」の解析中の彼の元に「ナギ」が様子を見にやって来ます。
「・・・で、どう、使えるの?」

先へ先へと話を進めたがる子供に困る大人のように、やや苦笑いを浮かべて「ジョン・スミス」は答えます。
最後に使われてから数世紀です。すっかり内気になってしまったようで・・・。霊廟の封印もまだ解けませんし、やはり正規の手続きを踏むしかないようです
「難儀だねぇ・・・歌と紡ぎ手と守り人だっけ?
言葉とは裏腹に、どこか楽しそうな表情で愚痴を言う「ナギ」。そんな性格を察してか「ジョン・スミス」もまるでゲームのように進捗状況を語ります。
「・・・幸い、歌の歌詞は聖女エルスティンの働きで2番まで判明しましたが・・・」
歌はマシロちゃん、あとセルゲイが正しければ・・・紡ぎ手はアリカちゃんか。・・・見つけるしかないね
エルスティン・・゚・(ノД`)・゚・。。彼女はスパイとしてきちんと働いていたのですねぇ。一緒に歌って歌詞を憶えて、手紙にでも書いて渡していたのでしょうか。(T_T)。

自分たちを拾ってくれるかも知れない「エアリーズ共和国」へと砂漠を歩き移動する難民達。もちろんその中には正体を隠した「マシロ」の姿もあります。自分への酷評を耳にしながらも、歩きついて行く「マシロ」
「俺が失業したのは、あの女王のせいさ。賄賂まみれの役人と土建屋ばかり儲けさせやがって・・・。それで造った城がアレだぜ。あきれるよ
彼女の脳裏に浮かぶ自分自身の言葉、「巧海」の言葉・・・。
 「工事はやり直しじゃ。この城を全く新しい城に改築するぞ」
 「・・・お城の改築とかする前に、この国の女王はやることがあるんじゃないかって・・・そう思った。君が目を覚ました場所、あそこの人達のこととかも」
 「パンがないのならお菓子を食べればよい
 「・・・君は幸せなんだね
そして追い打ちをかけるように響く「あの女王は偽物だった」という人の声。思わず叫びそうになる「マシロ」でしたが、彼女にもはやその元気はなく、力なく地面へと倒れ込みます。
「・・・ちょっとあんた、大丈夫?・・・あれ、あんたどこかで・・・。まあいいや、飲みなよ。みんなに置いて行かれると・・・死ぬよ」
彼女を助け起こし、水までも分けてくれたのは、あの「ミミ」でした。
※「セルゲイ」の言葉通り、「アリカ」が本物の女王様だとすると、「マシロ」の母親は「レナ」ですかね?・・・それともまだ何かあるのかな。

「わかりました。ならば貴方達には用がありません」
「ナツキ」達の言葉を真実と認め、自分自身で「アリカ」を探す決意をした「ミユ」。彼女はその場を去ろうとしますが、「ナツキ」に「アリカ」との関係を問われます。この質問には答える気がない「ミユ」でしたが、もうひとつの質問「名だけでも名乗れ」については答えてくれました。そして、その答えは視聴者にとってもちょっとした驚きを生みます。
「Multiple Intelligental Yggdrasil Unit・・・かつて私が愛し、全てを捧げた方は・・・私をミユと、そう呼んでくださいました」
その言葉を残し、颯爽と立ち去る「ミユ」でした。
※というわけで冒頭の疑問が浮かぶわけです。彼女は「舞-HiME」時代の、あの「ミユ」本人なのでしょうか・・・(?_?)

「・・・痛っ・・・もう一歩も動けぬ」
今日のキャンプ地点にて、靴を脱ぎ足をマッサージする「マシロ」。血豆だらけになった足を「ミミ」はのぞき込み、その白さに驚きます。
「・・・ひょっとして、本当はどこかのお姫様?・・・なんてね、ならこんなところにいるわけがないか。今頃美味しいものを食べて、ふかふかのベッドで寝ているよね」
「ミミ」の言葉にドキッとする「マシロ」。そして彼女の言葉から、「ミミ」もまた女王を嫌っているのだと「マシロ」は理解します。
私の父ちゃんはパン職人だったんだ。小さいけれど、自分のお店を持っていて・・・それがある日いきなり、道路を造るからって、お店を役人に取り上げられて・・・。父ちゃんすっかりやる気をなくしちゃってさ。・・・後はもうおきまり。飲んだくれて借金して博打して・・・最後は道ばたでのたれ死んじゃった
「ミミ」の言葉に返すひと言もない「マシロ」。
「・・・あんな高いところからじゃあ、女王様にはあたし達のことなんて全然見えていないだろうって。だからあたしも女王の事なんて見るのを止めたんだ。絶対見るもんかって・・・あのムカつく誕生祝いのときとかもさ・・・だからあたし、やっぱり女王は嫌い!
※だからかかげあげられ、至る所に映し出されていた「マシロ」の映像も「ミミ」は見なかったんでしょうね。

