【ご連絡】更新休止のお知らせ

管理人のジャンです。

申し訳ありませんが、本業が忙しくなってしまい、
しばらく更新をお休みいたします。

再び更新を再開する際には、またこちらからご連絡いたします。

誠に申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。

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次回「ARIA THE NATURAL_TV15」感想休止のお知らせ

管理人のジャンです。

本日、出張のため不在となります。
「ARIA THE NATURAL」の第15話につきましては、視聴ができない環境になりますので、
申し訳ありませんが、感想休止とさせていただきます。

なお、次回の更新は「ツバサ・クロニクル_TV38」2006/07/16(日)を予定しております。

これからも当サイト「一期一会」をよろしくお願いいたします。
それでは、皆様良いアニメ鑑賞を。(^_^)。

以上

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ツバサ・クロニクル_TV37

第37話「おえかきモコナ」

今日の「ツバサ・クロニクル」はちょっと異色。デフォルメちっくな3頭身キャラクターが活躍するとてもとても不思議なお話。

「着いたみたいですね」
いつもの「モコナ」による「新しい世界に到着ぅ~っ!」という声もない静かな着陸。それが異変の始まりでした。
「・・・あああぁあぁっ!!」
お互いがお互いを指さし、叫ぶ「小狼」、「サクラ」、「黒鋼」、「ファイ」の4名。その驚きは、お互いの姿に対してのもの。
「いったい、どうなっているんだ!?」
---
よくよくみれば、青空に浮かぶ白い雲、お日様の形までどこかマンガちっく。走る車や、歩く人々もデフォルメされた姿ばかりです。
「さあさあ、旅芸人の鈴蘭一座!・・・」
と叫ぶ「鈴蘭一座」の皆様までもが3頭身。あきれる「黒鋼」は事情を問うために「モコナ」の姿を探しますが、不思議なことにその姿は見あたりません。
※「モコナ」がいなくても言葉が通じるところも、また不思議。

別世界。暖炉の効いた部屋のソファーで気持ちよくお昼寝中の「モコナ」に近づくひとりの女性の影。
---
一方の「小狼」達は「モコナ」の姿を探して、右往左往。その途中、「小狼」とペアを組んだ「サクラ」は、羽により蘇った記憶の一部を「小狼」に聞かせます。
「・・・お城から見える砂漠に遺跡があるの。その遺跡はいつも砂嵐に覆われていて、時々国中が揺れる。・・・まるで・・・」
まるで、あの遺跡が砂漠から飛び立とうと、もがいているみたいに
途中で「サクラ」の言葉を繋ぐ「小狼」。彼は驚く「サクラ」に振り返り、「以前、クロウ国に居たことがあるんです」と笑顔を見せます。
「そうだったんだ・・・どこに住んでいたの?
当たり前ともいえる質問への回答を躊躇する「小狼」。その記憶には、以前「小狼」のことを思い出そうとした「サクラ」に起こった酷い頭痛が浮かび上がります。
「どうしたの?」
「・・・いえ、何でもありません。・・・行きましょう、姫」
※思い出す度に、脳に、精神に深く傷を受けて再び忘れてしまう「サクラ」。その姿を見るのが忍びない・・・そう「小狼」は感じたのでしょうか。

別世界。寝息を立てていた「モコナ」が、ようやく目を覚ましました。
「小狼、サクラ・・・?、ファイ、黒りん・・・?」
その姿を探し回る「モコナ」でしたが、4人とも部屋の周りには姿が見えません。しかし、その代わりに「モコナ」は、「サクラの羽」の気配を感じ取りました。
「めきょっ!」
開かれた眼に映し出される「サクラの羽」。それは羽ペンとなって机の上に淡い光を放ち、漂っています。
「モコナひとりで発見、大手柄なの!・・・・・・うん?」
椅子の上に飛び乗り、羽ペンのそばへと来た「モコナ」。彼(?)は羽ペンが机上で「小狼」達のデフォルメされた姿を描いているのを見つけました。
「小狼、サクラ、ファイ、黒鋼・・・?」
頭身こそは異なりますが、服装や雰囲気から間違いなく4人であることを確認した「モコナ」。そこにブロンドの長髪が美しい、若い女性が声をかけてきました。
「そのペンには、不思議な能力があるのです。・・・私は『語り部』です」

頭にベレー帽を被った女性「エメロード」は、自分を「語り部」と名乗り、「絵と物語で人々を楽しませる仕事をしていた」と「モコナ」に話します。
「・・・物語はひとつの世界。作者である私は、その世界を自在に操ることが出来るのです。たとえ、時の流れでさえも・・・」
※この女性「エメロード」は「ツバサ・クロニクル」の作者である「CLAMP」自身を表現しているのかもしれませんね。

彼女の能力に「凄い」と賞賛を贈りながらも羽ペンの羽が「サクラの羽」であることを伝える「モコナ」。
「・・・小狼がね、必死になって集めている、とても大切なものなの。・・・だからお願い、この羽をサクラに返してあげて」

「モコナ」の真剣なお願いを聞き届けた「エメロード」。彼女は「サクラの羽」を返すことを約束しますが、その前にやらなければならないことがあると「モコナ」に告げます。
「・・・皆さんを、その中から助け出さねばなりません。
・・・物語の世界に落ちた彼等は、今や物語の一部になっています。・・・恐らく『羽』の持ち主であるサクラさんを呼び寄せてしまったのでしょう。・・・不思議なペンを操って、皆さんが外に出られるような世界を・・・仲間を思う強い力を持つあなたが綴らなければなりません
---
「ファイさん、大変です!・・・く、黒鋼さんが・・・」
駆けつけた「小狼」の言葉に従い、現場へと走る「ファイ」、「サクラ」。その目に映ったのは、巨大な「モコナ風ひまわり」に食べられている「黒鋼」の姿。
「止めろっ!・・・俺を喰うなぁあっ!」
まさしく目が点の「小狼」と「サクラ」に対して、「おやあぁ?」と首をかしげる「ファイ」。辺りを見渡すといつの間にやら、雲やベンチ、風船など至る所に「モコナ」の顔が描かれています。そして、天から数十も降り落ちてくる様々な色の「モコナ」、「モコナ」、「モコナ」の群れ。
※「モコナ」がペンを握った瞬間に、世界に危機が訪れているのですが・・・。(^^;)。

「こんなはずじゃなかったのにぃ!」
「・・・不思議なペンは、心に思い描いたことがそのまま絵になってしまうから、気持ちを集中させなければならないのです
事態の大きさに対してくつろいでいるようにしか見えない「エメロード」。ひとり奮戦する「モコナ」は「自分のよく知っている世界」に描きなおして良いかと問い尋ねます。
「その方が気持ちが集中できて、ちゃんとお話が作れそうだから」

「・・・わかりました」
そう答えると左手を羽ペンへとかざす「エメロード」。彼女の念にペンは答え、世界を描きなおしていきます。
---
「あれ~風景が消えていくね」
「な、何だ!?」
真っ白な世界に驚く暇もなく、突如出現した落とし穴へと落ちていく「小狼」達4人。
そこは「モコナ」太陽が晴天を照らす、「私立モコナ学園」の教室
でした。
※「モコナ」の「よく知っている世界」とは日本の学校なのでしょうか。(^^;)。

「起立、礼。・・・着席」
なぜか教師や生徒に扮して授業を受けている「小狼」達。担任は怖ーい体育教師、「黒鋼」のようです。
「・・・今日はみんなに新しい仲間を紹介する。さあ、入れ」
転校生として「私立モコナ学園」にやってきた生徒、それは学級委員「サクラ」がどこかで見覚えのある少年「小狼」でした。
「初めまして。私、サクラです」
隣の席に座った「小狼」へと挨拶をする「サクラ」。彼女の言葉に「小狼」は「初めまして・・・じゃないよ」と返します。
「えっ・・・?」
---
「お約束だけど、モコナのお話の中ではサクラは小狼のことを忘れていないことにするの。これなら小狼の『寂しい』もなくなるの
---
幼稚園時代の出会いを互いに語る「サクラ」と「小狼」。それは厳密には「サクラ」の過去の記憶ではありえませんが、彼女にとって心地よい一時だったことは言うまでもありません。
※映像を見ていて、感想を書いていて、「モコナ」の言葉を聞いていて・・・とても恥ずかしくなってきました。(^^)。

「・・・ここで新キャラ投入なの!」
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「小狼」と「サクラ」の甘い一時。手と手が触れ合ってどっきどきーの瞬間に登場したのは理科教師で女子にも大人気「ファイ」先生。
「ばあっ!・・・お邪魔したかな?・・・・・・ところで小狼くん、ひとつ頼みがあるんだけれど聴いてくれるかい?
と友人の古代文字解読の手伝いに「小狼」を引っ張っていった「ファイ」。そこは「モコナ」遺跡のまっただ中でした。
考古学者「蒼石」とアシスタントの「鈴蘭」に「小狼」を紹介した「ファイ」。さっそく古代文字を解読してみると「金色のツボに触れると黒き魔神が出現する」という古代からの警告メッセージでした。
「もしかして、これ?」
くしゃみをすると大魔王が飛び出そうなツボを手にとって見せる「ファイ」。するとたちまちのうちにツボから黒い煙が飛び出し、たまたま近くでお昼ご飯を食べていた「黒鋼」を包み込んでしまいます。
「ガォオオオオッー!!」
巨大化し、着ぐるみを着込んだ「黒鋼」登場。
避難しようとする「蒼石」の言葉に「小狼」は「碑文に続きがある」とその足を止めさせます。
「・・・黒き魔神を再び封じるには、この神殿に清き男女の・・・接吻を捧げるべし」
その言葉に顔を赤らめる「サクラ」。ふたりは世界を救うために、互いに見つめ合うと、その唇をゆっくりと近づけていきます。手を握り合い、目をつむり、唇同士が重なり合おうとした瞬間・・・。
「どっかあああぁあん」
自衛隊(?)の迫撃余波を浴びて、空を飛ぶふたり。それでも諦めずに口づけを交わそうとしますが・・・。
「ちゅどおぉおぉおん」
またしても衝撃に地上へ落下するふたり。ああ、ふたりの愛が結ばれる日は・・・いつ
※自身を「清き男女」と評するところが笑ってしまいますが、がんばれ「小狼」!

