天元突破グレンラガン #27

#27「天の光は全て星」

 「・・・お前は螺旋族の遺伝子を中に組み込んだ、仮想生命。螺旋属の残党が反旗を翻す時に覚醒し、我々のメッセンジャーとなる。それだけの存在。・・・メッセンジャーがここまで抵抗するのは珍しい事例。お前が抗うその理由こそ、奴らのしぶとさの理由。それがわかれば、螺旋生命を一気に消滅できるはずだ」
 囚われの身となっている「ニア」。彼女は気丈に答えます。
 「あの人は来ます。・・・必ず」

 そして、その言葉通り、無限とも言える時空間を突破して、「シモン」は現れたのです。彼が最も信頼する仲間達を連れて。
 「馬鹿なっ、知的生命体が多元宇宙迷宮を突破できるはずがないっ!」
 「舐めんじゃねえっ! 時間だろうが、空間だろうが、多元宇宙だろうが・・・そんなこと知った事じゃねえ。手前の決めた道を、手前のやり方で貫き通す、それが俺たち・・・大グレン団だっ!!
 この時、「アンチスパイラル」の想像すら越えた、螺旋生命体の粋が誕生しました。

 「因果の輪廻に囚われようと」
 「残した想いが扉を開く!」
 「無限の宇宙が阻もうと」
 「この血のたぎりが運命を決める!」
 「天も次元も突破して、力で見せるぜ、己の道を!」
 「天元突破グレンラガン!!・・・俺たちを、誰だと思ってやがるっ!!」

 復活した「螺旋王」いや、「戦士 ロージェノム」すら仲間に加え、誇りをかけた一騎打ち。
 互いの技は時空を貫き、その叫びが星を越える。まさに宇宙を舞台とした最終決戦は、「アンチスパイラル」優位に進みます。
 「我らも元は螺旋族。だが、螺旋力の進化の果てが宇宙の崩壊に繋がることに気づいた我々は、螺旋の力を持つ者を滅ぼし、残った僅かな生命も、宇宙の片隅に押し込めた。そして我々は進化を止め、この隔絶宇宙に我が身を閉じこめたのだ。・・・母星に肉体と進化の可能性を封印したこの醜き姿こそ、我々の決意の印。・・・貴様らにそれだけの覚悟はあるか?
 同族殺しの汚名すらかぶり、宇宙崩壊を食い止めるためだけの存在へと姿を変えた「アンチスパイラル」。彼等の拳が「天元突破グレンラガン」の肉体へと襲いかかります。
 「決意もなく、覚悟もなく、己の欲望のままに螺旋力を使い、その力に溺れる。それが螺旋属の限界・・・だからこそ、滅びなければならないのだっ!」
 このままでは勝てない。このままでは愛する地球を守れない・・・。
 「シモン」や「ニア」、彼等の想いの力は「螺旋界認識システム」へと干渉し「地球」への時空転位バイパスを作り上げます。目の前に出現した「地球」の姿に驚く「シモン」達。
 しかし、想いの強さ、絆こそが「弱点」へとなりうる。そのことに気がついた「アンチスパイラル」の手が「地球」へと伸びていくのでした。
・・・
 「憶えておけ、このドリルはこの宇宙に風穴を開ける。その穴は、後から続く者の道となる。倒れていった者の願いと、後から続く者の希望。ふたつの想いを、二重螺旋へ織り込んで明日へと続く道を掘る。それが、天元突破。それが、グレンラガン。俺のドリルは、天を突くドリルだあああぁああぁぁっ!!」

 壮絶なAパート
 愛と哀しみのBパート
 そして、Cパート

 「天元突破グレンラガン」最終話、皆様はどのように感じられたのでしょうか。
 私的に語らせて貰えば、この2クール。非常に濃い時間を味わわせて貰いました。久しぶりに、熱い魂を持つことが出来たように思います。「シモン」「カミナ」「ヨーコ」「ニア」「ロシウ」「ヴィラル」・・・その他のキャラクター達。彼等の熱い生き様は、変わらない一週間を歩く私たちに、限りないパワーを与えてくれたように思います。
 キャスト、スタッフ、関わられた全ての皆様。本当に、ありがとうございました。