彼女の話に返す言葉のない「マシロ」でしたが、それでもお腹は空きます。鳴ったお腹の音に「ミミ」は配給物のシチューを持って来てくれました。そう、それはあのとき「巧海」から受け取り、「こんなものは食べない」とネコの「ミコト」に与えたものと同じシチューです。
「・・・うまい・・・な・・・。こんなに食べ物がうまいと思ったのは・・・生まれて・・・初めてじゃ
塩が不足し、あまり味付けがされていないシチュー。しかし、それでも今の「マシロ」には王宮で食べるどんな食事よりも、美味しく感じます。涙を流しながら食べる「マシロ」に驚く「ミミ」ですが、すぐにそれどころではない事件が発生しました。
「さっき別のグループと合流したんだが・・・その中に紛れ込んでいたらしいぜ、王宮に使えていた女官が
集まる男達の言葉に衝撃を受ける「マシロ」。そして彼女の不安は的中します。高い、底が見えない崖の縁に運ばれてきたのは、あの「アオイ・セノー」でした。
「マシロ女王の側近だぜ・・・」
「俺たちに紛れ込んで逃げようとしやがった・・・」
あんた達のせいで・・・女房を、子供を帰せよ!
責任を取らせろっ!
暴徒と化した集団に、顔に火を近づけられて怯える「アオイ」。
「俺たちが取られたものを・・・こいつからも取れっ!」

一歩、また一歩と崖の先へと追いやられる「アオイ」。彼女の目の前には真っ暗な底が大きな口を広げて待っています。
「いい気味だよね」
「ミミ」の言葉に震えながらも「只の女官にこんな・・・」と言葉を返す「マシロ」。しかし「ミミ」は言います。女王の暴挙を止めなかった彼女の罪は同罪だと。
「一度だけチャンスをやる。女王は今どこにいる、言えば命だけは助けてやる!」
その言葉にハッとして顔を見上げる「マシロ」。そしてその時、「アオイ」もまた「マシロ」の姿に気がつきます。
自信と威厳に満ち、権力を振りかざすことに喜びを感じるあの姿ではなく、ひとりの少女として震え、今にも泣き出しそうな表情を浮かべた「マシロ」の姿を見つめる「アオイ」
「そうじゃ、わらわは・・・」
自分自身こそが女王だと、暴徒の前に立ち宣言するための一歩を踏み出すべく足を動かす「マシロ」。しかし、震えた彼女の足はそれよりも先へは進めませんでした。
「なぜじゃ・・・なぜ動かぬ・・・わらわは・・・」

「アオイ」の顔を見つめながらボロボロと涙をこぼす「マシロ」。その姿をじっと見つめる「アオイ」には女王を罵倒する周囲の言葉は聞こえません。彼女の頭に浮かんでくるのは、「マシロ」を起こし、シーツを取り替え、悩みを聞き、女官としての仕事を楽しくこなしていたいつもの日々・・・。
目を閉じた「アオイ」は、そのままゆっくりと首を振り、決意を秘めた瞳で暴徒達に答えます。
「知りません。喩え知っていても絶対に言いません」
軟らかな表情で「マシロ」を見つめる「アオイ」。うっすらと涙を浮かべた彼女は「マシロ」に別れの言葉をつぶやき、漆黒の闇へ・・・落ちていきました。

