おおきく振りかぶって #25
#25「ひとつ勝って」
-冬-「三星中学」
「お前、本当に高等部行かないのかよ?」
ぼたん雪舞い散る、鉛色の空の下、まだ幼い顔をした「三橋」は彼の言葉にゆっくりと頷きました。
「・・・うん」
「埼玉でも野球やるんだろ?・・・止めんなよ、絶対野球部入れよ!・・・お前が今までやってきたのは違うんだよ・・・今止めちゃダメだからっ!!」
その言葉に、涙をボロボロに流す「三橋」がそこには居ました。
・・・
『修ちゃんは、先輩に混じって投げたんでしょう?・・・自分が投げて良いのかって、思わなかった?』
-夏-「西浦高校野球部」
「三橋」は試合の翌日、学校に来ませんでした。ちょっと様子を見に行こうとする「阿部」。
球技大会に汗を流す同級生達を見ながらも、「阿部」の頭の中は「三橋」のことばかり。
『あいつ・・・俺にはメールも返しやしない。ひょっとして・・・俺、嫌われているのか?』
-同時刻-「三橋家」
彼はベッドの上で唸っていました。そして・・・悶えていました。「阿部」からのメールに。
「どどどどどどどうしよう・・・さっきのメールもまだ返していないのに・・・。マウンドを降りなかったことだ。代われって言われたのに・・・。今度のメールには何て?」
『昼にオレと花井も行く』
主将を引き連れて叱りに来ると考えてますます悶える「三橋」。そこへ彼等がやって来ました。
「カレー・・・いっぱいあるよ」
ふらふらと「阿部」達を案内する「三橋」。その様子を注意深く見守る「阿部」。3kgも体重が減ったと聞いた彼は、ま・す・ま・す「三橋」を注目していました。
『食欲は・・・あるようだな』
「昨日、反省会で話したんだけど・・・三橋はなんでうちが勝てたと思っている?」
その言葉に、思わずカレーをこぼしそうになる「三橋」。
『・・・俺は4点取られた。試合中、阿部くんに凄い怒られた。投げられなくなっても、マウンドを降りなかった。・・・俺はこのチームで、本当のエースになろうと思った。思ったのに・・・全然、変わっていない』
うつむく「三橋」を、「阿部」は何かを読み取るように、じっと睨み続けていました。
はぁ~っ。終わってしまいましたねぇ~「おおきく振りかぶって」。
全ての野球アニメを見てきたわけではありませんが、「ドカベン」とも「タッチ」とも違う、「ひとつの野球アニメ」。
そう、何か、本当によいものを見せて貰った気がします。
まだ甲子園予選。それも初戦に勝利しただけですが、「西浦高校野球部」のきっと明るい前途を祈って。
ありがとうございましたっ! (^^)/
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