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天元突破グレンラガン #26

#26「行くぜダチ公」

 -貴き犠牲-
 「キタン」の命の輝きによって「大グレン団」最大のピンチは回避されました。
 「キタン・・・お前の意志は受け取ったぁあああぁっ!!」
 彼の意志を、彼の気持ちを無駄にせぬ為、今はひたすら闘いへ挑む。敵を砕けと拳が叫ぶ。

 「超絶螺旋超弩級ガンメン 超銀河グレンラガン」。
 惑星規模の破壊さえも無効化する螺旋フィールド、敵の存在を確実に滅するブーメラン兵器。その能力全てを持って「アンチスパイラル」へと特攻する「シモン」。しかし、敵も又、ここで退くわけにはいかない運命。
 「仲間を犠牲にして尚前に進むか・・・それこそが螺旋の民の宿業だ。その業故にお前達は滅ぼされなければならない。・・・見るがいい、この宇宙の行く末を。進化することしか考えぬ螺旋の力が、この宇宙を滅ぼすという結末を

 ヒトは、いや生命は「螺旋力」をより得るための形へと進化してきた。
 しかし、進化の果てとは「滅亡」。
 「螺旋力」の制御ができなくなり、全ての生命が「過重銀河」へ姿を変えると「アンチスパイラル」は言います。
 「過重銀河は互いに食い潰しブラックホールとなり、この宇宙は無へ帰る。それが、スパイラルネメシスなのだ」

 視覚、いや精神へと直接見せられる非情な結末。「螺旋力」を操る「シモン」だからこそ、虚構ではなく真実と理解してしまいます。

 見えるが為の苦しみ。挫けそうになった「シモン」を救ったのは、生体コンピューター「ロージェノム」の言葉でした。
 「・・・シモンは直感的に悟ったのだ。アンチスパイラルの言葉が真実だと。・・・しかし、真実はもうひとつある。それは、ニアがお前を待っているということだ。地球が、螺旋族が滅ぼされぬよう、耐えているということだ
 そう、自分の愛する女性を、自分の愛する世界を、見捨てるわけにはいかない。
 無量大数の「アンチスパイラル」を倒すため、「螺旋力」の軌跡を、多次元へと広げる「グレンラガン」。
 確率でしか存在しない敵ならば、時空ごと倒せばいいっ! 過去も未来も吹き飛ばし、一気に蹴散らせと魂が叫ぶ!! 「超銀河・・・ギガドリル、ブレェェイカァァァァァァー!!」
 ・・・その瞬間、宇宙が輝きました。

 ちょっとビックリBパート(「上川隆也」を持ってくるかぁ)。
 でも、これでひとつの区切り。
 最終話、最終決戦に向けて思い残すことは無くなりました。
 胸に掲げたドリルを握り、目指す先は只ひとつ。お前の女が、待ってるぜ。

 「待たせたな、ニア」

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天元突破グレンラガン #25

#25「お前の意志は受け取った!」

 人類。・・・そう、ヒトと獣人の精鋭たる「大グレン団」。
 全ての決着をつけるため、アンチスパイラルとの決戦に勝利するため、最後の出港を果たした「超銀河ダイグレン」。
 しかし、その雄姿は今、銀河の海へと沈んでいきます。