「アオイ・セノー」・・・・゚・(ノД`)・゚・。

「アオイ」の行動に愕然とし、膝を落としてその場に崩れる「マシロ」。対照的に歓声を上げて喜びをあげる暴徒達。その中を「マシロ」は駆け出しました。あてもなく、道もわからず、ただひたすらに砂漠へと・・・。
---
翌朝、ひとり砂漠の道を歩き続ける「マシロ」。その瞳には砂漠の砂さえも映ってはいません。
「もう・・・何もない・・・わらわには国も・・・友も・・・王の誇りすら・・・」
そのまま砂漠へと倒れ込んだ「マシロ」。彼女の左手にある契約の指輪が、一瞬の煌めきを見せます。
『競争だよ。私がマイスターになるのが早いか、マシロちゃんが女王様に・・・みんなを幸せにする女王様になれるのが早いか』
あのときの「アリカ」との約束が「マシロ」の心に浮かび上がります。
混濁していく意識の中で最後につぶやいたのは・・・。
「アリカ・・・」
---
同時刻、別の場所。誰かが自分を呼んだ気がして「アリカ」は振り返ります。しばらくして今度はお世話になっている女性が彼女を呼ぶ声が聞こえました。
「はーい、行きまーす。・・・行こう、ミコト」
彼女は足下で鳴くネコの「ミコト」と一緒に、女性の元へと走っていくのでした。

自分自身を見つめ直す良い機会・・・というのにはあまりにも過酷な「マシロ」の体験。そして訪れる別れ・・・。これが「舞-乙HiME」クオリティです。泣くさ・・・そりゃ泣くとも・・・「アオイ・セノー」・・・・゚・(ノД`)・゚・。
・・・信じましょう。我々は彼女が死んだことを確認していません。見ていません!・・・彼女が落ちたその先が見えないのは、きっとその先に希望があったから。そうですよね、ね!!そうだと言ってぇっ~!!

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舞-乙HiME_TV17

第17話「蒼の舞/想い、散るとき」

いよいよ本領を発揮(?)してきた「舞-乙HiME」。「鬱展開にいつかなる」と各種感想サイトで言われ続けてきた本作品の、あるいみ真骨頂かも知れません。心構えができていた分、「舞-HiME」より視聴者側に余裕はありますが、その分、制作サイドも強烈な展開を用意していそうな予感です。
でも、パラダイス回も好きなのだけれどなぁ・・・とちょっと思ったり。

「さあ始めましょうか・・・」
突如始まった戦闘・・・いや、戦争。「シュバルツ」の一員「ジョン・スミス」の一撃を合図として、「ヴィントブルーム王国」へ新開発の「スレイブ」達が大挙して侵攻を計ります。
「陛下、いったんガルデローベに退きます。領内での戦闘許可を。・・・五柱の弐、学園長たる我、ナツキ・クルーガー・・・御真祖様に願う。エマージェンシー・・・全ての僕にローブの展開を認められたし
事態の重要さをいち早く認識した「ナツキ・クルーガー」は五柱の権限を持って「真祖」システムを緊急作動させました。
【SYSTEM MESSAGE】
 FIVE COLUMS
 EMERGENCY CALL From No.2 Ice Silver Crystal
 乙-TYPE
 Highly-Advanced Materializing Equipment System
 [RELEASE ALL SAFETY]

彼女の言葉に「真祖」は反応。セーフティロックが解除され全ての「オトメ」が装備するGEMが赤く光り輝きます。
「ガルデローベの全生徒にローブ着用の認証を与える。来賓を護衛しつつ、各個・・・学園へ退避せよ!
その言葉に、2発目の光線兵器を「舞闘」会場へと叩きつける「ジョン・スミス」。明らかに狙いは「マシロ」「ナツキ」達V.IP。
---
なんとか「マシロ」と「ミコト」、「アオイ・セノー」を連れて城近くの森へと逃げ出すことに成功した「アリカ・ユメミヤ」。そこに「エルスティン・ホー」が現れますが、その表情は重く、暗いものでした。
※いきなりの急展開。「ナツキ」の判断により人的被害は最小限に抑えられそうですが、当然「ジョン・スミス」は(そして「ナギ」も)これくらい読んでいそうです。戦略レベルでは圧倒的に不利な状況をどう切り抜けるか?