「鈴蘭くん、私は・・・」
「・・・先生」
そうこうしている間に、モコナ神像の前で口づけをあっさりと交わしてしまう「蒼石」と「鈴蘭」。その時、光の柱が天まで届きました。
「ぷーん!・・・がるるるるるぅ・・・」
天が呼んだか、地が叫んだか、なんでも吸い込む「メカモコナ」の登場に胸躍らせる「小狼」達。そして、その巨大な口は黒き魔神「黒鋼」を吸い込み・・・「小狼」、「サクラ」、「ファイ」までも吸い込んでしまいました。
---
「ぱかああぁああーん。・・・えへへ、お帰りみんな
見事、現世へと「小狼」達を導き終えた「モコナ」。絵物語の世界の記憶こそありませんが、彼等が「モコナ」に助けられたのは疑う余地もありません。
「じゃーん、はいどうぞ」
「サクラの羽」を取り戻した「モコナ」にお礼を言う「小狼」達。そして「モコナ」から「語り部」の能力「時の流れを自由に操る」という言葉を聞いたとき、彼は「沙羅ノ国」で過去に干渉してしまったことを思い出します。
「・・・たとえ良い結果になったとしても、時間の流れに干渉してしまったことに違いはありません」
「そこにあった未来を変えることは許されるのか・・・ということだよね。・・・それを小狼くんが考えても、今はどうしようもないんじゃないかな。・・・歴史を変える規模だと、個人には手に負えないんだし、できないことをきちんと認めるのも大事だよ」
「ファイ」のアドバイスを聞き「サクラの羽」を取り戻すという大きな目標へとむき直すことを決意する「小狼」。今はただ、そのことだけを考えて・・・。

ただの一話、外伝的な話ではありましたがキャラクター描写も含めて非常に面白い回でした。作品の作り手側も、「時の流れを自由に操る」ことや「登場人物の運命を操る」ことに、思いをはせることもあるのでしょうね。

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ARIA THE NATURAL_TV14

第14話「その いちばん新しい想い出に…」

梅雨だというのに夏のような暑さだったり、雷を伴った局所的豪雨が発生したりと、我が日本の天気は荒れ模様。
真夏とはいえカラッと「地中海性気候」な「ネオ・ヴェネツィア」はいいなぁ。・・・と思いきや「ネオ・ヴェネツィア」にも熱帯夜はあるようで。

むしむしと暑い夜が続いていた「ネオ・ヴェネツィア」。しかし、今日は風が気持ちの良い朝を迎えることが出来たようです。
-AM 04:20-
まだ暗い朝に目が覚めた「灯里」。制服に着替え、お供に「アリア社長」を引き連れてゴンドラを漕ぎ出します。
「付き合って貰っちゃってすみません、アリア社長」
目をショボショボさせている「アリア社長」。まだ彼の夜は明けていませんが、辺りは少しずつ朝の気配を漂わせてきました。
「パリーナ」と呼ばれている無数の杭を手がかりに足を伸ばし、「ブリコラ」と呼ばれている大きな杭を束ねた棒の足下で地図を見返す「灯里」。彼女の頬に爽やかな朝の陽光が、白い影を伸ばしてきました。
「そろそろ戻りましょうか、アリア社長」
ちょっと贅沢な朝焼けを楽しんで、「ARIA COMPANY」へと戻ってきた「灯里」。いつもと同じ景色のはずが、今日は何かが気にかかります。
※日が昇る前に目覚める事なんて、ほとんどない私。初日の出もネットやTVで楽しむだけです。(^^;)。

ただの杭である「パリーナ」とは異なり、お店やスポットを表す「彩色パリーナ」。なぜか「ARIA COMPANY」にないことに気がついた「灯里」は早速「アリシア」に聞いてみます。
「どうしてARIA COMPANYには彩色パリーナがないか?・・・・・・言われてみればそうね、入社したときからこうだったから、不思議に思わなかったけれど・・・」
ところが、この質問が「灯里」に予想外のイベントを発生させるキーになってしまうのです。
「・・・そうだ、丁度良い機会だから灯里ちゃんに作ってもらおうかしら」
「はい、賛成です。やっぱり彩色パリーナがあった方が良いと・・・ええぇええっ、私がですかぁっ!
最初は断る「灯里」でしたが、「感じるままに作れば良いのよ」との「アリシア」の言葉に騙されて・・・もとい、乗せられて、結局「彩色パリーナ」を作ることに。
「藍華」と「アリス」の合同練習も断って、一日芸術家として筆を握る「灯里」。
「私が感じる・・・ARIA COMPANY・・・・・・・・・あっ」
ふと思い立ち、屋根裏部屋の倉庫に手がかりを求める「灯里」。その手には「ARIA COMPANY」の輝かしい歴史をつづったアルバムが握られていました。
「この写真・・・もしかして、グランマ!?、わっ・・・アリア社長若い」
そこには今の面影がほとんどありませんが、「伝説の大妖精」である「グランマ」と、若かりし(?)「アリア社長」が仲良く映っていました。
「・・・そんな時の流れも、このパリーナに込められれば良いけれど
さらにアルバムを捲る「灯里」の手が、あるページで止まります。そこに挟まれた四つ折りのわら半紙には「彩色パリーナ」のデザイン画が。
※パッと見た感じは「床屋」を思い出してしまう私。(ノ∀`) ペチッ

「彩色パリーナ」のヒントとなりそうなデザイン画を手に入れた「灯里」。屋根裏部屋から降りてくると、何やら良い匂いが部屋の中に広がっています。
「・・・アリシアさん、戻っているのかな?・・・・・・アリシアさん、お帰りなさい。今物置で・・・グランマ!
ところが、そこに居たのは先ほどの写真の中の人「伝説の大妖精」こと「グランマ」その人でした。
「こんにちは、灯里ちゃん。・・・あらあらアリア社長、元気だったかしら」
取れたてのトウモロコシでホールコーンを作っていた「グランマ」。「灯里」が持ってきたデザイン画に、思わず昔を懐かしみます。
「・・・これはあなた達の先輩、初期メンバのひとりが描いたものよ。彼女が『彩色パリーナを作ろう』と言い出してね
かつて「彩色パリーナ」を作る動きがあった「ARIA COMPANY」。しかし、その時には残念ながら完成には至らなかったそうです。
「ARIA COMPANYは動き始めたばかりだったから、私にもその娘にも・・・まだ色が見えなかったの。そのうち見えてくるかもねって横に置いていたら・・・忙しくていつの間にか忘れてしまったのよ」
彼女の話に、今更ながら「ARIA COMPANY」の色を決める「彩色パリーナ」作りに怖じ気づいてしまった「灯里」。「私なんかが作って良いのでしょうか」と問い尋ねる「灯里」に、「グランマ」は優しく「楽しみね」と微笑みかけます。
「灯里ちゃんの目には、どんな風にARIA COMPANYが映っているのかしら」
※偉大な先輩達が作り上げてきた「ARIA COMPANY」。その色を決める重圧は、やはり大きくのしかかりますよね。

「わぁ・・・夏の匂い。ただいま」
帰ってきた「アリシア」を出迎える「グランマ」。久しぶりの再会は彼女の心をときめかせますが、流石に「伝説の大妖精」。ゆっくりとはできず、ちょっとお茶をしてお別れ。それでも「灯里」は「グランマ」から「彩色パリーナ」のヒントを貰ったような気がしていました。
「今日は練習をお休みして、もう少しだけARIA COMPANYとお喋りしてみようと思うんです」
---
ゴンドラに乗って風に吹かれ・・・デザイン画をじっくりと見つめる「灯里」。
「アリア社長・・・このデザインを描いた先輩は、どんな人だったんですか?」
「灯里」の質問にボディランゲージで答える「アリア社長」。どうやらそうとうのドジッ娘だったのは間違いないようですが・・・。

「えっと・・・よくわからないです。アリア社長
※でっかいショックを受ける「アリア社長」でした。(^^;)。

「青・・・白・・・。きっとこのデザインを描いた先輩も、ここから見える風景が好きだったんですね」
ARIA COMPANYに戻り、色々な場所で、色々な風景を眺める「灯里」。彼女の目と耳に、ARIA COMPANYの言葉が入ってくるようでした。
「青と白・・・私も好き・・・」

---
夜中、「アリア社長」が寝付く横でデザインを続ける「灯里」。冷めたコーヒーをお供に、青のマジックと定規でデザインを決めていきます。
「・・・よし」
---
「うん、素敵じゃない。・・・良いと思うわ。完成が楽しみ」
翌朝、「アリシア」に見せたデザインはなかなかに好評。早速「シルフ」の「ウッディー」にお手伝いをお願いして「灯里」流「彩色パリーナ」の作成です。
木材に赤鉛筆でペンキを塗り分ける線を引き、顔にペンキをつけながら奮闘する「灯里」と「アリア社長」。
「青・・・海と空の色、ARIA COMPANYが出来てから変わらない色・・・今も、これからもずっと」
誕生からの想い出をいっぱい詰め込んだ、「彩色パリーナ」の完成
です。
※やはり「ARIA COMPANY」のイメージカラーは「青」と「白」でしょうね。空と海、雲と空、制服だって青と白のツートンカラーですしね。

「ふぅ・・・。うん、完成!
できた「彩色パリーナ」を打ち込んで、新生「ARIA COMPANY」の誕生です。真っ白な台座にイメージカラーの「青」で制服と同じ模様をつけた「彩色パリーナ」は、「アリシア」にも大好評。
「そうだ灯里ちゃん、今日はここでディナーにしましょうか。・・・パリーナ完成を祝って
---
「グランマ」のトウモロコシで作った特製コーンポタージュを飲みながら、「彩色パリーナ」を眺める「灯里」と「アリシア」。「ひとりでよく頑張ったわね」と感心する「アリシア」の言葉に、「灯里」は「ひとりには感じませんでした」と返します。
「あのデザインを描いた先輩が、ずっと隣にいた気がしたんです。
もうここには居ない、私の知らない先輩・・・」
気がつかないうちに人は成長します。まだ彼女の知らない横顔を見せる「灯里」に、「アリシア」はちょっと寂しそうに、ちょっと嬉しそうに未来のことを語ります。
「・・・いつかは私も引退して、一人前になった灯里ちゃんが私の知らない後輩と、このパリーナを見上げる日が来る・・・」
その時、また「灯里」も今と同じではいられない・・・。そう感じる「灯里」の言葉に、「アリシア」は「大丈夫」と優しく微笑みます。
「パリーナを作っている間、先輩を近くに感じたのでしょう。・・・ウンディーネを引退しても、デザイン画にはその時の彼女がそこに居て、灯里ちゃんに語りかけてくれる。・・・同じ事よ。この彩色パリーナはこれからもずっとARIA COMPANYに有り続ける。やがて灯里ちゃんがここを去った後も。・・・これは、灯里ちゃんがARIA COMPANYに確かに居た日々の証。ずっとずっといつまでも変わらない、今の灯里ちゃん自身・・・そのものよ
彼女の言葉を、ゆっくりとかみしめる「灯里」。彼女はそして気がつきました。この「彩色パリーナ」は、「今」という時を刻んだオブジェなのだと。
「と、いうことはですよ・・・ずっとずっと先・・・この彩色パリーナに会いに来ると・・・今日の私たち3人に会えるっていうことですよね
「あっ・・・凄いわ灯里ちゃん・・・」
「凄いです、アリシアさん!」
時を刻んだ「彩色パリーナ」を前に、笑い続ける「灯里」達。それは「彩色パリーナ」が存在し続ける限り、ずっとずっと続く一瞬なのかもしれません。

旅に出たときにとる風景写真、遊び仲間とのスナップ写真、友達や彼氏と撮るプリクラ・・・。
デジタルカメラや携帯電話で、以前より身近になった写真達。
写真というデータは、0と1の集合でしかないかもしれませんが、人々は写真を見たとき、その一瞬を思い出します。
そう、それは本当は「凄いこと」なのですね。
(^_^)。

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ツバサ・クロニクル_TV36

第36話「時をこえるオモイ」

数々の謎を生んだ「修羅ノ国」編もいよいよ終了。シンクロを開始したもうひとりの「小狼」、本格的に「ツバサ・クロニクル」の世界に関わりを持ち始めた「次元の魔女 侑子」、黒目となった「黒鋼」と「ファイ」、宝石へと姿を変えた「夜叉王」・・・。果たしていくつの謎が解き明かされるのか、ご覧あれ!