 「空間が、超高密度に圧縮されているの。それで、海みたいに見えるのよ」
 螺旋力をも飲み込む「デススパイラルフィールド」。最深部へと沈降すれば「超銀河ダイグレン」とて、持たない。
 「・・・ようは、吸収されるよりも早く、エンジンを吹かせればいいんだろうが。俺たちのパワーは無限だ。折れない心がある限りっ!」
 「シモン」が、「ヴィラル」が、全ての精神力を「超銀河ダイグレン」へとたたき込みます。挙がる出力、迎え撃つ敵。
 ふたりの「螺旋力」は「デススパイラルフィールド」の吸収力を越え、少しずつ船体を上昇させていきます。
 あとは、甲板へ張り付いている「ムガン」の群れを倒すのみ。
 戦いの中心へと向かう「キタン」と「ヨーコ」に、「ギミー」は問い尋ねます。「死を恐れないのか、怖くはないのか」と。
 「ずるいですよ、そうやって死に場所を求めて。僕だって戦いたい・・・でも、身体がどうにも動かないんです
 決して臆病などではない、数々の死線を乗り越えた「ギミー」でも抑えられない身体の震え。絞り出すような声に、数秒の沈黙の後「キタン」は答えました。
 「バァアァーカッ! どこに死ぬのが怖くない人間が居る? でもなぁ、仕方がないんだよ。これしか能がないんだよ。俺たちは好きにやってるんだよ!・・・怖いからなおのこと、前に進むしかないんだよ。・・・これだけは言っておくぞ。ジョーガンとバリンボーがお前達を助けたのは・・・助けたかったんだよ。だから、お前達が重荷に感じることはねえ!
 上手く言い表せない自分に苛立ちを感じる「キタン」。そんな彼を「ヨーコ」はどこか微笑ましく見つめます。
 「この年になってあらためて思う。・・・カミナってのは、たいした漢だった」
 「・・・でもね、キタン。あんたが居たから大グレン団はここまで来れた。シモンが上から引っ張って、あんたが下から押し上げて、そうやってここまで来れた。私はそう思うよ。・・・それも立派な漢の仕事じゃない?
 「ヨーコ」の言葉に照れながらも、「キタン」は戦場へと飛び立ちます。これもまた、立派な漢の仕事です。

 「なあ、ヨーコ。・・・地球に戻ったら、お前の子供達に会わせてくれるか? 俺はよう、こう見えても子供好きなんだよ。こいつらブチ倒して、アンチスパイラルやっつけて地球へ戻ったら、その時は・・・」
 そう、その時は・・・。

・・・
 ついに辿り着いた「デススパイラルフィールド」の最深部。300秒しかない決戦の時に、残された超螺旋弾は只一発。常識を越えた圧力を超えて、是が非でもこの弾を「デススパイラルマシン」へと叩き込まなければなりません。
 「・・・超螺旋弾を、スペースキングキタンに積み込め。大ガンメンモードなら装甲は厚い。時間がねえ、螺旋弾の装甲強化より、早くて確実だ。・・・そういうこったろう?
 彼の言葉に振り返る「ヨーコ」。その両肩を力強い腕が掴みます。
 強引な、でも決して力ずくではない「キタン」の抱擁に、一瞬闘いを忘れる「ヨーコ」。抱きしめたときとは反対に優しく、彼は両手を離します。
 「すまねえ、これも俺の我が儘だ・・・」
 驚きの表情から、安らぎの表情へと変わり、どこか物悲しくも見える「ヨーコ」の笑顔。今度は彼女が「キタン」を抱きしめました。
 「好きでやっているんでしょう?・・・止められない」

 只の豚ではないと思っていましたが・・・「ブータ」何者!?(^_^)
 そして、ついに誕生した「超絶螺旋超弩級ガンメン 超銀河グレンラガン」。
 しかし、しかし今日の主役は間違いなく、「キタン」その人でした・・・。

「お守り代わりに拝借してきたグレンラガンのドリル、使わせてもらうぜぇええぇっ! ・・・こいつはシモンの、大グレン団の、人間の、いや、この俺様の魂だああぁああっ! てめえごときに、食い尽くせるかぁあああぁあっ!! キィィィング キタァアァーン ギガドリルゥゥウウゥブレイクゥウウウウッ!!!・・・・・・これが螺旋の力かよ・・・たいした・・・ものじゃねえか・・・」

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天元突破グレンラガン #24

#24「忘れるものか この一分一秒を」

 これは戦闘因果に支配された宇宙の運命に風穴を開ける漢の物語。

 時空を越えた愛の力。「ニア」に渡した指輪を追って、「アンチスパイラル」の母星を発見した「大グレン団」。
 ついに決戦の時を迎え、「超銀河ダイグレン」第一艦橋で「シモン」が吼えます。
 「行くぞ・・・これが大グレン団、最後の戦いだっ!」