「ガルデローベの技術は我らのものだ。シュバルツどもの好きにはさせん・・・」
混乱する市街に登場したのは「ミドリ」率いる「アスワド」。
目指す先は当然「ガルデローベ」。
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一方「ニナ・ウォン」は父「セルゲイ・ウォン」から何らかの指令を受けて、「黄砂船」の港を目指します。
「頼むぞ。俺は他にやることがある。・・・お前は俺の娘だ。だがお前を育ててきたのは・・・ナギ殿下の、アルタイの為だ。頼むぞ、ニナ」
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アリカはまだ戻っていないのだな。・・・陛下と一緒か。ならばまだ希望はある。・・・これより学園はオトメ拡散防止条約修正条項C、およびガルデローベ法典第21条に乗っ取り、防衛体制に入る」
「ナツキ」の宣言とともに防衛体制へと入る「ガルデローベ」。しかし「ジョン・スミス」の狙い通り、「アスワド」達が進入したことにより、事態は彼女の後手後手へと動いていきます。
※用意周到の「シュバルツ」。人員、規模ともにかつて所属していた「アスワド」を凌いでいそうです。このまま「ミドリ」達は利用されっぱなしで終わるのか?。(T_T)。

再びまみえた「ミドリ」率いる「アスワド」軍団VS「シズル」「ナツキ」の五柱2名!
「・・・貴様らを倒し、ガルデローベを貰い受ける!」
「いい覚悟だ。決着をつけてやる・・・マテリアライズ」
五柱相手に「愕天王」を呼び出し、自らもREMによるマテリアライズを行った「ミドリ」達による戦いが始まります。
「ミドリ」ちゃんノリノリだーっ!(^_^)。

「エルスちゃん、これからどうしよう」
「・・・・・・・・・とにかく、見つからないように行くしかないよね」
地下道を逃げる「アリカ」達。そのとき、何者かの気配を感じた「ミコト」が背後へと唸りかかります・・・が、前方より銃を構える男がひとり。
「動くなっ!」
拳銃を構える「セルゲイ」の姿に「何のつもり!?」と立ちふさがる「アリカ」。しかし、「セルゲイ」は躊躇なく拳銃を撃ちはなちます。
「・・・っ!」
そして倒れるふたりの男。そう銃口はあとをつけねらう「シュバルツ」へと放たれたものだったのです。
「さあ、急ごう」
※これであっさり敵に寝返っていたら「セルゲイ」恐るべし・・・ですが、やはり情にほだされたか、彼なりの考えがあるのか、とりあえず「マシロ」側に「セルゲイ」はついたようです。

激しい戦いを繰り広げる「アスワド」VS「五柱」。そのさなか「ジョン・スミス」は「ヴィントブルーム王城」の支柱へと巨大なカプセル状の機器を送り込みます。
「接続・・・完了しました」
「ヴィントブルーム王城」新シンボル先端に映し出される、ひとりの女性(レナ?)のシルエット。彼女の出現と呼応して鳴動を始める「真祖」システム。
「・・・こ、これは!?」
「ヨウコ・ヘレネ」の目前に浮かび上がった稲光は地下全体へと波及し、ついに「真祖」システムが崩壊を始めます。
「な・・・なに!?」
「ローブが・・・」
システムの崩壊と同時に霧散化していくナノマシン。「ナツキ」や「シズル」のマテリアライズが・・・解かれていきます。

※「真祖」システム崩壊時に一瞬、「フミ」のシルエットが見えました。あの機械の中に彼女が封じ込まれていた・・・のでしょうか。

「貴様・・・我らを舐めているのか?・・・なぜローブを?
「REM」相手に為す術もなく追いつめられる「ナツキ」。「ミドリ」の追求に答えたのは、彼女も知る声。
「やめてミドリ!」

「ヨウコ」の登場に驚く「ミドリ」。そして顔を見上げる「ラド」。
「・・・認証システムに強力な干渉波が・・・無茶苦茶よ、こんな出力で。・・・システムは自閉モードになったわ。干渉波が消えて、学園長が承認するまで全て封印されたわよ
その時を見計らったかのように学園内に到達する「スレイブ」達。「シュバルツ」の進出に霊廟が破壊されるのを恐れた「ミドリ」達は、一時撤退を決意します。
「ミドリ!・・・黎人さん!」
「ヨウコ」の呼びかけに立ち止まる「ラド」。
彼は振り向きもせずに言い放ちます。
その名で呼ぶな。・・・俺はラドだ。・・・サイボーグのな
※やはり「ラド」=「神崎 黎人」ですねぇ。あの写真から連想するのはたやすいことでしたが、どうしてサイボーグ化したのかも、明かされるかな?