「私は・・・己の願いを叶える」
無言のまま笑顔で「阿修羅王」の剣を受け入れる「夜叉王」。彼の姿は「サクラの羽」を内包した宝石へと姿を変えました。その光景をじっと見つめる「黒鋼」と「ファイ」、そして「小狼」。
「あれは・・・姫の羽」
---
一方、地上の「サクラ」は「モコナ」に連れられて「月の城」転送位置へとやって来ていました。
「阿修羅王が言っていた。月がお空の一番高いときに、ここに来ればお城に行けるって」
その言葉の直後、光に包まれて転送される「サクラ」と「モコナ」。・・・かくして役者は全て「月の城」へと集まりました。
※宝石に姿を変えた「夜叉王」にたいして驚きもしない「黒鋼」と「ファイ」。こうした事態を予想していたのか、何者かに操られているのか・・・。

「姫・・・どうしてここに?」
「モコちゃんが教えてくれたの。・・・羽がここにあるって」
転送してきた「サクラ」の言葉に、それまで「夜叉王」の残した衣服を、剣を抱きしめていた「阿修羅王」が反応を見せました。
「・・・ふたりとも、こちらへ」
高台の上へと両者を呼び込んだ「阿修羅王」。彼女の口から、「夜叉王」の真の姿が明らかとなりました。
「夜叉王は・・・もうずいぶん前に死んだ。・・・さっきまで居たのは『羽』が見せていた、まるで生き写しの幻だ」

長く剣を交えてきた「阿修羅王」と「夜叉王」。互角だったはずの剣が「夜叉王」の右目に刀傷を負わせたとき、彼女は「夜叉王」の身体が病魔に冒されていたことに気がつきました。
その告白に、自身が見た夢を思い出した「サクラ」。今、彼女はその夢が真実を表していたものだとはっきりと感じます。
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「どうしてお前がここにいる・・・『月の城』でしか相まみえることのないお前が・・・」
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会えるはずのない場所での再会。それを「阿修羅王」は、「夜叉王」の死んだ魂が会いに来たと感じました。
「・・・永遠の別れを告げるために。・・・けれど次の日、死んだはずの夜叉王が月の城にやって来た。『羽』の力によって生み出された・・・幻となって」
愛してしまった男の幻、それを彼女は斬ることが出来なかったと告白します。そして彼女は「夜叉王」を斬る決意を与えてくれた礼からか、「サクラの羽」を「小狼」達に返すのでした。
「望みは叶ったか?・・・では、次は私の番だ」
大きく息を吸い込み、大地へ剣を突き立てる「阿修羅王」。彼女は「月の城」を制した者の望みとして、ひとつの願いを心描きます。
・・・それは人によっては小さく、たいして価値のない願い。けれども彼女にとっては唯一無二の願いでした。
※「小狼」をかくまう理由に「望みを叶えた者の顔を見たい」と語っていた「阿修羅王」。逆説的に言えば、彼女は自身の望みが叶わないことを誰よりも知っていたのでしょうね・・・。(T_T)。

閃光を発する大地。その願いを叶えようとする力の反動か、大地はひび割れ「月の城」はその姿を崩していきます。
「・・・やはり、我が願いは『月の城』を手に入れても、叶えるには重すぎるか・・・」

崩れゆく足下から逃げだそうとしない「阿修羅王」。彼女の決心は既に定まっていました。
小狼、諦めれば全てが終わる。願い続けろ・・・強く、強く。たとえ己が何者でも、たとえ誰かが何かを強いても・・・願い続けろ、己の真の願いを」
その言葉の意味するところを全て知るよしもなく、ただ心に刻みつけようとする「小狼」。一方の「阿修羅王」は、「月の城」が崩れるのは願いを叶えることが出来ないからだとつぶやきます。
・・・死者を蘇らせることは誰にも出来ません。たとえ・・・それが神と呼ばれる存在でも。・・・旅で学んだことのひとつです」
別れを感じ取ったのか、複雑な思いで「阿修羅王」を見つめる「小狼」。事実、彼女を助けようと伸ばした手を「阿修羅王」は剣で弾き飛ばしました。
「阿修羅王っ!」
その名を叫びながらも崖に落ちようとする「小狼」。彼を救ったのは、馬に乗り、その背に「ファイ」と「サクラ」を乗せた「黒鋼」
でした。やがて光となって地上へと転送される4人。その姿を見送った「阿修羅王」は、「次元の魔女 侑子」へとコンタクトを取ります。
「聞こえるか、魔女よ。・・・小狼とサクラ、あのふたりでなければ私も決心はつかなかったかもしれん。・・・頼みがある。私と夜叉王を、後の世の神に。・・・神にもできないことがあるという証に。・・・黄泉へと渡った者は二度と戻らない。燃える炎が如く、流れゆく時間に同じものはなにひとつない。変わるからこそ、戻らぬからこそ、一度しかない命を悔いなく生きろと言う神に・・・
※「阿修羅王」の言葉、「たとえ己が何者でも、たとえ誰かが何かを強いても」。非常に興味深いですね。

「修羅ノ国」へと降り立った「小狼」達4人。「サクラの羽」も手に入れることができ、旅立ちの時がやって来ました。
「もし、ふたりの王の亡骸か、形見の一部でも見つかったら・・・どうか離さず、一緒に葬って差し上げてください。・・・お願いします」
「モコナ」の光に包まれる中、「阿修羅王」と「夜叉王」をあわせて弔って欲しいと願う「小狼」。その真摯な願いに応えるように「倶摩羅」は深く頷きます。
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「・・・ここは・・・新しい世界?」
次元転送が終わり、目を開けた「小狼」に、どこか懐かしい「ファイ」の声が聞こえてきました。
「違うよ。『紗羅ノ国』に戻ったみたいだね
姿形は「修羅ノ国」のときのまま「小狼」に笑顔を向ける「ファイ」。なんと「ファイ」と「黒鋼」は記憶をなくしたわけでもなく、魂を同じにしたこの世界の住人でもなく、本人があえて正体を隠していただけだったのです。
「でも、それなら最初にあったときに、そう教えて貰えれば・・・」
もっともな質問をする「小狼」に、「黒鋼」の反応を楽しみつつも答えてあげる「ファイ」。それは「黒鋼」からのアイデアだったそうです。
「・・・俺たちが本人だってわかると、戦うときに小狼くんが本気を出さないからだって。・・・小狼くんの先生だからね、これでも」
※戦いの時に「小狼」を鼓舞するようなセリフまでも言って。・・・照れる「黒鋼」萌え~。(^^;)。

偶然、「火煉太夫」の一行と出くわした「小狼」と「サクラ」。声をかけてみますが、相手はこちらを知らない様子。
「あの・・・俺たちのこと、憶えていませんか?」
別にとぼけている様子でもなく、本当に「小狼」達の事を知らない「火煉太夫」達。
一方、「蒼石」の若い衆達と出会った「黒鋼」と「ファイ」ですが、やはり相手はこちらを知らないようです。
「お、やっと来やがった・・・」
一触即発、「鈴蘭一座」と「蒼石」の若い衆達の出会い。これは抗争勃発か・・・と構える「小狼」ですが、なんとビックリ仲良さそうな両者達。
「きゃぁあっ~、蒼石様のところの若い衆よ」
「いつ見ても凛々しいわぁ~・・・素敵~!」
黄色い声援を受けてまんざらでもない若い衆達。今日は何やら特別な日のようで「鈴蘭一座」を出迎えに来たようです。
「・・・今日はめでたい祝いの日。皆様も是非、お祝いに参加してください」

---
呼ばれた会場では、なんと「鈴蘭」と「蒼石」の結婚式が執り行われていました。
「・・・本日は私たちふたりのために集まってくださいまして、本当にありがとうございます」
「一座の姉さん達、それに社の兄さん達。今日は来てくれて本当にありがとう。・・・蒼石様の計らいで、今日は久しぶりに私たちの神様をこの目で拝めることになったよ、ほらっ」
「鈴蘭」の言葉に、開かれる神社の扉。振り返った「小狼」達の目の前には、仲良く肩を並べた「阿修羅王」と「夜叉王」の像が祀られていました。
「・・・我らが神、阿修羅と夜叉を模したこの像は、造られた時から今日に至るまで、決して離されることなくずっと一緒に安置されています
「私たちも阿修羅様と夜叉様に習って、ずっと離れないからね」
※もう熱々で、見ていられません・・・。(^^;)。

「ねえねえ、アレ!」
神様と一緒に献上されている櫛とウィッグ。「モコナ」が指し示すそれは、確かに「サクラ」と「小狼」が身につけていた物です。
「・・・修羅ノ国で着替えたときに外してそのまま・・・置いてきたものです」
ようやく事の次第に気がついた「小狼」。そう、明らかに「紗羅ノ国」は「修羅ノ国」の未来の姿。彼等は次元を渡ったのではなく、時を越えていたのです。
「俺たちは『紗羅ノ国』に落ちてその後、『紗羅ノ国』の過去である『修羅ノ国』に行ったのではないでしょうか。そして、もう一度『紗羅ノ国』に戻ってきた・・・」
それにしても、最初に訪れたときとは様変わりした「鈴蘭一座」と「蒼石」の若い衆達の関係。疑問を口にする「サクラ」に、「小狼」は自分の言葉を思い出します。
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「もし、ふたりの王の亡骸か、形見の一部でも見つかったら・・・どうか離さず、一緒に葬って差し上げてください。・・・お願いします」
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「未来が変わった・・・か」
あのときに話した「小狼」の言葉を「阿修羅」の国の人達は守り、ふたつの像を一緒に祀った。それが関係改善のきっかけになったことは、間違いがないようです。
※「次元を越える」だけではなく「時を越える」能力も持つ「モコナ」・・・というより「侑子」の魔力。さすがは「クロウ・リード」の知己といったところでしょうか。

この世界での目的全てを達成し、次の世界へと旅立つ時がやって来ました。今度はお互いが離れないように・・・と「小狼」と「サクラ」の手を握らせる「ファイ」。そして自らも「黒鋼」を巻き込んで、ふたりへと抱きつきます。
「・・・今度は、別の場所に落ちないように」

最後にもう一度、祀られた神像を見る「小狼」と「サクラ」。ふたりの目にはその姿が、お互いがお互いを慈しみ合う、「阿修羅王」と「夜叉王」の姿に見えるのでした。
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謎の世界。既にスクリーンには何も映ってはいませんが、「飛王」と「星火」は「侑子」への対応を協議している最中。
「やはり、あの魔女は気づいていますね、遺跡の力に
クロウ・リードと同じようにな。・・・しかし、色々邪魔はしてくれたが、クロウ・リードは死んだ。・・・我が計画を阻むのは、今や次元の魔女だけだ」
打つ手は全て打ってしまったと言う「飛王」。しかしその表情にはまだ余裕が見て取れます。
「・・・状況は日々変化する。新たな一手の準備に取りかからねば・・・な

もうひとりの「小狼」については未だに謎が深いままですが、無言の「夜叉王」、黒目の「黒鋼」達、驚くべき「侑子」の魔力と、パズルのピースは揃ってきましたね。この「修羅ノ国」編はタイムパラドックス的な要素もあり、ちょっと難しいところもありましたが、なかなかに楽しめたと思います。
次回はどうやら「モコナ」が主人公の回のようですね。どたばたコメディものになるのかな。(^_^)。

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ARIA THE NATURAL_TV13

第13話「その でっかい自分ルールを…」

第2シーズンに入って、出番の少なくなった(気がする)脇役達。それでも「あらあらうふふ」と「・・・禁止!」は登場頻度が高いのですが、「でっかい・・・」はなかなか見かけることが出来ません。
しかし、今回は大丈夫。何しろ「でっかい・・・」のメイン回です。さあ、全国の「アリス」ファンよ、刮目して待て! (大袈裟

夏真っ盛りの「ネオ・ヴェネツィア」。憧れの「プリマ」を目指して、「灯里」、「藍華」、「アリス」の3人娘は今日も練習に励みます。
「お、ここは本日の難関ポイントよ
「アリスちゃん、頑張れ!」
操舵技術には定評のある「アリス」。先輩達が見守る中、入り組んだ脇道も見事にゴンドラを操舵してみせます。そのテクニックに感心する「灯里」と「藍華」でしたが、大通りに合流する際にちょっとしたミス。声をあげてゴンドラの合流をお知らせしなければならないのですが、「アリス」の声は小さすぎたようです。
「だから、大きな水路に出るときにはちゃんと大きな声をだせって言っているでしょう」
「藍華」の指摘にちょっと顔をそらせる「アリス」。彼女には彼女なりの理由があるようですが・・・。
「今日は、運が悪かっただけですから。・・・昨日の自分ルールが成功しなかったから・・・・・・明日は成功あるのみ」
※時を告げる鐘の音に「アリス」の声が重なってしまったようですね。もっともお客様を乗せることを考えると「藍華」の意見が正論です。