 (諸般の事情で地上波では映せませんが)そこに見えたのは巨大な女性の裸身・・・囚われた「ニア」の姿でした。
 「愚かなる螺旋の民よ・・・かすかな希望にしがみつき、絶望の淵から何度もはい上がってくる。なんと愚かしいことか。・・・だが、それも終わりだ。お前達の希望の光は、あの娘と共に消えるのだ
 全方向から響き渡る「アンチスパイラル」の声。その言葉と共に、彼等の前には巨大な・・・石顔の塊が姿を見せます。
 敵本拠地を示す唯一の手がかり、「ニア」を救い出すために出撃する「アークグレン」達。対して石顔も搭載機を発進。その数、なんと無量大数。
 「シモン、こっちで突破口を開くから、後は宜しくっ!」
 「ヨーコ」や「キタン」、「ギミー」や「ダリー」は、圧倒的とも言える敵の数量に互角以上の戦いを見せ、「シモン」が特攻する間隙を作って見せます。そして、「アークグレン」の螺旋力を持って突破を計る「シモン」。

 しかし、石顔の質量もまた常識を越えていました。

 「敵がでかすぎる・・・こいつのドリルでは足りないっ
 地上最大級を誇る「アークグレン」よりも、もっと大きな螺旋力。その答えを「シモン」が模索していたとき、彼等の乗ってきた母船「超銀河ダイグレン」がその可能性を示して見せます。
 「人の形こそ螺旋力を最大限に発揮させる形。超銀河ダイグレンを人型へと変形させれば、螺旋力は何倍にも増幅され小宇宙にも匹敵するパワーを内包した存在となる
 そう、まさに「超銀河グレンラガン」。背中を守る戦友達に見送られながら「シモン」は前線を後にするのでした・・・。

 戦いは、数。
 戦術的勝利を積み重ねても、戦略的勝利を得ることは出来ない・・・。
 死地に赴く戦友達を、その声を聞きながら「一分一秒を忘れずに」変形への螺旋力を溜めていった「シモン」。
 しかし、その努力は敵の罠によって阻まれる・・・のか。
 次回「お前の意志は受け取った!」を刮目して待てっ!!

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天元突破グレンラガン #22

#22「それが僕の最後の義務だ」

 「人と獣のふたつの道が、捻って交わる螺旋道!」
 「昨日の敵で運命を砕く、明日の道をこの手で掴む!」
 「宿命合体グレンラガン!・・・俺を誰だと思ってやがるうぅっ!!」

 人事を尽くして天命を待つ、なればこそ、打てるべき手は全て打つ。
 
 「シモン、アークグレンは俺たちに任せて、お前は月をっ!」
 頭上にでっかく輝く月の、破壊兵器を倒すため、グレンラガンは月面を目指します。
 「ヴィラル、弐発目が来る前にビーム砲を潰すぞ」
 「いきなり命令か?」
 「命令じゃない、提案だ」
 「だったら、のったぁっ!」
 これも「螺旋力」なのか、光学兵器であるビームをドリルの先に収束させて、一気に月面へと押し返す「グレンラガン」。月面に無数にあったビーム砲が、瞬く間にスクラップへと化していきます。
 「グレンラガン」の威力を、「アークグレン」を守る螺旋力を目にして、自分の考え方が間違っていたのかと自問する「ロシウ」。迷う彼を導くかのように、生体コンピューター「ロージェノム」が過去の記憶を呼び覚ましていました。
 「月に・・・月に行け。あれは、我が・・・」

 その答えを封じるためか、突如狙いを「アークグレン」へと切り替える巨大「ムガン」。「アンチスパイラル」の渦に取り込まれた「アークグレン」は螺旋力を失い、「ロージェノム」は沈黙します。そして、助けに入った「グレンラガン」もまた・・・。
・・・
 「このままでは、アークグレンがもたないっ」
 「ロシウ、諦めるなぁっ! 俺たちはいつもギリギリで踏ん張ってきた。ダイグレンを奪ったときも、テッペリンを落としたときも、ギリギリまで粘って勝利を勝ち取ったんだっ!
 弱音を吐く「ロシウ」を叱咤する「シモン」。そして、彼の次の手を読むようにキーボードへ指を走らせる「リーロン」。
 「忘れたの?・・・アークグレンはテッペリンと同型の大型ガンメンってことよ」