「一体何があったんだろう・・・。いきなりローブが消えちゃって、貴石も簡単に外れちゃうし・・・」
そうつぶやく「アリカ」の耳に、もう「GEM」はありませんでした。そして、彼女の疑問に自分なりの回答を返す「セルゲイ」。
「恐らく・・・ガルデローベに何かあったのだろう。君たち学生や五柱の主は、真祖だという話だからな
すべて「シュバルツ」の仕業だと答える「セルゲイ」の言葉に、目的がわからないと話す「アリカ」。
彼女たちの前に、その疑問に答えられる唯一の人物が姿を現します。
「・・・それはガルデローベが隠匿している科学技術を再び・・・広く世に広めるためですよ。・・・マシロ姫をこちらに渡して貰いましょうか
「ジョン・スミス」の言葉に飛びかかろうとする「アリカ」ですが、今の彼女は只の学生。しかし、その胸元に煌めく「蒼天の聖玉」を見かけた「セルゲイ」が彼女の元に走り寄ります。
「・・・蒼天の聖玉を使え。独自の主を持つマイスターならば・・・やれるかもしれない」
即座に「マシロ」との契約を発動させる「アリカ」。今戦える唯一の「オトメ」として立ちふさがった「アリカ」に「ジョン・スミス」は躊躇なく切り札を使います。
ミス、エルスティン。・・・今こそあなたの信仰を示す時です。大いなる知識と知恵の神への」
その言葉に震えながら・・・涙を流しながら「アリカ」に謝る「エルス」。彼女の小さな手に握られたクリスタルが・・・赤く・・・怪しく輝き出します。
「・・・彼女は代々我らのシンパであるホー一族の娘。・・・生まれた時からきちんと教育を受けていますからね」
地面へと跪き、幼少より習いし契約の言葉を口にする「エルス」。
「・・・黒き誓いに従い、我・・・盟約を果たさん。
古の光・・・知識と知恵の神よ・・・我に忠実なる僕を与えたまえ」
鬱展開、キタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!・・・って喜んでいる場合ではない。orz

危機・・・到来。
・自らの命を囮として「ナツキ」を逃がそうとする「シズル」。
・「シュバルツ」への巻き巻きを行う「シホ・ユイット」、突っ込む「チエ・ハラード」。
・逃げようとする「ジュリエット・ナオ・チャン」。(^_^;)。
・真祖を信じ、「ユカリコ・シュタインベルグ」の前へと集まる生徒一同

そして、親友「アリカ」と戦いを繰り広げる「エルス」。
「・・・決まりなの。お父様も・・・お母様も・・・おじいさまも・・・おばあさまもずっと・・・。アリカちゃんも言っていたよね。科学の力があれば、皆が幸せになれる。二度と・・・戦いも・・・なくなるって。・・・だから
「マシロ」の引き渡しを要求する「エルス」に「できない」と拒絶し、「スレイブ」と戦う「アリカ」。彼女の一撃が「スレイブ」にダメージを与えるとともに、「エルス」もまた、傷ついていきます。
「・・・スレイブとスレイブロードの関係は、オトメとマスターと同じ。スレイブが傷つけば、ロードも傷つくのですよ」
「ジョン・スミス」の言葉に全力を出し切ることのできない「アリカ」。

その時、勝利者のいない戦いを繰り広げる彼女たちの頭上から「ナギ」の言葉が響き渡ります。
「マシロちゃん、君がおとなしく諦めてくれれば、皆が戦わずに済むんだよ。
・・・マシロちゃん、諦めてよ・・・ねえ」
そして「ナギ」の隣には、呆然と「アリカ」と「エルス」の戦いを見つめる・・・「ニナ」の姿がありました。
「エルス・・・あなた・・・。・・・お父様・・・」

※ど・と・う・の展開スタート!

「ナギ!そなたが黒幕かっ!
「マシロ」の追求を鼻で笑う「ナギ」。彼は答えます。全てが自分の手の内にある・・・と。
「・・・僕もガルデローベのやり方には疑問があってさ。だってやっぱり変だよ、オトメという諸刃の剣を向き合うことで得られる平和なんてさ。・・・そうそう、街のことなら安心してよ。今頃僕の軍隊がスレイブから街を開放しているから。・・・これが政治だよ。あとはマシロちゃん、君に選ばせてあげる。友達同士が殺し合うのを見るか、おとなしく僕のものになるのを選ぶか
退路を断った上で選択肢を提供する「ナギ」。そのやり方に反発する「アリカ」に、「ナギ」はさらなる戦いを「ジョン・スミス」に要求します。
「おやりなさい、エルスティン!」
その巨大な「スレイブ」の足で蹴られ、吹っ飛ぶ「アリカ」。さらにとどめを刺すように要求する「ジョン・スミス」。振り上げられた刃が、彼女を捕えようとした時・・・。
「アリカァッ!」
飛びかかったのは「セルゲイ」でした。
「ニナ」の叫び声が響く中、身を挺して「アリカ」を守った「セルゲイ」。幸いにも刃は彼の身体を切り裂きませんでしたが、その懐から舞い落ちた刺繍入りのハンカチーフは、「アリカ」と「ニナ」の友情を残酷にも切り裂きます。
※ああバレちゃいましたよ・・・。「ニナ」の目が怖すぎです~。(^_^;)。