今日の自分ルールも・・・家まで影だけ踏んで帰る。・・・今日こそ成功させてみせるんだから』
放課後、暑い夏の日差しの中「自分ルール」を決定する「アリス」。彼女は気合いを入れて、ケンケンをするように建物や人の影を踏んで帰宅の途につきます。
【アリスの(でっかい)自分ルール】
 ・その1。影のないところを踏んだら失格。
 ・その2、影はどんなものでも構わない。
 ・その3、日向を半分踏むのは・・・許可。

途中、危ういところはありながらも「自分ルール」を守って帰る「アリス」。「今日はいけそうっ!」と機嫌も良くなりますが、ひとつの難関が彼女を待ち受けていました。
「・・・なんとも・・・これはなかなか
水路を跨ぐ石畳の橋は、遮蔽物もなく、オブジェも置いておらず、影となって彼女の進みを助けるものは何一つありません。今日もここまでか・・・と悩める少女「アリス」を救ったのは、空中を歩くようにゆっくりと進む、1台の飛行船でした。
「でっかいラッキーです♪」
※むかーし、小学生の頃・・・同じようなルールを決めて学校から帰ったときがありましたねぇ。・・・たぶん失敗しましたが。(^^;)。

『ここを抜ければ、オレンジぷらねっと。最後のでっかい障害・・・ですっ!
ついに目視できる距離までゴールが近づき、気合を入れ直す「アリス」。スカートがひらひらと風になびくのも気にとめず、ホップ、ステップ、ジャァンプッ!
「・・・うぅっ・・・」
運命の右足は、影からわずか10センチほど外れた場所へとその足跡を刻んでいました。あと少しというところで「自分ルール」を守れなかった「アリス」。彼女の内にいる悪魔のささやきか、周りを見渡し、誰も自分の失敗を見ていないことを確認しますが・・・。
「・・・ルールその1、影がないところを踏んだら失格・・・・・・・・・ふぅっ」
でっかいため息をひとつついて、とぼとぼと歩き始める「アリス」。彼女の落ち込み様は傍目にもわかるほどで、ゴンドラを操る「アテナ」もその姿を見かけたとき、思わずカンツォーネを止めてしまうほど。
「・・・」
しばらく「アリス」の姿を見やった「アテナ」。彼女は「アリス」に手向けてでしょうか、先ほどまでとは違う旋律の「カンツォーネ」を口ずさみます。
「・・・ハイ トゥ サ シャッフーレ・・・カーイノォレイサーペィン・・・ラティアン、ファティアン トゥイーネェン・・・」
その美声に、運河を振り返る「アリス」。通り過ぎる「アテナ」の表情は伺えませんでしたが、その声ははっきりと彼女の記憶に残るのでした。
※「カンツォーネ」は美しい~。けれど文章に起こしにくい~。魅力の百分の一も伝えられずに、すみません。m(_ _)m

「アテナ先輩。・・・今日お昼に歌っていた曲、最近よく歌っていますね。・・・お気に入りなんですか?」
後輩の言葉に「うん」と頷く「アテナ」。その返事に「アリス」は「そうですか」と一見素っ気なさそうに寝返りを打ち、その日はそのまま就寝。
---
翌日の放課後。「アリス」は今日も「自分ルール」を決定します。
『今日の自分ルールは・・・石を蹴って最後まで?・・・石畳の線をずっと踏む?・・・それともケンケンでずっと?・・・ダメ、でっかい弱気!
その場にて激しく首を振る「アリス」。結局、失敗したルールに再挑戦するのが燃えると、昨日と同じルールにチャレンジ。
「いよっ!・・・ふんっ・・・とっ・・・はいっ・・・ほっ・・・はっ!
今日は好調好調・・・と鼻歌を口ずさみながら石畳を歩く「アリス」。ふと気がつくと同じように鼻歌を歌ってご機嫌な「アテナ」が並んで歩いていました。
「おかえりなさい、アリスちゃん」
午後の仕事がキャンセルとなり、「アリス」の様子を見に来たという「アテナ」。彼女が上機嫌な理由は「アリス」が嬉しそうだからと話します。
「・・・・・・嬉しそうになんかしていないです」
照れからか「アテナ」の言葉を否定して歩き続ける「アリス」。「今日も自分ルール実施中?」という「アテナ」の声にも「そうです」と素っ気なく返すばかり。
「昨日と同じ、影しか踏んじゃいけないルールなんです」
※それにしても・・・飛び跳ねる「アリス」は、か・な・り 萌えますね。(^_^)。

時には飛び跳ね、時には壁に張り付くように進みながら、影を踏み進み歩く「アリス」。その姿に触発されたか、「アテナ」に抱えられていた「まぁ社長」も彼女の横で跳ね始めます。
「あぅ・・・えっ・・・まぁ社長・・・あっ・・・ああぁっ!」
危うくバランスを崩して転びそうになる「アリス」。彼女を間一髪支え、影がない場所を踏むルールを守らせたのはゴンドラ操舵で鍛えた「アテナ」の左腕でした。
「ぎりぎりセーフ?」
笑顔で話しかけてくる「アテナ」に、鉄仮面のような表情(笑)で返す「アリス」。どうやら先輩の手助けは「自分ルール」でアウトの判定。
「今のところやり直しです。・・・アテナ先輩、余計な手出しは無用です。・・・自分ルールその4、他人の手助けは禁止!です
自分の戦いだから手助けはしないでとプンプン怒る「アリス」。彼女の言葉に「・・・はい」と落ち込む「アテナ」
---
そして、昨日の難関ポイント。飛行船に助けられた場所へと「アリス」は辿り着きました。
ひとしずくの汗が「アリス」の頬を伝わります。飛行船という「でっかいラッキー♪」が現れない今、彼女はどうやって困難な事態に対処するのか。
「あのぉ・・・ここは普通に行っても良いことにする・・・
「ダメなんです。影じゃないところは、全部マグマなんです」
彼女の言葉に、その決意を感じ取った「アテナ」。彼女は数歩その場から離れると、自分自身の影を「アリス」に指し示します。
「アリスちゃん、アリスちゃん・・・ほら」
その手助けも「自分ルールその4」に該当すると、怒る「アリス」。

「どうしてそんなことをするのですか!」
彼女は「アテナ」と出会った場所からやり直すからと、「ついて来ないでください」の言葉を残してすたすたと立ち去ってしまいます。
「でっかい頑固」ですね。・・・それも「アリス」の魅力のひとつではあるのですが・・・。

「ぁ・・・アテナさんだ・・・」
「藍華」と練習中の「灯里」。その途中の水路で寂しげに道の向こうを見る「アテナ」の姿を見かけます。

そして一方、来た道をずんずんと引き返していく「アリス」。
---
・・・どうして私なんかに構ったりするのだろう。私のことより、自分のドジッ娘をなんとかしてほしい』
いつしか足取りが重くなり、とぼとぼという感じに難関ポイントへ辿り着いた「アリス」。しかし、時は既に夕暮れ。道の影はすっかり伸びて、難関ポイントは姿を消していました。
「何これ・・・簡単すぎ。・・・バカみたい
昼間の「アテナ」のお節介を思い返す「アリス」。彼女は言っていました「アリスが嬉しそうだから自分も嬉しい」・・・と。
沈む気持ちのまま「オレンジぷらねっと」へと足を進める「アリス」。そんな彼女の前に大きな運河を渡る石橋が、先ほどとは別の難関ポイントが姿を見せます。
「ぅぅ・・・そうこなくっちゃ。これでこそやりがいというものが・・・
ぽつんぽつんと1~2メートル毎にある小さな石のオブジェ。その影だけが頼りの難所に挑もうとする「アリス」。と、そこへ「灯里」の緊張感のない声がかけられます。
「・・・アテナ先輩」
さっきそこでアテナさんに会ってね、今、練習を見て貰っているの。・・・アリスちゃんも早く着替えておいでよ。一緒に練習しよう」
自分なりの「カンツォーネ」を歌う「アリア社長」、ゴンドラに乗ってこちらを見つめる「藍華」、失礼な言葉で別れたのに笑顔を向ける「アテナ」。・・・その表情を見た「アリス」は、心の中に新たな「自分ルール」を作りました。
「先輩方、邪魔しないでください。ここが最後の・・・でっかい障害なんですから
大きな声で宣言をして、一歩、また一歩と後ずさっていく「アリス」。そして、走ってきて勢いをつけると・・・。
「えいっ・・・ふっ・・・はっ・・・ほっ・・・はいっ・・・」
リズム良くジャンプを繰り返す「アリス」。その姿をじっと見つめる「アテナ」は、彼女のバランスが崩れたのを見るとすぐにオールを傾け、石橋ギリギリまでゴンドラを寄せます。
「ぁぁああっ・・・」
なんとか転倒はまぬがれたものの、膝をついてしまう「アリス」。その足下には石橋まで寄ってきた「アリス」の影が重なっていました。
「どうして・・・どうしてまたそういうことをするんですか、なんですか・・・正義の味方気取りですかっ
その本心に気づきながら、ちょっと頬を紅く染めながらも「アテナ」に食ってかかる「アリス」。その言葉に「アテナ」はあくまでも優しく、彼女の言葉でゆっくりと言葉を返します。
「ううん、違うの。正義の味方気取りじゃなくって・・・私は、アリスちゃんの味方気取りなの。・・・ほら、ゲームで言う隠れキャラみたいな。ちょっと困ったときなんかに見つけて、ラッキー♪みたいな。・・・それとも、やっぱり他人だから手助け禁止?
想いに気がつき、言葉で確信して。・・・ゆっくりと立ち上がった「アリス」は、「アテナ」に対して正面を向きます。
アテナ先輩・・・新しいルールです。・・・自分ルールその5、アテナ先輩は他人じゃないから、手助けして貰っても構わない・・・さっ、とっとと帰りますよ。お暇みたいですから・・・この後しっかり練習に付き合って貰いますね、アテナ先輩」
後輩の言葉に「はい」とうなずき、あの「カンツォーネ」を口ずさむ「アテナ」。歩く「アリス」と併走して彼女はゴンドラを巧みに操ります。
「・・・カーイ ノォー ライサンスェー・・・ハイ トゥ シャー ファースーレー・・・」
この歌を聴くのは初めてだと感想を言い合う「灯里」と「藍華」。歌詞の意味はよくわかりませんが、気持ちが明るくなると彼女たちは感じました。
「気持ちが・・・明るく・・・」
自分自身がどんなときに、この歌を聴かせてくれたのか思い出す「アリス」。
優しく私を見つめる「アテナ」の目は、ずっと彼女を見守ってきました。
『・・・アテナ先輩は・・・いつだってずっとずっと私の味方だったんだ。・・・そう、本当の・・・私にとって特別の・・・味方』

「アイ」ちゃんの言葉ではありませんが、とっても素敵な「アリス」と「アテナ」。「灯里」と「アリシア」の関係や、「藍華」と「晃」の関係とも違う、なんだか親子のようなふたりの関係。このふたりは「オレンジぷらねっと」の「でっかいパートナー」になっていくでしょうね。(^_^)。