 そこへ、巨大ドリルで「ムガン」の渦を突破した「グレンラガン」が突っ込んできます。特攻?突撃?いいえ、あれは・・・。
 「これは・・・アークグレンとグレンラガンが合体したのか!?」
 叫ぶ「ロシウ」の言葉通り、多量の螺旋エネルギーとともに変形シグナルを送りつける「グレンラガン」。
 「艦内重力、変形に対応。・・・シモン、OKよ。いっちゃってっ!」
 誰もが目を疑う光景でした。腕が、足が、そして巨大な顔が出現する「アークグレン」。そして、コクピット部分には、「グレンラガン」が巨大な操縦者となって・・・。

 「銀河も運命を突破して!」
 「命の叫びが銀河に響くっ!」
 「怒濤合体、アークグレン・・・ラガアアアァアァンッ!!」

 「螺旋力」と「アンチスパイラル」。銀河をわかつ巨大エネルギーの激突は、ただ一発の拳にて決着を迎えます
 「くらぇえっ、時空裂弾バァーストスピニングゥウッ!!」
 その破壊力は、時空に巨大な裂け目を出現させ、哀れ「ムガン」は時空の彼方に。

 「・・・これが、螺旋の力の覚醒ね」

 実に濃いAパート。心に迫るBパート。
 まさに人類の命運をかけた戦い。しかも、これはまだ序章に過ぎないのです。
 「月こそ我が旗艦。カテドラル・テラだ」
 さあ、これで第一話。これまではオープニング。

 「地球人類殲滅システムが無効化されたことで、アンチスパイラルは全面戦闘状態に入ります。・・・アンチスパイラルの本体は、覚醒した螺旋族を滅ぼすためこの銀河に到着するでしょう
 「もし、俺たちが勝ったら、お前は元に戻るのか?
 「・・・私は、あなた方のデータ解析のため、アンチスパイラル本星に召還されます。その可能性は、果てしなくゼロに近い
 「でもゼロじゃないんだな。・・・だったら、俺にとっては百パーセントと同じ事だ」
 「・・・迎えに来てくれるのですか」
 「俺を、誰だと思っている」

 「シモン」は、ひた走り続けます。

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天元突破グレンラガン #21

#21「あなたは生き残るべき人だ」

 「宇宙に出たとしても、彼等に待っているのは・・・絶望です」
 かつての同僚、かつての恋人、かつての婚約者である「ニア」の言葉に、留置場に囚われている戦争犯罪人「シモン」は絶句する。
 「アークグレン」に乗り込めず「カミナシティ」に取り残された人類、そして地下に避難した64万人もの人類。彼等を見捨てても人類絶滅を防ごうという「ロシウ」の計画を、「ニア」は「無駄」と切り捨てる。
 「・・・しばらく見ないうちに、ずいぶんつまんない女になったわね、ニア
 追い詰められた「シモン」達の前に現れたのは、新政府を離れていた「ヨーコ」だった。彼女の登場に「諦めなさい」と言葉を残して消え去る「ニア」。
 そして同時刻、成層圏を突破した「アークグレン」の前に、巨大な2体の「ムガン」が姿を見せていた。
 「これも、罠だというのか・・・」

・・・
 一年前。
 辺境の小学校に教師として赴任してきた「ヨーコ」。彼女は恐怖政治で学校を掌握していった(嘘。
 初めて地上で生まれた若い命。その背中を見守りたいと「ヨーコ」は願う。
 「・・・六年前まで人間達はずっと地下に暮らしていました。それを開放したのがカミナと・・・シモン。ふたりの英雄でした」
 教科書へ目を落とす「ヨーコ」。その目に映るのは英雄達の写真。片隅には真っ直ぐな目をした「ヨーコ」の姿。
・・・
 授業、給食、放課後の遊び・・・。生徒達と打ち解けていく「ヨーコ」。彼女の周りでは子供達の笑顔が溢れています。
 彼女は、このまま教師として生涯を終えても良いと、思っていました。・・・あの事件が起こるまでは。

 「取り戻してみせる。子供達が、安心してお日様見て暮らせる世界を」

 女教師「ヨーコ」。実に格好良い教師ぶり(眼鏡も似合っていますしね)。あれは惚れますね。(^_^)。
 そして、あの子供達を守るためにも「月」の落下だけは防がなくてはならない。たとえ「ニア」が相手でも。

 「人と獣のふたつの道が、捻って交わる螺旋道!」
 「昨日の敵で運命を砕く、明日の道をこの手で掴む!」
 「宿命合体グレンラガン!・・・俺を誰だと思ってやがるうぅっ!!」

 敵を、運命を、宿命を、越えて見せろ「グレンラガン」ッ!!