「おじさま・・・?」
「うそ・・・お父様が・・・」
足長おじさんの正体に呆然となる「アリカ」と「ニナ」。
彼女たちの言葉に無言で立ちつくす「セルゲイ」でしたが、意を決したように「ナギ」の方を向きなおります。
「お止めください殿下!・・・この娘こそ本物の姫、ヴィントブルーム王国の・・・正統な後継者です!
その言葉に、その意味に驚愕する「マシロ」、対して「ナギ」は表情も変えずに「姫は見つからなかったと言っていたのに・・・僕を裏切ったの?」と「セルゲイ」に問い尋ねます。
「・・・ああ、なるほど。らしくないねぇ・・・本気になっちゃったんだ。だから君、その娘をかばうんだね
「ナギ」の言葉に目をそらす「セルゲイ」。そしてその行為が、彼の思いが真実であると「ニナ」へは伝わりました。
「・・・いや・・・お父様・・・いや・・・イヤァッ!」

瞬間、「ナギ」の身につけていた貴石が漆黒に煌めき輝きます。そして「ニナ」の耳、「ナギ」の指輪へと飛び込む深紅の光。
「面白いや・・・漆黒の金剛石が答えたよ。・・・君の心に
彼もまた「ナギ」に踊らされた人物だったのか、「漆黒の金剛石」の言葉に驚く「ジョン・スミス」。
「あの伝説の貴石が・・・何故・・・」
※全然驚かないですし、「アリカ」が本物の姫らしいという情報は「ナギ」も握っていたようですね。その上で「マシロ」の方が御しやすいと考えたのかな。

「ねぇ、ニナちゃん。うまくあの娘を止めてくれたら、セルゲイの事も許すよ。・・・ニナ・ウォン、黒き貴石を持つ我がオトメよ。君は僕を主と認めるかい?・・・ならばニナよ、我が名において汝の力を開放する」
「セルゲイ」の「止めろ」という叫びが響く中、「ナギ」と契約し、マテリアライズを行う「ニナ」。
ずるいですお父様・・・私がいるのはナギ様のオトメになるためと・・・だから私は・・・・・・どうして、どうしてあなたがいるの?・・・あなたさえいなければ・・・
その思いの果てに、目に映る「アリカ」へと飛びかかる「ニナ」。ふたりの「マイスターオトメ」の激突に、ふたりの親友の激突に、・・・ひとりの少女が割って入りました。無意識のうちに自分を止める「スレイブ」を切り裂いた「ニナ」。
「いやあぁぁあぁっ!」
その叫びは「スレイブロード」である「エルス」の声でした。横たわり、徐々に・・・霧散となって消えていく「エルス」。彼女は、駆けつけた「アリカ」と「ニナ」に「ごめん」と謝り続けます。

「・・・本当はね・・・科学とか・・・そんなの・・・。ただ、戦いがなければ・・・みんなと・・・ずっと・・・一緒に・・・。嬉し・・・かったの・・・友達・・・だから・・・あたし・・・
彼女が伸ばす手の先は、何を掴みたかったのか。リボンひとつ残して消えた親友の姿を、嘆き悲しむ「アリカ」と「ニナ」。ふたりの視線が・・・交錯します。
「てりゃぁああぁっ!」
「いやぁぁあぁあっ!」
渾身の力でぶつかりあう伝説の「オトメ」達。その中心は激しい爆風に包まれて・・・。

そうかそうか、新オープニングに「エルスティン・ホー」がいない理由はそれだったのか・・・。(T_T)。
前回が「鬱展開」のホップだとすると、今回はステップを飛ばしてジャンプ!といった感じ。最近特に「エルスティン・ホー」の株が上がっていただけに、この衝撃はそうとうのものです。こうなると願いはひとつ、最後は笑って「舞-乙HiME」の感想を終えますように。

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