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ツバサ・クロニクル_TV35

第35話「ふたつのキオク」

前回の予告ではラブラブな「小狼」と「サクラ」の姿が予想できました。話の展開はやや重めですが、このふたりの関係は「要チェックやでぇ~っ!」。(^_^)。

見つめ合う瞳、何を思うのかお互いに一歩も動かない「夜叉王」と「阿修羅王」。
「小狼」はふたりの様子がおかしいことに気がつき、「どうしたんだろう」とつぶやきます。
---
同時刻。戦いが繰り広げられる月の城とは対照的に、静かな「阿修羅王」の宮殿。しかし、その寝室で寝入る「サクラ」の全身からは淡いピンクの光が漏れこぼれていました。
「・・・ここは・・・どこ・・・?」
寝言を言う「サクラ」でしたが、彼女の意識は夢の中・・・この次元の過去へと飛んでいました。

キィーン、カキッ・・・
鳴り響く剣と剣がぶつかり合う音。そこは月の城の戦場。戦っているのは「夜叉王」と「阿修羅王」でした。
「あぁっ・・・」
思わず声を漏らす「サクラ」。彼女の目の前で「阿修羅王」の斬撃が「夜叉王」へと届き、右目を押さえる手のひらから幾筋もの血が流れ出していきます。
「夜叉王・・・やはりお前は・・・」
斬りつけた「阿修羅王」の方が驚き、立ちすくむ一方、冷静に彼女へと言葉を返す「夜叉王」。

ふたりの関係を未だに知らない「サクラ」には、それは不思議な光景へと見えます。
---
さらに場面は転換し、見覚えのあるここは「阿修羅王」の宮殿内。そこで彼女は、この場所では会うはずのない「夜叉王」の姿を見つけます。
「・・・どうしてお前がここにいる・・・月の城でしか相まみえることのないお前が・・・」
「阿修羅王」の言葉に少しだけ笑顔を見せる「夜叉王」。
その表情に納得した「阿修羅王」は一歩ずつ「夜叉王」の元へと駆け寄り、やがてふたりは熱い抱擁を交わします。
ふたりの姿を意識の中で見つめる「サクラ」。途中、彼女の視界を「サクラの羽」がかすめて流れていきました。
もうひとつわかりにくい「夜叉王」と「阿修羅王」の関係。彼女が口づけの最中に流した涙は、決して結ばれることのない自分たちを考えての涙でしょうか・・・。

「今度はとどめを刺すつもりで来い」
わざわざ「小狼」の元に再開の約束を伝えに来る「黒鋼」。今だ「阿修羅王」達ふたりを見つめる「小狼」は、彼の言葉に無言で応えます。そして間もなく、月が中天へと昇り、今宵の戦いは幕を閉じていきました。
「傷は?」
声をかけてきた「阿修羅王」に大丈夫ですと返す「小狼」。傷の痛みなど乗り越える彼の思いが「阿修羅王」にも伝わってきます。
「それが、小狼が望む強さ・・・なんだな」

「小狼」を頼もしそうに見つめつつも、どこか寂しげな「阿修羅王」の眼差し。やがてその瞳は、遙か上空の「月の城」へと注がれていきました。
※表情で感情を表す「阿修羅王」と「夜叉王」。見事な演技・・・なのですが、感想には書きにくい。(^^;)。

「あ、あたし・・・ずっと寝ちゃってた!?」
ようやく目を覚ました「サクラ」。しかし、意識の中で見かけた光景は忘れてしまった様子。

そこへ「月の城」の戦いから戻った「小狼」が駆けつけます。しかし、彼の傷ついた姿を見て驚いたのは「サクラ」。「モコナ」から「月の城」の戦いに赴いていたことを聞かされた「サクラ」は心配そうに「小狼」を見つめると、自分に隠し事はしないで欲しいと彼に話します。
「お願い・・・辛いのを隠さないで。何も出来ないけれど・・・せめて心配だけはさせて」
傷口に手を当てて、少しでも「小狼」の痛みを和らげてあげようとする「サクラ」。
その行為に「小狼」は、自身の心が癒されていくのを感じます。
「月の城で・・・ファイさん、黒鋼さんと似た人にまた会いました」
「桜都国」で手に入れた刀を「黒鋼」に似た人は持っていたと告げる「小狼」。でも、彼等は自分を見ても何も反応を返さなかったと「小狼」は言葉を続けます。
「・・・それにふたりとも、瞳が黒かったんです。・・・あのふたりはこの世界にいる同じ魂を持つ別人なのかもしれません
※映像ではわかりにくいところもありましたが、確かに両者とも瞳の色は黒でしたね。

「想定範囲外の世界に・・・移動してしまいました」
まるでテレビ放送終了時の画面のように、砂嵐が広がるスクリーンを前にして苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべる「星火」と「飛王」。本来なら映し出されるはずの「小狼」達の姿が、今のスクリーンには何も表示されていません。
「これまではこちらの思い通りの世界に彼等を落とせていたというのに・・・」
「適度に安全な世界に・・・ですね」
「星火」の言葉に、「飛王」もまた言葉で肯定して見せます。
「死なれては元も子もない。あれはこの旅の計画のために生み出したもの。・・・あの遺跡に埋まる物を手に入れるため、働いて貰わねばな」
「けれど、あの魔女が黙っていないでしょう。・・・現に彼女のせいで、旅を操作できなくなりました。場合によっては死に至る恐れすらある。・・・勝てますか?・・・あの『次元の魔女』に
言われて頭に浮かぶのは「次元の魔女 侑子」。そして彼女の背後に現れる姿は大魔術師「クロウ・リード」。
「勝つために打てる手は全て打ってある。・・・それでもあの魔女には完全ではない。我が血筋である『クロウ・リード』が唯一認めた魔力を持つ女。次元を越え、人を異世界へ運ぶ術を知る女。しかし・・・あの力はこの手に掴む!・・・思ったよりも出番が早くなるかもしれんな
そう口にする「飛王」の視線の先には、左目に眼帯をはめ、「小狼」によく似た謎の少年が封印されていました。
※彼等の言葉が真実であるのならば、わかったことが下の3つ。
 ・次元の旅は全て「飛王」達の思惑通りに進められ、今回の移動は想定外であること。
 ・明確に次元の魔女「侑子」と敵対していること。恐らくは「侑子」側も「飛王」達のことを知っている。
 ・「飛王」と「クロウ・リード」は同じ血族の者であること。

急に右目に痛みを覚える「小狼」。「どうしたの?」という「サクラ」に問われるままにそのことを告げると、なんと彼女は「小狼」の右目へとキッス!
「サ・・・サクラ姫!?」
「チューだあぁああっ!・・・おめめにチューッ!!
からかう「モコナ」に照れる「サクラ」。彼女自身も無意識のままに、当たり前のように「小狼」に口づけを交わしていたのです。
しばし硬直のふたり。その姿を見つめる「阿修羅王」は、自分とあの人の関係を思い出し、ひとり口に出します。
「・・・私も心を決めねばならぬ。・・・このふたりの未来のためにも・・・」

そして見つめるのは月の周りを変わらず浮かび続ける「月の城」の姿。
---
さっきのチュー、『体のキオク』かもしれないね。・・・侑子が言っていたの。キオクにはふたつあるんだって。『心のキオク』と『体のキオク』・・・心はもちろん凄く大事だけれど、体も大事なんだって。時には心が忘れても、体が憶えていることもあるんだって。・・・だから何だかわからないけれど、サクラが痛いおめめにチューしたいって思うのは、羽が飛んじゃって忘れちゃったことがあっても、体が覚えているせいかもしれないね。・・・だからね、羽が全部戻るまで、『体のキオク』がサクラを助けてくれるよ
その言葉に、優しく「モコナ」を持ち上げてお礼を言う「サクラ」。ふたりを見ながら「小狼」も笑顔を見せるのでした。
今日の「モコナ」は饒舌!・・・たまに口を開くと良いことを言いますね。(^_^)。

街へと馬を進めた「小狼」。その間、「サクラ」はちょっと寂しいお留守番。
「・・・小狼って無茶ばかりするの。怪我とかしても全然気にしないの。サクラ・・・いっぱい心配しているのにね」
「モコナ」の言葉に理解を示しつつも、「小狼」の行動もわかるという「阿修羅王」。
強い望みを持つ者は、その望みが叶うまでは己を顧みない。・・・それ故に強い。しかし、見守る者は辛かろう・・・特に小狼は・・・。いや、それより湯浴みでもどうだ?」
お風呂でも浴びて気分をリフレッシュしたらどうかという「阿修羅王」の言葉に喜び踊る「モコナ」。そしてその後ろを「サクラ」もついて行きます。
「・・・気づいていないのなら告げる必要もないだろう、小狼が何者なのか。・・・のう、魔女よ?」
ゆっくりと後ろを振り返る「阿修羅王」。するとそれでまでは涼を取るための装飾かと思われた足下に広がる水面に「次元の魔女 侑子」の姿が映像として浮かび上がります。
「・・・そうね。・・・不老の酒、対価として確かに頂いたわ」
次元を越えた通信を行う「侑子」と「阿修羅王」。どうやら「阿修羅王」は酒を対価に「侑子」に何かを依頼したようですが・・・。
「あなたの依頼がなければ、手遅れになっていたかもしれないわ。モコナを強制移動させて、あの子達をあなたがいる次元に落とす。これがあなたの願い。・・・そしてそれによって、『あの男』が作った予定調和の世界への移動は終わった。・・・これで、『あの男』のコントロールはもう効かない
どうやら「小狼」達が「紗羅ノ国」から「修羅ノ国」へと移動したのは「阿修羅王」の依頼による「侑子」の仕業だったようです。
「魔女というのは、縛られる物が多いのだな。人の願いを通してしか動けないとは・・・」
「制約がなければ、全ては崩壊へと突き進むだけよ。・・・『あの男』の意のままにさせるわけにはいかないの。・・・阿修羅王、あなたの本当の願いを叶えるための対価は・・・重すぎる。だから、あとは・・・あなた次第よ」
その忠告に耳を傾けたのか、真摯な瞳で「侑子」を見やる「阿修羅王」。果たして彼女の決断は・・・。
※まさか「次元の魔女 侑子」が事態の急転に絡み、「阿修羅王」も彼女と通じていたとは・・・。只々驚きです。(!_!)。

「・・・ひとりは黒い髪でもうひとりは金髪。・・・ふたりとも身長はこれくらいか」
城下町へ「黒鋼」と「ファイ」を探しに来ていた「小狼」。どうやらふたりを見かけた人はおらず、城へと戻ろうとした時・・・再び彼の右目は激しい痛みを発しました。
「おい、大丈夫か!?」
かけられた声に「はい」と応えたものの、起き上がることは出来ず右目を押さえたまま顔を横へと向ける「小狼」。するとそこには鏡があり、あの悪夢のように・・・合わせ鏡のように左目を押さえた「小狼」が何十人も映し出されています。
「なんだ・・・!?」
自身の・・・いえ、左目を押さえた少年の姿に動揺する「小狼」。その姿が何を意味するのか、今の彼には知るよしもありません。
---
「・・・今宵の出陣は、私と小狼のふたりだけでよい」
「阿修羅王」の言葉に、最後まで同行を希望した家臣の「倶摩羅」。その熱意に負けて「阿修羅王」は同行を認めはしますが、ただひとつ、彼に条件を出します。
「今宵何が起ころうと、取り乱してはならぬぞ」