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天元突破グレンラガン #19

#19「生き残るんだ どんな手段を使っても」

 「シモンを出せえええっ!」
 「責任を取らせろおおおぉおおっ!」
 民衆の声が為政者を非難します。
「大グレン団」が「螺旋王ロージェノム」を倒したから月が墜ちてくる・・・。
 全ての市民は、当事者達さえもが先ほど知ったばかりの「事実」を知ってしまった。
 「彼等にとって、今のあなたは昔のロージェノムと同じなのです。・・・だから、同じように裁くしかない」
 民衆によって倒された「カミナ」像。眼前にその光景を見つめる「シモン」の目は揺れていました。
・・・
 「・・・あなたは昔のカミナさんそのままだ。彼の死から何も学ばなかったのか?・・・このドリルは預かります。皮肉なものですね。あなたの力の源は、人類の災厄の種だったわけだ
 「ロシウ・・・今のお前に、兄貴の気持ちはわからない。彼の死が・・・俺たちに何をくれたのかもな」
 7年間の月日がふたりの間を別つたのか。ふたりの眼は、もう同じ光景を見つめることはないのか・・・。
・・・
 「・・・地下1000メートル以上で、月衝突の衝撃に耐えられると想定される構造の地下都市は、全世界で36。約64万人の収容が可能です
 「それだけの文明を築いていた過去の人類に、感謝しなければいけないな。・・・僕たちは生き残るんだ。どんな手段を使ってもな」
 もはや「新都カミナシティ」の名実ともにトップとなった「ロシウ」の元へ、全ての情報が集められていました。
 切り捨てなければならない36万人もの命。その選択権すらも彼ひとりが握っていると言っても過言ではないでしょう。
 「・・・ロシウ補佐官。生体コンピュータの深層データベースにこんな情報が。・・・カミナシティ議事堂直下の地中です」
 そこには、「螺旋王ロージェノム」最後のカードが眠っていたのです。

 考えてみれば「アンチスパイラル」の本拠地ではなく、ただの「地球」用破壊兵器でしかない「月」。物語の最終地点にはちょっと弱い場所ではありますね。
 1話のオープニングにあったように、最終決戦地は宇宙なのか。「アークグレン」はそのための兵器なのか。

 さて、7年の月日が経ったとはいえ、視聴者の目からは変容しすぎている「ロシウ」の態度、彼についていく決意をした「キノン」の「お兄ちゃんはロシウのことを何も別っていない」という言葉・・・まだまだ謎は尽きない「天元突破グレンラガン」。
 私的な注目はベタではありますが、「シモン」と「ニア」の終着点ですね。
 前途多難ですが「ニア」の左手薬指に光る婚約指輪・・・それが最後のキボウでしょうか。

 それにしても、「ロージェノム」の置きみやげ、第四世代型超光速恒星間航行用(嘘)超弩級巨大スペースダイガン「アークグレン」があったとはいえ、「ロシウ」のアジ演説もなかなか聞き応えがありましたね。(^_^)。
 あ、あと「キノン」の揺れっぷりも。(^o^)。

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天元突破グレンラガン #18

#18「聞かせてもらうぞ この世界の謎を」

 DVDも発売された「天元突破グレンラガン」。第1巻はオーディオコメンタリー付きなのですが、「カミナ」役の「小西克幸」さんが、「(第一部の)主人公は俺じゃないか」と話されていたのが印象的でした。確かにDVDやグッズのCMでも「カミナ」がナレーションを務めることが多いですね。(^^;)。
 