その真意がわからず戸惑う「倶摩羅」。一方、目の痛みから立ち直った「小狼」は自身の体調が完全でないことを自覚しながらも、それを表情ひとつ外へは出しません。
「・・・そうやって飲み込むばかりでは、見ている誰かが悲しむだけだ。秘めるばかりでは何も変わらん。・・・・・・では、参るか」
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「月の城」へと到着した「阿修羅王」達3人。そして、既に待っていた「夜叉王」も配下は「黒鋼」と「ファイ」のふたりだけ。そう、今宵の戦いが特別なものになると自覚したのは、「阿修羅王」達だけではありませんでした。
※決意を決めた「阿修羅王」が何らかの手段で「夜叉王」に連絡をしたのか。そういうことをしなくても通じるふたりなのか・・・。

「だああぁああぁっ!!・・・よう、ガキ。・・・言っただろう、今度はとどめを刺すつもりで来いって
大上段から振り下ろした「蒼氷」で「小狼」へと斬り合いを挑む「黒鋼」。「緋炎」で受け止める「小狼」ですが、その刀を返せるほどの実力は、今の彼にはまだありません。そして、そのとき・・・彼の意識に別の誰かが宿ろうとしていました。
「何だ・・・手が・・・!?」

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謎の世界。封印されている左目に眼帯をはめた少年。彼の両手が「小狼」とシンクロするかのように、ゆっくりゆっくりと持ち上がっていきます。
---
自分に湧く力に驚く「小狼」。それは幻覚でもなく、確かに彼の手が勝手に動き「黒鋼」の刀をはねのけたのです。
※「左目に眼帯をはめた少年」は、やはり「小狼」の同じ魂を持つ別人なのでしょうか。でも魂はひとつだけなんですよね・・・。

ひとり「夜叉王」へと足を進め行く「阿修羅王」。ゆっくりと宙を舞い、お互いの手が触れ合うほどの位置まで、彼女はやってきました。
「夜叉王・・・決着をつけよう」
その言葉に、向けられた刀に、無言のまま反応する「夜叉王」。

---
「サクラ・・・?」
同時刻。「モコナ」の呼びかけにボーッとして応じない「サクラ」。彼女の意識はどこに飛んだのか・・・。
---
「私は・・・己の願いを叶える」
炎を纏って「夜叉王」へと突き立てられる刃。互いに触れ合い、抱き合うように近づく「阿修羅王」と「夜叉王」。

「・・・私がつけた傷だな」
左手で「夜叉王」の髪をかき上げ、ゆっくりと口づけをする「阿修羅王」。そして「夜叉王」の右手もまた彼女を抱きしめ・・・やがて彼の姿は金色の光を発していきます。
「・・・」
浮かぶ涙に煌めく光の渦。その姿が確認できないほどに眩くなった瞬間・・・「夜叉王」の姿は光の渦の中、天へと伸びていき・・・ひとつの蒼い宝石へと姿を変えます。
「あれは・・・」
「宝石」の中に「サクラの羽」を確認する「小狼」。
そして「宝石」の足下では「阿修羅王」が、自身が倒した「夜叉王」を慈しむように、抱きかかえた姿のまま・・・鎮座するのでした。

今日は一気に急展開といった感じ。やや説明不足に感じるところは、今後説明があるのか、原作でもこれくらいの情報量なのか。
「小狼」と同じ姿形をした少年はシンクロ開始?、「飛王」と「次元の魔女 侑子」の敵対関係、無言のまま「阿修羅王」に刺され、「サクラの羽」を内包した宝石へと姿を変えた「夜叉王」・・・。
謎は色々と尽きませんが、来週で「修羅ノ国」編は終了のようです。宝石に姿を変えた「夜叉王」については、そこで回答が示されることを信じて、待て来週!

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ARIA THE NATURAL_TV12

第12話「その 逃げ水を追って…/その 夜光鈴の光は…」

今日の「ARIA」は2本立て。あなたの心も2倍癒せるかも、かも、かもーっ! (by 苗木野そら(嘘

【逃げ水編】
すっかり夏を迎えた惑星「アクア」の都市「ネオ・ヴェネツィア」。ひまわり咲き誇る花園に青い空の背景は、まるで日本の夏のよう。そして暑さも日本の夏並みで・・・。
「はぁうっ・・・へっ?」
思わずボーッとなってしまう「灯里」。その視線の先には海上の幻、蜃気楼の姿が見えていました。
「何もない海の上に・・・建物が」
初めて現象を目にして驚き慌てふためく「灯里」に「蜃気楼」を説明してあげる「アリシア」。科学的な説明を耳にしても、摩訶不思議な現象は「灯里」の心に焼き付けられます。
---
午後2時か・・・一番暑い時間帯ですねぇ。・・・頑張って、お夕飯の買い物に出発しましょうか」
気怠い午後、「アリア社長」を連れて買い物に出かける「灯里」。周りを見渡しても今日が一番の暑さであることは疑いようもなく、彼女は自分が今見ている景色が真実なのかも判断がつかなくなってきていました。
「・・・蜃気楼・・・?」
気がつけば足下に居たはずの「アリア社長」の姿も、そこにはなく、目にするのは不思議な光景の数々。時期尚早の夜光鈴、誰も歩いていない昼間の町並み、世界に自分ひとりしか居ない感じ・・・。
「誰もいない・・・あれ、さっきの時計も2時だったような・・・
※この光景に「うる星やつら」の「ビューティフルドリーマー」を思い出してしまう私・・・。(^^;)。

足を止める理由もなく、ただひたすらに歩き続ける「灯里」でしたが、その視界にひょこひょこと歩く「アリア社長」が目に入ります。
『どこに行くんだろう・・・あ・・・そうか、きっと涼しいところだ・・・ネコさんは涼しいところを見つけるのが得意なんですものね・・・
何の目的で街に出たのかも忘れてしまった「灯里」は、ただ涼しいところに行きたいという思いのみで「アリア社長」を追いかけます・・・が、行けども行けども短い足を持った(失礼 、「アリア社長」に追いつくことが出来ません。
「えっ・・・・・・喫茶店・・・」

ふいに聞こえる風鈴の音。ハッと顔を上げた「灯里」の前に、ネコの姿が描かれた喫茶店の看板が顔を出しています。
「・・・アリア社長!?」
そこには、カウンターでくつろぐ「アリア社長」と、午後2時を指し示した柱時計、帽子で顔を隠した謎の客人、ターバンを巻いた店の主人が居ました。
「いらっしゃい、どうぞこちらへ。・・・涼しいでしょう、ここは特別な場所ですもの」
そのお店唯一のオーダー、アイスミルクを堪能する「灯里」。一息ついた彼女は、店の主人に自分が体験した不思議な出来事を話して聞かせます。
「・・・私、さっきまで白昼夢を見ていたんです。気がついたら、街中の人が居なくなっていて・・・思わず夢の中に迷い込んじゃったかと思っちゃいました・・・」
話を笑いながら聞き入る主人。彼はグラスを拭いた手を止めると「灯里」の方を向き、「逃げ水みたいね」と言葉を返します。
「・・・逃げ水?」
「そう、蜃気楼の一種よ。・・・水もないのに地面が濡れたように見える現象ね。近づこうとすると、どんどん遠くへ逃げてしまうからそう呼ばれている。・・・決して追いつくことが出来ない、夢うつつな幻。・・・でも、もしもその逃げ水に追いついてしまったらどうなるのかしらね
店主の言葉に顔をあげる「灯里」。その目には午後2時を指し示した柱時計。そして耳にはネコの形をした風鈴の音が涼やかに鳴り響いていました。
「2時・・・」
「そうね、今が一番暑い時間帯ね。でも大丈夫、涼しく過ごせるわよ。・・・だってここは・・・特別な場所だもの。おっほほほ・・・」
思わず目を見張る「灯里」。彼女の後ろには何十も、いえ百を超えようかというネコの視線が集まっていました。そしてよくよく見れば店主の目もまたネコ目・・・。
「アイスミルクはこちらがご馳走してくださるそうよ。ここは夏の間、私たちが涼を取るための秘密の隠れ家。・・・お嬢ちゃんたち人間が決して追いついてはいけない場所よ、本当はね。・・・だからそれを飲んだら、そろそろお帰りなさい」
なんかこちらまで涼しくなってきましたよ・・・。((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル・・・。

すっとカウンターを降りて出口に向かう「アリア社長」。慌てて「灯里」もその後を追いかけます。そして、喫茶店の出口で振り向いたとき、彼女にアイスミルクをご馳走してくれた客人が、帽子をあげて彼女に挨拶をしました。その姿は・・・幾度となく姿を見せてきた「ケットシー」。
「ご馳走様でした」
頭を下げた「灯里」が、その顔を上げたとき。喫茶店だった場所は廃屋へと変わり、彼女は日常へと戻されていました。これは、ネコが見せていた幻・・・白昼夢だったのでしょうか。彼女の問いかけに「アリア社長」は、口にくわえたストローで返事を返すのでした。

【夜光鈴編】
惑星「アクア」の海で取れる「夜光石」がほのかに光放つ「夜光鈴」。その音色は、暑い夏を少し和らげてくれます。
「・・・そういえば、夜光鈴の市が立つのって今日からでしたよね
お客様から「アリシア」がいただいた「夜光鈴」を見て、そう口にする「灯里」。その言葉に「アリシア」は「素敵な夜光鈴がたくさんあったわよ」と彼女を市へと薦めます。
---
「今年もいっぱい屋台が出ていますねぇ・・・あ、藍華ちゃんも来ていたんだ」
店先で「藍華」と思わずぶつかる「灯里」。おっちょこちょいな彼女の行動はいつもと同じと、「藍華」は気にもとめずに「夜光鈴」見物を続けます。
リーン、リリーン・・・
まるで自分を呼んでいるかのようなピンクの「夜光鈴」を目にとめた「灯里」。何の迷いもなくそれを購入
し、上機嫌に「藍華」に報告します。
・・・なんか不思議な感じがしたの。とっても懐かしい人に呼び止められたみたいな・・・まだ夜じゃないのに私の心の中にほんのり光が灯ったみたいな・・・」
「恥ずかしいセリフ、禁止っ!」
思わず手に取っていた紫の「夜光鈴」で突っ込みを入れる「藍華」。当然、こちらは彼女のお買い上げに。そしていつの間にか隣に来ていた「アリス」も黄緑色の「夜光鈴」を購入。
※それぞれのイメージカラーですね。・・・にしても本当、「灯里」は恥ずかしいセリフがポンポン出るなぁ。(^^;)。

お買い物の後は「ARIA COMPANY」で一休み。「アリシア」が用意してくれたスイカに舌鼓を打つ「灯里」達。これも夏の風物詩。
---
夜の「ARIA COMPANY」でふたつ並んだ「夜光鈴」。その涼やかな音色は心を優しく癒してくれます。
「そうだ・・・」
思い立ったが吉日と、「アリア社長」を連れてゴンドラへと乗り込んだ「灯里」。「夜光鈴」の輝きと共に、素敵な夜のティータイム。
「この出会いに乾杯・・・」
その日から「夜光鈴」は「灯里」のお供をすることとなりました。
昼の練習、夜のお茶会、お風呂場の中で、店先で、夕方の灯里に包まれながら・・・。
「夜光鈴」との日々を楽しむ「灯里」。そんな幸せな日々にも、いつしか別れの時が訪れます。
※本当に「懐かしい人に呼び止められた」のかも。「灯里」ならあり得るなぁ。