 「地球人類に告げる。我々反螺旋族『アンチスパイラル』は、地球人類が螺旋力危険レベル第二段階に達したと判断。これより、人類殲滅システムを発動します
 突然の宣戦布告。それは「ニア」からの言葉であり、「ニア」の言葉ではなかった。
 「・・・あんな馬鹿げた事を言っているのは、本当にニアなのか!?」
・・・
 「成功です。生体コンピュータ起動しました」
 同時刻。「ロシウ」は生体コンピュータ「ロージェノム」の前に居た。
 「さあ、今度こそ聞かせてもらうぞ、この世界の謎を・・・」
 「冥府の棺を開けて死者を引きずり出すか・・・酔狂なことだ」
 記憶と知識をデータとして残した生体コンピュータ「ロージェノム」。彼に「ロシウ」は問い尋ねます。「螺旋の力」とは何か、「アンチスパイラル」とは何か・・・。
 「螺旋力とは進化する力、螺旋遺伝子を持つ生命。螺旋構造を持つ銀河を全て象徴する螺旋エネルギーにより、無限増大する。それがこの宇宙の理(ことわり)だ。・・・だが、その力を恐れる者達が現れた。それが反螺旋属『アンチスパイラル』だ。我が肉体ロージェノムもかつてはこの銀河を守るため、アンチスパイラルと戦う螺旋の戦士だった」
 テッペリン、ガンメン、ラガンですら「アンチスパイラル」と戦う兵器だったと答える「ロージェノム」。特に「ラガン」は合体したメカを支配できる螺旋力発動のコアマシン、最強兵器のひとつだったという。
 「そして、我々はアンチスパイラルとの戦いに負けた・・・
 戦いに敗れた螺旋属は、それぞれの母星へと逃げ帰った。この地球も、そのひとつ。
 「・・・この銀河を制圧したアンチスパイラルは、螺旋生命反応のある惑星に、螺旋生命体殲滅システムを配備した。地上の螺旋生命体が一定数を超えると、それを感知して起動する。・・・これでも、種としての人類を存続させようとしていたのだよ」
・・・
「三週間後、月は軌道を離れ地球へ激突する。・・・それで終わりです」

 与えられた真実。それは時に、人を絶望の縁へと陥れる。
 7年という月日は世界を変え、ベテランをロートルへと落とし、人の考え方さえ変える。変わりたくないと考えるのは、我が儘なのか。圧倒的な支持は反感へと変わり「シモン」は民衆を敵に回しました。
 確かに政治の世界では、犯した失態・過ちは誰かが責任を取らなければなりません。
 しかし、それは「人の世の理」。それで決着がつくのは「人の世界」だけなのです。
 果たして、「宇宙の理」に対して「人」はどのように接するのか。運命に対して選択肢はひとつ。受け入れるか抗うか、答えはひとつです。

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天元突破グレンラガン #17

#17「あなたは何もわかっていない」

 7年の月日は「大グレン団」を変えて・・・。
 というわけで変わりましたねオープニング。これまた意味深な映像のオンパレード。
 目が離せない展開目白押しでしょうか。

 テッペリン陥落から7年
 -「新都カミナシティ」王都跡に築かれた人間達の都-

 地上に現れた人間達。今までの鬱積された想いを解き放つかのように、瞬く間に彼等は繁栄を極めていきます。
 解かれた小さな謎、残った大きな謎。
 しかし、人間達には過去の積み残しよりも、明日の希望を優先させていました。
 「ロージェノム」が残した言葉の意味を忘れ去ったかのように・・・。

 -首脳部会議-
 「しかしよぉ、本当に月に何かあるのかよ、シモン?」
 「総司令と呼んでください。キタン法務局長」
 「シモン」の補佐を務める「ロシウ」の言葉が会議室へと響きます。
 「百万匹の猿がこの地に満ちたとき、月は地獄の使者となりて螺旋の星を滅ぼす・・・これが、ロージェノムが最後に残した言葉だ」
 科学局長官「リーロン」が打ち上げた月探査ロケット。果たして、それは何を見つけるのか、何も見つけられないのか・・・。人民局の人口調査と合わせて、新政府の重要課題のひとつです。