「光が・・・弱まっている」
「そろそろ、寿命みたいね。夜になったら、お別れの船を出しましょう」
まるで「蛍」のようにほのかな光を放出する「夜光石」。しかし、その寿命もまた「蛍」と同じく、短きものでありました。
「寿命が来た夜光石は、その最後の輝きを見送りながら、海に帰してあげるのが慣わし・・・
今年の夏を彩った「夜光鈴」も、ゆっくりと最後の時を迎えようとしていました。「ネオ・ヴェネツィア」各地から、「夜光鈴」お別れの船が集まってきます。
「毎晩こうやってアリア社長とティータイムをしていたの?」
「はい。この子のお陰で、凄く優しい時間を楽しめました」
振り返り、船の穂先に取り付けた「夜光鈴」を見やる「灯里」。やはりその表情はどこか寂しそうに「アリシア」からは見て取れます。
---
「おっ、今年もタイミングピッタリだったな」
「あ、灯里ちゃんよ・・・」
自然と「灯里」達の方にゴンドラを寄せ合う「晃」と「藍華」、「アテナ」と「アリス」のゴンドラ達。彼女たちの「夜光鈴」も、今宵お別れの時を迎えたのです。
「タント・グラッツェ・・・」
各地で交わされる別れの挨拶。海へと落ちる「夜光石」が、深海へと優しい光の道筋を表していきます。

その中、「灯里」の「夜光石」もついに海へと落ちていきました。優しいピンクの光を残して、去っていく「夜光石」。・・・しかし、彼女は小さなおみやげを「灯里」へと残していったのです。
「アリシアさん、これって・・・」
鈴の先に小さくついた涙色の結晶を見せる「灯里」。その結晶を見た「アリシア」は思わず声を上げてしまいます。
「それって、夜光石の結晶よ・・・凄いわ灯里ちゃん」

一夏を過ごした「夜光石」がお別れをしたくないと残していった物か。その姿を見た「灯里」の目から、暖かな涙がこぼれ落ちます。
※「灯里」はおみやげを貰えましたが、これは良い別れですね。一夏という短い期間を「夜光鈴」と過ごした人達。今までありがとうという想いを込めて、生まれ育った海へと帰していきます。

「灯里、フラッペの差し入れぇっ!」
遠くで自分を呼ぶ「藍華」に手を振って答える「灯里」。「アリア社長」と乗ったゴンドラの船先には「夜光石」の結晶が新しい音色を聞かせていました。

これぞ「ARIA」の真骨頂。前半の背中が涼しくなる展開も楽しめましたが、私はやはり後半、それも「夜光石」が最後におみやげを残して去っていった箇所に尽きます。
人が生き死にするわけでもなく、世界を舞台にした大きな冒険があるわけでもない。それでも「ARIA」の作品に心惹かれるのは、やはり小さな奇跡の結晶。自然と流れた「灯里」の涙は、彼女の心を、彼女の思いを緩やかに頬へと伝えていきます。そして、それが世界をほんの少しだけ幸せに変える。・・・こういう文章が自然と出てくるのも「ARIA」ならではの魅力ですね。(^_^)。

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ツバサ・クロニクル_TV34

第34話「終わりなきイクサ」

先日のワールドカップ「日本VSオーストラリア」戦は非常に残念な結果に終わりました。今夜行われる「日本VSクロアチア」は非常に大切な1戦。今度こそ勝利を手にして欲しいものですね。
さて「ツバサ・クロニクル」の世界ではサッカーではなく本当の戦いが花盛り。国家間の争いをスポーツで代替できれば良いのですが、残念ながらそうもいかないようです。

金色に包まれた「阿修羅」、そして蒼色に包まれた「夜叉」。このふたつの像の影響か、「紗羅ノ国」上空では空間がねじ曲がり、巨大な亀裂が出現していました。
不安そうに空を見上げる人々、像の力に感応したか倒れ込む「サクラ」。
今は「夜叉」側にいる「黒鋼」と「ファイ」も不思議な事象を前にして思うのは「サクラ」の能力のこと。ようやく駆けつけた「蒼石」の前で、彼らふたりは空の亀裂を見てつぶやきます。
「とんでもねえ殺気の塊だ・・・」
「空の向こうにね。・・・近づいてきている」

---
一方、「サクラ」を助け起こした「小狼」の前に姿を見せた「鈴蘭」。彼女は地震、空の亀裂などは「阿修羅」像のせいではないと像の前で否定して見せますが・・・。
「・・・違う、絶対に阿修羅様のせいじゃない。でないと・・・本当にもうあの人に・・・会えなくなっちまうよ
自身の立場と愛しき人への思い。出口の見えない思いに潰されそうになった「鈴蘭」から、ひとしずくの涙がこぼれ落ちます。
そして、その涙と思いを「阿修羅」が受け止めたとき、その表面の怪しい文様が輝き始め、第三の瞳が目を開けました。

※かつての自分の立場と同じような「鈴蘭」の思いに共感したのでしょうか・・・。

凄まじい光の奔流が「阿修羅」から立ち上り、天井を貫いて上空へと流れ込みました。そして「夜叉」もまた呼応し、あわせて2本の光束が天空の亀裂へと注がれます。
「あぁ・・・」
光を受け、クリアになっていく亀裂の奥。そこには巨大な惑星、円を描く月の表面が映し出されました。
「あれは・・・」
「モコちゃん!」
見上げる「小狼」と「サクラ」の前で、時空を超越するときのように羽を広げる「モコナ」。
「この世界に・・・羽・・・無い。でもあの世界に・・・ある」
言葉と同時に「小狼」と「サクラ」を包む「モコナ」の魔法陣、それは同時刻、「黒鋼」と「ファイ」の足下にも出現
していました。
「次の世界に移動するのか!?」
戸惑う「小狼」達を包み込み、彼らの姿は「沙羅ノ国」から消えていきました・・・。
---
時空を貫くゲートの中で、不思議な光景を目にする「サクラ」。
長髪の美男子と特徴的な耳を持った美女。月の近くをゆっくりと漂う空中城。先ほどのふたりか、抱き合い見つめ合うシルエット・・・

※見つめ合うふたりの姿は「阿修羅」と「夜叉」・・・でしょうね。

「小狼」の声に目を開ける「サクラ」。ふたりと「モコナ」が現れた場所は、岩だらけの殺風景な荒野でした。
「・・・子供か?」
彼らの前に姿を現した、ひとりの女性。馬のような生き物に跨り、特徴的な耳を持ち、美しい黒髪を足下まで垂らした美女。
「こんなところに、どうして居るのだ?」
彼女の言葉が聞こえた瞬間、まるで今、そこに現れたかのような戦いの気配に「小狼」は気がつきます。見ると、辺り一面で戦い続ける人々の群れ。そう、ここは戦場だったのです。
「阿修羅王、お怪我は?」

駆け寄る部下に「無い」とひと言返す美女。その名前に、その特徴的な耳に、「小狼」と「サクラ」は「阿修羅」像の姿を思い浮かべます。
「また決着がつかないか・・・。夜叉族と」
そうつぶやき、小高い丘を見やる「阿修羅王」。その視線の先には「夜叉」と、「小狼」達が見知った顔が馬に跨り戦況を眺めていました。
「黒鋼さん、ファイさん!?」
※ちょっと雰囲気が違う「黒鋼」と「ファイ」のふたり。「小狼」の言葉に無反応だからでしょうか。

「月が昇りきった。今日の戦いはこれまでだな」
そう「阿修羅」が口にしたとき「小狼」達は信じられない光景を目にします。先ほどまで戦い続けていた人達、その相手側が一斉に視界から消失・・・いや、周りの風景までもが一変してしまいます。
「あれあれ・・・なんか、さっきと違うところに来ている?」
「モコナ」の言葉通り、戦場から消失したのは自分たち自身の様子。それでは先ほどまで戦っていた場所は?
「あの場所に居られるのは、月が中天に昇るまで。それが過ぎれば我々は追い払われる・・・。
確かにあそこにあるのに、月が夜空に現れ天心に昇るまでの間のみ、我々はあそこに招かれる」
そう言って天を見上げる「阿修羅王」。確かに月のそばに、ゆっくりと漂う空中城の姿がありました。あまりに不思議な体験に、今起きたことを口にして確かめる「小狼」達。しかし、この世界の常識を知らない彼らの姿は、周囲から見れば怪しい姿に思えます。
「何をとぼけている?・・・月の城の戦いを知らぬとは何が目的だ。・・・まさか、夜叉族の手の者か!?
きつい口調で質問される「小狼」達。しかし、この場は「阿修羅王」が「夜叉族であれば漆黒の瞳を持つはず」と彼等をかばいます。
「その子供達を我が城へ。・・・客人として招くのだ
※突如戦場へと姿を見せた「小狼」達に興味を惹かれたのでしょうね。そして「漆黒の瞳」という重要なポイントがひとつ。先ほどの「黒鋼」「ファイ」の違和感は、漆黒の瞳だったからかな。

「阿修羅城」へと招かれた「小狼」達。出てきたご馳走に「モコナ」は大満足ですが、「小狼」と「サクラ」の話題は「黒鋼」達が本物だったのかということへ。
「・・・本人だとしたら、どうして俺たちを見て何も反応がないのか」

---
なぜか「クロウ国」と同じ楽器を持っていた「阿修羅王」に、弾いて聞かせてみせる「サクラ」。その音色に感じ入った「阿修羅王」は、美しい舞を披露して見せます。そしてその姿を堪能しながらも「モコナ」に「サクラの羽」を確認する「小狼」。するとどうやら、天空城に力を感じるとの答え。
---
翌朝。最近「サクラの羽」が回収できていないからか、眠り姫となっている「サクラ」を置いて「阿修羅王」と食事を共にする「小狼」と「モコナ」。
「ところで、ここは『修羅ノ国』というのですね。・・・『夜叉族』というのは?」
やはり「夜叉族」とは長きにわたり戦争をしているとの回答を得た「小狼」。ここは「沙羅ノ国」の過去の姿なのか・・・。
「夜叉族も、月が中天に昇りきるまでの間だけ、あの城の中に招かれるらしい。・・・遙か古から、あの城を手に入れて望みを叶えるために、私たちは戦いを続けている。・・・望みのない者などいない。もし、自分には何の望みもないという者が居たら、それは己の心の奥を知らぬだけだ」
彼女が語るとおり「望みのない者」などは存在しない。現に今、「小狼」がこうして旅しているのもまた・・・。
「お願いがあります。俺を・・・月の城へ連れて行って欲しいんです」

その真摯な瞳、その決意に惹かれた「阿修羅王」。彼女は「小狼」を戦場へ連れて行くことを認めます。
---
「行ってきます・・・姫」
※「小狼」に「あなたの望みは?」と問われて回答をはぐらかした「阿修羅王」。恐らくは「サクラ」が時空を越えるときに見たシルエットが回答なのでしょうね。

「望みが叶うところを見たいから」と部下に告げて「小狼」を戦場へと連れ出した「阿修羅王」。さっそく移動した「月の城」にて「小狼」は馬に跨った「黒鋼」と「ファイ」に出会います。
「お前、奴らを知っているのか!?」
「あのふたりは強いぞ。恐らく・・・夜叉王配下で最強だ」
果たして「黒鋼」と「ファイ」は自分たちの仲間か、あるいは魂を同じにしたこの世界の住人なのか。
確かめるべく駆け寄る「小狼」へ剣を抜く「黒鋼」。その繰り出す技に一片の曇り無く、催眠状態に陥っているようではないようです。
「・・・急所は避けたようだが、今度はそうはいかねえぞ。破魔・・・竜王陣!」
「小狼」の知る「黒鋼」と同じ技、同じ武器「蒼氷」を使う「黒鋼」。彼は果たして「小狼」の知る人物なのか・・・?
手加減をして戦える相手ではないと、持つ武器「緋炎」の力を引き出して「黒鋼」と斬り合う「小狼」。しかし、流石に剣の師匠だけあり今の「小狼」に勝てる相手ではありません。
「・・・反応が遅い」
追い詰められ、剣先を向けられる「小狼」。その切っ先が彼を斬り倒そうと殺気を込められた時、「黒鋼」を「阿修羅王」の炎が襲い「小狼」は危機を免れます。
「らしくねえな、阿修羅王」
獲物を狩る瞬間を邪魔された「黒鋼」ですが、より強い相手に会うことが出来たと表情は明るいもの。続いて打ち込まれた巨大な剣撃も「黒鋼」は「蒼氷」にて真っ二つにして見せます。
「見事だな」
その言葉とは裏腹に、あの「黒鋼」に対して余裕すら感じさせる「阿修羅王」。さらに彼女を手助けしようとする部下を弓矢で牽制してみせる「ファイ」。そして満を持して登場し、地をも切り裂く技を見せる「夜叉王」。・・・戦いの役者はすべて出そろいました。
※あの「黒鋼」と互角に戦える「阿修羅王」、地をも切り裂く技を持つ「夜叉王」、どちらも「小狼」のレベルから見ても、とてつもなく強い相手です。(^^;)。