 そして、新政府幹部の「ダヤッカ」にはもうひとつ重要課題が・・・。
 「そうか、そろそろか・・・」
 「何を呑気なことを言っているんだよ、キタン。お前は『おじさん』になるんだぞ?」
・・・
 「黒の兄弟」。その長女「キヨウ」と「ダヤッカ」は惹かれ合い、夫婦として結ばれ、彼女のお腹にはひとつの小さな生命が宿っていました。姉の身を案じた末っ子「キヤル」が家事を手伝う中、幸せな家庭にもうひとつ、明るいニュースが訪れます。
 「プロポーズ!?・・・そっかぁ、やっとシモンも重い腰を上げたかぁ」
 相談に訪れたのは「ニア」。彼女は「シモン」から求婚されていたのです。

・・・
 「もうそろそろいいかなって思うんだ。王女とかグレン団とかそういうのじゃなくて・・・ただ同じものを見て、同じ音を聞いて、同じように笑う。そう言う暮らしをしてもいいんじゃないかって。・・・俺の目がニアの目で、ニアの耳が俺の耳で、そういうの、いいんじゃないかって。・・・結婚しよう、ニア
 いつになく真剣な「シモン」。その言葉に「ニア」の頬は紅く染まります。いつの間にか自分よりも遙かに大きくなった「シモン」。頼もしそうに「ニア」は見上げ、笑顔を浮かべて答えました。
 「やだ」

・・・
 「断ったのぉお!?」
 「何で断るんだよっ!!」
 驚愕の表情を浮かべる「キヨウ」と「キヤル」のふたりに対し、いつもと変わらない微笑みを浮かべる「ニア」。
 「ふたりが同じ人間には、なれないんじゃないかなぁって」
 沈黙が世界を・・・支配しました。

 すったもんだの末、「ニア」はひとりの男性に電話をかけました。その相手はもちろん・・・。
 「あの・・・たぶん・・・私とシモンは違う人間です。ずっとずっと、違う人間です。でも、違う人間同士だから一緒に暮らしていけると思うんです。ありがとう。この指輪、とっても嬉しい

「地球人類に告げる。我々反螺旋族『アンチスパイラル』は、地球人類が螺旋力危険レベル第二段階に達したと判断。これより、人類殲滅システムを発動します」

 なかなか濃密な30分。圧倒的な情報量は見応えがありましたね。
 新しい敵「アンチスパイラル」については「生体コンピュータ」=「ロージェノム」がヒントを教えてくれそうです。

 生まれ出た新しい生命、刻まれたカウント、変容を来す「ニア」、迫り来る「アンチスパイラル」。
 そして、一枚岩ではない「新政府」、平和ボケしている市民、一部の議会幹部、彼等にとっての正義を訴える反政府ゲリラ・・・。
 ちなみに一番驚いたのは「ココ爺」は「獣人」だったという真実。・・・あの人間離れした活躍ぶりにも得心です。

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天元突破グレンラガン #16

#16「総集片」

 7年が過ぎた。
 人は平和な日々をむさぼっている。
 飢えた胃袋に破滅という酒が注がれるとも知らず。

 次回、天元突破グレンラガン「あなたは何もわかっていない」

って、ええええええぇっ!?

-----以下、気になるメッセージ-----
こんにちは。ツイン・テル子です。
この村のこと、少しだけ話します。
この村に水道は通っていません。
農業用にポンプを使う電力で手一杯なのです。
ですから、広場の湧き水を汲むのは皆の日課です。
しかし、通路の天井が低さにはうんざりです。
ケーブルやパイプがすっごいジャマだし、腰が痛いなぁ・・・。
おかずは少ないけど、ごはんがあればだいじょうぶです。
では、いただきます。

こんにちわ。メガ・ネッ子です。
今、私は炊き出しのお手伝いをしています。
近くに河があるので、水や食べ物はそこで調達できます。
地下にいるときより、お腹いっぱいになる日が多いかな。
これでガンメンが居なければ・・・。
この場所は大昔に何か別の使い方をしていたみたいですが、
今ではよくわかりません。
夜は獣の声が聞こえます。
見かけたらつかまえてたべちゃうのです。
あしたはガンメンこないといいな。

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