戦場で相対した種族の王「夜叉王」と「阿修羅王」。しかし、互いを見やる瞳に嫌悪や憎しみの感情は映し出されません。果たしてその瞳には互いの何が映し出されているのか・・・。

次週の注目は「夜叉王」と「阿修羅王」。幾世代も続いた戦いの連鎖、それを断ち切る唯一の希望は、このふたりの関係のように感じます。でも、もしもこの時代で仲良くなった場合、「鈴蘭」と「蒼石」の関係ってどうなるのでしょうね。
そして、もうひとつの注目は地上で光り輝いている最中の「サクラ」。予告を聞いた限りでは「小狼」との関係が一歩進みそうですが、ラブラブ展開を期待して良し?(^_^)。

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ARIA THE NATURAL_TV11

第11話「その 大切な輝きに…」

最近のテレビ東京は放送延長が多い!・・・負けないぞー。(^_^)。
というわけで(何が?)今日はワールドカップ「日本VSオーストラリア」が始まる前に更新だいっ!

それは「暁」のお兄さんが持ってきた「初めての体験」でした。
「・・・さてお嬢ちゃん、今日おいらが来たのは他でもない。弟から聞いた腕前を見込んで、是非お嬢ちゃんを指名させて欲しいんだ
なんと「ウンディーネ」としてはまだ「シングル」の腕前である「灯里」に、お客様からのご指名。
早速「アリシア」に報告すると、彼女は自分のことのように喜びます。
「今夜はガイドのポイントを予習しないとね」
ところが、この言葉には苦笑いの「灯里」
。実は、この話にはちょっとだけ裏事情がありました。
---
「・・・頼みたい仕事というのは、観光案内ではなくてネオ・ヴェネツィアンガラスの運搬なんだ
彼女のもたもたでとろとろ・・・もとい、丁寧なゴンドラ操舵の技術が「暁」のお兄さんに買われたというわけです。
---
「まぁ・・・それは任務重大ね。頑張って、灯里ちゃん」
とにもかくにも、初めてのご指名であることには変わりありません。「灯里」の希望により「アリシア」の同行も決まり、彼女の一大イベントが始まったのです。
※話がうますぎるとは思いましたが、大事なものを丁寧に運ぶのは人も物も変わりありません。頑張れ「灯里」!(^_^)!

まずは「ヴェネツィアンガラス」職人が集まる「ムラノ島」へと訪れた「灯里」と「アリシア」(もちろん「アリア社長」も)。初めての大仕事に緊張の彼女をほぐそうと、「アリシア」は彼女をガラスショップへと誘います。
「綺麗・・・」
店内を彩る「ネオ・ヴェネツィアンガラス」に見とれる「灯里」。そこには大晦日の晩に出会った「ガラスの豆」も置いてあり、彼女の心は解きほぐされていきますが・・・。
「これなんか良いんじゃないか」
「それなりに綺麗だけれど・・・。仕方がないわね。ネオ・ヴェネツィアも所詮、ヴェネツィアを模しただけの街だから」
「歴史の浅さはぬぐいがたい・・・か」
心ない観光客の言葉に、「灯里」の心は少し沈んでしまいます。

※悪気はないのでしょうが、その店を、商品を楽しんで見ている人達がいる店内で言うべき言葉ではありませんね。(T_T)。

「・・・ここが工房ですね」
いよいよ「ネオ・ヴェネツィアンガラス」を造っている工房へと訪れた「灯里」。職人達が汗を流して働く姿に、さきほどまで沈んでいた気持ちも少し回復。
職人のひとりに、この工房の責任者「マエストロ」を呼んで頂き、いよいよ荷物が「灯里」達に手渡されます。
「・・・とても丁寧に扱うんですね」

一枚一枚を紙に包み、工房の職人に大切に扱われている「ネオ・ヴェネツィアンガラス」。その姿を見た「灯里」の使命感もアップ。・・・ところが、ちょっと小難しそうな立会人に「灯里」は持っていた荷物の箱を取り上げられてしまいます。
「・・・このガラス達は、マエストロが精魂込めて造った僕たち職人の努力の結晶なんす。難癖つけられちゃ、たまりませんから」
唖然とする「灯里」の横を、「マエストロ」がすたすたと歩き去り、立会人をポカリ。
どうやら「灯里」は八つ当たりを受けただけのようですが・・・。
※先ほどの観光客のことでしょうか?

ゴンドラに乗ってからも元気がない立会人。つられて暗い表情を見せる「灯里」の裾を「アリア社長」が引っ張ります。
「・・・灯里ちゃん、ス・マ・イ・ル」

見上げた「灯里」に小声でアドバイスを贈る「アリシア」。その言葉に「はい」と小声で返事をした「灯里」は、自分が見て感じたままの工房の姿を語り始めます。
「私、ネオ・ヴェネツィアンガラスの工房って、今日初めて見たんです。凄いですよねぇ・・・ガラスって、ああやってふくらませるんですね。・・・これ全部、さっきのマエストロが造ったんですか?・・・ピカピカ、キラキラ・・・色々な色に輝いてとても綺麗です。宝物を運んでいる気分になってしまいますね
すると、やはり好きなガラスの話題だからでしょうか。少しずつですが立会人も話題へと参加してきました。
「ソーダ石灰っす。・・・鉛を含まないソーダ石灰を使用することで、あらゆる色を表現できるんです
ちょっとだけ元気を出した立会人と一緒に、「アリシア」お手製のおやつを食べる「灯里」達。彼も大分、元気を取り戻してきたようです。
「・・・まだ半人前なのに、指名を受けるなんて凄いっす。僕もいつかは、この人のワイングラスが欲しいとか言われる職人になりたいっす。・・・けど、職人の腕とは関係無しに、伝統のあるなしで判断する人が多くって・・・
立会人の言葉に首をかしげる「灯里」。彼女はずっと「マンホーム」の「ヴェネツィア」から伝統を受け継いだのが「ネオ・ヴェネツィアンガラス」だと思っていたのです。
「それが・・・伝統の継承は一度、途絶えてしまったんですよ。・・・マンホームのヴェネツィアが水没したときに、伝統を受け継いだ職人達が世界中に散ってしまって・・・。思えばその時、ヴェネツィアンガラス本来の高度な技術は・・・失われてしまったのかもしれません。そして、アクアにネオ・ヴェネツィアンを建造することが決まったとき、ヴェネツィアンガラスも復活させる気運が高まったんす。・・・文献、資料集めからかつての職人達の伝統技術を受け継いだ人捜し。本当に何もかも、ゼロからスタートしたそうっす。・・・そうやってなんとか、今日の形まで持ってくることが出来ました
立会人の言葉に彼が抱える事の大きさを実感した「灯里」。そして抱えていた言葉を口にした彼は、少しだけ気持ちが楽になったのを感じていました。
※日本の伝統芸能も、後継者不足に悩んでいるという話はニュースで良く耳にしますね。失われるまでは気がつかず、失われたときには取り戻し難い・・・それでも人々は伝統を残したい、復活させたいと頑張っています。

「まだまだ半人前ですが・・・うふっ」
言葉とは裏腹に一人前の責任感を持った「灯里」。見事に「ネオ・ヴェネツィアンガラス」を守る舵捌き&足捌きには立会人もビックリ。
---
「あの・・・工房ではすみませんでした。八つ当たりなんかして。・・・実は最近、一部の人達が言うんです。ネオ・ヴェネツィアンガラスなんて偽物・・・いい気になっている嘘物だって
やはり一部の心ない観光客達の言葉が、彼の心を、その誇りを傷つけていたのです。
「工房で汗だくになって、物作りに取り組んでいるマエストロの背中を見る度に、僕たち徒弟は、それが悔しいやら悲しいやら・・・とってもせつなくなるんす」
物作りの大変さ、抱えた誇り。それは「ウンディーネ」としてもまだ半人前の「灯里」にすべてわかるものではありませんでしたが、彼の想いの強さは、短いゴンドラでの道のりでわかっていました。
「・・・あなたが嘘物だって言われて傷つくのは、あなたのネオ・ヴェネツィアンガラスに対する思いが本物で、大切なものだからですよ。・・・私、この世には嘘物はないって思うんです。・・・たとえば、マンホームから観光で訪れたお客様の中には、結局ここはかつてのマンホームのヴェネツィアの偽物だって言う人もいます。確かに、街の作りだけ見ればまねっこかもしれません。でも、アクアとマンホームでは街が出来た過程も、流れた時間も違いますよね。・・・当然、そこで過ごした人も、紡がれた想いも違うと思うんです
本物か偽物か。その事は大事なことではないと「灯里」は立会人に続けます。彼女の話を黙って聞き入る立会人。彼の顔からは、いつしか怒りの表情が消えていました。
「・・・だって、ネオ・ヴェネツィアが大好きで・・・その気持ちを宝物みたいに感じられる私は、今・・・こうしてここに存在しているんですもの。・・・だから、何て言われてもへっちゃらぽん・・・です」
※職人だからこそ、誇りにこだわり「本物」であることにこだわってきた彼。もちろんその気持ちも大切なのですが、「灯里」の考え方、感じ方は実に「素敵」ですねぇ。(^_^)。

短いようで、長いような初めての大仕事は、こうして終点を迎えました。「暁」兄が待つ波止場に時間通りに到着した「灯里」。ねぎらう「暁」兄に「まだまだ半人前ですが」と謙遜してみせます。
「半人前も一人前もねえよ。責任を持って最後までやり遂げるのがプロってもんだ。その点、お嬢ちゃんは立派なプロだぜ。頼んで良かった
その言葉に、顔を赤らめて喜ぶ「灯里」。そんな彼女に、今度は立会人も喜んで荷物を差し出します。
「おい、小僧。何見つめているんだよ?・・・お前も灯里ちゃんのファンになっちまったのか?」
じっと「灯里」の背中を見つめる立会人に、フランクに問いかける「暁」兄。その言葉に、彼は若者らしく真っ直ぐに考え、自分の言葉で答えて見せます。
「・・・はい。この気持ちが本物か偽物か、まだよくわかんないですけど・・・素敵なウンディーネさんだって感じている僕は・・・確かに今、こうして存在しているっす
立会人の言葉に「ありがとうございます」と喜ぶ「灯里」。そんなふたりを見た「暁」兄は「弟のライバル出現か」とからかって見せます。
「ほへ?・・・暁さんはアリシアさんのファンですよ?
その意味もよくわからずに真っ直ぐに捉える「灯里」の様子に、後ろでは「アリシア」がいつものように微笑んでいました。
「うふふっ・・・」

ライバルどころか、自分の気持ちを理解しているだけ立会人の方が1歩先を行っているような・・・。(^_^)。
それにしても「暁」兄(本名はないのか?)は、ああ見えて流石貿易商だけあり、人を見る目は確かですね。実はこの1件、弟が密かに思いを寄せている「灯里」の力量を試そうとしかけたものだったりして・・・。

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